ROAD TO UFC、ABEMAで生中継。6.10(金)出場選手紹介&インタビュー。堀内佑馬「UFCに出たい気持ちは僕が一番強い」、中村倫也「覚悟の決め方が違う」、宇佐美正パトリック「いつも以上に打撃にこだわって練習してきた」、野瀬翔平「福岡からでも世界で戦える選手になれる」
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UFCとの契約を争う「ROAD TO UFC」トーナメント一回戦(6月9日(木)・10日(金)シンガポール・インドアスタジアム)に出場する日本勢7選手のインタビュー企画。昨日公開の第1回では9日出場の3選手を取り上げたが、第2回では10日出場の4選手を紹介する。
なお、9日に出場予定だったライト級の中国人選手の欠場により、鹿志村仁之介(IGLOO)が急遽出場し、キ・ウォンビン(韓国)と対戦する。鹿志村は柔術をベースとする20歳で、パンクラスで3勝1敗。
大会の模様はUFCファイトパスだけでなくABEMAで無料生中継される。(9日/10日/両日とも日本時間15:30~21:00を予定)
堀内佑馬「UFCに出たい気持ちは僕が一番強い」
フライ級 5分3R ※6月10日(金)前半の部に登場
堀内佑馬(チーム・オーヤマ)
トップノイ・キウラム[Topnoi Kiwram](タイ)
堀内は現在24歳。小学4年生からキックボクシングを始め、ジュニアのキック・MMA大会で活躍後、高校1年の15歳でDEEPでプロデビュー。14年大晦日のDEEPさいたまスーパーアリーナ大会では第1試合に登場した。DEEPでは5勝1敗の好戦績を残し王座に近づくも、UFC出場を目指して19歳から米国に拠点を移し、現在はカリフォルニアの名門・チーム・オーヤマでトレーニングを積む。20年からはUFC、ベラトール、ONE等の大手大会の登竜門とも言われるLFAを主戦場とし2勝2敗。昨年7月の暫定フライ級王座決定戦ではチャールズ・ジョンソンに敗れたが判定1-2の接戦を繰り広げた。続く11月の試合では1R KO勝ちしている。
ROAD TO UFC(※以下 RTU)出場が決まった時の心境について「ついに来たかという感じです」と語る堀内。トーナメントは1階級8選手参加で、6月の一回戦・9月の準決勝・12月の決勝の3試合を勝ち上がらないとUFCにたどり着けない厳しい競争だが「UFCは甘くないので、アジアの選手と予行演習じゃないですけど、UFCに行く前に強い奴と短い期間でやれるのは僕にとってプラスだと思います」と前向きに語る。
日本ではRIZINが盛り上がっているが、それでもUFC一筋の道を歩み続けた理由について聞かれると、堀内は「格闘技ファンなんでRIZINは見て楽しんで好きですけど、単純にUFCの方が強いし、世界で戦う方がカッコいいじゃないですか。そこに夢があると思って目指しています」とコメント。「(RTUに出る日本人の中には)松嶋(こよみ)選手とか、外(=ONE)で戦った選手もいますけど、UFCに出たい気持ちは僕が一番強いと思っています」とも語り、先にUFCデビューし勝利した同じフライ級の平良達郎についても「同じレベルで戦えると思っています」と話し、気持ち・実力の面での自信を示す。

SINGAPORE, SINGAPORE – JUNE 09: Yuma Horiuchi of Japan poses on the scale during the Road to UFC weigh-in at the Mandarin Oriental hotel on June 09, 2022 in Singapore. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
その自信のベースとなっているのは、米国での練習・試合経験だ。世界トップクラス勢との練習、僅差の判定負けといった実体験が、堀内を強くする材料となっている。
