Krush 10.17 後楽園ホール:佐々木大蔵、計量オーバーの中野滉太に判定勝ち。鈴木勇人とサッタリ・ウィラサクレックが豪快KO勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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Krush.118
2020年10月17日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第10試合 スーパー・ライト級(65kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/王者、元ライト級(62.5kg)王者)
×中野滉太(POWER OF DREAM)
判定3-0 (豊永29-28/岡田30-28/三浦29-28)
佐々木は昨年6月のK-1での不可思との死闘で勝利し、その後は鈴木勇人にK-1とKrushで連勝し、鈴木からKrush王座を獲得。7月11日のKrush.114で近藤拳成を得意の蹴りを駆使して完封して初防衛に成功し、現在4連勝中だ。
対する中野はPOWER OF DREAM所属で、武居由樹、江川優生の後輩にあたる21歳の注目株。9戦7勝(6KO)2敗と高いKO率を誇り、7月21日のKrushで瑠久を1R左フックでKO。早速念願のタイトルマッチが組まれた。
ところが中野は前日計量で1.5kgオーバーし、ノンタイトル戦に変更。佐々木は勝っても防衛とはならない。中野は1R目減点2、ファイトマネー30%減額となる。佐々木が規定のグローブハンデを拒否し双方とも8オンスグローブを着用する。タイトルマッチを想定して作られたであろう紹介VTRも試合前に上映されず両者が入場する。
1R、中野が圧力をかけ、右ミドル、前蹴りを放つ。佐々木も回って左右のミドルを返すが、攻撃が中野よりもやや少ない。記者採点はイーブン。
2Rも圧力をかけるのは中野のほう。右のフック、ストレートを当てると、佐々木はバランスを崩したり、クリンチで誤魔化す場面が目立つように。中盤に佐々木がサウスポーに切り替えると、中野の攻撃が減るが、佐々木の攻撃も乏しい。終盤、佐々木はガードを下げたり、ロープにもたれて前蹴りを放って突き放したり、組んでから崩したり、ややムエタイのフィームースタイルに近いファイトを見せるが、そこからポイントにつながる攻撃には持ち込めない。記者採点は中野。
3R、中野は次第にパンチの数を増やすと、佐々木も打ち合いに応じる。中盤、佐々木は左ジャブ、左ミドルを多用するが、中野の圧力は落ちない。終盤、佐々木もボディから顔面につなぐパンチのコンビネーションを決め、パンチを増やすが、中野も左右のフックを振り続け、手数ではほぼ五分で終える。記者採点はイーブン。中野への減点2もあわせ、合計29-28で佐々木。ジャッジも2者が同様に中野に1ポイントを振ったが、減点の差は埋められず、佐々木の判定勝ちとなった。
マイクを持った佐々木は「倒したかったですけど、中野選手、凄いテクニシャンでした。だけど(体重オーバーを)反省して欲しいです。会長も覚悟を持って見てくれていると思うので、選手は緊張感を持って減量に取り組まないといけないです。それを胸に中野選手には今後活躍してもらいたいです」と、中野に呼びかけた。最後はタイトルマッチ同様、愛息をリングに上げ記念撮影した。
第9試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/元王者)
×松本篤人(バンゲリングベイ・スピリット)
3R 1’50” KO (左ボディストレート)
セミファイナルは元暴走族・鈴木勇人と国家公務員・松本篤人の、真逆とも言える人生をたどってきたファイター2人が激突。主に厚生労働省の労働系の部署で勤める松本のトランクスの後ろには「働き方改革」の文字が入っている。1R、鈴木がサウスポー、松本がオーソドックスに構え、お互いミドルをヒット。次第に鈴木の左ストレートが当たり出し、やや優位に。
2R、お互い手数を上げ、松本が右ボディ、右ミドルのヒットを増やす。鈴木は時折顔をしかめながらも右ジャブ、左ミドルで抵抗。一進一退の展開となる。終了間際、鈴木が左ストレートを立て続けに当てて松本を追い詰め好印象を残す。手数では松本が上だったが、一発の威力では鈴木が上という印象だ。
3Rも鈴木が左ストレートを随所で当て、松本を追い詰め優勢。すると松本の左膝蹴りがローブローとなり、一時中断。1分ほどして再開すると、鈴木はすぐパンチを連打し、両手でつかんで離してから左膝を顔面に当てる。鈴木はさらにパンチを連打して松本をロープ際まで下がらせてから、左ボディストレートを当てると、松本はダウン。そのまま立ち上がれず、鈴木のKO勝ちとなった。
鈴木は「楽に勝てると思っていましたが、松本選手、凄く強くて心が折れそうになりました。松本選手、ありがとうございました。(佐々木大蔵に敗れて)ベルトを失ってから2回しっかり勝てたので、これからトップ選手に絶対に勝ちます」とアピールした。
第8試合 クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
×谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/真正会全日本ウェイト制空手道選手権2017重量級優勝)
○サッタリ・ウィラサクレック[Sattari Weerasakreck](イラン/ウィラサクレック・フェアテックス・イラン)
2R 2’44” KO (右フック)
1R、日本初ファイトのサッタリは、時折スピードのあるフックを振り、会場をどよめかせるが、谷川は落ち着いて右ローを返す。
