Krush 11.26 後楽園ホール(レポ):鈴木勇人、トファネリとの打ち合い制しリベンジ。東本央貴、大月晴明に延長判定勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
大阪梅田中津 キックボクシング ジョウジム
キックボクシングで楽しく運動!燃焼!ストレス発散!初心者でも経験者でもしっかり指導。見学・体験大歓迎!
Krush.143
2022年11月26日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
鈴木勇人、トファネリとの打ち合い制しリベンジ
第10試合 メインイベント スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/元Krushスーパー・ライト級王者)
×ヴィトー・トファネリ(ブラジル/ブラジリアンタイ/闘英館)
判定3-0 (箱崎29-28/梅木29-28/西村30-28)
今大会では王者・璃明武と挑戦者・永坂吏羅によるKrushスーパー・バンタム級タイトルマッチがメインイベントだったが、璃明武の負傷で中止となり、鈴木とトファネリの一戦がメインイベントに繰り上がった。
両者は21年3月のK’FESTA.4 Day.1で対戦し、トファネリが右のローとカーフキックを効かせて鈴木を追い詰め、左フックで鈴木の右まぶたを切り3R TKO勝ちしている。鈴木は続く寺島輝戦でも判定負けし3連敗となったが、今年4月の林健太戦、8月の近藤魁成戦で連続KO勝ち中。今回の再戦の前日会見で鈴木は「あの時は自分の戦い方を分かっていなかった。今はどうすれば勝てる、負けるというのが分かる。圧倒的な勝ち方でリベンジしたい」とコメントしていた。かたやトファネリは前回の鈴木戦後、林健太、佐々木大蔵、稲垣柊相手に3連敗中だ。
1R、両者サウスポーで構え、鈴木が序盤から積極的に左ローを当て続け、ミドル、ハイにもつなぎ優勢。だがトファネリも随所で右インロー、左ローをコツコツ返して応戦する。記者採点は東本。
すると2R、トファネリが右インローをコツコツ当てていると効き目を発揮し、鈴木はスリップしてしまう。鈴木は左の蹴りが減り、パンチで詰めようとするが足取りが重く詰め切れない。逆にトファネリはバックスピンキックでハイとローを当てて鈴木をぐらつかせ好印象を残す。
だが3R、インターバルで回復した鈴木は、序盤から左のミドルとローを連打し、パンチの打ち合いでも当てて先手。トファネリも右インローを返すが、鈴木は耐えて前に出て蹴りとパンチを返す。終盤には左ミドルを効かせて下がらせるが、トファネリも左フックをお返し。最後に左フックが交錯し、鈴木が倒れたが、豊永レフェリーはダウンとみなさない。鈴木が手数では上回って終える。記者採点は鈴木。合計29-28で鈴木。2Rのトファネリにつけなかったジャッジがいたのは疑問だが、ジャッジ3者も鈴木を支持し、鈴木の判定勝ちとなった。
東本央貴、大月晴明に延長判定勝ち
第9試合 セミファイナル 64kg契約 3分3R(延長1R)
×大月晴明(NEXT LEVEL渋谷/元Krushスーパー・フェザー級王者、元ISKAムエタイ・インター コンチネンタル・スーパーライト級王者、元WPKC世界ムエタイ&全日本ライト級王者)
○東本央貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
4R 判定1-2 (箱崎9-10/西村10-9/豊永9-10)
3R 判定0-1 (箱崎29-30/西村30-30/豊永30-30)
大月は昨年1月の明戸仁志戦で6年ぶりにKrushに上がり、KO勝ちしてから約2年ぶりの試合。12月30日で49歳になる。東本は瓦田脩二、弘輝、竜樹相手に3連敗中だ。
1R、大月はサウスポーの東本に右インローを度々当てつつ、スイッチも織り交ぜ左ボディ、左フックもヒット。東本は左右のミドルを返し、終盤には左フックを強打し渡り合う。記者採点はイーブン。
2R、東本は左ボディを当て、パンチの打ち合いで左フックを当て、時折大月をぐらつかせ好印象を残す。大月も左ジャブ、左ボディを返すが、東本をぐらつかせる当たりは乏しい。記者採点は僅差だが東本。
3R、東本は変わらず随所で左フック、ストレートをヒット。大月は少しふらつきつつも耐え、自分の左ボディ、右フック、アッパーを返し、一歩も引かない。記者採点はイーブン。合計29-30で東本。ジャッジは1者が同じ採点で東本を支持したが、2者は30-30で延長へ。