「UFCでタイトルマッチを経験しているアレックス・ペレス(現在UFCフライ級6位)とも練習していて、いつも面倒見てもらっていますけど、ちょっとレベルが違いますね。みんな練習で遊ばれています」「アレックスを近くで見ていると、ハングリー精神の捉え方が日本とは違うというか、強い選手はやっぱり凄い練習をしていますよね。日本人は体格がどうとか言い訳するところがあるんですけど、言い訳するなら練習したほうがいいじゃんって考えにこっちに来てなりました。最初はフィジカルとかの差を感じることがありましたけど、テクニックでどう流すかとかを考えられるようになりました」
「アメリカで負けている試合は3試合ともスプリットでした。アウェーとかは関係なく、負けは負けなんで。LFAもですけど、UFCのコンテンダーシリーズ(選手発掘番組)でも倒せば次につながる感じがあるので、びびらずアグレッシブに行くように考え方を変えました。僕はアウトボクシングな感じがあったんですけど(1R KO勝ちした)この間の試合から、インファイトで殴り合う中で当てられる距離を作るよう改善しました」
堀内の一回戦の相手・トップノイ・キウラムはムエタイをベースとするタイ人で、18~19年にRIZINで3戦し1勝2敗で、2戦目では朝倉海に判定負けしている。20年にはUAEでの大会で勝利しているが、それ以降は試合が無かったようだ。堀内は渡米前、プーケットのタイガームエタイでトップノイと一緒に練習していたことがある。「普通にムエタイが強かったですね。でもまあ大丈夫かなって。相手どうこうじゃなく、ここで見せられなかったら、ここまでの人間だったで終わるので、ここで見せるのが大事なポイントだと思っています」と堀内は話した。
中村倫也「覚悟の決め方が他のバンタム級の選手とは違う」
バンタム級 5分3R ※6月10日(金)前半の部に登場
中村倫也(EXFIGHT/LDH martial arts/修斗バンタム級世界8位)
ググン・グスマン[Gugun Gusman](インドネシア)
中村とこの後紹介する宇佐美正パトリックは、EXILEなどが所属する芸能事務所「LDH」による未来のスター格闘家を発掘するオーディションから発掘された選手。20年からの選考過程や合宿がABEMAで放送され、昨年春の最終選考で残った2人だ。
中村の父は90年代の修斗の運営会社の親会社・龍車の代表。中村はエンセン井上やKIDの所属するPUREBRED大宮のキッズレスリングの第1号生徒だった。レスリングで全日本選手権2連覇、U-23世界選手権優勝の実績を残したが、東京五輪はあと一歩で出場権を逃す。昨年7月の修斗でプロMMAデビューし、今年1月の試合と合わせていずれもKO勝ち。LDH主催のPOUND STORM 4月24日 両国国技館大会では、ブラジル人のアリアンドロ・カエタノの左フックで1Rから右目尻を切られたため、安全運転を強いられたが、グラウンドで主導権を維持し判定勝ちした。

SINGAPORE, SINGAPORE – JUNE 09: Rinya Nakamura of Japan poses on the scale during the Road to UFC weigh-in at the Mandarin Oriental hotel on June 09, 2022 in Singapore. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
カエタノ戦では足首と鼻も骨折したが、しっかり治してから練習を再開しており「めちゃくちゃいいコンディションで臨めそうです」と中村。まだプロのMMAは3戦しか経験していないが、半年間のRTU 3試合を勝ち抜く自信は十分。「レスリングの社会人選手権で優勝し、全日本選手権で優勝し、世界選手権で優勝するのと同じ感じですね。その経験があるので、同じように作っていければと思います」「レスリング力とかもありますけど、覚悟の決め方が他のバンタム級の選手とは違う自信があります」と話す。
一回戦の相手・グスマンはMMA 11戦8勝3敗の32歳。インドネシアのOne Pride MMA Fight Nightという大会のバンタム級王座を20年11月に獲得し、21年11月に初防衛している(上動画赤がグスマン)。中村は「(オーソドックスでの)奥手のパンチと奥足のハイキックを被弾しないぐらいですね。パターンは多くなくて、組み立てしやすい相手です。高めに見積もって行きますけど、サプライズを起こされる気はないです」と攻略に自信。トーナメントで意識する選手を聞かれると「韓国のキム・ミンウというROADのチャンピオンは立ちも寝技もレベルが高くて、上がってくると思います。二回戦で当たるかもしれない風間敏臣選手は前回(POUND STORMで)負けましたけど(柔術ベースの)特殊な技術体系を持っていて意識はあります」と話した。