2Rもサッタリは大振りのフックを放ち続ける。クリーンヒットは無いが、サッタリのパワフルな攻めを前に、谷川はやや押され気味。とはいえサッタリも疲れが見え始め、下がり気味になるが、終盤、谷川が詰めて左ミドルを当てるが、サッタリは打ち下ろすように右フックをクリーンヒット。谷川はダウンし、うつぶせで倒れたまましばらく動けず。サッタリが衝撃的なKO勝ちでインパクトを残した。まだ粗削りだが、同郷のシナ・カリミアン同様、今後K-1で躍進するポテンシャルを感じさせるファイトだった。
第7試合 第6代Krushバンタム級(53kg)王座決定トーナメント一回戦(4) 3分3R(延長1R)
×多久田和馬(K-1 GYM横浜infinity)
○黒田斗真(K-1ジム心斎橋チームレパード)
判定0-3 (岡田29-30/三浦29-30/梅木28-30)
佐々木洵樹が階級アップのため返上したKrushバンタム級王座を懸け、8選手によるトーナメントが今大会から始まる。今日の勝者4人により12月19日のKrush.120にて準決勝・決勝が行われる。
1R、両者サウスポーに構え、蹴り主体の攻防。終盤、黒田が左フックを当て、やや好印象を残す。
2Rも基本的に蹴り主体の攻防で、お互いローを打ち合うが、終盤にかけて左のパンチのヒットもお互い増やす。中盤まで黒田がやや優位だったが、最後は多久田も持ち直す。
3R、お互い蹴り、パンチを出すが、決定打は出ないまま終了。記者採点は1Rに黒田につけ29-30で黒田。接戦で終わったものの、パンチのビッグヒットでやや印象を残した黒田がポイントを取り判定勝ちした。
第6試合 第6代Krushバンタム級(53kg)王座決定トーナメント一回戦(3) 3分3R(延長1R)
○吉岡ビギン(team ALL-WIN)
×池田幸司(ReBORN経堂)
判定2-1 (岡田30-29/梅木29-30/伊藤30-29)
1R、吉岡はサウスポー、池田はオーソドックスに構え、蹴り主体の攻防。吉岡が圧をかけているものの、池田も右のインローをコツコツと返し、終了間際には吉岡がローを嫌ってか構えをスイッチするように。
2Rも池田が右インローを当て、途中から吉岡はスイッチするように。だが吉岡は随所で左フック、ミドル、ボディへの前蹴りを当て、池田のバランスを崩させ、やや良い印象を作る。とはいえポイントがつくかは難しい程度の差だ。
3R、吉岡はオーソドックスに固定。お互い蹴りを出すが、なかなか決定打は出ない。終盤、吉岡はやや下がり気味になってしまう。記者採点は30-30。僅差の試合となったせいか、ジャッジは割れたが、2者が吉岡を支持し、吉岡の勝利となった。
第5試合 第6代Krushバンタム級(53kg)王座決定トーナメント一回戦(2) 3分3R(延長1R)
×藤田和希(K-1ジム目黒TEAM TIGER)
○橋本実生(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
判定0-2 (三浦29-30/梅木30-30/岡田28-30)
1R、橋本はサウスポー、藤田はオーソドックスに構え、お互い前手のフェイントをかけ合い、橋本は左ミドル、藤田は右ローを随所で当てる。だがまだはっきりした差をつけられない。
2R、蹴りの攻防が続くが、次第にパンチで打ち合う場面が増える。橋本の左フックがやや目立つが、藤田も随所で右フックを返し、一歩も引かない。終了間際、藤田が右まぶたから出血する。
3R、橋本は左ミドルを絡めつつも、パンチで打ち合う場面が多く、終盤に近付くに連れ、お互いパンチの回転を上げる。だが決定打は互い出ないまま終わる。記者採点は30-30。ジャッジはバラつき、1者だけイーブンだったが、2者がやや手数の多かった橋本にポイントを振り、橋本の判定勝ちとなった。
第4試合 第6代Krushバンタム級(53kg)王座決定トーナメント一回戦(1) 3分3R(延長1R)
○萩原秀斗(K-1ジム総本部チームペガサス)
×峯 大樹(若獅子会館)
判定3-0 (30-29/30-29/30-29)
1R、萩原が圧力をかけ続け、右ロー主体でやや積極的に攻めるが、終盤に峯も圧をかけ返してパンチをまとめる。
2Rも峯は勢い良く攻める場面もあるが、クリンチもお互い増え、両者なかなか決定打が出せない。
すると3R、萩原が右ミドルのヒットを増やしてから、左ストレートを当て、峯を少しひるませる。その後も萩原が右ミドル、右ストレート等で積極的に攻め続け、ポイントを奪い判定勝ちした。
これで12月19日の準決勝の組み合わせは、萩原秀斗×橋本実生、吉岡ビギン×黒田斗真となった。一回戦は接戦が多かったが、1日2試合戦う12月19日の戦いはどうなるか。
第3試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)※K-1ジム目黒TEAM TIGERから所属変更
×安達元貴(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)
※3R右ストレートで安達に1ダウン
第2試合 女子フライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
○真優(月心会チーム侍)
×小澤聡子(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
判定3-0 (30-29/30-28/30-27)
第1試合 61kg契約 3分3R(延長1R)
×齋藤祐斗(JK TRIBE)
○利川和希(K-1ジム五反田チームキングス)
判定0-3 (28-30/28-30/28-30)