GLADIATOR 12.9 大阪 176BOX(レポ):1RKO/一本の競演、竹中大地「俺やったらRIZINのトップと勝負できる」、上久保周哉「僕はUFCを目指し続けないと強くなれない」、河名マスト「打撃下手とか言ってた奴、黙れ」。田中有が佐々木信治のライト級王座挑戦権
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2023年12月9日(土)大阪・176BOX
レポート:井原芳徳 写真提供:GFスポーツインターナショナル
竹中大地、元GLADIATOR王者のモンゴル人選手に1R勝利「RIZINのトップと勝負できる」
第12試合 バンタム級 5分3R
○竹中大地(パラエストラ和泉/修斗世界1位・元環太平洋王者)
×テムーレン・アルギルマー(モンゴル/Shiqen Beelii/元GLADIATOR王者)
1R 4’27” 裸絞め
近年、東アジアを主体に海外の精鋭を積極的に招へいしている大阪のケージMMA大会・GLADIATOR。主催の櫻井雄一郎氏も「アジアのフィーダーショーを目指す」と、国内外の大手イベントへのステップの場としての立ち位置を明確に示している。東京の大会と遜色のないハイレベルな国際戦を連発したことで、次第に日本人の顔ぶれも充実。今回は元ONEの竹中大地、上久保周哉が初参戦し、レギュラーの河名マストも出場し、世界を知る彼らによる1Rフィニッシュ勝利の競演となった。
竹中は地元大阪在住の33歳。MMA 18戦14勝(3KO/5一本)3敗1分。デビュー当初の13年から修斗にレギュラー参戦し、岡田遼、佐藤将光に勝利し、16年3月に修斗環太平洋バンタム級王者となる。膝の怪我により王座を返上し、18年からONEに戦場を移す。21年10月のRoad To ONEでは和田竜光に判定1-2で惜敗し、今年7月の修斗で2年ぶりに復帰すると、藤井伸樹に判定勝ちし、修斗世界バンタム級1位にランクインしている。
テムーレンは6月のGLADIATORで神田T-800周一に判定勝ちしGLADIATORバンタム級王座を獲得。9月の初防衛戦では竹本啓哉で判定1-2で惜敗しベルトを失った。
試合は1R決着となるが、一進一退の濃い展開に。1R、両者サウスポーで構え、テムーレンがプレッシャーをかけ、左フックを振りつつ、右ハイを当てる。さらにテムーレンは左カーフを絡めるが、竹中も左カーフを返すと、テムーレンは笑顔を浮かべる。中盤、パンチが交錯すると、テムーレンが竹中を首相撲で捕まえてから、右膝蹴りにつなげると、竹中は後ろに倒れる。すぐに竹中は立って距離を取るが、テムーレンの打撃のシャープさが目立つ滑りだしに。テムーレンは前に出て右フックを当てた後、オーソドックスに切り替える。竹中が左ミドルを強打すると、テムーレンは笑顔を浮かべ、またも右ハイを当てるが、竹中は蹴り足をすくってからタックルを仕掛け、テムーレンを金網に押し込む。テムーレンは突き放して離れたが、オーソドックスのテムーレンに、竹中がサウスポーからの左ミドルを当てると、テムーレンは顔をしかめて真っすぐ下がる。
竹中は金網に詰めて、足をつかんで倒すと、ハーフで押さえる。テムーレンは金網を横にしつつ立とうとしたが、竹中はバックマウントを奪うことに成功する。竹中は足4の字ロックでガッチリ捕獲し、裸絞めを極めタップを奪った。
マイクを持った竹中は「初めてのGLADIATOR参戦、凄い楽しかったです。使っていただいてありがとうございます。プライベートなんですけど、来年1月に娘が生まれる予定です。ホンマ大変な時期に、好き勝手練習させてもらって、試合終わったんで次、僕がサポートして、もう一つの勝負にも勝ってもらえると信じています。格闘技のほうは、GLADIATORに出させてもらってこんなことを言うのもアレですけど、来年はRIZINで勝負したいと思っているんで。俺やったらRIZINのトップと勝負できると信じているんで、RIZINさん、オファーお待ちしています」とアピールした。
上久保周哉も1R快勝「僕はUFCを目指し続けないと強くなれない」
第11試合 バンタム級 5分3R
○上久保周哉(Tri.H/頂柔術)
×ペ・ジョンウ(韓国/エクストリームコンバット)
1R 3’48” 裸絞め
