KNOCK OUT 4.25 後楽園ホール:バズーカ巧樹×大谷翔司2、両陣営会長インタビュー。菅原忠幸「選手には、SNSでつながって“いいね”押してんじゃねえよと」、増田博正「焦る必要はないけど、危機感は持ってなさいと」
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KNOCK OUT 2021 vol.2(4月25日(日) 後楽園ホール)のKNOCK OUT-BLACKライト級タイトルマッチ・バズーカ巧樹(菅原道場/王者)vs. 大谷翔司(スクランブル渋谷/挑戦者)を前に、菅原忠幸・菅原道場会長と増田博正・スクランブル渋谷会長のインタビューが主催者から届いた。
菅原忠幸・菅原道場会長「悪いけど、今度は叩きのめしますよ」
――まず、昨年12月の試合から振り返っていただきたいんですが、今振り返るとどうだったでしょう?
菅原 最初、対戦相手の大谷選手のことは知らなかったんですよ。相手の情報はいつも私が調べるんですが、いろんな人に聞いたりして情報を集めると、タフでスタミナがあって、これといった武器はないんだけど、削り合いの試合をして判定で勝つというタイプの選手だと。それで映像をちょっと見たらスピードはさほどなかったので、まあいけるかなと思って、私もちょっと油断したところがあったんですよ。ウチは練習は厳しくやるし、前回も決して緩くしたとかではないんですけど、バズーカ本人もどこかで油断があったのかなと思いますね。
――それで実際に試合をしてみて、その中身はいかがでしたか?
菅原 確かにスタミナがあって、丈夫でガードもしっかりしていて、攻撃ももちろん何でもできて。タフでやりにくい、イヤなタイプの選手でしたよね。
――試合は大谷選手の勝利に終わりましたが、バズーカ選手ご本人はその負けを引きずることなく、すぐに切り替えたとおっしゃってました。
菅原 まあ、そうですよね。勝負なんで、勝ち負けはあるじゃないですか。自分より実力で下の選手に負けちゃうこともあるし、上の相手に勝つこともあるし。ジャンケンじゃないですけど、10回やったら8回、9回確実に勝てるってものでもないじゃないですか。だから負けは負けで、じゃあ次勝てるように頑張れと。そういう感じで練習させてました。
――やはり今回は、前回を踏まえての対策ということになりますよね。
菅原 『KNOCK OUT』チャンピオンたちの勝敗予想も見ましたけど、「間の期間も短いし、前回と同じ結果になるんじゃないか」って声もありましたよね(笑)。まあそれが大方の予想なのかもしれないですけど、今度は……勝ちますよ。いつも以上に、相当気合いを入れて練習させてるんで。同じ相手に2回負けたらダメなので、今回は挑戦者を迎え撃つのではなくて、逆にこっちが挑む立場ですよね。だからKNOCK OUT-BLACKライト級の王座決定戦というつもりで行きますよ。
――もちろん話せる範囲で構わないんですが、今回はどのように戦おうと?
菅原 バズーカは何でもできる選手で、パンチだけじゃなくて蹴りとかもいろいろ出せるんですよね。……まあ、作戦はもちろん言えませんけど、相手はタフじゃないですか。どこが弱いというのもないし、消耗戦になった時に前回はバズーカが失速してしまったので、そこらへんですよね。スタミナ配分とかが大事になってくるでしょうね。
――そういったことは、基本的に会長が考えられるんですね。
菅原 私が考えますね。いろんなシミュレーションができるじゃないですか。1Rにダウンを取った場合はこうするとか、逆に取られた場合はこうするとか。前半にポイントを取られたけど、まだスタミナはあって……とか、いろんなシミュレーションをして、こうなったらこういう技を中心に使っていくとか、そういう感じで考えますね。
――それを考えたら、選手とは綿密に話されるんですか?
菅原 話したり、ミットの時に「今こういう感じだけど、スタミナが切れてる時にこういう技を出してもダメだからこうしろ」とか、そういうのは言いながらやったりします。例えばカットしてしまった時はこういう構えにしろとか、そういうのは練習の中でやってます。
――会長から見て、試合が近づいた今のバズーカ選手の様子はどうですか?
菅原 もともとがポーカーフェイスなんですよ。
――ええ、よく分かります(笑)。
菅原 表情にも出さないし、あんまり言わないんですよ。「ケガしてる」とか「キツい」とかは。タイトルを獲った丹羽圭介戦の時も、実はアバラを骨折してたのを知らなかったんです。練習で蹴りを出さないから「何で蹴らねえんだ?」って言ったら「痛いんです」と。しばらく「痛い」って言ってるから、「試合も決まってるんだから病院に行け」って言って診てもらったら、骨折してたことが分かって。
――「痛い」が最大の自己表現だったわけですね(笑)。会長の立場からすると、情報が少なくてやりづらくないですか?
