ONE Championship 9.3 シンガポール:ハム・ソヒ×ザンボアンガ、競技委員会が結果を再検討。ソヒ「ダメージを与えるという点では私が上回っていた」
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ONE Championship「ONE: EMPOWER」(9月3日(金) シンガポール・インドアスタジアム)の「ONE MMA女子アトム級(52.2kg)ワールドGP」一回戦でデニス・ザンボアンガに判定2-1で勝利したハム・ソヒの試合後インタビューが、ONEから届いた。(写真:(C)ONE Championship)
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なお、ONEは「現在、競技委員会によってこの試合の結果が再検討されています」とも発表している。試合はテイクダウンとグラウンドコントロールで上回ったザンボアンガ、スタンドでプレッシャーをかけ続けたソヒの評価が割れ、記者採点もザンボアンガとしていた。ONEはレフェリーの名前は公開されているが、ジャッジの名前は非公開だ。
ABEMAの中継での解説を務めた元ONE MMAライト級王者の青木真也は5日夜のツイートで「審議中で見直してるってことだと思うのですが、判定が覆るようなことがあると試合でのジャッジの重みがなくなりますよね。ワシはザンボアンガの勝ちだと思いましたが、その日のジャッジがハムを支持したのでそれが結果であると思います」と指摘している。
ONEでは19年にもペットモラコット vs. ジョルジオ・ペトロシアンが、ペットモラコットの判定2-1での勝利が、競技委員会による見直しの結果、無効試合に変更となったことがある(該当記事)。理由の説明はあったが、競技委員会がどういうメンバーで構成されているか、ルール原文がどうなっているかといった詳細までは明らかにされなかった。今年4月にエディ・アルバレスの試合が、後頭部打撃の反則失格負けから無効試合に変更になった際も、委員会のメンバーはONEのチャトリ・シットヨートン代表以外、誰が参加しているかは発表されなかった。
ソヒはインタビューで、裁定についてもコメントしている。
ハム・ソヒ
――デニス・ザンボアンガの判定勝利を支持する声もありますが、それについてどう思いますか。どのくらいこの勝利に自信はありますか。
「私が負けたとは絶対に思いませんね。ONEチャンピオンシップのルールを理解していれば、他の団体のルールセットとは少し違うのを理解している。例えばテイクダウン、クリンチでは彼女は優位ではなかったですよね。有効な攻撃ではなかったです。ダメージを与えるという点では私が上回っていたことが明らかだし、判定について疑問がある人にはもう一度試合を見直して欲しいですね。私が負けていたとは思えません。」
――デニス・ザンボアンガ選手と対戦して、彼女へのリスペクトの気持ちは変わらないですか。
「試合前も後も同じです。私はいつでも彼女をリスペクトしています。彼女はONEアトム級1位であり、素晴らしいアスリートです。彼女をリスペクトしない理由なんてありません、いつでもリスペクトしています。」
――準決勝で対戦してみたい選手はいますか?