宇佐美正パトリック「いつも以上に打撃にこだわって練習してきた」
ライト級 5分3R ※6月10日(金)前半の部に登場
アンシュル・ジュブリ[Anshul Jubli](インド)
宇佐美正パトリック(EXFIGHT/LDH martial arts/修斗ライト級世界10位)
宇佐美は22歳。フルコンタクト空手から格闘技を始め、ボクシングでは高校6冠を達成。18年の世界ユース選手権では銅メダルを獲得するが、東京五輪の選考試合では敗退する。中村同様、LDHのオーディションで勝ち残り、昨年9月の修斗でのプロデビュー戦ではヨシ・イノウエを左ボディでKOし、11月のVTJの野村駿太戦では2Rに左フックでダウンを奪い判定勝ち。4月のPOUND STORMでは、15年のRTU出場者で元修斗環太平洋ライト級王者の大尊伸光に判定負けした。
RTUに選ばれたことについて宇佐美は「この前負たので、行けるとは思っていなかったです」とコメント。「MMAに来て、ボクシングでの強みだったステップの速さとかの良さが少しずつ無くなってきていたので、構え方から変えてきました」「どういうパンチが有効でどういうパンチがダメなのか研究し、いつも以上に打撃にこだわって練習してきたので今回は自信があります」と話しており、前回の敗戦を踏まえての改善点が気になるところ。対戦相手のジュブリについては「打撃出身の相手で、踏み込みながら打って組んで来るので、カウンターを合わせられたらと思います」と話した。
LDHの同期の中村は6学年上。「倫也さんはお兄ちゃんみたいにかわいがってくれているので、一緒の舞台の試合ができることもうれしいです」とも話しており、同じ日にオクタゴンに入る二人の気持ちの相乗効果も期待だ。
野瀬翔平「福岡からでも世界で戦える選手になれる」
バンタム級 5分3R ※6月10日(金)後半の部に登場
野瀬翔平(マスタージャパン福岡)
ウリジブレン[Wulijiburen](中国)
野瀬は柔道をベースとし、18年に修斗でプロMMAデビュー。HEATでの1試合含めMMA 4連勝中で、RISE福岡大会でのキックルールの試合も並行し、3月の試合ではKO勝ちしている。5月15日の修斗福岡大会の試合2日前にRTU出場が発表されるという、プレッシャーのかかる状況だったが、しっかり1R1分15秒、ギロチンチョークで一本勝ちし、RTUへの弾みをつけた。
修斗ではまだランキング入りしていない状況で、RTUのオファーが来た時は「正直びっくりしました。僕でいいのかなって」と思ったという野瀬だが「出るからには優勝目指して戦います」と宣言する。5月15日の試合に向けての調整を約3週間後の試合に活かせる上、ノーダメージなのも好材料で「体重うは増やすことなく、ずっとキープぐらいで来ています」とのこと。初戦の相手・ウリジブレンについては「UFCに出たことがあり、リリースされてもう一度エントリーしているということは、弱い選手じゃないですけど、勝てる選手だと思います」と話した。

SINGAPORE, SINGAPORE – JUNE 09: Shohei Nose of Japan poses on the scale during the Road to UFC weigh-in at the Mandarin Oriental hotel on June 09, 2022 in Singapore. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
今回日本から参戦する7選手のうち、堀内佑馬は米国、野瀬以外の残り5人は首都圏を練習拠点とし、野瀬だけ福岡という地方で練習している。「同じ階級の練習仲間が一人怪我するだけでスパーリングパートナーがいなくなるぐらい練習相手は少ないですけど、平良選手も沖縄からUFCに出て結果を残しているので、福岡でできないという言い訳ができないので、熱意を持ってやればできると思います。福岡からでも世界で戦える選手になれると思っています」と話す。
