修斗 9.22 後楽園ホール(レポ):野瀬翔平、人見礼王に2R一本勝ちしダイキ・ライトイヤーとの環太平洋バンタム級王座決定戦進出。住村竜市朗が判定勝ちしウェルター級王座戦希望。山上幹臣、修斗復帰戦は1R一本勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
リバーサルジム久喜WINGS
未経験者でも大丈夫!様々な年代の方がキック 柔術 MMA等を楽しくトレーニング!今なら入会金等無料!
プロフェッショナル修斗公式戦 PROFESSIONAL SHOOTO 2024 Vol.7
2024年9月22日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
野瀬翔平、人見礼王に2R一本勝ちしダイキ・ライトイヤーとの環太平洋バンタム級王座決定戦進出
第9試合 修斗環太平洋バンタム級チャンピオン決定トーナメント準決勝 5分3R
○野瀬翔平(マスタージャパン福岡/環太平洋5位、世界4位)
×人見礼王[れお](修斗GYM東京/環太平洋9位、世界10位)
2R 2’53” アームロック
7月の後楽園大会で藤井伸樹が齋藤奨司との修斗世界バンタム級王座決定戦で勝利したのに伴い、同級環太平洋王座を返上したため、今大会から4選手による王座決定トーナメントが始まる。今回準決勝2試合が組まれ、決勝は未定だ。
野瀬は3年連続でROAD TO UFCに参戦し、今年は5月の一回戦で元DEEP同級王者のユ・スヨンに判定負けした。とはいえ修斗では昨年12月の山口大会で神田T800周一に1Rアームロックで一本勝ちし、今年2月のRIZIN佐賀大会でも瀧澤謙太に2R TKO勝ちしており、実績・実力ともに今回の4選手の中でナンバーワンだ。
人見は伝統派空手がベースで、昨年、GRACHANでのJ-MMA Rookies CUPフェザー級で準優勝。今年から修斗に出場し、今年3月に中野剛貴に2R KO勝ちし、7月に加藤ケンジを34秒右フックでKOし、今回のトーナメントに抜擢された。
1R、両者サウスポーで構え、人見が圧をかけパンチを振るうが、野瀬はタックルでテイクダウンを繰り返す。中盤、野瀬が人見を金網に押し込むと、背後から足を絡めて潜り込んで、カーフスライサーを極める。フィニッシュに近づくが、途中不完全になり膠着すると、人見が体をひねって脱出し上になる。終盤、人見は左脇を差して押し込んだまま右フックを連打し印象を作る。最後は野瀬が上になって終わる。記者採点は僅差だが野瀬。見方によってはパンチを当てた人見につく可能性もある。
2R、人見が序盤から前に出てパンチを振るっていると、次第にヒットが増え、野瀬はひるむ。野瀬はタックルを仕掛けて倒し、難を逃れると、パスガードに成功しサイドで押さえると、両足で相手の足を挟むマット・ヒューズ・ポジションから、左のパウンドを何発も当てて追い詰める。
人見は脱出し会場を沸かせたが、野瀬は変わらずグラウンドで押さえつけると、最後はチキンウィングアームロックを極めてタップを奪った。
マイクを持った野瀬は「この内容じゃ大きいこと言えない次修正してベルト取りたいです」と話した。続けて、川北晏生の欠場により戦わずして決勝に進んだダイキ・ライトイヤーがケージに登場し「野瀬選手は国内でトップクラスに強いファイターやと思っています。そのトップの選手を倒してベルトを取れば、僕も間違いなくトップだと思います。決勝勝ってチャンピオンになります」と話した。野瀬も再びマイクを持つと「ダイキ選手は僕がアマチュアの時からプロで、戦えてうれしいです。しっかり作り直して挑みたいです」と話した。
