UFC 10.26 アブダビ(レポ):イリア・トプリア、ホロウェイを3R KOしフェザー級王座初防衛。チマエフ、ミドル級3位のウィテカーに1R一本勝ち。ライトヘビー級1位のアンカラエフが判定勝ちし王者ペレイラを挑発
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UFC 308: Topuria vs. Holloway
2024年10月26日(土/現地時間)アラブ首長国連邦アブダビ:エティハド・アリーナ
レポート:井原芳徳
イリア・トプリア、ホロウェイを3R KOしフェザー級王座初防衛
第13試合 メインイベント UFCフェザー級チャンピオンシップ 5分5R
○イリア・トプリア(王者)
×マックス・ホロウェイ(2位、元王者、BMF王者)
3R 1’34” KO (左フック→グラウンドパンチ)
※トプリアが初防衛
トプリアはジョージア生まれスペイン在住の27歳。15年のMMAデビューから15戦全勝で、20年から上がったUFCでも7連勝。2月には6度目の防衛戦だったアレキサンダー・ヴォルカノフスキーを2R 右フックでKOし、王座初挑戦でフェザー級王者となった。
ホロウェイは32歳。17~19年にフェザー級王座に君臨し3度防衛。22年7月に当時の王者ヴォルカノフスキーに挑戦したが判定負けした。昨年4月の再起戦ではアーノルド・アレンに判定勝ちし、8月にはジョン・チャンソンに3R KO勝ち。今年4月のUFC 300ではライト級に階級を上げ、ジャスティン・ゲイジーを5R終了1秒前に右フックでKOし、BMF (Baddest Mother Fucker)ベルトを獲得し、再び評価を高めた。今回は本来のフェザー級に戻って5年ぶりの王座復帰を目指す。

ABU DHABI, UNITED ARAB EMIRATES – OCTOBER 26: (R-L) Ilia Topuria of Spain punches Max Holloway in the UFC featherweight championship fight during the UFC 308 event at Etihad Arena on October 26, 2024 in Abu Dhabi, United Arab Emirates. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
1R、トプリアがプレッシャーをかけ、長身のホロウェイにタックルを仕掛けて倒し、バックを狙うが、すぐにホロウェイはスタンドに戻す。トプリアは引き続きプレッシャーをかけ、パンチのコンビネーションからの左フック、右ローを的確に当てる。終盤、ホロウェイが右肘、左ジャブ、テンカオ等を当てるようになって巻き返す。だが終了間際、詰めて来たホロウェイに対し、トプリアがワンツーを当ててスリップさせ、すぐバックを取り、いい形で終える。記者採点はトプリア。
2R、トプリアは変わらずプレッシャーをかけ、右カーフを随所で当て、ワンツーでの左フックもヒットする。だがホロウェイも細かくパンチを返し、左ジャブや右ストレートや右ミドルを当てる。記者採点は迷ったがトプリア。ホロウェイについても不思議ではない。
3R、トプリアが右カーフ、左右のボディと下に攻撃を散らしつつ、左フックをヒット。ホロウェイは右の関節蹴りを多用するが、トプリアは動じず前に出て、ワンツーでの右ストレートをヒット。ひるんだホロウェイを金網際に詰め、左ボディを絡めてパンチを連打する。ホロウェイは金網際から離れたが、トプリアが追いかけると、左右のパンチを当て続け、最後は左フックでマットに沈め、パウンドで追い打ちをかけたところでレフェリーがストップした。ホロウェイは34戦目で初のKO/TKO負け。トプリアはデビュー以来の連勝を16に伸ばした。
トプリアの勝利者インタビュー中、前王者のヴォルカノフスキーもオクタゴンに入り、トプリアは再戦を誓い、ヴォルカノフスキーとハグをした。

ABU DHABI, UNITED ARAB EMIRATES – OCTOBER 26: Ilia Topuria of Spain celebrates after a knockout victory against Max Holloway in the UFC featherweight championship fight during the UFC 308 event at Etihad Arena on October 26, 2024 in Abu Dhabi, United Arab Emirates. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
チマエフ、ミドル級3位のウィテカーに1R一本勝ち
第12試合 コーメインイベント ミドル級 5分5R
×ロバート・ウィテカー(3位、元王者)
○カムザット[ハムザト]・チマエフ(13位)
1R 3’34” フェイスロック
チマエフはMMA 13戦全勝・UFC 7戦全勝。ウェルター級4位だった昨年10月、ミドル級6位のパウロ・コスタとのミドル級戦が組まれていたが、コスタの欠場により、ウェルター級元王者で1位のカマル・ウスマンと急きょミドル級で対戦し判定勝ちした。これでミドル級のランキングに入り、今回は2連勝中の元ミドル級王者で現3位のウィテカーと対戦した。

