ILFJラウェイ 2.21 後楽園ホール:渡慶次幸平、ラウェイ5戦目で悲願の初勝利。初挑戦の清水俊一は時間切れ引き分け
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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ILFJ「ラウェイinジャパン 7 勇気~YUKI~」
2018年2月21日(水) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
◆ ラウェイルール概要(一般的なキックボクシングルールと異なる点)
・グローブは装着せず、バンデージのみで試合を行う
・頭突き、投げ技、手の平以外による首絞めも認められる。
・故意ではなく流れの中で蹴りが金的に当たった場合は有効打となり試合は続行される。
・1Rで3回ダウン、または、試合を通し合計4回のダウンでTKO負け。
・ダウンカウントは1カウント2秒で計測
・判定決着無し。時間切れの場合は引き分け。ダウン数やダメージは無関係。
・インターバルは2分
・試合中に1度だけ、選手又はセコンドがレフェリーに「タイム」を要請すれば、2分間の休息が許される。最終Rはタイムを行使できない。タイムは1ダウンとカウントされる。
第6試合 63kg契約 3分5R
△トゥン・ルイン・モー(ミャンマー/ラウェイ世界選手権’16 ’17 2連覇/61.90kg)ラウェイ25戦14勝0敗11分
△清水俊一(総合格闘技宇留野道場/62.7kg)
時間切れ
UFC出場経験もあるMMA選手・清水俊一がラウェイに初挑戦。前回11月大会のメインで東修平と激戦を繰り広げたラウェイ無敗戦士・トゥン・ルイン・モーと対戦する。
1R、序盤はトゥンが左右のストレート、ミドル、ロー等を積極的に出し、清水はタックル等で組み付いて倒して攻撃を寸断し続ける。だが中盤以降から、清水の左ジャブが当たり出し、右ローのヒットも増え、トゥンは首を縦に振って少し痛みをのぞかせるように。
2R、2分ごろにトゥンが頭突きを放ってくる場面もあったが、あとは両者右ロー、左ジャブの応酬で、ほぼ互角の展開。お互い手を振って挑発し合う場面もあり、場内も沸く。
3R、2分のインターバルで回復したトゥンは、またもパンチ、ローのヒットが増え、清水は打撃が減り、1R前半のようにタックルで寸断する状況を繰り返す。このままやればドローには持ち込めるが、勝機をどう見出すか?4Rも基本的には同じような構図で、清水は時折右ローを当てるが単発で、流れを変えられない。
5R、トゥンは勝利を狙い、序盤から前に出て、パンチ、膝を当て続ける。清水は次第にタックルで防御することもできなくなり、終盤はトゥンが頭突きも絡めたラッシュで清水を下がらせ続け終了。清水はなんとか耐えきりドローに持ち込むと、場内では激闘を称える拍手が巻き起こった。両者には二階俊博・自民党幹事長杯が授与された。
第5試合 73kg契約 3分5R
×ミン・テット・アウン(ミャンマー/69.15kg)ラウェイ20戦10勝4敗6分
○渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺/73.20kg→73.0kg)
2R 2’47” TKO (棄権)
渡慶次はラウェイ4戦2敗2分。前回11月のヤン・ナイ・アウン戦は70kg契約だったが、渡慶次の希望で72kg契約に変更となり、ファイトマネー減額のペナルティが科されていた。その後、12月にはミャンマーでも試合を経験し、ダウンを奪われたが引き分け。今回は73kgでの試合となる。
1R、渡慶次はサウスポー、ミンはオーソドックスに構え、お互いムエタイ的なリズムと距離感での蹴りの応酬を繰り広げ、顔面の攻撃はほとんど無い。ミンは右ミドル、左ローのコンビネーションを駆使。渡慶次の左ローをもらうと、ミンは少し嫌そうな表情を浮かべる。
2R、ミンのミドル、パンチ、テンカオの連打で度々下がる場面のあった渡慶次だが、セコンドの山口元気会長の指示通りに左のロー、ミドル、三日月を当て続けると、ミンは露骨に嫌そうな表情を浮かべ出し、終盤には渡慶次が左ハイと右アッパーを立て続けに当ててダウンを奪取。ミン陣営はタイムを要請し、コーナーに戻るが、ローをもらった右足の負傷で戦意を喪失し終了。渡慶次がラウェイ5戦目で悲願の初勝利を果たした。
渡慶次は「11月大会では体重を落とせなくて、向こうの選手が応じてくれて試合ができました。ちゃんとケジメというか心を入れ替えて戦おうと思って、今回勝てて良かったです。応援ありがとうございました」とマイクで話すと、観客から拍手を浴びた。