「誰と対戦したいかは考えたことがなかったですね。出来る限り多くの選手たちと戦いたいです。ONEチャンピオンシップのサークルでもっと経験を積みたいなって思います。」
――数年のブランクを経て新しく参戦したONEチャンピオンシップでデビュー戦を終えました。振り返ってみてどうですか。
「そうですね、実際のところ前回の試合から2年も経ちました。今日試合をしましたが、試合をしたことが信じられないです。試合をすることができてとても嬉しいですが、現実に感じなかったです。よし、勝った!みたいな気持ちはなかったです。」
――このグランプリの準決勝はファン投票でマッチアップが決まりますが、そのことについてどう思いますか。
「とても良いと思います。より楽しんで出来ますよね。ファンが私の相手を決めるなんて、面白いことだと思います。」
――スタンプ選手がハム・ソヒ選手と準決勝で戦うことに興味を示していました。スタンプ選手とのマッチアップについてはどう思いますか。
「面白い試合になるんじゃないかなって思います。でも何で彼女は私を選んだんでしょうかね。」
――今回の試合結果に関して色々な意見がありますが、ハム・ソヒ選手ご自身はザンボアンガ選手との再戦を考えていますか。それとも決着がついていると思いますか。
「何でこの試合結果に疑問を持たれているのか理解できないです。ザンボアンガの顔を見てみてください。あの顔が結果を物語っていますよね。ファンの方々がもう少しONEチャンピオンシップのルールを勉強すれば、皆さんも私と同じように感じるでしょう。」
――デニス・ザンボアンガ選手が試合後のインタビューでONEチャンピオンシップにもう一度判定を見直して欲しい、すぐにでも再戦をしたいと話していました。それについてどう思いますか。彼女は大袈裟に反応していると思いますか。
「デニス・ザンボアンガ選手は、ONEチャンピオンシップのルールをもう一度勉強すべきだと思います。彼女がONEのルールをしっかり理解していれば、この結果に同意するでしょう。何を言えばいいか分かりませんね。私の個人的な意見ですが。」
――トーナメントに勝ち残った選手の中で、ハム・ソヒ選手が一番経験のある選手です。そのことで勝利へのプレッシャーなどを感じますか。
「プレッシャーは何も感じていません。私は2年のブランクを経て戻ってきました。次の試合はもっと良い準備をして、もっと良い動きができるようにしっかり磨いて戻ってきます。」
――愛犬が亡くなったと伺いました。ファイトパンツにも写真をのせていましたね。一緒に戦っていた、そう感じますか。
「愛犬が亡くなった時と同じタイミングで試合のオファーをもらいました。ちょうど同じ時期でした。神様だけが知っていることでしょうが、これは何か理由があって起きたことだと思います。あの出来事から今日までの間ずっと、愛犬は私の隣にいて、私を守ってくれて、見守ってくれていると思っています。だから、試合に向けてしっかり準備してきましたし、モチベーションにもなっていました。この試合でしっかり結果を残す理由の一つでした。」
――計量では苦労したと聞きました。そして今回の試合ではコンビネーションを使わず左手のみで戦っていましたが、怪我やフィジカルのコンディションに何かあったのですか。
「今回の試合がONEデビュー戦でした。計量とハイドレーションチェックはいつでも簡単ではないです。慣れるまでに時間がかかるものだと思います。実際に、ハイドレーションテストには前日にパスすることができずに、今朝(試合当日の朝)にパスすることができました。なので、リカバリーに充分な時間がなかったなと感じます。そして正直なところ、自分のコンディションも100%ではなかったです。左手だけを使っていたことについては、戦略の一つでした。相手のザンボアンガ選手の動きや、戦い方を考えた上でのものでした。私はただ練習してきた通りに動きました。」
――日本のファンにメッセージはありますか。
「(日本語で)応援してくれて本当にありがとうございます。私がいつ日本で試合をするか分からないけど、応援よろしくお願いします。」
――試合前のインタビューでこの試合に勝つこと、そしてトーナメントを勝ち抜くことに自信があるとお話ししていました。ザンボアンガ戦を終えてその気持ちは変わらないですか。
「はい、常に変わらないです。いつでも、どの試合でも自分に自信があります。」
――第3ラウンドでのアクシデントのあと、ハム・ソヒ選手はテイクダインをもらいました。インジャリータイムのインターバルが影響していると思いますか.
「そうですね。相手はあのテイクダウンのために、インターバルを使って充分に休めたと思います。あと、皆さんにも考えて欲しい私の考えですが、あのインターバルの時点でもしデニス自身が勝っていると思っていたなら、あのように私に走って向かってきてテイクダウンをしなくても良かったですよね。彼女は自分が劣勢でいることを分かっていたから、勝つために何かしなければいけない、と思っていたのでしょう。だから判定は合っていたと思います。これが私の意見です。」
――元RIZIN王者のハム・ソヒ選手を日本人のファンは応援していると思います。何かコメントはありますか。
「とても嬉しい、光栄なことです。ありがとうと感謝の気持ちを伝えたいです。日本では長年戦ってきたので、たくさんのファン、メディアの方が応援してくれているのだと思います。」