RISE 5.29 後楽園ホール(レポ):中野椋太、2R KO勝ちでウェルター級王座奪取し3週間後のTHE MATCH参戦志願。宮﨑小雪、小林愛理奈を圧倒し初防衛
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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RISE 158
2022年5月29日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第10試合 メインイベント 第3代RISEウェルター級(67.5kg)王座決定戦(トーナメント決勝) 3分5R(無制限延長R)
○中野椋太(誠至会/1位、S1世界&WBCムエタイ日本統一同級王者、元NJKF同級王者)
×稲井良弥(TARGET/3位、DEEP☆KICK-70kg王者)
2R 1’39” KO (パンチ連打)
※中野が王者に
“ブラックパンサー”ベイノアが階級アップのため返上したウェルター級王座を争う4選手参加のトーナメントの決勝が今回行われた。稲井は2月大会で都木航佑に、中野は3月大会で中島将志に勝利し決勝に進んだ。中野は山口裕人、大和侑也、蛇鬼将矢、チャンスック、中島相手に5連勝(3KO)。稲井は20年のデビュー以来7戦7勝(5KO)でRISE王座戦まで駆け上がったが、ムエタイ含め27戦目の中野が格の違いを見せつけることに。
1R、稲井が序盤から前に出てパンチを振るうが、中野はブロックしてしのぐと、右のローキック、カーフキックをヒットし、早くも効き目を発揮する。それでも稲井は前に出てパンチを振るうが、終了間際に、中野が詰めて来た稲井に左フックを当ててダウンを奪う。
2R、中野は右のカーフを連打してから、パンチの連打で追い詰め、右ストレートの連打でフラつかせ、スタンディングダウンを奪う。稲井はフラフラで、最後は中野が右のカーフを効かせコーナーにまで稲井を下がらせてから、右ストレートで2ダウン目を奪ったところで、長瀬レフェリーがストップした。
中野は完勝でベルトを巻いたが、前王者が長らく所持していたベルト中央のパネル部分が落ちてしまうアクシデントが発生する。マイクを持った中野は「ベルトすらもKOです」と苦笑し、「怪我無いんで3週間も出させてください」と、6月19日のTHE MATCH東京ドーム大会参戦を志願した。大会後のインタビューでは「8月の(RISE大阪大会の)GLORYとの対抗戦にも出たいです」「ルールにこだわっていないんで、肘有りにも戦いたいです」とコメントした。ちなみにこの後は明日の朝までパーティーで騒ぐという。
大会後の総括でRISEの伊藤隆代表は中野について「6月19日はカードが決まっているので難しいと思います」としつつ「GLORYとの対抗戦もいいですし、外国人ともやってほしいです。GLORYに行ってもらうこともあると思います」とコメントし、主力としての積極的な起用に意欲を示した。
第9試合 セミファイナル RISE QUEENアトム級(46kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
○宮﨑小雪(TRY HARD GYM/王者)
×小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/1位)
判定3-0 (長瀬50-47/和田50-46/佐藤50-46)
※宮﨑が初防衛
宮﨑兄弟の妹・小雪と小林は20年10月と21年1月に対戦し、いずれも宮﨑が判定勝ちしている。小林にとって8戦のキャリアで敗れたのは宮﨑との2試合のみだ。宮﨑は2月大会で百花に判定勝ち。小林は1月大会で祥子JSKに2R KO勝ちし3連勝中だ。
1R、サウスポーの宮﨑が圧をかけ続け、左インロー、ミドルを随所で当て主導権を握る。終盤、小林も圧をかけ返すと、パンチが交錯する場面が増え、小林も当て返して巻き返す。記者採点はイーブン。
