空道 5.9 青森県おいらせ町民交流センター:北斗旗全日本体力別 故・東孝塾長の息子、電撃復帰&圧巻の優勝
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全日本空道連盟「2021 北斗旗全日本空道体力別選手権大会」
2021年5月9日(日)青森県おいらせ町民交流センターアリーナ
レポート提供:編集スタジオとのさまがえる 写真提供:朝岡秀樹 全日本空道連盟
コロナウィルス蔓延防止のため、2020春の階級別、2020年秋の無差別と、全日本2大会の開催を中止してきた、着衣総合格闘技「空道」(くうどう)。2021年春の階級別全日本選手権も、当初は5月2日に発祥地・仙台での開催を予定していたが、宮城県内での問題拡大の状況を鑑み、見送りとなった。しかしながら、さる4月3日に永眠した空道創始者・東孝(大道塾初代塾長)が、死の数日前、意識を失うまで大会の開催に尽力していたこともあり、関係者の大会開催に向けての熱意は強く、迅速・綿密な準備により、5月9日(日)、青森県上北郡おいらせ町(2022国民スポーツ大会における同競技の実施場所)の「おいらせ町民交流センターアリーナ」での、スライド開催が実現した。
「社会体育」を標榜する空道だけに、競技者の大半は、一般企業等に勤務する社会人。社会状況と急な日程変更により、参加資格を与えられた選手の中で、エントリーを決め、本州の北端近くを走るローカル線の駅から徒歩20分……ビニールハウス栽培の農地の前に立つ体育館までやってきた選手の人数は例年と比べて遥かに少なかったが、出場選手たちは、東・初代塾長の想いに応え、長田賢一・第2代塾長による新体制の船出を飾るべく、熱い闘いをみせた。
なかでも、東塾長の義理の息子(東塾長の娘婿)であり、死を前にした塾長からの勧めを受けて、2018世界選手権(日本人ではただ一人優勝したのを最後に引退)以来3年振りの復帰を果たした、清水亮汰の闘いぶりは圧巻であった。
◆260+クラス
リーグ戦における事実上の決勝戦。序盤、世界選手権3位・目黒毅(大道塾多賀城支部・写真青)が組んでの膝蹴りで追い込み、クローズガードからのギロチンチョークを極め掛けるが、地元・青森の奈良朋弥(大道塾青森市支部)は気迫の籠ったパンチの打ち合いを挑み、目黒を2度に渡り、グラつかせる。本戦で効果2を奪い、2019年に続く連覇を決めた。
◆-260クラス
初戦は、パンチ連打で4ポイント(技有=写真)と2ポイント(有効)を奪った後、左上段膝蹴りで4ポイント(技有)を奪い試合を終えた(ルール上、累積8ポイント以上を奪った時点で試合終了)清水亮汰(大道塾総本部)。2試合目は組んでの膝蹴り連打で一本、決勝は近藤瑞起(大道塾岸和田支部)を相手にマウントパンチで1ポイント(効果)、バックマウントパンチで1ポイント(効果)を奪い、本戦で完勝。25歳にして、世界、アジア、全日本で計4回、-250、-260、無差別の3階級での優勝を手に入れた。今大会では、MVPも獲得(ポイント換算でもっとも得点数の多かった優勝者に北斗旗が授与される)。
◆-250クラス
18歳にして空道歴15年、U19全日本優勝を経て今春より総本部寮生となった小野寺稜太がジュニアルール競技(ほぼフルコンタクト空手ルール)出身者ならではの上段蹴りを活かして決勝進出を果たすも、待ち受ける加藤智亮(誠真会館所沢道場・写真青)は、フルコンタクト空手の流派所属者だけに、上段蹴りの攻防も巧みで、かつ、むしろ空道ならではの掴み打撃も小野寺より一枚上手。攻防をコントロール仕切って、延長旗判定5-0勝利を収めた。
◆-240クラス
