ONE Championship 1.22 シンガポール:青木真也、1年3ヶ月ぶりONE本戦で1R一本勝ち。川原波輝、ONE初戦はアディワンにKO負け
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ONE Championship「ONE: UNBREAKABLE」
2021年1月22日(金) シンガポール・インドアスタジアム
レポート:井原芳徳 写真&選手コメント:(C) ONE Championship
第5試合 コー・メインイベント MMA ライト級 5分3R
○青木真也(イヴォルブMMA/4位、元王者)
×ジェームズ・ナカシマ(米国)
1R 2’42” ネッククランク
青木は昨年9月のRoad to ONEで江藤公洋に判定勝ちして以来の試合。ONE本戦シリーズ出場は19年10月の両国国技館大会以来、1年3ヶ月ぶり。元ONEライト級王者で、現在も4位にランクインしていながら、なかなか本戦シリーズに呼ばれなかったが、ようやく出番が回って来た。
青木と戦うジェームズ・ナカシマは、UFCに多数の選手を送り込む米国のLFAの元ウェルター級王者で現在32歳。レスリングをベースとし、18年11月からONEに参戦。19年8月に岡見勇信に判定勝ちし、ONE 3連勝・MMAデビュー以来12連勝としたが、昨年10月のウェルター級タイトルマッチで王者のキャムラン・アバゾフに4R TKO負けし、プロ初黒星を喫した。今回がライト級に階級を下げての初戦。12勝のうち一本/KO決着は1試合のみと、手堅い印象のある選手だが、青木は持前のグラップリング技術を存分に発揮し、難なく一本を奪うことに。
1R、両者サウスポーに構え、ナカシマがプレッシャーをかけると、青木は組みに行くが、ナカシマは押し込んで突き放す。ナカシマは引き続きプレッシャーをかけるが、青木は右フックをヒット。打撃面での成長を印象付ける。それでもナカシマは変わらず圧をかけるが、青木は素早く胴タックルを仕掛け、両脇を差して組み付き、金網に押し込む。すぐに青木は背後に回り込み、オンブになって裸絞めを狙う。青木はいったんオンブを解き、引き続き背後に立ち、足を4の字の状態で絡めたまましがみついていると、レフェリーは「アクション」コールを発する。だが青木は再び飛びついてオンブになると、裸絞めを仕掛ける要領で首をひねり上げると、ナカシマはすぐタップした。
Shinya Aoki becomes the all-time submission leader in ONE with a SLICK rear-naked choke against James Nakashima! @a_ok_i #ONEUnbreakable #WeAreONE #ONEChampionship
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— ONE Championship (@ONEChampionship) January 22, 2021
青木は勝ち名乗りを受けると笑顔を浮かべ、勝利者インタビューで「今回勝ってタイトルショットを考えていますか?」と聞かれるが「ベルトとか考えていないです」と即答。続けて「本当に怖くて。俺が格闘技をすることで喜んでくれる人達がいて」と涙を流しながら話し、大会を中継するABEMAの北野雄司プロデューサーら関係者の名前を挙げると「俺たちはファミリーだ」と叫び「37年生きてきて、今が一番応援されていて、今が一番幸せです」と、感謝の意を示した。
◆青木真也
(勝利、おめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください。)ラッキーでした。それだけです。たまたま、ラッキーでした。
(試合前のインタビューではタフな試合になるとお話ししていましたが、実際のところ1R本勝ちでした。ご自身でも驚いていますか?)はい。本当に驚いています。もっと厳しい、タフな試合になると思っていたので、この結果は本当にラッキーだったと思っています。
(キャリアを続けるモチベーションは何でしょうか?今後タイトルマッチをやりたいという気持ちはありますか?)なんでやっているかって言うと(以前にも)喋ったように、あんまり格闘技をやらなくても良いと思うんです。格闘技が好きで単純に楽しいから、これ以上楽しいことも好きなこともないし、単純に好きだからやっているだけです。タイトルマッチと言うよりも、次の試合がテンポよく来たらいいなと思います。毎回、試合をなかなか頂けないことが多いので、早く試合が欲しいなと思っています。
(サークルケージの中でどのような喜びを感じますか?)喜びというか、これだけ苦しい思いをして、試合をするのが嫌で怖くて、それで試合から解放されるというのが単純に嬉しいです。それが一番、苦しいところからの開放感みたいなことが楽しいです。
(試合の最初に見せたハイキックはジェームズ・ナカシマの左パンチへの対応策でしたか?)レスリングの強い選手だったので、連帯というか、しっかりと蹴って綺麗な構えと強い右の蹴り。ハイキックというよりミドルキックなのですが、強い蹴りと綺麗な構えを意識して試合をしました。
(今回、素晴らしい一本勝ちでした。これまでのキャリアの中で何度も一本勝ちを収めていますが、その中でも今回の一本勝ちはどのくらい気に入っていますか?)どうなんだろう。ただ後ろひっついて首捻っただけですからね。一つ一つのサブミッションに思い入れがあって、今回の試合は総合格闘技として完成度の高い試合だった。一番良かったんじゃないかなって思っています。
(タイトルマッチはあまり考えていないということでしたが、戦いたい選手はいますか?)あまりないです。とにかく早く試合がしたいですね。ただ、日本人で言ったら秋山(成勲)とかとやってみたいですね。