ABU DHABI, UNITED ARAB EMIRATES – OCTOBER 26: (L-R) Khamzat Chimaev of Russia secures a submission against Robert Whittaker of New Zealand in a middleweight fight during the UFC 308 event at Etihad Arena on October 26, 2024 in Abu Dhabi, United Arab Emirates. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
場内はアブダビ在住のチマエフに大きな声援が飛ぶ。タイトル戦でもメインイベントでも無いにも関わらず5Rと設定されたが、試合は短時間決着に。1R、チマエフが開始すぐからタックルを仕掛けて倒し、金網際で背後に回ってコントロールする。ウィテカーは防御し、正面に向き直す場面も一瞬あったが、すぐにチマエフはバックを取り返す。すると終盤、チマエフは左肘と右のパウンドを連打してから、速攻で裸絞めを仕掛けると、アゴを押さえる形ながらもガッチリと極まり、すぐさまウィテカーはタップした。
勝利者インタビューでチマエフは「ウィテカーのアゴが壊れました」とフィニッシュを振り返り「デイナ(・ホワイト代表)、早くベルトを獲らせてください。アブダビ、サンキュー」とアピールした。

ABU DHABI, UNITED ARAB EMIRATES – OCTOBER 26: Khamzat Chimaev of Russia reacts after a submission victory against Robert Whittaker of New Zealand in a middleweight fight during the UFC 308 event at Etihad Arena on October 26, 2024 in Abu Dhabi, United Arab Emirates. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
ライトヘビー級1位のアンカラエフが判定勝ちし王者ペレイラを挑発
第11試合 ライトヘビー級 5分3R
○マゴメド・アンカラエフ(1位)
×アレクサンダル・ラキッチ(5位)
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
アンカラエフはダゲスタン出身。18年のUFC初戦こそ黒星を喫したが、その後は12戦負けなし。最近では今年1月にジョニー・ウォーカーをKOしている。ラキッチはヤン・ブラホヴィッチ、イリー・プロハースカ相手に2連敗中だ。
1R、アンカラエフがサウスポーでプレッシャーをかけ、ラキッチがオーソドックスで距離を取る構図が続く。お互い前手のフェイントのかけ合いからの攻撃が乏しいが、アンカラエフが左ミドル、ストレートを随所で強打し、やや優位に進める。ラキッチも右ミドル、左ローを返し、はっきりした差をつけさせないが、アンカラエフはブロックやカットがある程度できている印象だ。記者採点はアンカラエフだが、ジャッジは3者ともラキッチを支持する。

ABU DHABI, UNITED ARAB EMIRATES – OCTOBER 26: (R-L) Magomed Ankalaev of Russia punches Aleksandar Rakic of Austria in a light heavyweight fight during the UFC 308 event at Etihad Arena on October 26, 2024 in Abu Dhabi, United Arab Emirates. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
2R、アンカラエフは変わらずプレッシャーをかけ、左ストレート、ミドル、ボディ等を随所で当て、主導権を握る。ラキッチも時折右ミドル、ローを当てるが、強打の数でも手数でも劣る。記者採点はアンカラエフ。
3Rもこれまで同様の打撃の構図が続き、アンカラエフがやや優位を維持する。中盤過ぎ、ラキッチが組んで押し込む。だが残り1分、アンカラエフが押し返し、膝を連打し、やや優位なまま終える。記者採点はアンカラエフ。合計30-27でアンカラエフ。ジャッジは3者とも29-28でアンカラエフを支持し、アンカラエフが判定勝ちした。
勝利者インタビューでアンカラエフは、横でささやく通訳に指導されながら「(王者)アレックス・ペレイラ、逃げるな」と、たどたどしい英語でアピールし、観客を笑わせた。
第10試合 フェザー級 5分3R
○レローン・マーフィー(12位)
×ダン・イゲ(14位)
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
マーフィーは14戦13勝無敗1分、アブダビ、地元ロンドンのUFCにレギュラー参戦し、19年9月のUFC初戦は引き分けたが、以降は6連勝している。
1R、マーフィーが右肘でイゲの額を切り裂き、打撃でやや優位に。だが終盤、両者サウスポーとなり、イゲが左フックを当ててダウンを奪う。マーフィーは回復し、最後はテイクダウンを奪うが、イゲもアームロックを仕掛けながらひっくり返しかけたところで終わる。記者採点はイゲ。
2R、両者オーソドックス主体で、若干だがマーフィーのパンチのヒットが上回る。終盤、マーフィーがタックルで倒すと、あっさりマウントを奪う。マーフィーは下になるが三角絞めを狙い、鉄槌も当てて終える。記者採点はマーフィー。