修斗環太平洋バンタム級チャンピオン決定トーナメント準決勝 5分3R
―川北晏生[はるき](TRIBE TOKYO MMA/環太平洋4位、世界2位)
―ダイキ・ライトイヤー(修斗GYM神戸)
中止 (川北の欠場)
ダイキは13年にプロデビューした36歳のベテラン。16年のVTJで佐藤将光の相手に抜てきされTKO負けしたこともあるが、22年11月のRIZINでは釜谷真をタックルのカウンターの膝蹴りでKO。今年3月のRIZINでは金太郎に判定負けした。
今回、修斗7戦無敗の上位ランカー・川北との準決勝が組まれたが、川北が皮膚疾患を発症し、カポジ水痘様(すいとうよう)発疹症と診断されドクターストップがかかり欠場した。ダイキは戦わずして決勝戦に進出した。
それでも神戸から上京し、大会の中盤にケージに登場したダイキは「本当だったら圧倒的にみんなが引くぐらい倒したかったんですけど、できなくて残念です。仕方ないことなので気持ちを切り替えます」と話し、川北の病状を気遣い「川北選手、どこかで試合しましょう」と話した。
元パンクラス&DEEP王者の住村竜市朗が判定勝ちしウェルター級王座戦希望
第8試合 ウェルター級 5分3R
○住村竜市朗(TEAM ONE/元DEEP&パンクラス同級王者)
×西條英成(THE BLACKBELT JAPAN/世界5位、2023年度同級新人王)
判定3-0 (30-27/29-28/30-27)
38歳のベテラン・住村は17年にDEEPで、昨年にパンクラスでウェルター級王座を獲得し、今回デビュー当時以来14年ぶりに修斗に帰還し、3本目のベルトを狙う戦いに踏み出す。西條は沖縄の選手で、伝統派空手をベースとし、5月の日中対抗戦で1R KO勝ちし4連勝中の新鋭だ。
1R、金網際で住村が押し込み、細かく膝を当てる展開が繰り返されるが、テイクダウンや強打につなげられない。離れれば西條が中盤と終盤に右ストレートを当て、打撃で好印象を作る。記者採点は西條。
2Rも同様の構図だが、西條のパンチのヒットが少し目立たなくなり、逆に住村の左ミドル、右ストレートが少し目立つように。押し合いからは膠着する状態は変わらないが、支配時間はやや住村が上だ。記者採点は僅差だが住村。
3R、押し合いの展開から住村が倒すが、すぐに西條は立つ。中盤過ぎ、西條がテイクダウンを奪い、立たれそうになっても抱え上げて倒し、バックマウントを奪う。だが西條は乗りすぎて下に落ちてしまい、住村は上を取ることに成功する。最後はパウンドを当て、優位を印象付け終える。途中両者ともおそらくバッティングで顔面を出血する。記者採点は住村。合計28-29で住村。ジャッジ3者も住村を支持し、住村が判定勝ちした。
マイクを持った住村は「3団体のチャンピオンになるのが夢です。試合はしょっぱかったんですけど、西條選手に勝ったんで、タイトルマッチ行かせてください」とアピールした。
パンクラスランカーの西尾真輔、マックス・ザ・ボディを1R KO
第7試合 ライト級 5分3R
×マックス・ザ・ボディ(カメルーン/BRAVE/修斗世界2位)
○西尾真輔(宇留野道場/パンクラス10位)
1R 0’36” KO (左フック→グラウンドパンチ)
マックスは田中有、菅原和政相手に2連勝中。今回、前環太平洋ウェルター級王者・田村ヒビキのライト級転向初戦の相手となる予定だったが、田村が負傷欠場し、パンクラスのランカー・西尾との試合が組まれた。
1R、西尾が右ローを当てると、すぐにマックスはワンツーのパンチを返すが、西尾はブロックする。するとしばらく見合った後、西尾が中央側で構えつつ、潜り込んでから前に出て、左フックをクリーンヒット。ダウンしたマックスにパウンドを連打し、試合を終わらせた。