延長R、大月が積極的に攻撃を出すが、当たりは軽く、右ミドルのタイミングで、東本に右ジャブを合わせられ、頭がのけぞる。お互いカーフも蹴り、ベテラン対決ながら先端の攻防も見られるが、その中でパンチを打ち合い、東本が大月の攻撃の終わりに左フック、左右のアッパー、右ジャブを的確に当て続けやや好印象。大月もパンチを連打で当てるが多くは東本がブロックしている。記者採点は僅差だが東本。大月も手数は多かったため、ジャッジはやはり割れたが、2者が東本を支持し、東本が判定勝ちした。
王座挑戦消滅の永坂吏羅「相手はプロ失格」
第8試合 エキシビションマッチ 2分2R
―大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangライト級王者)
―永坂吏羅[りら](K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
勝敗無し
永坂はKrushスーパー・バンタム級王者・璃明武の負傷欠場によりタイトルマッチが消滅し、同門の先輩・大岩とエキシビションマッチを行った。
1R、永坂は積極的に左右のミドルを当て、なおかつ強打を大岩に叩き込み、試合消滅のうっ憤を晴らしたいようにも見えるアグレッシブな攻めを披露。大岩も応じるように手数を少しずつ上げ、パンチから右ローのコンビネーションをお返しする。
2R、永坂はガードを下げて大岩に打てとばかりに挑発したり、テコンドー仕込みの連続回転のバックスピンキックを当て、場内を沸かせる。最後は足を止めての打ち合いで沸かせた。
エキシの後、大岩は「鎖を辞めたんですけど、後継者探していました」と話し、永坂に鎖を渡そうとするが、永坂は「いらないっす」と苦笑しながら拒否し、観客を笑わせた。
続けて大岩は「レオナ選手がK-1のベルトを持っていますが、前回記憶飛んだんで、覚えていないんで、いち早くリベンジします」と宣言。永坂は「率直に言わせてもらうと相手はプロ失格だと思っています。俺から言わせてもらうと覚悟が足りないです」と璃明武を批判し「早く治してもらって、チャンピオン食って俺がK-1 NEXTになります」とアピールした。
第7試合 女子アトム級(45kg) 3分3R(延長1R)
×優(NEXT LEVEL渋谷)
○松谷 綺(ALONZA ABLAZE)
判定1-2 (梅木29-30/山根30-29/豊永29-30)
優は2月に菅原美優のKrush女子アトム級王座に挑戦し判定負けして以来の試合。松谷は6月の初代K-1女子アトム級王座決定トーナメント一回戦で菅原に判定負けして以来の試合。
1R、松谷が右ロー、左インロー、顔面狙いの右前蹴りといった蹴り技を的確にヒットしやや優位。パワーで勝る優が詰めて押す場面もあるが、パンチのヒットが伸びない。記者採点は松谷。
2R、松谷は変わらず右ローを当てるが、優が前に出付け、膝、パンチを当てる場面が増えると、松谷は少し消耗した様子に。記者採点は優。
だが2Rからお互い組む場面が増え、3Rには蹴り足キャッチも含めての注意の累積で両者に警告が出される。お互い有効打が減ってしまい攻めあぐね、終盤に松谷が顔面への右前蹴りを強打するものの、その後は優に押されてスリップを繰り返してしまう。記者採点は松谷やや優位だがイーブン。合計29-29でイーブン。ジャッジは割れ、2者が松谷を支持し、松谷の判定勝ちとなったが、苦戦のためか喜びの笑顔は無かった。
第6試合 女子ミニマム級(48kg) 3分3R(延長1R)
○MOE(若獅子会館)
×ケイト・ウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪/M-1 JAPAN女子ライトフライ級王者)
4R 判定3-0 (伊藤10-9/豊永10-9/梅木9-10)
3R 判定1-1 (伊藤29-30/豊永30-29/梅木29-29)
MOEは6月のK-1女子大会でMARIに延長判定勝ちして以来の試合。8月に20歳になった。ケイトも6月のK-1に出場しKAIに判定勝ちして以来の試合となる。
1R、前に出るMOEに対し、ケイトは随所で左ミドル、右前蹴り等を当てる。軽い当たりが続いたが、終盤には右ハイをクリーンヒット。さらに左の三日月も連打し、しっかり差を印象付ける。記者採点はケイト。
2R、ケイトが変わらず距離を取り随所で左ミドルをヒット。蹴り数はやや減ったが、MOEもパンチのヒットが伸びず、ケイトから主導権を奪うほどにはならない。記者採点はイーブン。
3R、MOEは圧力を強めて距離を詰め、左右のフックの手数を上げ随所で当て挽回する。ケイトはつかいが多いと芹沢レフェリーにみなされ注意1を受ける。ケイトもミドル、膝、ストレートを随所で返すものの、下がる場面が目立ち印象が悪い。記者採点はMOE。合計29-29でイーブン。ジャッジは三者三様で延長へ。