前回世界選手権代表・寺口法秀、服部晶洸を連破した遠藤春翔(大道塾総本部)と、同じく前回選手権代表・曽山遼太を下した谷井翔太(大道塾横須賀支部)の決勝。独特の動物的に動き回るスタイルで、再延長戦を制した谷井(写真白)が全日本初優勝。初戦となった2回戦で本戦・延長(6分)、準決勝で本戦・延長(6分)、決勝で本戦・延長・再延長(9分)と闘い抜いても、最後までスピードや気迫の衰えをみせなかった。
◆-230クラス
目黒雄太(大道塾長岡支部・写真青)が、19歳にして決勝進出を果たした大西凜駿(大道塾横須賀支部)を離れても、組んでも、寝ても圧倒し、2015年からの連続6回目の優勝を達成した。空道における、これまでの全日本選手権同一カテゴリー優勝記録は小川英樹のもつV5だったので、新記録を樹立したわけだが、昨年も全日本選手権が行われていたら、今回でV7が達成されていたのかもしれない……。今後、果たして全日本連覇記録をどこまで伸ばすのか?「10連覇は?」という問いには「みなさん、6じゃ満足して頂けないですか? …あと4年ですよね……。それまでには若い子にやられちゃうのかな? と思っています。7連覇を達成してから、その後のことはまた、あらためて考えたいと思います」とのコメント。
◆女子クラス
エントリー2名で争われたカテゴリー、渡邊富紀恵(大道塾神戸同好会、写真青)と内藤雅子(大道塾横浜北支部)が同日に時間を空けて2試合を闘い、1試合目は本戦旗判定2-2、延長旗判定4-1という接戦で内藤が勝利、2試合目は本戦旗判定5-0で渡邊が勝利を収めた。規定により、獲得した旗の合計数の多かった渡邊の優勝扱いとなった。
入賞者、各賞受賞者
◆2021 全日本空道体力別選手権大会
男子
260+ 優勝 奈良朋弥(大道塾青森市支部)
₋260 優勝 清水亮汰(大道塾総本部) 準優勝 近藤瑞起(大道塾岸和田支部)
₋250 優勝 加藤智亮(誠真会館) 準優勝 小野寺稜太(大道塾総本部)
₋240 優勝 谷井翔太(大道塾横須賀支部) 準優勝 遠藤春翔(大道塾総本部)
₋230 優勝 目黒雄太(大道塾長岡支部) 準優勝 大西凜駿(大道塾横須賀支部)
女子
ワンマッチ勝利者 渡邊富紀恵(大道塾神戸同好会)
最優秀勝利者賞(北斗旗授与) 清水亮汰
道場別獲得ポイント順位
1位:大道塾総本部 2位:大道塾横須賀支部 3位:誠真会館 大道塾長岡支部
◆2021 全日本空道ジュニア選手権大会
U11女子 34kg以下 ワンマッチ勝利者 法両莉希(三沢支部)
U11男子 34kg以下 優勝 安達翔(塩釜支部) 準優勝 山本大氣(盛岡支部)
U11男子 44kg以下 ワンマッチ勝利者 門馬冴賢(帯広支部)
U13女子 44kg以下 優勝 槻田ゆい(塩釜支部) 準優勝 日野光彩(帯広支部)
U13女子 54kg以下 優勝 法両天夢(三沢支部)
U13男子 44kg以下 優勝 飛澤周希(盛岡支部) 準優勝 片桐憧歩(仙台西支部)
U13男子 54kg以下 優勝 相原琉唯斗(仙南支部)
U16女子 45kg以下 優勝 五十嵐心桜(三沢支部) 準優勝 飛澤乃希(盛岡支部)
U16女子 55kg以下 優勝 相内春花(青森市支部)
U16女子 65kg以下 ワンマッチ勝利者 髙橋諭禾(仙南支部)
U16男子 50kg以下 優勝 星空我(仙南支部)
U16男子 60kg以下 優勝 駒形祐磨(帯広支部) 準優勝 渋田大斗(塩釜支部)
U16男子 70kg以下 優勝 鶴田響輝(朝倉支部)
U19男子 220以下 ワンマッチ勝利者 山田凌雅(仙台東支部)
U19男子 230以下 優勝 佐々木龍希(小樽支部)
U19男子 240以下 優勝 鶴田陸(朝倉支部)
平塚賞 五十嵐心桜(三沢支部)
注)カッコ内は大道塾の所属支部/道場名