UFC 3.6 ラスベガス:アデサニヤ、ブラホビッチに力負けし2階級制覇ならず。ヤン、スターリングを追い詰めるも反則失格で王座陥落。ヌネス、圧勝防衛
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UFC 259:ブラホビッチ vs. アデサニヤ
2021年3月6日(土/現地時間)米国ネバダ州ラスベガス:UFC APEX
レポート:井原芳徳
今回のUFCは3階級タイトルマッチが目玉。メインイベントのライトヘビー級タイトルマッチではヤン・ブラホビッチが、ミドル級王者のイスラエル・アデサニヤを相手に初防衛戦。ブラホビッチは昨年9月のUFC 253でドミニク・レイエスとの王座決定戦で3R KO勝ちしベルトを巻いた。同じ大会のメインでアデサニヤはパウロ・コスタに2R TKO勝ちし、ミドル級王座の2度目の防衛に成功し、MMAデビュー以来の連勝を20に伸ばした。今回は史上5人目のUFC 2階級同時制覇なるか注目が集まるが、ブラホビッチの圧力、前回の試合でも見せた左フックの破壊力は脅威となるだろう。
コー・メインイベント(セミファイナル)では向かうところ敵なしの同時2階級制覇王者・アマンダ・ヌネスが、ミーガン・アンダーソン相手に女子フェザー級王座2度目の防衛戦。昨年7月にジョゼ・アルドを粉砕しバンタム級王者となったピョートル・ヤンは、5連勝中のアルジャメイン・スターリングを相手に初防衛戦を行う。
第15試合 メインイベント UFCライトヘビー級タイトルマッチ 5分5R
○ヤン・ブラホビッチ(王者)
×イズラエル・アデサニヤ(挑戦者、ミドル級王者)
判定3-0 (49-45/49-45/49-46)
※ブラホビッチが初防衛
1R、アデサニヤが低めに構えてサウスポー主体でスイッチを織り交ぜ、ブラホビッチはオーソドックスで、双方出方を伺う。どちらも蹴りとパンチを出すがかわしたりブロックができている。静かだが一発で一気に試合が展開しそうな緊張感で満ちている。終盤、ポイントを意識してか、アデサニヤがカーフキックや前蹴りを当てて終了。記者採点は難しいが手数で少し上のアデサニヤ。
2R、少しずつお互いの動きが細かくなると、ブラホビッチの右フック、左ミドルが連続でヒット。アデサニヤも左ハイを空振りさせてから、すぐ右のカーフキックを当てる。中盤、パンチが交錯すると、一瞬ブラホビッチが両脇を差して組むが、すぐ離れる。終盤も両者慎重で、ブラホビッチは上半身、アデサニヤは下半身狙い主体の攻撃が続き、均衡は崩れない。記者採点はやや手数が多い印象のブラホビッチだが、アデサニヤについても不思議ではない。アデサニヤのほうが多く汗をかいており、増量した分、スピードも落ちた感もある。
3R、ブラホビッチが序盤から組み付いて倒しバックを取りかけるが、すぐスタンドに戻る。パワーではやはりブラホビッチが上か。中盤にもブラホビッチが両差しで押し込む。しばらくして離れ、お互い時折パンチを当てるが、慎重な打撃戦に戻る。終盤にもブラホビッチが両差しで押し込むが、その先に持ち込めない。記者採点は打撃はイーブンと考え、テイクダウンを奪ったブラホビッチにしたが、これも判断の難しいラウンドだ。
4R中盤、アデサニヤがパンチを振った直後、ブラホビッチが胴タックルでテイクダウンに成功。オクタゴン中央付近で上になり、ハーフで押さえ続ける。残り1分、ブラホビッチがサイドを奪い、そのまま押さえ続け、時折パウンドもヒット。終盤、ハーフに戻るが、押さえ続けて終える。記者採点はブラホビッチ。
5Rもお互い慎重ながら、ブラホビッチが随所で左ジャブ、右ストレートをヒット。アデサニヤも蹴りとパンチを返すが、疲れて来た様子で、中盤、ブラホビッチが胴タックルでまたも倒して上に。ハーフで押さえ続け、最後はマウントを奪ってパンチを当てて終了。
記者採点はブラホビッチ、合計49-46でブラホビッチ。ジャッジ3者もブラホビッチを支持し、ブラホビッチが下馬評を覆し初防衛に成功した。アデサニヤは1階級上に果敢にチャレンジしたがMMA初黒星。スピードが落ち一発に警戒し過ぎた感があり、ミドル級が適性な感は否めなかった。
第14試合 セミメインイベント UFC女子フェザー級タイトルマッチ 5分5R
○アマンダ・ヌネス(フェザー級&バンタム級王者)
×ミーガン・アンダーソン
1R 2’03” アームバー
※ヌネスが2度目の防衛
1R、長身のアンダーソンがプレッシャーをかけると、ヌネスは右のカーフキックをヒット。ヌネスはじわじわ圧をかけ、右フックを当てる。さらにヌネスが右フック、右カーフキックを当てると、アンダーソンは打撃を嫌って組んできたが、ヌネスは簡単に潰しててバックを奪い、後方から三角絞めを仕掛けつつ腕を伸ばして極めタップアウト。ヌネスが無傷で圧勝した。
第13試合 UFCバンタム級タイトルマッチ 5分5R
×ピョートル・ヤン(王者)※初防衛戦
○アルジャメイン・スターリング(1位)
4R 4’29″反則失格
※スターリングが王者に
