KNOCK OUT、代々木第2大会を6月から来年3月に延期。7.23 後楽園ホールで梅野源治が古巣復帰「“ムエタイやばいだろ”という試合を見せる」
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KNOCK OUTは6月26日(日) 国立代々木競技場第二体育館大会の開催を見送り、2023年3月5日(日)に延期すると発表した。次回大会は7月23日(日)の後楽園ホール大会となり、梅野源治の出場が発表された。
KNOCK OUTは後楽園ホールをホーム会場として使用。元K-1・Krushプロデューサーの宮田充氏が20年10月にKNOCK OUTのプロデューサーに就任して以降では最大規模の大会を、6月26日に代々木第二で開催することを3月に発表していた。
宮田氏は5月13日の記者会見で延期理由について説明。「チャンピオン選手の負傷が相次ぎました。まずは3月6日にRIZINさんで試合したKNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王者の鈴木千裕選手(※拳の骨折)。3月12日の後楽園大会でBLACK女子ミニマム級王座を取って2階級制覇した、ぱんちゃん璃奈選手は練習中の怪我で前十字靭帯を断裂し、無事手術に成功しリハビリ中です。4月17日の後楽園大会でスペインの強豪選手に勝利したBLACKフェザー級王者の龍聖選手は、試合後に左足の負傷が発覚し、6月はスタンバイできない状態にあります」「ベストのメンバーが揃わないことで興行開催に突っ込むのはどうかと思い、スタッフや関係者と協議し、代々木競技場さんにも相談し、3月5日に延期はどうかと提案をいただき、春ですし、仕切り直しにはいいかなと思いました」「残念な結果となりましたことをお詫びいたします。来年3月5日はよりパワーアップし、楽しんでいただけるイベントにしたいです」と話した。
7月23日の後楽園には梅野の出場が決定した。宮田氏は「今回の梅野選手の参戦にあたり、RIZINさん、BOMの中川(夏生)代表に相談しご理解いただき、PHOENIXの前村(基公)代表にもご尽力いただきました。KNOCK OUTの創成期にトップに君臨していたファイターとして当然知っていましたが、今まで話したことも接点も無く、関わることが無いのかなと思っていました。今の時点のKNOCK OUTに梅野選手が参戦することで、どういう化学反応が起こるかワクワクしています。来年3月に向けてインパクトを与える存在だと思います」「7月が梅野選手とKNOCK OUTの新たな始まりだと思っています」と話し、継続参戦を期待した。
梅野はKNOCK OUTの前身であるREBELSの10年1月の旗揚げ大会に出場。REBELSを主戦場にタイのムエタイの王座獲得を目指し、16年10月のREBELSディファ有明大会でラジャダムナン認定ライト級王座を獲得した。その2カ月後に旗揚げした旧体制のKNOCK OUTにレギュラー参戦したが、日本人との対戦を希望した運営側と方針が合わなかったこと等が理由で、翌17年後半からREBELSに復帰し、ムエタイ路線を継続していた。19年から肘無し・首相撲制限ありのRISEに主戦場を移しつつ、昨年からはRIZINにも参戦。一方でBOMでムエタイの試合も並行し、BOMのタイトルを獲得。最近では昨年9月のBOM大田区総合体育館大会の第2部のメインではロンペット・Y’ZDと5Rの死闘を繰り広げ引き分けていたが、マニア層以外への話題の広がりが乏しい状態だった。
一方で宮田氏は昨年2月のREBELSファイナル大会の3カ月前の会見で、10年間のREBELSの歴史を彩った5選手の参戦を呼びかけ、そのうちの一人として梅野をあげており、そのアピールから約1年半越しで梅野のカムバックが実現する。今回の発表にあたり公開されたフライヤー画像に書かれたキャッチコピーは「KING IS BACK」。梅野はREBELSおよび旧KNOCK OUTに上がっていたため、今回のKNOCK OUT参戦は二重の意味での古巣復帰と言え、RISE・RIZINで高めた知名度を、本流のムエタイに還元するチャンスとなる。