雄たけびを上げ大喜びした西尾は「パンクラシストの西尾真輔です」と挨拶し、「今後どうなるかわからないですけど、俺、パンクラスで戦っているで、俺の応援に来てください」と呼びかけ、最後は「パンクラス最高、修斗最高」と叫んだ。
山上幹臣、修斗復帰戦は1R一本勝ち
第6試合 ストロー級 5分3R
×黒部和沙(TRIBE TOKYO MMA/世界7位)
○山上幹臣[みきひと](STF/元世界王者)
1R 2’14” フロントチョーク
山上は37歳。2011年に生駒純司をKOして修斗世界ストロー級王者になり、12年に猿丸ジュンジに一本勝ちして初防衛する。14年に韓国のROAD FCで2連敗した後に引退したが、5月、GLADIATOR大阪大会で復帰。1階級上のフライ級で今井健斗にTKO負けしたが、今回は本来のストロー級のため、本領発揮なるか気になるところ。黒部は22歳。昨年10月にプロデビューし3戦2勝1分で、4月、ONEを離れて修斗に戻って来た澤田龍人に1Rツイスターで一本勝ちしている。
1R、両者距離を取って見合う状態が続き、レフェリーが数度アクションコールをかけると、黒部はタックルを仕掛ける。山上はギロチンも狙いつつ、金網際で切ってスタンドに戻す。すると黒部はまたもタックルを仕掛けるが、山上は倒れつつも金網際でギロチンチョークで捕まえるとガッチリと締め上げ、最後は黒部がタップした。
完勝の山上は「強くなって戻ってきたぞ」とマイクを持って叫び「10年以上このステージに上がることができなくて、上がるって決まった時に家族や応援してくれる人のサポートが力になって戻ってくることができました。また次戦いたいです」等と話した。
内藤頌貴、ストロー級初戦は1R KO勝ち
第5試合 ストロー級 5分2R
○内藤頌貴[のぶたか](THE BLACKBELT JAPAN)
×大城正也(T-REX柔術アカデミー)
1R 2’54” KO (右ストレート)
フライ級の元ランカー・内藤はストロー級に階級を下げての初戦。大城は負けが込んでいたが今年に入り、肥沼大治、梅木勇徳相手に2連勝中だ。
1R、スタンドの打撃戦で、内藤が左ボディ、大城が左フックを当てる。大城が押し込んで膝を当てるも、均衡状態が続いていたが、内藤は突き放して左右のストレートを効かせると、右ストレートでマットに沈めた。
マイクを持った内藤は「チャンピオン、首洗って待っててください」とアピールした。
インフィニティリーグ女子アトム級、平田彩音が豪快1R KO勝ち。パク・ソヨンと勝ち点4で同点1位に
第4試合 epsomsalt seacrystals Presents インフィニティリーグ2024 女子アトム級 5分2R
○パク・ソヨン(韓国/ROAD GUNSANジム/世界6位/勝ち点2→4)
×NOEL(AACC/世界5位/勝ち点2)
判定3-0 (鍋久保20-18/内田20-18/片岡20-18)
優勝賞金100万円のインフィニティリーグ女子アトム級は4選手が参加し、8月の新宿フェイス大会で開幕し、パク・ソヨンが平田彩音に判定勝ちし、NOELが檜山美樹子に判定勝ちし、勝ち点2ずつを獲得している。
1R、ソヨンはスタンドの打撃戦で右フックや左ミドル、ハイを当てやや優位に。NOELは蹴り足をつかんで倒し、グラウンドに持ち込むが、アームロック等のサブミッションは極まる状態に至らず、パウンドも少なく、最後はギロチンを狙って背中をつけ続けて印象を悪くする。記者採点はソヨン。