上久保は30歳。14年にMMAデビューし16戦13勝(3KO/3一本)2敗1分。パンクラスやTTFでの試合を経て、18年から昨年22年1月までONEに上がり6戦全勝、2連続一本勝ちしていたが、タイトルとは縁が無かった。ONEとの契約が終わった後、UNRIVALED等のグラップリング大会に出場。今年のRoad to UFCバンタム級トーナメントに参戦すると、5月の一回戦ではバーエゴン・ジェライスーに判定2-1で勝利したが、8月の準決勝ではシャオ・ロンに判定負けした。今回、試合の機会を求めてGLADIATORに初参戦し、6年ぶりに日本のMMAプロモーションに上がった。
対するジェヨンは20年にMMAデビューし7戦5勝(2KO/1一本)2敗。最近では10月27日の韓国での試合でフィリピンの選手に112秒でTKO勝ちしている。
試合は上久保がレベルの差を見せつけることに。1R、上久保が開始すぐからプレッシャーをかけ、タックルを繰り返し、金網に押し込む。ジョンウは耐えていたが、中盤に入り、上久保が崩しながら背後に回り込み、オンブになったまま倒す。上久保はバックマウントでジョンウを捕獲すると、裸絞めを極めてタップを奪った。
マイクを持った上久保は「日本で試合をするのが6年ぶりぐらいでした。直前の相手変更でも、僕がUFCしか見ていないことを理解してくれて、みんなが動いてくれたことに感謝しています。まだ色々いっぱい穴あるし、全然強くないですけど、それでもUFCを目指し続けないと強くなれないから、これからも変わらず真っすぐ頑張り続けたいと思います。応援宜しくお願いします。この後、竹中選手、めっちゃ強いから、みんな見て行ってください」とアピールした。
河名マスト、1R KO勝ち「打撃下手とか言ってた奴、黙れ」
第13試合 フェザー級 5分3R
×チハヤフル・ズッキーニョス(MIBURO)
○河名マスト(ロータス世田谷)
1R 2’35” KO (左フック)
両選手とも6月大会でのGLADIATORフェザー級王座決定トーナメント準決勝に出場し、チハヤフルはダギースレン・チャグナードルジに判定負けし、河名はパン・ジェヒョクに判定負けした。9月大会ではジェヒョクがダギースレンに判定勝ち(ダギースレンが計量オーバーのためジェヒョクは試合前の段階でトーナメント優勝&王者という扱いに)。同じ日にチハヤフルはハンセン玲雄に2R TKO勝ち、河名はユン・ダウォンに判定勝ちしたため、今回の試合の勝者は王座に一歩近づくことになるだろう。
試合はレスリングU-23世界選手権2017優勝の実績もある河名が、組みだけでなく打撃でも強さを印象付けることに。1R、サウスポーのチハヤフルに対し、開始すぐから河名が右ミドルを当てる。そのまま河名が前に出続け、片足タックルを仕掛けると、すぐ胴タックルに切り替えて、金網際で押さえる。河名はがぶった状態でチハヤフルをコントロールし、首を両腕で抱えてリフトして場内をどよめかせる。中盤、河名はがぶりに戻りつつ、チハヤフルにもがく動きに合わせ、バックやサイドも狙い、コントロールを続ける。するとチハヤフルはなんとか脱出したが、すぐに河名はパンチを振りながら前にで、チハヤフルを金網際に詰める。チハヤフルは回って逃げるが。河名は追いかけながらパンチを当て続けて、ダメージを与えると、最後は左フックをアゴに当ててダウンさせ、上からパウンドを落としたところでレフェリーがストップした。
マイクを持った河名は「KOしちゃいました」と叫んで手を上げ「打撃下手とか言ってた奴、黙れ」と話して笑顔を浮かべた。
田中有、完勝で佐々木信治のライト級王座挑戦権獲得
第14試合 GLADIATORライト級王座挑戦者決定戦 5分3R
○田中 有(Reliable/修斗世界4位)
×グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル/ブラジリアンタイ)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
田中は神戸のReliableに所属する28歳。MMA戦績9戦5勝(2KO/2一本)4敗。16年にDEEPでデビューしプロ2戦目からは修斗に上がり続け、20年12月の修斗環太平洋ライト級王者決定戦ではキャプテン☆アフリカに1R一本負け。昨年12月の修斗大阪大会で2年ぶりに復帰したが、マックス・ザ・ボディに判定負けし、今回1年ぶりの試合でGLADIATORに初参戦する。
