RISE 6.24 後楽園ホール(レポ):erika♡、AKARIを5Rノンストップファイトで返り討ちしQUEENミニフライ級王者に。花岡竜、RISE初戦は滉大に辛勝
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RISE 159
2022年6月24日(金)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第10試合 メインイベント 第2代RISE QUEENミニフライ級(49kg)王座決定戦 3分5R(無制限延長R)
×AKARI(TARGET/1位)
○erika♡(SHINE沖縄/3位)
判定0-3 (佐藤48-50/和田47-49/北尻46-50)
※erika♡が王者に
寺山日葵が引退のため返上したQUEENミニフライ級王座を争う4選手参加のトーナメントが、4月の後楽園大会で開幕し、AKARIは宮﨑若菜との3度目の戦いを接戦の末に制し、erika♡は大倉萌を2R KOした。AKARIとerika♡は昨年12月大会で対戦し、erika♡が延長判定勝ちしている。今回は3分5R(無制限延長R)で争われるため、体力配分も大事となるが、erika♡はお構いなしと思えるような無尽蔵のスタミナでAKARIを圧倒する。
1R、AKARIがオーソドックス、erika♡がサウスポーで構え、お互いまだ慎重だが、長身のAKARIが右ミドル、ロー、左ジャブを随所で当て、若干優位。だがerika♡も右ストレート等を返し、はっきりした差はつかない。記者採点はイーブン。
すると2R、erika♡は圧力を強め、序盤から左ストレートを度々当てて先手を取る。左ボディも絡めると次第に手数が増し、ガードの隙間からでもパンチをもらうAKARIは表情が曇り、下がる時間が続く。AKARIも右フックを時折当てるが、erika♡の勢いは落ちない。記者採点はerika♡。
3Rもerika♡は前に出るが、2Rより勢いは落ち、AKARIの左前蹴りで吹き飛ばされ、右ハイをもらう場面も目立つように。終盤、erika♡は再び勢いを上げるが、2Rほどパンチのヒットは伸びない。記者採点はイーブン。
4R、序盤にバッティングでAKARIがダメージを負い中断。再開後、erika♡が前に出続け、左フック、左膝蹴りを効かせ、AKARIを下がらせる。中盤過ぎにはまたもバッティングでAKARIが痛そうにし再び中断し、ドクターチェックが入る。再開後、体力が回復したerika♡が前に出てパンチを振るい、膝を出すと、今度はローブローとなり、またもAKARIが痛みを訴える。再開後もerika♡が前に出て左ミドルを当て、AKARIは右ストレートを返すが、erika♡の勢いは止まらない。記者採点はerika♡。AKARIの負った3度の反則のダメージは正味それほど大きくなく見えたが、消耗の影響でダメージが増幅していた模様だ。
5R、erika♡が終始前に出て、パンチ、膝、ミドルを度々ヒット。AKARIはスタミナが切れ、時々押し倒され尻もちをつくように。立ち上がるのも遅く、ダウンを取られかねないほどだ。erika♡は最後まで動きを切らさず攻め続け試合を終える。記者採点はerika♡。合計47-50でerika♡。ジャッジの採点はバラついたものの、順当に3者ともerika♡を支持。erika♡の判定勝ちとなった。
ベルトを巻いたerika♡は「圧倒して勝ちたかったんですけど、判定まで行って勝ってしまって申し訳ないです。ベルトを取ると集中して練習していたので、その結果が出て良かったです。RISEチャンピオンとして最強目指して戦い、このベルトの価値を高めていきます」とマイクアピールした。
erika♡は「2R後半からパンチが入った時、AKARI選手がシュンとなって、気持ちが折れたと思い、強い気持ちで戦えました。1Rは見る感じで、2Rから練習してきたことを出しました。蹴りが上手いですけど、蹴りは無視して自分のパンチを当てました」と試合を振り返り「体力はまだまだ行けたんですけど倒したかったです。まだ3R行けます。もう1試合行けます」と無尽蔵のスタミナについても話した。RISEの伊藤隆代表は「メインは人生経験の差が出ました。erika♡は3人の子供を育て介護士をやって、人間力の差を感じました」とerika♡を称えた。