2R、宮﨑が左ミドル、インロー、ストレート、小林が右ミドル、ストレートのヒットを増やす。宮﨑の攻撃数が上回り、少し笑みを浮かべる場面も。だが終盤、小林も右のボディフックを連打し巻き返す。記者採点はイーブン。
3R、宮﨑が小刻みに動き、左インローを度々ヒット。小林の左の内ももは真っ赤に腫れる。宮﨑はミドル、ストレートも自在に当て続ける。小林は終盤こそ右ボディを当てるが、2Rよりも攻撃が減ってしまう。記者採点は宮﨑。
4R、宮﨑が執拗に左インロー、ミドルを当て続けていると、さすがに小林は耐えきれなくなった様子で、顔をしかめるように。クリンチも増え、宮﨑が膝を当てて削る。記者採点は宮﨑。
5R、開始すぐこそ小林も左右のボディを当てて巻き返しを狙うが、宮﨑は耐え、左のミドル、ロー、組んでの膝を当て続ける。小林は何度もフラつくが、宮﨑は最後まで運動量を落とさず攻め続け終了する。記者採点は宮﨑。合計50-47で宮﨑。ジャッジ3者も順当に宮﨑を支持し、宮﨑が完勝で判定勝ちで初防衛に成功した。
第8試合 ミドル級(70kg) 3分3R(延長1R)
○憂也(魁塾/RISE 3位、元DEEP☆KICK -65kg王者)
×J(TSK japan/WMCインターコンチネンタル&BOMミドル級王者)
2R 0’52” KO (3ダウン:右フック)
憂也は昨年7月に緑川創と引き分け、以降はねぎ魔神と洋輔YAMATO相手に完勝している。JはこれまでムエタイのBOMを主戦場とし、28戦目・31歳にしてRISE初登場。喜多村誠との初戦で敗れたが昨年12月の再戦では判定勝ちしている。
1R、憂也が圧力をかけ続け、ボディへのフック、左ミドルを効かせつつ、顔面へのパンチにつなげ攻勢。終盤に左ボディを強打する。記者採点は憂也。
2R、憂也は序盤から勝負に出て、詰めてパンチを連打しダウンを奪う。さらに憂也は右の飛び膝蹴りでダウンを奪取する。立ったJだが足に力が入りきらない状態。それでも続行したが、最後は憂也の右フックでJがぐらついたところで小川レフェリーがストップした。
憂也は「70kgのタイトルマッチ(韓国のイ・)ソンヒョン選手がずっとコロナで来れなかったですけど、来れるのなら挑戦者決定戦組んでください」とアピールした。
第7試合 ライト級(63kg) 3分3R(延長1R)
○木村“ケルベロス”颯太(心将塾/11位、DEEP☆KICK -65kg王者)
×麻火佑太郎(PHOENIX/スーパーライト級6位)
判定3-0 (秋谷30-26/小川30-26/和田30-25)
木村は2月のOFG着用大会・RISE FIGHT CLUBで山口侑馬に判定勝ち。YA-MAN戦を目標に掲げる。麻火は前回チャッピー吉沼に勝利しスーパーライト級のランキングに入った。麻火の適正階級はライト級だというが、木村のほうが5cm背が高い。
1R、麻火がサウスポーで構え、後ろ回し蹴りや左ハイ、ミドル、右ジャブをヒット。木村は終盤に右ストレートを当てるが、少し戦いにくそうだ。
だが2R、木村は圧力を強め、右ミドルを当てるようになると、麻火の左の蹴りの打ち終わりに右ストレートを合わせるようになり、終盤には右ストレートでダウンを奪う。木村のリーチ差が活きる。
3Rも木村がパンチの打ち合いの展開で右フックを当ててダウンを奪取。麻火も右のオーバーハンドフック、ボディ狙いのバックスピンキック等で挽回するが、木村が耐えきり判定勝ちした。
第6試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○チャッピー吉沼(フリー/7位)
×稲石竜弥(Team OJ/ライト級9位、元Bigbangライト級王者)
判定3-0 (豊永29-28/小川30-28/和田30-28)
