QUINTET 7.13 後楽園ホール:小見川道大代表のTEAM WOLF、2度目の挑戦で初優勝。森戸新士が一人で3本勝ちの活躍
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QUINTET FIGHT NIGHT 7 in TOKYO
2021年7月13日(火) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
チーム戦
RIZINで人気再燃の“足関十段”今成正和、腕十字の名手も多数参戦。しかし大会の主役になったのは…
QUINTETは打撃技無し・絞め技と関節技のみのグラップリングルールの大会。「quintet」は5人組という意味の英語で、5対5のチーム同士による勝ち抜き戦トーナメントが毎回目玉となっている。4チームが参加し、1日で一回戦と決勝が行われる。試合場はレスリングマット。5選手の合計体重は360kg以内。1試合8分一本勝負(今大会の場合、10kg以上の体重差のある場合は軽い方の選手が4分も選べる)。
グラップリングやブラジリアン柔術に馴染みの薄いMMAファンを意識し、一本決着を促すルールとなっており、膠着を誘発するクローズドガード(下の選手が上の相手を両足で挟んで動きにくくする行為)は禁止。ヒールホールドは禁止。柔術のようなマウントポジション等でつくポイント差による決着は無く、引き分けの場合は両者が退場し次の選手が登場する。なお、1回戦を勝ち上がったチームは、決勝戦では1回戦で戦わなかった選手から優先的にオーダーを組まなくてはならない。
昨年10月の後楽園大会で同じ合計360kg以内のライト級相当のトーナメントが行われ、所英男が率い小谷直之・中村大介・今成正和・金原正徳の参加した「TEAM TOKORO PLUS α 2nd」が優勝した。今回、小谷&中村と今成は別チームで一回戦で激突。今成は6月27日のRIZINで瀧澤謙太に判定負けするも、切れ味鋭い足関節技で瀧澤を追い詰め、新参のファンにも強烈な個性を印象付けたばかり。中村のチームには出花崇太郎(キャプテン☆アフリカ)、世羅智茂という腕十字を得意とする3人が揃う。
小見川道大率いるTEAM WOLFは、昨年10月大会と全く同じメンバーで再挑戦。TEAM TRI-FORCEが柔術色が一番強いチームだが、DEEPの21歳の新鋭で柔道出身の平田直樹が、柔道界の大先輩・内柴と先鋒戦で絡むことになる。
1回戦(1)
×TEAM TRI-FORCE(平田直樹 澤田伸大 石毛大蔵 中島康輔 鈴木和宏)
○TEAM WOLF(内柴正人 伊藤盛一郎 森戸新士 小見川道大 グラント・ボグダノフ)
(1) △平田直樹(時間切れ)内柴正人△
(2) △澤田伸大(時間切れ)伊藤盛一郎△
(3) ×石毛大蔵(2’06” 三角絞め)森戸新士○
(4) ×中島康輔(2’45” 裸絞め)森戸新士○
(5) △鈴木和宏(時間切れ)森戸新士△
先鋒戦の平田と内柴の一戦は、どちらもマウントを奪い、平田がバック、ギロチン等でやや優位に試合を運ぶが、どちらも極まらず時間切れ。次鋒戦はお互い腕十字を狙う場面を作り、伊藤が極めかける場面もあったが、これも時間切れに。
すると中堅戦、IBJJFアジア選手権2018黒帯ライト級2位の森戸新士(しんじ)が下から石毛に三角絞めを仕掛けるとガッチリ極まりタップアウト。試合が動く。森戸は続く試合でも、中島のバックを奪ってから裸絞めを極めて落とし一本。2試合ともほとんど相手に見せ場を作らせない完勝で、大将の鈴木を引きずり出す。鈴木は果敢に足関節技を狙い、最後に膝十字固めでチャンスを作ったが、森戸は防御し時間切れ。森戸が活躍しチームを初の決勝に導いた。
1回戦(2)
×TEAM BRAVE GYM(寒河江寿泰 今成正和 竿本樹生 山田崇太郎 宮田和幸)
