ROAD TO UFC、ABEMAで生中継。6.9(木)出場選手紹介&インタビュー。佐須啓祐(SASUKE)「朝倉海選手との対談で考え方がちょっと変わりました」、松嶋こよみ「自分のためのトーナメント」、風間敏臣「トーナメント期間にUFCで勝負できるようになりたい」
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UFCとの契約をアジア人選手が争うトーナメント「ROAD TO UFC」が6月9日(木)と10日(金)、シンガポール・インドアスタジアムで開幕する。4階級・各階級8選手が参加。今回は1回戦が行われ、準決勝は9月、決勝は12月を予定している。
3大会の模様はUFCファイトパスだけでなくABEMAで無料生中継される。(9日/10日/両日とも日本時間15:30~21:00を予定)
日本からはフライ級に堀内佑馬、バンタム級に風間敏臣、中村倫也、野瀬翔平、フェザー級に佐須啓祐[SASUKE]、松嶋こよみ、ライト級に宇佐美正パトリックがエントリー。トーナメント以外の試合には内田タケルも出場する。日本人の合計8人は中国の11人、韓国の9人に次ぐ3位にあたり、現状の世界から見たアジアのMMAの勢力図を示しているかのようだ。(4位のインドネシアは4人)(※8日追記:当初発表の中国の選手のうち3人が欠場し、日本の鹿志村仁之介、インドネシアのジェカ・サラギが代役となり、1名は代役が決まらず試合中止となっている)
日本からトーナメントに出る7名のキャリアパスは様々だ。デビューから6年間修斗一筋で戦い続けて王者になり、一時は斎藤裕を追ってのRIZIN参戦にも意欲的だった佐須もいれば、15歳でDEEPでプロデビューするもここ4年はUFCに少しでも近づくため米国を拠点に練習し、米国のローカル大会で試合をしてきた24歳の堀内もいる。松嶋は修斗とパンクラスで実績を積んだ後、ONEの上位戦線で活躍した。彼ら3人は中堅どころたが、他の4人はまだ若手といっていい世代。とりわけEXILEの所属事務所・LDHと契約した中村と宇佐美は昨年プロMMAデビューしたばかり。野瀬も修斗、風間もパンクラスを主戦場に、王座を目指していた最中の選手だちた。
これまで歩んだ道はそれぞれ違えど、今、立っている道の先にあるのは世界最高峰のUFC。果たして彼らはどういう思いで、半年に渡るROAD TO UFC(※以下 RTU)トーナメントの第一歩を歩もうとしているのか? 試合約1週間前のマスコミ各社との共同インタビューでのコメントを抜粋しつつ、7選手を紹介する。
(※1回目の記事では9日に登場する佐須、風間、松嶋の3選手を紹介します。2回目の記事では10日に登場する4選手を紹介します)
佐須啓祐「朝倉海選手との対談で考え方がちょっと変わりました」
フェザー級 5分3R ※6月9日(木)前半の部に登場
イー・ジャー[Yi Zha](中国)
佐須啓祐[SASUKE](マスタージャパン/修斗フェザー級世界王者)
佐須は中学から柔道を習い、大学時代の16年にMMAデビュー。怪我のため17年から約2年半ブランクがあったが、19年7月の復帰後は7戦全勝。20年に仲山貴志を下し修斗環太平洋フェザー級王者となり、21年1月に内藤太尊を下し初防衛し(下動画)、7月には工藤諒司に判定勝ちし修斗世界同級王座を獲得した。試合はそれ以来約1年ぶり。現在27歳。
佐須は「3月下旬にRTUに出たいかって話をマネージャーからもらって、出たいですと返事して、4月下旬、アメリカに格闘技修行に行っている最中に決まった」といい「こんなタイミングで来るんだなって思いました」と驚いたが、「いつか行きたいと思っていましたし、現地で大会を見たら想像以上の規模で、行きたい思いは一層強くなりました」とのこと。

SINGAPORE, SINGAPORE – JUNE 08: Keisuke Sasu of Japan poses on the scale during the Road to UFC weigh-in at the Mandarin Oriental hotel on June 08, 2022 in Singapore. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
ラスベガスのシンジケートジムでは「所属するほとんどのUFCファイターとは練習をやりました」といい「僕の柔道の足技には、向こうの人はこれはなんだって感じになっていて、通じると思いました」「外国人特有の行くところは行く感覚はもっと養わないといけないと思いました」と、様々な発見があった様子。米国で練習漬けの日々を送ったことで、コンディションも万全だという。
一回戦の相手・イー・ジャーについては「結構早くから組んできてバックを取って、体が強そうですけど、打撃では顔が逃げてて、スタミナも自信が無さそうだから、ああやって早く来るのかなと思いました」と評し「潰すべきところを潰せば十分勝つ可能性がある」と自信を示した。