梅野のKNOCK OUTでの試合は肘無し・首相撲制限の少ないREDルールとなる予定で、ムエタイとほぼ同じ戦い方ができる。梅野は「僕自身、肘のあるムエタイルールでもう一度輝きたい、いい試合を見てもらいたいと思っていたところ、宮田さんから6月の(代々木)大会に出て欲しいと、僕の事務所に来て直接話をいただき、自分とKNOCK OUTの目指しているものに共通するものがあると感じました。“やっぱり梅野源治、ムエタイ、やばいだろ”といった試合を見ていただくリングが、KNOCK OUTに決まりました。7月は肘有り・首相撲ありのムエタイルールで、いかに梅野源治が輝けるか見ていただきたいです」と意気込みを語った。
梅野は3月のRIZINでの皇治戦で、ジャッジの採点が発表された際に「やばいだろ」と不満を露わにし、多くのRIZINファンから揶揄されたが、その話題性を逆手に取り、ツイート等でも「やばいだろ」のフレーズを多用し、ファンを楽しませていた。今回の意気込みでの言葉の使い方もその流れに沿ったものといえよう。梅野は「ムエタイ選手が(肘無し・首相撲制限ありの)キックルールに挑戦してい結果が残せなくて、ムエタイ弱いじゃんと思わせてしまっている、その理由の一つが僕なんですけど、そこを変えられたらと思います。逆にキックボクサーがムエタイに挑戦したいと思わせる流れを作りたいです」とも話した。
7月の後楽園大会について宮田氏は「6月の代々木大会のカードを一部スライドすることで、スペシャルマッチが多くなります。プレリミナリーファイトは行わず、全て本戦で、第1試合からこれはというカードを持って来ます」と話し、小笠原瑛作、龍聖、安本晴翔、花岡竜、“バズーカ”巧樹といった現KNOCK OUT王者勢をはじめ、日菜太、中島弘貴、渡部太基といったベテラン勢の名前を挙げた。新たに8月6日(土)の新宿フェイス大会が追加され、こちらは新鋭を中心としたカードとなる模様だ。
会見には小笠原も出席。小笠原は「代々木大会の延期は残念ですし、自分一人で代々木を埋められない悔しさもあります。来年3月までに一人で代々木を埋められるぐらいのインパクトを残したいです」と話した。スーパーバンタム級からの階級アップを目指す小笠原は、3月の大田拓真戦に続き、フェザー級近辺での試合を予定。7月に戦いたい相手については「チャンピオンレベルとやりたいですね。若い安本晴翔、龍聖にも実力的に負けていないと思います。(肘無しの)BLACK、(肘有りの)REDのどっちのルールでもいいです」と話した。
7.23 後楽園ホール 出場予定選手(変更の場合あり)
小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級(55kg)王者、WPMF世界同級王者、ISKA K-1ルール世界バンタム級王者)
龍聖(TRY HARD GYM/KNOCK OUT-BLACKフェザー級(57.5kg)王者)
安本晴翔(橋本道場/KNOCK OUT-RED・WPMF世界・WBCムエタイ日本フェザー級王者)
花岡 竜(橋本道場/KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王者、元INNOVATIONフライ級王者)
“バズーカ”巧樹(菅原道場/KNOCK OUT-BLACKライト級王者、WMAF世界スーパーライト級王者)
日菜太(クロスポイント吉祥寺/元REBELS-BLACKスーパーウェルター級(70kg)王者、元RISEミドル級(70kg)王者)
梅野源治(PHOENIX/BOMライト級王者、元ラジャダムナン同級王者、元WPMF世界&WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王者)
中島弘貴(LALA TOKYO/元Krushスーパー・ウェルター級(70kg)王者)
渡部太基(TEAM TEPPEN/元Krush&WPMF日本ウェルター級王者)