○TEAM THE BODY RIDE(八隅孝平 世羅智茂 中村大介 出花崇太郎 小谷直之)
総指導数5-4
(1) △寒河江寿泰(時間切れ)八隅孝平△
(2) △今成正和(時間切れ)世羅智茂△
(3) △竿本樹生(時間切れ)中村大介△
(4) △山田崇太郎(時間切れ)出花崇太郎△
(5) △宮田和幸(時間切れ)小谷直之△
先鋒戦は寒河江が足関を狙う展開がやや目立つが、お互い攻めあぐね脱落。次鋒戦は世羅が肩固めを極めかけるが、今成が防御。今成も得意の足関を再三狙うが、世羅も防御を続け時間切れとなる。
中堅戦は小柄な竿本が、体格で勝る中村に対し、腕十字を果敢に狙い、一度はクラッチを切る場面もあったが、中村はギリギリで防御。中村もギロチン、アームロック等でチャンスを作り、見ごたえある攻防の末に時間切れとなる。
副将戦は名前が同じ漢字の崇太郎同士の対決(山田は「そうたろう」、出花は「しゅうたろう」で読みが違う)。山田が下からの三角絞めに持ち込もうとした場面もあったが、お互い決め手に欠け、この試合も時間切れに。決着は大将戦に持ち込まれ、宮田が再三テイクダウンを奪い上になるも、両者指導が2つ入る膠着状態が続き終了する。
両チームとも一本も取れない結果となったため、まずは大将戦の指導数で対比されるが、とちらも2で同数。そのため全5試合の指導の合計で対比され、BEAVEが5、THE BODY RIDEが4のため、THE BODY RIDEの勝利となった。
決勝
○TEAM WOLF(グラント・ボグダノフ 小見川道大 伊藤盛一郎 内柴正人 森戸新士)
×TEAM THE BODY RIDE(八隅孝平 世羅智茂 出花崇太郎 小谷直之 中村大介)
(1) △ボグダノフ(時間切れ)八隅孝平△
(2) △小見川道大(時間切れ)世羅智茂△
(3) △伊藤盛一郎(時間切れ)出花崇太郎△
(4) △内柴正人(時間切れ)小谷直之△
(5) ○森戸新士(1’52” 腕ひしぎ十字固め)中村大介×
先鋒戦はボグダノフが裸絞めを度々狙って八隅を追い詰めるが、時間切れに。次鋒戦も世羅が足関でチャンスを作るが時間切れ。中堅戦では体格で勝る出花がアームロック、腕十字で追い詰めるが、伊藤は耐え、三角絞め、腕十字で反撃し盛り上げるも時間切れになる。
副将戦でも内柴が足関、小谷がアームロックを狙ったが、どちらも決め手に欠け時間切れ。大将戦にもつれ込むと、ここでも森戸が活躍。序盤からマウントを奪うと、三角絞めを狙いつつ、中村が得意とする腕十字を逆に森戸が極めてタップを奪い、チームに優勝をもたらした。森戸が一人で1日合計3本奪い、トーナメント全体でも一本勝ちできたのは森戸ただ一人という、“森戸劇場”とでも言えそうな今回のトーナメントだった。
シングルマッチ
Special Iron Man Match(エキシビションマッチ) 5分
―SAKU Jr.&桜庭和志(サクラバファミリア)
―ガリットチュウ福島善成(吉本興業)
勝敗無し
漫才師の福島がエキシに登場し、相手は前回2月のQUINTETのエキシにも登場した、桜庭和志の長男・SAKU Jr.が務めた。一本を取っても試合が続く形式で、Jr.が腕十字を2本取った後、セコンドの桜庭に交代し、同様に何度も一本を取る。福島はセコンドについた相方の熊谷茶と度々交代するが、桜庭に一方的にやられ続けて終了。場内を和ませた。
64kg契約 8分
○石黒翔也(CARPE DIEM)
×高橋“SUBMISSION”雄己(和術慧舟會HEARTS/今成柔術)
レフェリー判定3-0
オープニングマッチ 73kg契約 8分
○岡崎孝哉(CARPE DIEM)
×萩原一貴(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)
7’23” 腕ひしぎ十字固め