シンジケートジムには同じ時期に朝倉海も出稽古に来ており、練習・対談の様子が海のYouTubeに上がり、50万回以上再生されている(上動画)。対談を通じて佐須は海から刺激を受けた様子で「これまでは自分がUFCに行ければそれでいい、アメリカの技術は進んでいるという程度の考えだったんですけど、彼は日本もそこ(の技術水準)に行かないといけないから、自分が日本を引っ張りたい、日本人が頑張れば日本の市場開拓もできる、UFC PI(UFCパフォーマンス・インスティテュート/UFCが経営する大型トレーニング施設)を日本に作りたい、ってことまで考えていて、この人本当に凄いなって思って、考え方がちょっと変わりました」と話していた。
風間敏臣「RTUの期間にUFCで勝負できるようになりたい」
バンタム級 5分3R ※6月9日(木)前半の部に登場
ケレムアイリ・マイマイチツォヘチ[Keremuaili Maimaitituoheti](中国)
風間敏臣(和術慧舟會HEARTS/パンクラス・バンタム級1位)
風間は25歳。高校まで柔道を習い、寝技が好きなことから柔術を始め、格闘技一本での生活を目指し、20年からMMAに転向。デビュー戦は敗れたが以降は9連勝。21年のパンクラスネオブラッドトーナメント、今年1月の石渡伸太郎引退興行での4選手参加のワンデートーナメントを制した(上写真)。9勝中8勝が一本勝ちと、柔術仕込みの極めの強さが持ち味。しかし4月のPOUND STORMでは1R寝技で齋藤奨司を追い詰めるも、2R開始早々にもらった飛び膝蹴りで逆転KO負けし、連勝がストップした。

SINGAPORE, SINGAPORE – JUNE 08: Toshiomi Kazama of Japan poses on the scale during the Road to UFC weigh-in at the Mandarin Oriental hotel on June 08, 2022 in Singapore. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
風間は前回の敗戦について「自分の弱さが出ました。リズムが一定だったところで合わされました。試合が終わって一番最初に修正した部分です」と話し、RTUのオファーについては「前戦で負けてチャンスが無くなったと思ったので、光が見えた感じです」とのこと。まだパンクラス等でベルトを取っていないため「レベルアップしてからUFCに出たいと言いたいと思っていました」と話し、想定していたよりも早いオファーだった様子。「今の自分ではまだUFCに通じないのはわかっているので、このRTUの期間に勝負できるようになりたいです」とも話しており、トーナメントを勝ち進む中で世界で戦える力をつけたい考えだ。
松嶋こよみ「自分のためのトーナメントと思っています」
フェザー級 5分3R ※6月9日(木)後半の部に登場
ホン・ジュニョン[Hong JunYoung](韓国)
松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)
松嶋は子供時代から極真空手、レスリング等を学び、15年に修斗でプロデビューしその年の新人王に。16~18年はパンクラスに上がり、牛久絢太郎、カイル・アグオンにも勝利し王座戦線で活躍。18年9月から上がったONEでは3勝2敗。19年8月にマーティン・ニューイェンのフェザー級王座に挑戦したが2R TKO負け。20年12月のゲイリー・トノン戦で判定負けして以来1年半ぶりの試合となる。

SINGAPORE, SINGAPORE – JUNE 08: Koyomi Matsushima of Japan poses on the scale during the Road to UFC weigh-in at the Mandarin Oriental hotel on June 08, 2022 in Singapore. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
松嶋は「日本人に限らず、RTUに出る選手は自分の国だけで戦って来た選手が多いですが、僕はONEで世界と戦ってきた自負があります。10月で30歳になりますし、年齢的にもUFCに上がるチャンスは少ししかないと思っています。ONEから離れる決断をして、1年半試合が無い中、しっかり練習を積めましたし、そういうタイミングでチャンスが巡ってきたので、自分のためのトーナメントなんじゃないかと思っています」と話す。「世界最強があるのがUFCなので、チャンスが少しでもあれば目指したい思いは変わらなかったです」とUFCへの思いを語り、他団体からのオファーも「UFCにつながらないとやる意味がないと思って断った」とのこと。RTUの開催地・シンガポールはONEで何度も行った場所のため、実力・時期・場所とも松嶋にとってベストの状況といえそうだ。
初戦の相手・ホン・ジュニョンについては「試合動画は結構上がっているので確認しています」と話したが「トノン戦では相手を大きく見過ぎて、相手への対処に自分の時間を使いすぎました」と反省したことから「今まで相手に合わせた作戦を考えていたんですけど、今回は自分をどう出すか意識して練習しています」といい、どのように松嶋がイニシアチブを取りに行くかが見ものだ。