敗れたAKARIは涙を流しながら「応援してくれた人たちには勝てなくて申し訳ないです。一瞬の判断のミスが少しずつ重なったのがこういう結果になったんだと思います。悔しいんで、いつかやり返したいです」とコメントした。
第9試合 セミファイナル スーパーフライ級(53kg) 3分3R(延長1R)
×滉大(及川道場/RISE 3位、HOOST CUP日本スーパーフライ級王者)
○花岡 竜(橋本道場/KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王者、INNOVATIONフライ級王者)
判定0-3 (和田29-30/佐藤29-30/長瀬29-30)
滉大は過去に玖村将史、政所仁、大﨑孔稀らに勝った実績があり、昨年7月のDoA 53kgトーナメントでRISEに初参戦し、志朗と延長戦の末にダウンを奪われ判定負けした。9月には大崎孔稀の計量失格によりトーナメント本戦に繰り上がり、準決勝で志朗と急きょ再戦したが判定負けした。今年3月のホーストカップではは金子梓に判定勝ちしている。
花岡はアマチュア時代から活躍し、19年春にプロデビューし、17戦15勝(6KO)1敗1分の18歳。今年1月のNO KICK NO LIFEでは石井一成を圧倒し判定勝ちするとRISEトーナメン出場勢との対戦を希望し、今回初めてRISEに出場する。
1R、花岡がスピードのある右のロー、カーフ、ミドルを当て先手を取る。だが中盤から滉大が蹴り足をつかんで攻撃を寸断しつつ、自分の左ボディ、左ストレート、右ジャブを返し挽回。花岡も終盤には左ボディを返し、お互い一歩も引かない攻防を繰り広げる。
2Rも滉大は再三花岡の蹴り足をつかみつつ、左ボディ、左ジャブを当てる。花岡も左ボディやミドルを返し、なかなか均衡は崩れない。ここまで記者採点イーブン。
3Rもスピーディーでノンストップの攻防が続き、お互い左ボディを当て、なかなか均衡が崩れない。終盤、花岡の右フックのヒットが少し目立ち出すが、滉大も左フックを返し、はっきり差をつけさせない。記者採点はやや花岡優位だがイーブンとした。合計30-30でイーブン。ジャッジは3者とも3Rの花岡につけたか?花岡の判定勝ちとなった。
花岡は「試合前強気な発言をしたんですけど、結構押されて、これがRISEのリングだと体感しました。勝ったら(スーパーフライ級王者の)大崎(一貴)選手と言いたかったんですけど、8月、大阪、WORLD SERIESで強い相手、(RISE代表の)伊藤さん、よろしくお願いします」とアピールした。
バックステージで花岡は「後ろ重心で戦っていて、途中から前蹴りをキャッチされ、2Rから何をしたらいいかわからなくなりました。ヤバいと思った時に(橋本敏彦)師範から『打ち合っていいんじゃない?』と言われ、前重心で倒されてもいいと思って行ったら勝負がついたと思います。良くて延長、普通に負けぐらいの印象でした。勝った瞬間、力が抜けました。距離感とスタミナの使い方が違ったので修正したいです。強敵の滉大選手に勝ってたので、これからもっと強敵を倒したいです」とコメント。RISEの伊藤代表は「花岡はスーパーフライの台風の目になりそうです。これから育てていきたいです」「いきなりタイトルマッチじゃなく、キャッチウェイトで一貴とやらせてみてもいいと思います。大阪大会にも出てほしいです」と期待を寄せた。
第8試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○知花デビット(エイワスポーツジム/Aimhigh/RISE 3位、WMAF世界スーパーバンタム級王者、元WMC日本バンタム級&フェザー級王者、元WBCムエタイ日本バンタム級王者)
×京介(TOP DIAMOND/RISEスーパーフライ級5位)
3R 1’54” KO (左フック)
1R、中盤まで知花がプレッシャーをかけて右のカーフを随所で当てていたが、終盤、京介がボディから顔面へのパンチの連打、左テンカオ、左奥ローを返して巻き返す。
