ILFJラウェイ 11.14 後楽園ホール:渡慶次幸平&東修平、ミャンマー人選手を圧倒も5R時間切れドロー
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ILFJ「LETHWEI IN JAPAN 10 ~INORI~」
2018年11月14日(木) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
◆ラウェイルール概要(一般的なキックボクシングルールと異なる点)
・グローブは装着せず、バンデージのみで試合を行う
・頭突き、投げ技、手の平以外による首絞めも認められる。
・故意ではなく流れの中で蹴りが金的に当たった場合は有効打となり試合は続行される。
・1Rで3回ダウン、または、試合を通し合計4回のダウンでTKO負け。
・ダウンカウントは1カウント2秒で計測
・判定決着無し。時間切れの場合は引き分け。ダウン数やダメージは無関係。
・インターバルは2分
・試合中に1度だけ、選手又はセコンドがレフェリーに「タイム」を要請すれば、2分間の休息が許される。最終Rはタイムを行使できない。タイムは1ダウンとカウントされる。
第6試合 73kg契約 3分5R
△ソー・テット・ウー[Soe Htet Oo](ミャンマー/70.6kg)
△渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺/73.0kg)
時間切れ
MMA出身の渡慶次は近年はラウェイに挑み続け戦績8戦2勝2敗4分。6月大会、9月大会でメインイベンターを務め、昨年12月にミャンマーで引き分けたソー・ミン・アウンと再戦したが、またも時間切れ引き分けに終わった。渡慶次はその試合の約3週間前にミャンマーでも激闘を繰り広げており、やや疲れが残っていた感じだったが、今回は準備万端な様子だ。
今回の相手、ソー・テット・ウーは、昨年11月大会でクォン・ドヒョン(韓国)と引き分けている選手。ラウェイ戦績52戦31勝4敗17分で35歳のベテランだ。
1R、渡慶次がサウスポーに構えて圧力をかけ、左ミドル、左の奥足狙いのローを当て続け主導権。ソーもまだ耐え、時折パンチを返す。
2R、序盤はやや渡慶次が慎重になり、レフェリーから注意されるが、中盤以降は左ミドルを効かせつつ、パンチのヒットも増やし、右フックも当ててダウン気味に吹き飛ばす。ラウンド後のインターバルに、渡慶次の師匠の山口元気氏から「相手気持ち折れてるんだから、このラウンドで終わらせなきゃダメ」と厳しい声が飛ぶ。
3R、渡慶次は手数を上げ、パンチ、左ミドル、ローを何発も当て圧倒。ダウン気味に何度も倒す。だがレフェリーはなかなかダウンを宣告しない。
4Rも渡慶次が攻め続け、コーナーに詰め、アッパーも絡めたパンチの連打でようやくダウンを奪う。ソー陣営はタイムを使用し、2ダウン相当になる。その後も渡慶次がパンチ、膝を当て続け、度々ソーを倒して圧倒する。
5Rも渡慶次が圧倒し、左ローで度々スリップさせていると、ようやくレフェリーがダウンを宣告。その後も渡慶次がパンチと膝とローで一方的に攻め続け、度々スリップさせるが、レフェリーは最後までダウンを宣告せず、時間切れに。レフェリーによってはKOを宣告していてもおかしくないぐらいで、渡慶次はほぼ勝ちに等しい試合内容だった。
第5試合 63kg契約 3分5R
△チャー・バー・ヘイン[Kyar Ba Hei](ミャンマー/59.45kg)
△東 修平(AACC/62.90kg)
時間切れ
東は昨年11月大会でラウェイに初挑戦し、トゥン・ルイン・モーに攻め込まれたものの、5Rフルで戦いドローに持ち込んでいる。チャー・バー・ヘインはラウェイ35戦23勝2敗10分の22歳。
1R、東は開始すぐから圧力をかけ、右ローを連打。ある程度攻め込んでから詰めてパンチを連打するが、接近戦になればチャーは頭突きで応戦する。その後も東がロー主体で攻めつつ、左ストレートで吹き飛ばし、背後に回れば抱え上げてマットに叩きつけたりと、攻勢を維持する。
2Rも東が攻勢を維持し、終盤には首相撲で左膝を連打し、左ストレートも当てて追い詰める。だがチャーも随所でパンチを返し、まだ耐えられる状態だ。
3Rは東が度々コーナーとロープに詰め、パンチとローで圧倒する展開。チャーは度々スリップし、終盤にはパンチをもらってから倒れるが、すぐ立ち上がって、ダウンを免れる。
4Rも東がチャーをパンチと組んでの左膝で圧倒。チャーは自ら転がって攻撃を免れる場面が増え、レフェリーから警告を宣告される。終盤、チャーの肘が当たり、東が側頭部から出血しドクターチェックが入る。