延長R、MOEがミドルの相打ちの場面でケイトをぐらつかせ、右ストレート、左ハイでもケイトをぐらつかせ若干優位に。ケイトも右膝を随所で返すが、つかみが多いとしてまたも芹沢レフェリーから注意されてしまう。記者採点は僅差だがMOE。ジャッジはやはり割れるが、2者がMOEを支持し、MOEが判定勝ちした。
第5試合 75kg契約 3分3R(延長1R)
○ブハリ亜輝留(ウィラサクレック・フェアテックス幕張)
×ジュリオ・セザール・モリ(ブラジル/ブラジリアンタイ/team Mori)
判定3-0 (30-27/30-27/30-28)
1R、ブハリが随所で右ミドルを強打しつつ、中盤以降に次第にパンチの連打をまとめる場面を増やし、モリを追い詰める。
2R、ブハリは変わらず前に出て、左ミドルを当てつつ、随所でパンチをまとめ、主導権を維持する。3R、モリは右ストレート、左ジャブ、右ローのヒットを増やして持ち直すが、ブハリは左ミドル、右ストレートを随所で当てて、反撃を封じ判定勝ちした。
第4試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
×松岡翔大(ISHITSUNA MMA)
判定3-0 (30-29/30-29/30-28)
1R、松岡がサウスポーでプレッシャーをかけ、左ハイ、ミドル、ローを度々当て主導権。だが2R、松岡はつかんでの攻撃が増え、注意の累積で警告に。塚本もつかみが増え注意を受けるが、その合間にパンチのヒットを増やし、やや好印象に。
3R、松岡はつかんでからの膝を当てる反則を2Rに続き犯してしまい、豊永レフェリーから減点1を宣告される。松岡は疲れて動きが鈍り、塚本が随所で右ストレートを強打しやや優位で終了。減点1分の差が要因となるも、塚本が判定勝ちした。
第3試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○齋藤祐斗(JK TRIBE)
×松本涼雅(team ALL-WIN)
判定3-0 (30-29/30-29/30-28)
1R、齋藤が圧をかけ、松本が回る構図で、齋藤が右ロー、松本が左の顔面狙いの前蹴りで印象を作るが、お互い攻撃が少なく、まだ差は乏しい。
2R、序盤こそ松本が左ハイを当てたものの、中盤以降は齋藤が右ストレート、左フックを随所で強打し好印象を残す。
3Rもその流れが続き、齋藤が左フックを度々強打し、松本を苦しめ判定勝ちした。
第2試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○松山勇汰(TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO/K-1甲子園2020 -60kg優勝)
×SOUL(IMPACT)
1R 0’32” KO (左ハイキック)
1R、開始すぐからSOULがパンチを振って詰めて来たが、松山はロープを背負いつつ、左の膝蹴りをSOULの脇腹に当ててガードを下げさせてから、左ハイを当ててダウンを奪う。SOULは立ち上がるがダメージが大きく、グローブタッチの直後、松山が左ハイで再びダウンを奪いKO勝ちした。試合後のマイクで松山は「3月のK’FESTAに出たいです」とアピールした。
第1試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○目黒翔大(優弥道場)
×松本和樹(T-GYM)
判定2-1 (30-29/29-30/30-29)
1R、松本はスイッチを繰り返しつつ、ミドル、左ボディをヒット。目黒はインローを的確に返しつつ、左ボディも返す。目黒が圧をかける時間が長いが、まだ五分か。
2R、松本は左右のテンカオを増やし、目黒は変わらずインローを当て、ボディにパンチもヒット。目黒は鼻から、松本は右まぶたから出血する。やや目黒が押し気味だがはっきりした差はつかない。
3R、松本は左右のフックを随所で的確にヒット。だが中盤以降、目黒も前に出続け随所でパンチを当て挽回する。接戦のラウンドが続いたためジャッジは割れたが、目黒が2票を獲得し判定勝ちした。
プレリミナリーファイト第2試合 フライ級(51kg) 3分3R
×麗斗(K-1ジム総本部チームペガサス)
○長野 翔(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
判定0-3 (27-30/27-30/27-29)
※1R右ストレートで麗斗に2ダウン
プレリミナリーファイト第1試合 女子46kg契約 2分3R
○豊嶋里美(TEAM OJ)
×Kiho(Team K.O.Garage)
判定2-1 (30-29/29-30/30-29)