ABU DHABI, UNITED ARAB EMIRATES – OCTOBER 26: (R-L) Lerone Murphy of England punches Dan Ige in a featherweight fight during the UFC 308 event at Etihad Arena on October 26, 2024 in Abu Dhabi, United Arab Emirates. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
3R、中盤のグラウンドでの上の取り合いをイゲが制し、ハーフガードで押さえ反撃体制に入る。終盤、イゲがバックを狙うが、脱出したマーフィーは倒し返してサイドバックから押さえて鉄槌を当て反撃する。最後は立った状態でマーフィーが右フック、肘、膝、バックスピンキック等の打撃をまとめ、好印象で終える。記者採点はマーフィー。ジャッジ3者ともマーフィーを支持し、マーフィーが判定勝ちした。
第9試合 ミドル級 5分3R
○シャラ・マゴメドフ
×アルメン・ペトロシアン
2R 4’52” KO (左バックハンドブロー)
シャラはダゲスタン出身でUFC 3連勝中。試合で負傷した右目の手術を繰り返しても治らず失明し、米国では試合が認められず、中東大会でしか戦っていない選手だ。
1R、序盤こそペトロシアンのパンチを浴びたシャラだったが、中盤から左フック等のパンチのヒットを増やし、終盤には左サイドキックでスリップさせ、最後は右のバックハンドブローを軽くだが当てることに成功する。

ABU DHABI, UNITED ARAB EMIRATES – OCTOBER 26: (R-L) Shara Magomedov of Russia punches Armen Petrosyan of Russia in a middleweight fight during the UFC 308 event at Etihad Arena on October 26, 2024 in Abu Dhabi, United Arab Emirates. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
2R、ペトロシアンが前に出るが、シャラは距離を取りながら随所で左ジャブ、フック、左右のボディ、左ハイを当てて、やや優位に進める。終盤、ペトロシアンも負けじと右のバックハンドブローを放つが、シャラはブロックする。すると終了間際、シャラはスイッチを繰り返して前に出て右ストレート、左ハイ、左前蹴りを放って自分の距離を作ると、左のバックハンドブローを放つ。これは腕でブロックされたが、すぐにシャラは逆回転して右のバックハンドブローをアゴにクリーンヒット。不意を打たれたペトロシアンは真後ろに倒れ、意識はある様子だがうずくまって立てず、すぐさまレフェリーがストップした。
第8試合 ライトヘビー級 5分3R
○イボ・アスラン
×ハファエル・セフケイラ
1R 0’51” TKO
トルコ出身、オーストリア在住のアスランがプレッシャーをかけ、左フックを当てると、ひるんだセフケイラを金網際に詰め、パンチを連打する。セフケイラは立った状態ながらもフラフラになり、レフェリーがストップした。アスランはこれで戦績15戦(14KO)14勝1敗、UFC 2連続KO勝ちとなった。
第7試合 ウェルター級 5分3R
○ジェフ・ニール(10位)
×ハファエル・ドス・アンジョス(15位、元ライト級王者)
1R 1’30” TKO (レフェリーストップ:左膝の負傷)
1R、ニールが右ジャブ、左ストレートを立て続けに当てると、ドス・アンジョスはダウンし、ニールがパウンドで追い打ちする。寝技を警戒してか?ニールがスタンドに戻すと、ドス・アンジョスは踏ん張りが効かず、足を痛めた様子を見せる。ニールが前に出て脇を差すと、ドス・アンジョスはあっさりと下になる。この後もニールがすぐ立つと、ドス・アンジョスは立ったが、ニールのワンツーをもらうと、今度は左膝を押さえながら倒れてしまい、すぐさまレフェリーがストップした。ドス・アンジョスはこれで最近5試合の戦績が1勝4敗になってしまった。
第6試合 160ポンド(72.57kg)契約 5分3R
○マテウシュ・レベツキ
×ムフトベク・オロルバイ
判定2-1 (28–29/29–28/29–28)
第5試合 ミドル級 5分3R
○アブス・マゴメドフ
×ブルンノ・フェヘイラ
3R 3’14” 肩固め
第4試合 ヘビー級 5分3R
○ケネディ・ンゼチュク
×クリス・バーネット
1R 4’27” TKO
第3試合 フェザー級 5分3R
○ファリド・バシャラート
×ヴィクトル・ウーゴ
判定3-0 (30–27/29–28/29–28)
第2試合 ミドル級 5分3R
○イスマイル・ナウルディエフ
×ブルーノ・シウバ
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第1試合 ウェルター級 5分3R
○リナト・ファフレディノフ
×カルロス・レアル
判定3-0 (29–28/29–28/30–27)