QUINTET 10.27 後楽園ホール:所英男チームがCARPE DIEMを決勝で下し優勝。中村大介と小谷直之が一本取り活躍
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コロブロックpresents QUINTET FIGHT NIGHT 5 in TOKYO
2020年10月27日(火) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
トーナメント
QUINTETは打撃技無し・絞め技と関節技のみのグラップリングルールの大会。QUINTETとは5人組という意味の英語で、5対5のチーム同士による勝ち抜き戦トーナメントが毎回目玉となっている。4チームが参加し、1日で一回戦と決勝が行われる。試合場はレスリングマット。1試合8分一本勝負(7kg以上の体重差のある場合は4分。通常の男子では20kg差)。5選手の合計体重は360kg以内。
グラップリングやブラジリアン柔術に馴染みの薄いMMAファンを意識し、一本決着を促すルールとなっており、膠着を誘発するクローズドガードは禁止。柔術のような判定やポジショニング等のポイント差による決着は無く、引き分けの場合は両者が退場し次の選手が登場する。なお、1回戦を勝ち上がったチームは、決勝戦では1回戦で戦わなかった選手から優先的にオーダーを組まなくてはならない。以下のカード表の選手名は登場順。
トーナメント1回戦
○TEAM CARPE DIEM(岩崎正寛、世羅智茂、竹浦正起、白木大輔、橋本知之)
×TEAM WOLF(グラント・ボグダノフ、内柴正人、伊藤盛一郎、小見川道大、森戸新士)
大将戦判定
(1) △岩崎正寛(時間切れ)グラント・ボグダノフ△
(2) △世羅智茂(時間切れ)内柴正人△
(3) △竹浦正起(時間切れ)伊藤盛一郎△
(4) △白木大輔(時間切れ)小見川道大 ※小見川が7kg以上軽いため4分
(5) ○橋本知之(判定3-0)森戸新士× ※橋本が7kg以上軽いため4分
国内トップクラスの柔術家集団・TEAM CARPE DIEMは過去3度優勝しており、今回も優勝候補。初戦の相手は柔道出身の小見川道大率いるTEAM WOLF。WOLFに所属する柔道金メダリストの内柴正人は、準強姦罪で服役した過去があるため、出場に不快感を示した矢野卓見が出場辞退したことでも大会前から話題を呼んだ。
次鋒戦に登場した内柴のプロ格闘技デビュー戦は、世羅智茂の腕十字、足関節技を終始防御続ける展開となり、結果は時間切れドローに終わった。
その前後の試合では、グラント・ボグダノフと伊藤盛一郎が積極的に極めを狙い攻める展開となったが、時間切れドロー。小見川道大も、体重差がありながらも2度白木大輔を追い詰めたが時間切れドローになった。
結局どちらも一本も取れないまま大将戦に。この試合も体格で劣る橋本知之がアキレス腱固め、三角絞めでチャンスを作るが時間切れ。規定により大将戦の内容でジャッジが優劣をつける判定に持ち込まれ、3者とも優勢だった橋本を支持したことで、CARPE DIEMの勝利となった。
トーナメント1回戦
○TEAM TOKORO PLUS α 2nd(小谷直之、今成正和、中村大介、所英男、金原正徳)
×TEAM ONEHUNDRED(八隅孝平、寒河江寿泰、伊藤健一、樋口翔己、宇野薫)
(1) △小谷直之(時間切れ)八隅孝平△
(2) △今成正和(時間切れ)寒河江寿泰△
(3) ○中村大介(0’54” 腕ひしぎ十字固め)伊藤健一×
(4) △中村大介(時間切れ)樋口翔己△
(5) △所英男(時間切れ)宇野薫△
2試合目に登場した「足関十段」こと今成が足関で何度かチャンスを作るが時間切れ。続く中堅戦で中村大介が最初のチャンスで得意の腕十字を極めて勝利し、この日初の一本勝ちとなった。続く試合で中村は樋口翔己に再三攻め込まれるも時間切れドローに持ち込んだ。
続いてONEHUNDREDのリーダー、宇野薫が大将戦に登場し、所英男と対戦。両者は05年9月のHERO’Sでのミドル級世界最強王者決定トーナメント準々決勝で対戦し、宇野が判定勝ちしている。あれから15年、40代になった両雄の顔合わせは、43歳の所が衰え知らずのスピーディーで変幻自在の回転系の動きから繰り出す腕十字、足関で再三チャンスを作って場内を沸かせた。時間切れとなり、ONEHUNDREDの大将の宇野が消えたことで、所のチームの勝利となった。
トーナメント決勝
×TEAM CARPE DIEM(岩崎正寛、世羅智茂、白木大輔、竹浦正起、橋本知之)
○TEAM TOKORO PLUS α 2nd(金原正徳、小谷直之、中村大介、今成正和、所英男)
(1) △岩崎正寛(時間切れ)金原正徳△
(2) ×世羅智茂(4’02” 三角絞め)小谷直之○
(3) △白木大輔(時間切れ)小谷直之△
(4) △竹浦正起(時間切れ)中村大介△
(5) △橋本知之(時間切れ)今成正和△
1試合目が時間切れドローのあと登場した次鋒同士の戦いは、世羅智茂がギロチン、足関等で攻め続け、ポジショニング含め優位を維持していたが、世羅がトップポジションになった際、小谷直之が一瞬の隙を突き素早く足を登らせ、三角絞めを極め一本勝ちした。次の試合では小谷のスタミナが限界となり、消極的だとして指導を2回受け、あと1回で失格というピンチに。白木大輔に攻め込まれ続けたものの、かろうじて時間切れに持ち込んだ。
続く竹浦正起と中村大介の一戦も、CARPE DIEMの竹浦が攻め込むが、中村が耐えドローに。CARPE DIEMの大将・橋本知之を引きずり出す。橋本は中盤、今成正和のバックマウントを奪い、足を登らせ三角絞め、腕十字を狙う猛攻を続ける。今成は耐えて脱出すると、すぐさま足関を狙って反撃する、スリリングな展開に。終盤も橋本が腕十字を仕掛けるが、これも今成がしのいで時間切れに持ち込み、所率いるTEAM TOKORO PLUSに優勝をもたらした。
所チームは一本を取った中村、小谷をはじめ、所・今成も存分に持ち味を発揮し存在感を示した。矢野の代役出場となった金原は、1試合のみでドローだったものの、他の選手の試合時に一番熱心にアドバイスを送っており、縁の下でもチームを支えた。
なお、今大会は新型コロナウイルスの感染予防策で半数の定員で行われ、主催者発表の観客数は「539人(満員)」だった。
シングルマッチ
体重無差別 8分
×ハイサム・リダ(ガーナ/CARPE DIEM)
○イゴール・タナベ(ブラジル/IGLOO BJJ)
0’54” アキレス腱固め
Special Iron Man Match(エキシビションマッチ・足関節技禁止) 体重無差別 8分
―桜庭和志(フリー)
―杉浦 貴(NOAH/ 杉浦軍)
勝敗無し(1-0)