第4試合 70kg契約 3分5R
○ソー・リン・ウー(ミャンマー/66.65kg)ラウェイ72戦41勝1敗30分
×晴矢(G-STORY/元RISEミドル級(-70kg)7位/69.25kg)
2R TKO (タオル投入)
晴矢は9月にラウェイに初挑戦したが、1R KO負けに終わっており、今回は再挑戦だ。
1R、晴矢が左ジャブで距離を取りつつ、右フック、右ローを着実にヒット。中盤には右フックをもらったソーの動きが少し止まる場面も。足を止めて打ち合う場面でも、ソーのパンチをかわし続け、順調な戦いぶりだったが、終盤、ソーが首相撲に持ち込むと、ねじ込むように頭突きを連打し、晴矢は鼻血を出し、左まぶたを切られ、劣勢に陥る。
すると2R序盤、ソーが圧力をかけて晴矢をロープ際まで後退させると、左のジャブ気味のストレートをクリーンヒットし、晴矢は腰から崩れダウンする。晴矢陣営は2分のタイムを要請。その間、パンチをもらった晴矢の右まぶたにドクターチェックが入ると、腫れが激しいためセコンドがタオルを投入した。試合後は俳優の千葉真一さんが両者にメダルを贈呈した。
第3試合 100kg契約 3分4R
×YABU(心武館/元シュートボクシング日本ヘビー級2位/98.85kg)
○クリス・ヴァイス(オーストラリア/96.95kg)
3R 0’56” TKO (レフェリーストップ)
YABUは9月大会で右ローでKO勝ちしたハートリー・ジャクソン戦に続き、今回もオーストラリア人プロレスラーとの試合に。
1R、ヴァイスが前に出てパンチを連打し、YABUはアゴを引いてブロックを続け、時折右手を振って挑発する場面も。それでも鼻血を出し、ドクターチェックを受け、再開後も何発もパンチを浴びるが、ヴァイスはパンチが手打ちで、威力は不十分だ。終盤、YABUが右ローを連打し、ヴァイスを少しぐらつかせる。
2R、同じようにヴァイスが攻め続けていると、2分5秒でYABU陣営が2分のタイムを要請する。再開後も同じようにヴァイスのラッシュが続く。通常のキックボクシング・ムエタイ・MMAならタイムの前ぐらいの段階で止められているだろう。3Rもサンドバッグ状態が続くと、ようやくレフェリーがストップした。試合後はMr.マリック氏がプレゼンターを務めた。
第2試合 63kg契約 3分4R
×福田泰暉(TEAM-STAKE/62.40kg)
○ファン・チャンファン(韓国/ROAD FC チームフィニッシュ/62.10kg)
2R 1’01” TKO (タオル投入)
福田は大阪のWARDOGにも参戦しているMMA選手。ファンはムエタイ色の強い蹴り技を使いこなす選手。ファンがリーチ差も活かして圧力をかける中で、福田も詰めて右フックを当てるが、ファンはひるまず前に出て蹴り続ける。
2R、福田がファンの右足を抱えるが、ファンはその体勢のままジャンプして左膝を顔面に当てると、福田は後退するように。ファンは二段式の左膝蹴りも絡めてパンチラッシュで追い詰め、左ミドルと左ストレートの連打でダウンを奪う。カウント中に福田のセコンドからタオルが投入された。試合後は元自民党副幹事長で日本体育大学理事長の松浪健四郎氏が両者にメダルを贈呈した。
第1試合 66kg契約 3分4R
○ジェイ・ジン・ピョー(ミャンマー/65.9kg)ラウェイ74戦32勝5敗37分
×蓮實 光(パラエストラ栃木/65.0kg)
4R 2’19” TKO (累計4ダウン)
蓮實はラウェイ4戦3敗1分。1R、サウスポーのジェイが圧力をかけ、左ミドル、左ストレート主体で攻める。蓮實は右のインローを当てていたが、右足首をテープで固めており、そこで打った際に少し痛そうにし、バランスを崩す場面も。終盤にはジェイの左フックで倒れるが、すぐ立ってダウンは免れる。
2Rはジェイの攻勢がクッキリ。オーソドックスに構えを変え、左右のストレート、左ミドルを当て続ける。蓮實は鼻血が増え、度々尻餅をつく。インターバルでドクターチェックが入る。
3Rもジェイが攻め続け蓮實が防戦一方になると、1分41秒で蓮實陣営が2分のタイムを要請する。再開後、蓮實はタックルで度々倒して時間稼ぎを狙うが、ジェイが左ミドルから変化する左ハイでダウンを奪う。タイム分と合わせ累積2度のダウンに。
4Rも蓮實は攻め込まれてダウンを喫し、後が無い状況に。蓮實は変わらず、終盤にはタックルで組み付いて抱え上げてマットに叩きつけたが、その勢いのまま一回転して蓮實もマットに倒れると、右足を痛そうにして顔をしかめ、立つのが遅くなってしまい、レフェリーがダウンを宣告。これで蓮實に黒星がついたが、戦局を考えれば致し方ないところだろう。
次回大会は6月29日に後楽園ホールで開催される。