また、同じくRTUにエントリーした佐須啓祐[SASUKE](修斗フェザー級世界王者)は東京のマスタージャパン本部所属。「SASUKEさんに追いつけるよう追いかけています」とも話しており、中村&宇佐美のLDH勢同様、佐須&野瀬のマスタージャパン勢の相乗効果にも注目だ。
対戦カード
【エピソード1(6月9日(木) 15:30開始)】
第5試合 フェザー級 5分3R
イー・ジャー[Yi Zha](中国)
佐須啓祐[SASUKE](マスタージャパン/修斗フェザー級世界王者)
第4試合 ライト級 5分3R
鹿志村仁之介(IGLOO)
キ・ウォンビン[Ki WonBin](韓国)
第3試合 バンタム級 5分3R
ケレムアイリ・マイマイチツォヘチ[Keremuaili Maimaitituoheti](中国)
風間敏臣(和術慧舟會HEARTS/パンクラス・バンタム級1位)
第2試合 フライ級 5分3R
チェ・ソングク[Choi SeungGuk](韓国)
ラマ・スパンディ[Rama Supandhi](インドネシア)
第1試合 非トーナメント戦 ライトヘビー級 5分3R
ジャン・ミンヤン[Zhang Mingyang](中国)
トゥコ・トコス[Tuco Tokkos](イギリス)
【エピソード2(6月9日(木) 18:30開始)】
第4試合 フェザー級 5分3R
ホン・ジュニョン[Hong JunYoung](韓国)
松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)
第3試合 フライ級 5分3R
チウ・ラン[Qiu Lun](中国)
ウォーレン・デル・ロサリオ[Wallen Del Rosario](フィリピン)
第2試合 ライト級 5分3R
ジェカ・サラギ(インドネシア)
パワン・マーン・シン[Pawan Maan Singh](インド)
第1試合 非トーナメント戦 フライ級 5分3R
ショーン・エチェル[Shaun Etchell](オーストラリア)
内田タケル(パラエストラ松戸)
バンタム級 5分3R
―キム・ミンウ[Kim MinWoo](韓国)
―シャオ・ロン[Xiao Long](中国)
中止 (シャオは欠場。代役選手は決まらず、計量クリアしたキムが準決勝進出)
【エピソード3(6月10日(金) 15:30開始)】
第5試合 フェザー級 5分3R
イ・ジョンヨン[Lee JeongYeong](韓国)
シエ・ビン[Xie Bin](中国)
第4試合 フライ級 5分3R
堀内佑馬(チーム・オーヤマ)
トップノイ・キウラム[Topnoi Kiwram](タイ)
第3試合 ライト級 5分3R
アンシュル・ジュブリ[Anshul Jubli](インド)
宇佐美正パトリック(EXFIGHT/LDH martial arts/修斗ライト級世界10位)
第2試合 バンタム級 5分3R
中村倫也(EXFIGHT/LDH martial arts/修斗バンタム級世界8位)
ググン・グスマン[Gugun Gusman](インドネシア)
第1試合 非トーナメント戦 女子ストロー級 5分3R
ソ・イェダム[Seo YeDam](韓国)
ヨセフィン・ノットソン[Josefine Knuttson](スウェーデン)
【エピソード4(6月10日(金) 18:30開始)】
第5試合 バンタム級 5分3R
野瀬翔平(マスタージャパン福岡)
ウリジブレン[Wulijiburen](中国)
第4試合 ライト級 5分3R
アシカルバイ・ジンエンスビエク[Asikerbai Jinensibieke](中国)
キム・ギョンピョ[Kim KyungPyo](韓国)
第3試合 フェザー級 5分3R
ルー・カイ[Lu Kai](中国)
アンガ・ハンス[Angga Hans](インドネシア)
第2試合 フライ級 5分3R
パク・ヒョンソン[HyunSung Park](韓国)
ジェレミア・シレガル[Jeremia Siregar](インドネシア)
第1試合 非トーナメント戦 ウェルター級 5分3R
ジョン・アダハー[John Adajar](フィリピン)
キム・ハンスル[HanSeul Kim](韓国)