1R、スターリングが開始するからスイッチを繰り返しつつ、細かく動いて圧力をかけて蹴りを積極的に出す。スターリングが右の飛び膝を放つと、ヤンは頭にもらうが、まだダメージは小さい。ヤンは手数は少ないが、右ミドル一発が重い。スターリングが右ハイを放つと、ヤンは蹴り足をつかんで倒すが、押さえにはいかない。スターリングは再び右の飛び膝をヒット。さらには上になって押さえる。
ヤンが積極的に攻める状況が続いたが、ヤンは脱出すると、右ストレート一撃でスターリングをダウンさせる。終盤、スターリングはカニばさみのような形で引き込むが、ヤンは脱出する。ヤンは左ミドルを当て、最後は抱え上げて頭からマットに倒し印象を残す。1Rから高いレベルで激しく攻防の入れ替わる試合に。記者採点は右ストレートでダウンを奪ったヤン。
2Rもスターリングが蹴り、タックルで積極的に仕掛けるが、ヤンがうまく防御し続ける。だがヤンは金網に押し込まれる時間が長く、なかなか好印象を残せない。終盤、一度離れ、スターリングがパンチと蹴りを連打すると、ヤンは下がりながらブロック。再びスターリングが押し込むと、ヤンがバックを取るが、その先にはつなげられない。記者採点はスターリングで、合計ポイントはイーブンとなったが、ヤンはスターリングに力を使わせ、長期戦に備えて捨てラウンドにした可能性もある。
3R、スターリングがこれまで同様パンチと蹴りを積極的に出すが、ヤンはかわしたりブロックを続け、強い左ミドルや右ストレートを随所でお返し。攻めさせつつきっちり自分の攻撃を当てる。するとスターリングは少しずつ疲れて来たか?後半はヤンの左フックで押されるようにスリップし、タックルも力が入らず簡単に切られるように。ヤンは最後、右のカーフキックを当て、テイクダウンも成功し、きっちり印象を残す。記者採点はヤン。計29-28でヤン。
4R、ヤンがスターリングの攻撃をブロックしつつ、随所で左ボディ、左ストレート、左ミドルを強打。中盤過ぎ、ヤンが左ストレートを立て続けに当てると、スターリングは背中を向けてしまう場面も。だが終盤、スターリングが片膝をついた状態で、ヤンが頭を押さえながら右膝をスターリングの顔面に当てる反則を犯してしまい、一時中断する。スターリングはこれまでのダメージの蓄積も影響してか、立ち上がれず、ドクターの診断を経てレフェリーがストップ。裁定はヤンの失格、スターリングの反則勝ちだが、無念の結末で、巻かれたベルトをすぐ外し、うずくまって涙を流した。
第12試合 ライト級 5分3R
イスラム・マカチェフ(14位)
ドリュー・ドーバー(15位)
第11試合 ライトヘビー級 5分3R
×チアゴ・サントス(2位)
○アレクサンダル・ラキッチ(4位)
判定0-3 (27-30/28-29/28-29)
第10試合 バンタム級 5分3R
○ドミニク・クルーズ(11位、元王者)
×ケイシー・ケニー
判定2-1 (28-29/29-28/30-27)
プレリムの最後の試合に、ベテランのクルーズが登場。クルーズは16年6月にユライア・フェイバーに勝利しバンタム級王座を防衛したが、続く同年12月のコディ・ガーブラント戦で王座陥落してから怪我のため長期欠場となり、昨年5月の復帰戦ではヘンリー・セフードの王座に挑むも2R TKO負けしていた。
1R、サウスポーのケニーの圧力をかわし、クルーズが随所で右フックを当てやや優勢。だがタックルは切られ続け、ケニーもインローを随所で返している。2Rも同じような構図だが、クルーズのヒットが減り、ケニーもパンチを当て、最後はギロチンを狙って好印象を残す。
3R、クルーズは序盤からテイクダウンに成功し、金網際でサイドで押さえる。膠着が続き、スタンドに戻るが、両者とも動きが重い。それでもクルーズはパンチの連打をまとめ、積極的に攻め好印象を残す。終盤には再度テイクダウンを奪い、押さえたまま終了。ジャッジは割れたものの判定勝ちし、約5年ぶりの白星をもぎ取った。
第9試合 バンタム級 5分3R
×ソン・ヤドン(14位)
○カイラー・フィリップス
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
第8試合 フライ級 5分3R
×ジョセフ・ベナビデス(2位)
○アスカル・アスカロフ(3位)
判定0-3 (27-30/27-30/26-30)
※アスカロフは計量1ポンドオーバー
第7試合 フライ級 5分3R
×ホジェリオ・ボントリン(8位)
○カイ・カラ・フランス(9位)
1R 4’55” TKO
第6試合 フライ級 5分3R
○ティム・エリオット(12位)
×ジョーダン・エスピノーサ
判定3-0 (30–27/30–27/30–25)
第5試合 ライトヘビー級 5分3R
○ケネディ・エンジーチュクー
×カーロス・アルバーグ
2R 3’19” KO
第4試合 ウェルター級 5分3R
○ショーン・ブレイディ
×ジェイク・マシューズ
3R 3’28” 肩固め
第3試合 女子ストロー級 5分3R
×リビーニャ・ソウザ
○アマンダ・レモス
1R 3’39” TKO
第2試合 ライト級 5分3R
○ウロシュ・メディチ
×アーロン・クルーズ
1R 1’40” TKO
第1試合 バンタム級 5分3R
×マリオ・バティスタ
○トレビン・ジョーンズ
2R 0’47” TKO