2R、ソヨンはタックルを仕掛けて、豪快に抱え上げて倒して上になって押さえる。ソヨンも少しパウンドを当てるが、NOELが下からサブミッションを狙ってしがみつき、膠着ブレイクがかかる。またもソヨンはタックルを仕掛けるが、NOELは切って潰しパウンドを連打し印象を作る。しばらく膠着しスタンドに戻ると、またもソヨンがタックルで倒すが、あまりパウンドを打てない。NOELが腕十字を狙うが極まりは浅く終わる。記者採点は僅差だがNOEL。合計19-19でイーブン。ジャッジは3者とも2R目もソヨンにつけ、ソヨンが判定勝ちし、勝ち点2を加算した。
第3試合 epsomsalt seacrystals Presents インフィニティリーグ2024 女子アトム級 5分2R
○平田彩音(BURST/勝ち点0→4)
×檜山美樹子(ナゴヤファイトクラブ/勝ち点0)
1R 0’33” KO (左フック)
平田と檜山は昨年8月、平田の地元の広島での修斗で対戦し、平田が判定2-0で勝利している。
再戦は平田がはっきり差を示すことに。1R、開始すぐから小柄な平田が前に詰めると、左右のフックをヒット。ひるんだ檜山に左フックを連打し、マットに沈め、勝ち点4を獲得した。
平田は「KOできてうれしいです」と叫び「次戦もKO勝ちで優勝したいと思います」と宣言。最後は師匠の藤井惠氏と抱き合って喜んだ。直後の試合でソヨンが判定勝ちし勝ち点2から4に増やし、ソヨンと平田が同点で1位となっている。
インフィニティリーグ フライ級 大竹陽、1R勝利し勝ち点4獲得
第2試合 epsomsalt seacrystals Presents インフィニティリーグ2024 フライ級 5分2R
○大竹 陽(HAGANE GYM/勝ち点3→7)
×ヤックル真吾(T-REX柔術アカデミー/世界7位/勝ち点3)
1R 3’38” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、大竹がサウスポーからの左カーフキック、ストレートを当てて優位に進める。ヤックルはタックルを仕掛けて倒すと、大竹はスタンドに戻す。ヤックルもパンチを返したが、大竹が左右のパンチを当て続け、ヤックルをひるませると、左ストレートでダウンを奪う。大竹が上からパウンドを当て続け、レフェリーがストップ。1R勝利のためリーグ戦の勝ち点4を獲得し、7点まで増やした。
大竹は「前回ここで須藤選手に負けて、ここでフィニッシュしないと優勝の可能性がなくなる状況でしたが、練習仲間としっかり詰めて、優勝を考えずやり切ろうと思って、今日勝てました」と喜んだ
第1試合 バンタム級 5分2R
△平川智也(マスタージャパン東京/世界6位)
△新井拓巳(ストライプル新百合ヶ丘)
判定0-0 (鍋久保19-19/渡辺19-19/出合19-19)
平田は3月に川北晏生に一本負けして以来の試合。青井は4月に青井心二に1R TKO勝ちし2連勝中だ。
1R、平川は新井のタックルを切り続け、カウンターで膝を当てたり、顔面へのパンチを振りつつ左カーフ、ボディを当てて印象を作る。最後、新井がタックルで倒しパウンドと肘を当てるが、すぐ時間切れに。記者採点は平川。
2R、新井はしつこくタックルを繰り返すと、中盤にテイクダウンに成功し、バックを取る。平川が脱出する場面もあったが、新井はすぐ倒し、今度はマウントを奪いパウンドを当て印象を作る。最後は上で押さえて終了する。記者採点は新井。合計19-19でイーブン。ジャッジ3者もイーブンとしドローとなったが、両者のレベルを考えれば3R制で戦わせてあげて欲しい試合だった。
オープニングファイト 2024年度新人王決定トーナメント・ライト級一回戦 5分2R
○手島 響(パラエストラ綾瀬)
×直島弘昌(修斗GYM神戸)
2R 0’21” KO (右ストレート)