パンクラス酒井正和代表「ONE Championshipとの提携の話があれば当然話を聞きます」「“世界標準”を目指す道でONEはアリ」
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パンクラスの酒井正和代表は1月31日に東京・新宿のパンクラス事務所での記者会見で、2019年の展望を語った。先週、修斗がONE Championshipとのパートナーシップ契約を結んだと発表したが、酒井氏も以前から選手を多数送り込んでいるONEとの本格的な提携に前向きな姿勢を示した。
◆酒井正和代表(コメント抜粋)
パンクラスは一昨年までディファ有明大会の形ができて黒字化に成功し、去年からは新木場スタジオコーストにホーム会場を移し、なんとか12月決算で4桁の経常利益を確保でき、ビジネスモデルのベースができました。2月17日のPANCRASE REBELS RING.1もソールドアウトできそうです。
さきほど田中路教選手が3月17日のスタジオコーストに参戦することを発表しましたが、3月大会も面白いカードがいっぱいあって、ソールドアウトすると思います。(※バンタム級でウラジミール・レオンティブ(ロシア)と対戦決定。田中の会見でのコメントは追ってお伝えします)
パンクラスの色んな選手が他団体に出て行って、パンクラスが空洞化しているんじゃないかと言われていますが、私にはそういう意識はありません。逆にパンクラスにとってもチャンスもあり、選手にチャンスを与えられていることの現れだと思っています。
(修斗がONEとのパートナーシップ契約を結び、DEEPは以前からRIZINとのつながりが深いですが、パンクラスの今後の路線は?)修斗さんのパートナーシップ契約は英断だった思います。修斗さんもDEEPさんもそうだと思いますけど、なぜ私たちが興行を打つのかというと、儲かるからじゃなく、選手たちがプロアスリートとしての地位を確立してもらうためだと思うんですよね。DEEPやDEEP JEWELSに上がっていた選手がRIZINに行って人生のステージが変わりましたし、修斗の選手もONEとの提携で同じようになると思います。あのぐらいの提携じゃないと中途半端だと思ったので、修斗さんは英断だと思いました。世界の格闘技界の情勢から考えれば、3年ぐらい前じゃ考えられなかったことですし、これから3~4年で、日本のMMAファイターがお金を稼げる流れが確立して行くと思います。
パンクラスとしてはどちらかと言うと、ONEとの提携の話があれば当然話を聞きますし、内容によってはアリじゃないかと思いますね。ただ、選手たち自身がどこに行きたいか(急な変化に)追い付いていないと思うので、もうちょっとわかりやすく、運営側が作っていくのが大事だと思っています。最近はUFCの日本大会が無くなり(ファンも選手も)興味が薄れつつありますけど、ONEが日本に進出し、3月31日に両国大会を開催してくれることは凄くいいことです。業界の状況を見つつ、パンクラスとして何が最適か判断したいと思います。既にONEにはうちから選手がたくさん行っていますし、みんなには活躍してもらって、ONEでタイトルを取って世界に存在をアピールしてもらいたいですね。ONEは資金調達能力もあって、会社としてもしっかりしていて、そういうところで選手が戦えば、練習環境も変わるでしょうしね。
(パンクラスのラスベガス大会を計画されていたが?)今は考えていないですね。そんな悠長なことが言えなくなってしまいました。ONEが日本に来ることが去年発表されて、日本国内をしっかりやることが大事だよねって考えになりました。ラスベガスでの箱(会場)も押さえていましたけど、お断りしました。3月のONEが終わって、4月以降、MMAだけに限らずキック業界も新しい地殻変動が起こるかもしれないので、その辺もちゃんと見据えたいです。
ONEのチャトリ・シットヨートンさん(会長兼CEO)は本当に日本をリスペクトしていて、そういう団体が本腰を入れて日本にようやく来て、修斗さんに資金投下してくれている。そんなことは今まで無かったことですし、これは何か変わるだろうなと思います。チャトリさんからお話があるなら当然話し合いたいですね。ONEさんは選手たちを高いレベルに持って行っているとピュアに感じます。我々の掲げる“世界標準”を目指す道で、ONEはアリだということです。