(※8日追記:9日の出場全選手は8日の公式計量をクリアした。上記3選手の2枚目の写真は計量時のもの。緊急出場の鹿志村仁之介(左写真)、非トーナメント戦の内田タケル(右写真)も計量をクリアしている)
- SINGAPORE, SINGAPORE – JUNE 08: Jinnosuke Kashimura of Japan poses on the scale during the Road to UFC weigh-in at the Mandarin Oriental hotel on June 08, 2022 in Singapore. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
- SINGAPORE, SINGAPORE – JUNE 08: Takeru Uchida of Japan poses on the scale during the Road to UFC weigh-in at the Mandarin Oriental hotel on June 08, 2022 in Singapore. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
対戦カード
【エピソード1(6月9日(木) 15:30開始)】
第5試合 フェザー級 5分3R
イー・ジャー[Yi Zha](中国)
佐須啓祐[SASUKE](マスタージャパン/修斗フェザー級世界王者)
第4試合 ライト級 5分3R
鹿志村仁之介(IGLOO)
キ・ウォンビン[Ki WonBin](韓国)
第3試合 バンタム級 5分3R
ケレムアイリ・マイマイチツォヘチ[Keremuaili Maimaitituoheti](中国)
風間敏臣(和術慧舟會HEARTS/パンクラス・バンタム級1位)
第2試合 フライ級 5分3R
チェ・ソングク[Choi SeungGuk](韓国)
ラマ・スパンディ[Rama Supandhi](インドネシア)
第1試合 非トーナメント戦 ライトヘビー級 5分3R
ジャン・ミンヤン[Zhang Mingyang](中国)
トゥコ・トコス[Tuco Tokkos](イギリス)
【エピソード2(6月9日(木) 18:30開始)】
第4試合 フェザー級 5分3R
ホン・ジュニョン[Hong JunYoung](韓国)
松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)
第3試合 フライ級 5分3R
チウ・ラン[Qiu Lun](中国)
ウォーレン・デル・ロサリオ[Wallen Del Rosario](フィリピン)
第2試合 ライト級 5分3R
ジェカ・サラギ(インドネシア)
パワン・マーン・シン[Pawan Maan Singh](インド)
第1試合 非トーナメント戦 フライ級 5分3R
ショーン・エチェル[Shaun Etchell](オーストラリア)
内田タケル(パラエストラ松戸)
バンタム級 5分3R
―キム・ミンウ[Kim MinWoo](韓国)
―シャオ・ロン[Xiao Long](中国)
中止 (シャオは欠場。代役選手は決まらず、計量クリアしたキムが準決勝進出)
【エピソード3(6月10日(金) 15:30開始)】
第5試合 フェザー級 5分3R
イ・ジョンヨン[Lee JeongYeong](韓国)
シエ・ビン[Xie Bin](中国)
第4試合 フライ級 5分3R
堀内佑馬(チーム・オーヤマ)
トップノイ・キウラム[Topnoi Kiwram](タイ)
第3試合 ライト級 5分3R
アンシュル・ジュブリ[Anshul Jubli](インド)
宇佐美正パトリック(EXFIGHT/LDH martial arts/修斗ライト級世界10位)
第2試合 バンタム級 5分3R
中村倫也(EXFIGHT/LDH martial arts/修斗バンタム級世界8位)
ググン・グスマン[Gugun Gusman](インドネシア)
第1試合 非トーナメント戦 女子ストロー級 5分3R
ソ・イェダム[Seo YeDam](韓国)
ヨセフィン・ノットソン[Josefine Knuttson](スウェーデン)
【エピソード4(6月10日(金) 18:30開始)】
第5試合 バンタム級 5分3R
野瀬翔平(マスタージャパン福岡)
ウリジブレン[Wulijiburen](中国)
第4試合 ライト級 5分3R
アシカルバイ・ジンエンスビエク[Asikerbai Jinensibieke](中国)
キム・ギョンピョ[Kim KyungPyo](韓国)
第3試合 フェザー級 5分3R
ルー・カイ[Lu Kai](中国)
アンガ・ハンス[Angga Hans](インドネシア)
第2試合 フライ級 5分3R
パク・ヒョンソン[HyunSung Park](韓国)
ジェレミア・シレガル[Jeremia Siregar](インドネシア)
第1試合 非トーナメント戦 ウェルター級 5分3R
ジョン・アダハー[John Adajar](フィリピン)
キム・ハンスル[HanSeul Kim](韓国)