(今着ているTシャツに「AGE IS JUST A NUMBER.」(年齢はただの数字に過ぎない)と書いてありますが、実際にそう思っていますか?)僕、若いでしょ!若くない?全然、自分が37歳っていうのはあまり感じていないです。あまり年齢は気にしていないし、変わらず楽しいし。だって普通に考えたら、おかしいでしょ。30歳とかいいオジさんが裸になってパンツ一丁になってグローブ付けてぶん殴りあったりしているんだからさ。そのくらい、まだ気持ちは若いです。
第1試合 MMA ストロー級 5分3R
×川原波輝(チーム・アルファメール/DEEPストロー級王者)
○リト・アディワン(フィリピン)
2R 2’02” KO (左フック)
川原は昨年8月に越智晴雄に2R裸絞めで一本勝ちし、DEEPストロー級王座を獲得。その時からストロー級の選手層の厚いONEへの参戦を熱望し、試合9日前の緊急オファーだったが、ようやく念願がかなった。
川原の相手・リト・アディワンはフィリピンの名門・チーム・ラカイに所属。ONEウォリアーシリーズで3連勝後、19年10月の両国大会でONE本戦デビューを果たし、仙三(パンクラス・フライ級王者)にアームロックを極め、右腕を破壊して勝利した。続く1月のポンシリ・ミートサティート戦でも1Rアームロックで勝利。昨年10月、箕輪ひろば(修斗ストロー級世界王者)に判定1-2で敗れたが、1Rに得意のアームロックで箕輪を追い詰める場面を作った。
1R、アディワンは右のカーフキックを序盤からヒット。1分過ぎ、川原がタックルを仕掛けるが、アディワンは切る。中盤になるとアディワンは詰めてパンチを振るう場面も。さらに右フックと右ローの連打も決め、やや優位な印象に。川原はパンチの空振りが続き、アディワンは右ロー、ミドルを的確に当て続ける。
2Rもアディワンは右ロー、ミドルを当て続け主導権を維持する。蹴り数は少ないものの、攻撃は的確で、少しずつ川原は左足にダメージが溜まって来ている様子だ。すると中盤、川原が圧をかける展開になるが、アディワンはステップしつつ下がると、左フックを川原のアゴにクリーンヒット。川原は真後ろに倒れ、すぐさまレフェリーがストップ。川原のONE初戦は完敗に終わった。
◆川原波輝
(今回の敗因についてどのように考えているか教えてください。)海外の選手の独特な動きに対応しにくかったです。9日間の中で、もちろん自分の能力を出し切らなければならなかったんですが、9日しかないってことで自分の自信が欠けていたのかなと思います。自信はあったのですが、前回準備して戦ったのとは違ったので、不安を消し去ることができず、というのはありました。
(今回は残念ながら負けてしまいましたが、それでも今はONEの選手です。今後どのようなことを目指していきたいと考えていますか?)もちろん、ONEストロー級の世界チャンピオンです。
(アディワン選手は今回、かなりアグレッシブにプレッシャーをかけて来ましたが、そこはどのように感じましたか?)楽しかったです。楽しんで攻防ができました。
(今回のONEデビュー戦での経験はいかがでしたか?今度どのように生かしていきたいですか?)もちろん今日は負けだったんですが、ONEのストロー級のチャンピオンになるための負けだったので、僕は経験としか思っていないです。
(サークルの中でニコッと笑っていたり楽しんでいる様子が伺えました。相手との距離感も良く調子が良さそうでしたが、それもゲームプランの一部でしたか?)ゲームプランはテイクダウンを取って寝技で行こうと思っていたんですが、楽しくなっちゃって。
(もし、リト・アディワンとリマッチをするならば、どのような部分を改善しますか?)カーフキック。右のミドルですよね。カーフキック。あそこで距離を狂わされたので、それを改善すれば。パンチをもらうことはあまりなかったので。蹴りを嫌がったところの左フックだったので、あの蹴りですね。蹴りを対応できれば。あとは、もっとテイクダウンで自分のグラウンドの強みに持っていければ勝てると思います。
(今回の試合のポジティブな面はどういった部分だと思いますか?)今日の負けは、チャンピオンになるための負けなので。負けっていう一言で終わらせたらそれで終わりなんですけど、僕はそれを経験だと思っています。チャンピオンになるための経験をしたと思っています。
(ONEの計量システムで苦労したことはありますか?)ハイドレーション(計量での水分測定)のシステムがあまり分からなくて、大幅に落とし過ぎたというのもあります。でも、それも経験なので、次に活かせるかなと思っています。
その他の試合結果
第6試合 メインイベント ONEキックボクシング・バンタム級タイトルマッチ 3分5R
×アラヴァディ・ラマザノフ (王者)
○カピタン・ペッティンディーアカデミー (2位)
2R 1’56” KO (右ボディストレート→右ローキック→右ストレートの連打)
※カピタンが王者に
Capitan CRUSHES Alaverdi Ramazanov in Round 2 to claim the ONE Bantamweight Kickboxing World Championship! #ONEUnbreakable #WeAreONE #ONEChampionship pic.twitter.com/yuCArNk5BE
— ONE Championship (@ONEChampionship) January 22, 2021
第4試合 キックボクシング ヘビー級 3分3R
○ラーデ・オパチチッチ
×ブルーノ・スサノ
1R 1’11” TKO
第3試合 MMA ウェルター級 5分3R
×ゼバスチャン・カデスタム
○ザキムラッド・アブデュラエフ
1R 2’08” フェイスロック
第2試合 MMA 54.8kg契約 5分3R
○メン・ボー (2位)
×サマラ・サントス
判定3-0