5Rは東が攻め続け、パンチのラッシュと左膝で2ダウンを奪う。最後もラッシュで倒したが、同時にゴングが鳴り、レフェリーはダウンと認めず、時間切れドロー。渡慶次同様、東はほぼ勝ちに近い試合内容だった。
第4試合 65kg契約 3分5R
△パッキャウ・リン・ナイ[Pat Kyaw Lin Naing](ミャンマー/62.65kg)
△ケイン・コンラン[Kayne Conlan](ニュージーランド/ストライクフォースジム/WKBF南太平洋ウェルター級王者、WKBF&WMCニュージーランド同級王者/64.3kg)
時間切れ
ラウェイ初挑戦のコンランはキックボクシング戦績34戦23勝10敗1分。パッキャウはラウェイ戦績18戦6勝1敗11分の18歳。昨年11月の後楽園で蓮實光にTKO勝ちしている。
1R、コンランが鋭い右ローを当て、首相撲でもパッキャウを振り回し、パワーとテクニックで上回る。パッキャウも右ローとパンチを返し、まだ差はつけさせない。
2R、パッキャウが序盤からパンチの連打を仕掛けるが、コンランはかわし、コーナーに詰めてのパンチのヒットを増やし攻勢に。パッキャウは鼻血を出して苦しそうだ。
3Rもコンランが圧力をかけて、パンチを当てて攻勢。終盤には右ミドルも強打する。だがパッキャウも耐え、パンチと頭突きで応戦する。
4R、コンランがコーナーに詰め、右ロー、ミドル、ストレートを何発も当てて圧倒する。5Rもコンランが右ローを散らしつつ、右ハイも当てて、パッキャウを苦しめ、終盤には右の飛び膝でダウンを奪う。だがパッキャウは苦しみながらも最後まで耐え続け時間切れ。ラウェイの持ち味が出る激闘を繰り広げた両者に、観客からは大きな拍手が起こった。
第3試合 62kg契約 3分4R
△清水俊一(総合格闘技宇留野道場/61.95kg)
△真虎斗 a.k.a BASTA(TEAM BASTA/61.9kg)
時間切れ
清水は9月大会でラウェイに再挑戦したが、タゥク・シャー相手に消極的なファイトが続きドロー。同じ大会の第1試合でテレカ∞と激しい打ち合いを繰り広げた真虎斗 a.k.a BASTAとの一戦が組まれた。清水は今大会の前にミャンマーに出稽古に行っており、その成果も出したいところ。両者ともラウェイ戦績は2戦2分で共通する。
1Rはお互いロー主体の攻防。ほとんどパンチは使わず、まずは相手の足元から削る戦略で共通する。2R、真虎斗の右ローのヒットが増え、右フックや膝も絡めるように。清水は少し足元のバランスが悪くなるが、蹴り足をすくって倒して真虎斗の追撃を寸断し続ける
3Rも清水は真虎斗の右ローをすくって倒し続けるが、その先の攻めが乏しい。真虎斗もなかなか状況を打開できない。終盤、清水が頭突きを出すと、真虎斗も右フックの数を上げるが、お互いひるむ攻撃にはならない。
4R、レフェリーにも促され、お互いパンチや頭突きの数を増やすが、均衡は崩れず引き分けに終わった。
第2試合 100kg契約 3分4R
△天承山(LifeAMIC-ハイボルテージ/92.55kg)
△中島佑斗(TEAM侍/92.65kg)
時間切れ
47歳のベテラン・天承山と、21歳の中島の一戦。どちらもラウェイは初挑戦だ。1R、中島がじわじわ圧力をかけ、パンチが交錯してクリンチになり、お互い頭突きを出し、ブレイクがかかる展開が繰り返される。
2Rも同様の構図が続いたが、天承山は首相撲で捕まえて膝をボディに効かせるようになると、中島は勢いが落ちる。
3Rもクリンチが多く、天承山は相手のトランクスを度々つかむため、レフェリーから注意を受ける。4Rもクリンチが繰り返され、お互い打開できないまま時間切れとなった。
第1試合 100kg契約 3分4R
△YABU(心武館/97.8kg)
△ウー・ドンシン(台湾/96.4kg)
時間切れ
YABUは昨年9月大会と今年2月大会に出場し、いずれもオーストラリアの選手と対戦し、初戦は右ローキックで3R TKO勝ち、2戦目はクリス・ヴァイスに3RレフェリーストップTKO負けだった。
ウー・ドンシンは6月大会に参戦し、ヴァイスと対戦したが、パンチによる右目の負傷1RレフェリーストップTKO負けに終わっている。
1R、両者サウスポーに構え、ドンシンが中盤まで右フックを当てるなどしてやや優位だったが、YABUのパンチが左目に入ったか?左目を何度もまばたきするようになり、終盤は攻め手が減る。
2R、ドンシンの目のダメージは治まり、序盤から左ミドル、ハイを当てて主導権を維持するが、手数は上げず慎重に試合を進める。YABUも随所でロー、ジャブを返す。3Rもドンシンは慎重だが、圧力をかけ、少しずつパンチを当てるうちに、YABUも息が荒くなってきた。
4R、ドンシンもローのダメージが溜まり、圧力が落ちたが、終盤には右フックを当てて少しYABUをぐらつかせる。だがYABUも持ちこたえ、時間切れ引分となった。