1R、サウスポーの吉沼が、突っ込んできた稲石に右ストレートを合わせてダウンを奪う。以降も吉沼が蹴りとパンチを積極的に出す展開。2R、稲石が右バックハンドブロー、右フックを効かせ、吉沼は鼻血を出すように。3R、吉沼が左ミドルとローで挽回するが、バッティングで稲石が左まぶたを切られドクターチェックが入る。その後も吉沼が左ミドル、フックを随所で当て優位を維持し判定勝ちした。
第5試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
○松井大樹(MEIBUKAI/Stand up King of Rookie 2021 -55kg級優勝)
×HAYATO(CRAZY WOLF)
判定3-0 (和田30-29/豊永30-29/佐藤30-28)
1R、蹴り主体の攻防で、松井が右フックを少し効かせるが、まだはっきりした差は無い。2R、松井の右フックのヒットが目立つようになるが、HAYATOも左ミドル等を返し、完全に主導権を与えない。3R、ようやく松井が右フックとロー、ミドルの攻撃数ではっきり上回り、明確にポイントを取り判定勝ち。5戦5勝とした。
第4試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
○山科直史(極真会館)
×松永 隆(新宿レフティージム)
3R 2’01” KO (パンチ連打)
1R、序盤に松永が右フックを強打するが、山科が中盤からサウスポーの松永に右のミドル、奥ローを当てつつ、右ストレートも当てやや優位に。2R、山科が右の奥ロー、ボディへのパンチと膝を効かせ、右フックでダウンを奪う。3Rも山科が右ロー、ボディフックを効かせ、右フックでダウンを奪取。最後はコーナーに詰めてパンチと膝を当て続けたところで秋谷レフェリーがストップした。山科はこれでデビュー以来4連勝となった。
第3試合 バンタム級(55kg) 3分3R
○伊東龍也(HAYATO GYM/Stand upアマチュアAクラストーナメント−55kg級優勝)
×羅司[らいぜ](TEAM TEPPEN/2021年RISE Nova全日本大会−60kg級優勝)
3R 1’40” KO (パンチ連打)
1R、両者サウスポーで構え、伊東が左のカーフキックを効かせ、羅司が左ストレートをヒット。終了間際、右フックの相打ちで両者ダウンする異例の展開に。ポイント上はイーブンか。
2R、フックの打ち合いで一進一退の展開となるが、終盤、伊東が右フックと膝を効かせ攻勢に。
3R、伊東の右ストレートで羅司がのけぞる場面が増え、ダメージが溜まってきた様子。伊東が右ハイを当て、羅司はワンタイミング遅れて腰から崩れ倒れたが、小川レフェリーはダウンとみなさない。それでも羅司が立つと、伊東がパンチの連打で羅司をマットに沈めた。前のめりでマットに突っ伏すように倒れた羅司は担架で運ばれた。
第2試合 フライ級(51.5kg) 3分3R
×酒寄珠璃[さかより しゅり](ドージョー☆シャカリキ/第284回新空手道交流大会K-2トーナメント軽軽量級優勝)
○平山龍馬(サクシードジム team EXCEED)
判定0-3 (和田27-29/秋谷27-29/小川27-29)
1R、サウスポーの平山に対し、酒寄が右ハイ等を当て優位だったが、終盤に平山が蹴りのカウンターで左フックを合わせ2ダウンを奪い追い詰める。2R、今度は酒寄が右ストレートで、平山が左フックで、酒寄が右ストレートでダウンを奪う、一進一退の展開に。3R、酒寄が優位だったが、終盤に平山が酒寄を2度右フックでスリップさせ好印象を作り、反撃を封じ判定勝ちした。
第1試合 女子44kg契約 3分3R
○西原朱花[あやか](TEAM TEPPEN)
×風羽[ふう](龍生塾ファントム道場)
判定3-0 (豊永30-29/和田29-28/小川30-28)
風羽は17歳で今回デビュー戦。右フックを当てる場面もあったが、背の高い西原が右ハイ、膝蹴り等を駆使し判定勝ちした。