ウーリッツァーは56戦のキャリアのある40歳。19年にベラトールで2戦2敗。昨年、ダニロ・ザノリニ率いる愛知のブラジリアンタイに加入し、9月のGLADIATORでのライト級王座挑戦者決定戦で井上啓太に2R KO勝ち。今年1月大会でキ・ウォンビンの王座に挑戦したが2R TKO負けした。ウォンビンはRoad to UFCに出場するために王座を返上し、暫定王者だった佐々木信治が正規王者に昇格している。
1R、田中がタックルを仕掛け、中盤に倒し、金網際でサイドで押さえる。田中はハーフ、マウント、バックと動いてパウンドを何発も当てて、レフェリーストップ寸前まで追い詰める。最後はウーリッツァーが立つが、田中が押し込み続けて終える。
2Rも田中が中盤に倒して上になり、立たれても押し続けて倒す展開を繰り返し、主導権を維持する。ウーリッツァーはバテており防戦一方だ。最後は田中が上からパウンドを当て続け終える。
3Rも同様に、田中が金網際でコントロールし、時折パウンドを当て、最後はサイドバックでパウンドを当て続け終える。ジャッジは3者とも30-27とつけ、田中が判定勝ちした。
マイクを持った田中は「チャンピオン佐々木さん、対戦するときはもっと強くなります。プライベートの話ですけど、10日後ぐらいで女の子が生まれるんですよ。竹中(大地)さんと一緒で、響かないと思うんですけど、子供のために勝てたかなと思います」と話した。
するとこの試合を広島から見に来ていた佐々木もケージに登場し「有選手、おめでとうございます。タフファイトで見ていてしんどくなる試合です。じゅん君がReliableを立ち上げるときから知り合いで、まさか弟と試合することになるとは思いませんでしたが、それもまた運命かなと思います。試合を組んでもらうときはしっかり攻略し、さすがチャンピオンと言ってもらえる試合をして勝ちたいです」と話し、田中と握手した。
第10試合 フェザー級 5分3R
×中川皓貴[こうき](Reliable)
○バットオチル・バットサイハン[Batochir Batsaikhan](モンゴル/Shiqen Beelii)
判定0-3
第9試合 フライ級 5分3R
×久保健太(GSB多治見)
○チェ・ドンフン[Choi Dong Hoon](韓国/チームMADポパン/DOUBLE GFCフライ級王者)
3R 4’31” TKO (レフェリーストップ:左ストレート)
第8試合 フェザー級 5分3R
×じゅん(Reliable/元GLADIATORバンタム級王者)
○高橋孝徳(リバーサルジム新宿me.we)
2R 4’50” 裸絞め
今大会のファイトボーナスを、竹中大地が30万円、河名マストが30万円、チェ・ドンフンが20万円、高橋孝徳が20万円獲得している。
【ポストリミナリー】
第17試合 フライ級 5分2R
×古賀珠楠(STYLE)
○宮川日向(SMOKER GYM)
2R 4’53” KO
第16試合 フェザー級 5分2R
×袖裂雄貴(EX ARES)
○福山佳祐(ブラジリアン・タイ)
1R 4’23” 裸絞め
第15試合 フェザー級 5分2R
○水野 翔(STYLE)
×今村 滉(CB IMPACT)
判定3-0
【プレリミナリー】
第7試合 フライ級 5分2R
×澤田政輝(矢田道場)
○イ・スンチョル(韓国/DK GYM)
1R 3’46” KO
第6試合 60kg契約 5分2R
○和田教良(ガイオジム)
×シン・ジェヒョク(韓国/Team Geek)
判定3-0
第5試合 バンタム級 5分2R
○南友之輔(BRAVE GYM)
×健太エスペランサ(TKエスペランサ)
判定3-0
第4試合 バンタム5分2R
○吉田開威(朋武館)
×フェルナンド(ブラジル/SMOKER GYM)
判定3-0
第3試合 ライト級 5分2R
○八木敬志(猛者連)
×スモーキー(TKエスペランサ)
判定3-0
第2試合 フェザー級 5分2R
×田口翔太(Asura)
○木村柊也(BRAVE GYM)
1R 1’16” KO
第1試合 オープニング アマチュアフライ級 3分2R
○伊藤琥太郎(reliable)
×辻本涼太(POLARGYM OSAKA)
1R 1’54” TKO