2Rもその流れが続き、京介が知花をロープ際に下がらせ、左右のフック、アッパーを当て優勢。知花も終盤にパンチを返すが、手数差は埋まらない。
だが3R、パンチの攻防の中で知花が当て続けていると、じわじわ京介が消耗。中盤、知花が京介をロープに詰め、パンチの連打から左フックを当てダウンを奪う。京介はカウント9でギリギリに立ったがダメージが大きく、知花が左フックで再びダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。
第7試合 女子アトム級(46kg) 3分3R(延長1R)
○平岡 琴(TRY HARD GYM/RISE 2位)
×百花(魁塾/RISE 3位、元ミネルヴァ・アトム級王者)
判定3-0 (豊永29-28/長瀬30-28/秋谷30-28)
1R、蹴り主体の攻防の中で、平岡が右ローを効かせつつ、左右のハイも当てて好印象。2Rも平岡が左右のローを効かせ、右フックを随所で当て優位を維持。3Rもロー、ハイ、パンチを当て続け圧倒し判定勝ちした。
第6試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×森香津眞(チームドラゴン/RISE 3位)
○マサ佐藤(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪/英雄伝説64kg級アジア王者)
3R 1’18” KO (3ダウン:右フック)
1R、森が圧力をかけ、随所で左ボディを強打するなど、パンチ主体で手数多く攻め優勢。2R、森は左ミドル、左ボディを当てるが、佐藤もガードの上からでも強引に右フックを強打するようになり挽回。すると3R、佐藤がガードの上からのパンチ連打で森を苦しめるようになり、右フックでダウンを奪取。その後もパンチで2ダウンを重ね、逆転KO勝ちした。
第5試合 66kg契約 3分3R
○安彦考真(Executive Fight 武士道)
×YO UEDA(TARGET SHIBUYA)
2R 0’51” KO
第4試合 オープンフィンガーグローブマッチ ライト級(63kg) 3分3R
○瑠夏(L-REX/2017年RISING ROOKIES CUPスーパーフェザー級優勝)
×YU-YA(魁塾/元RKSライト級王者)
2R 1’00” KO (左フック)
RISEが昨年からスタートしたオープンフィンガーグローブ(OFG)マッチが、今回初めてナンバーシリーズの大会の中で行われた。
1R、お互いパンチ主体の攻防で、瑠夏が右ストレートでダウンを奪うが、直後にYU-YAも左フックでダウンを奪い返す。2R、YU-YAが右目が腫れているためドクターチェックが入るが試合は続く。YU-YAが打ち合いで右フックを当ててまたもダウンを奪うが、目が腫れてほとんどふさがっており、早めに止めた方がいい状態。最後はYU-YAが見えない右側から、瑠夏が左フックを当ててひるませたところで、秋谷レフェリーがストップした。
第3試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R(延長1R)
○金子 梓(新宿レフティージム/RISE 7位)
×佐藤九里虎[ぐりこ](FAITH/RISE 9位)
3R 1’59” KO (3ダウン:パンチ連打)
1Rから金子が度々佐藤をコーナーに詰め、パンチやハイを度々当てて圧倒する。佐藤は倒れなかったが、3Rに入ると気持ちが折れた様子で、金子がコーナーに詰めての連打でスタンディングダウンを3度奪いKO勝ちした。
第2試合 バンタム級(55kg) 3分3R
○小只[おただ]直弥(888 GYM)
×相良[さがら]一志(究道会館)
判定3-0 (30-29/30-29/30-28)
第1試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
×坂本直樹(道場373)
○珅太郎[しんたろう](KRAZY BEE)
判定0-3 (29-30/29-30/29-30)