菅原 でも、間に島野浩太朗とか他の選手がいるから、「こうみたいですよ」と教えてくれますからね(笑)。「やれ」って言ったら「押忍!」って言ってやるんですよ。いつもキツくやるんですけど、島野とかが「ふくらはぎが痛くて、これ以上やったら肉離れを起こすんじゃないかっていう状態みたいです」って伝えてくれる感じですね。
――そうですか(笑)。
菅原 特に今回は、一度負けちゃってるんで、私も相当気合いが入ってますからね。本当にもう、「叩き潰せ」ぐらいの勢いで言ってます。向こうの増田会長も、強いチャンピオンだったじゃないですか。大月晴明君とやった試合なんかも見てるんですよ。
――MAキックの「COMBAT」60kgトーナメントですね(2002年3月)。大月選手のパンチで倒れかかっているところに追撃の蹴りが頭を直撃して、ものすごいKOになった試合でした。
菅原 ヘタしたら大事故になりかねなかったじゃないですか。普通、あんなやられ方をしたら2回目はやりたがらないでしょう。でもそれで5年後にやって、しっかり勝ってリベンジしてるし(下写真)、教える技術もあるんだろうから、キッチリ仕上げてきてると思うんですよね。そこはもちろん、負けずにやりますけど。
――確かに増田会長のリベンジは大変なことですよね。
菅原 しかも大谷選手は自衛隊上がりですよね。しかも徒手格闘術をずっとやっていたらしいですし。まさにそこで鍛えた精神力があるでしょう。ウチのジムから近い木更津にも自衛隊の基地があって、車輌とすれ違ったりする時は、私は必ず頭を下げるんですよ。自衛隊の人は尊敬しているので。飲みに行った時に「あれは自衛隊の人だよ」と聞いたらボトルをご馳走したり。だから大谷選手のことは尊敬はしてるんだけど、キックをやってる限りは敵だから。ウチ以外はみんな敵だから、もう潰し合いですよ。そんな仲良しショーなんかしたくないじゃないですか。選手にも「他のジムの選手と話なんかするな」っていつも言ってます。「SNSでつながって、『いいね』押したりしてんじゃねえよ」と。引退した後だったらいいですけどね。そういう時代なのかもしれないですけど。
――ズバリ、潰す自信は……。
菅原 もちろんありますよ。そのために時間も労力も費やしてるんですから。ミットを持ってたら腰が痛いとかヒジが痛いとか言う指導者もいますけど、そんなのは当然なんです。「会長」なんて名前だけで、実際はミット持ちのトレーナーなんですから。肉体労働者ですよ(笑)。
――いやいや(笑)。
菅原 口だけで偉そうに教えてる人もいるけど、今や世界のトップ選手の練習だって、YouTubeでいくらでも見られる時代なんですから。そうじゃなくて、ウチは時間も労力も惜しまず、選手が戦う準備に注ぎ込んでます。お客さんは勝敗しか見てないかもしれないけど、そこの差は分からせてやりますよ。ホントにもう、叩きのめしますよ。ベルトも渡さないし。悪いけど、勝負なんでね。
増田博正・スクランブル渋谷会長「前回の試合は0点。試合後、かなり怒りました」
――最初に、昨年12月に大谷選手が勝利した前回の試合を振り返っていただきたいんですが。
増田 大谷的には、ほぼ0点の試合ですね(笑)。
――えっ、そうなんですか?
増田 はい。1R、2Rは支配されてしまって、やっと3Rにエンジンがかかったという感じだったので。まあローは効かせてましたけどね。
――では、作戦としては全然違う展開のはずだったんですか。
増田 そうですね。その作戦は今回やろうとしているので、あまり言えないんですけど(笑)。
――ですよね(笑)。では前回、大谷選手がその作戦を実行できなかったのはなぜでしょう?
増田 バズーカ選手のリズムですよね。あのリズムに合わせてしまったのが一番悪いところで。試合前から、「土足で歩いていけ」って言ってたんですよ。合わせるなと。
――ところが試合になったら、ちゃんと玄関で靴を脱いで、スリッパを履いてしまったと。
増田 そうですね(笑)。だから、大谷はポテンシャルを50%も出さないで終わってしまった試合でした。それが十分出せれば、最初からKOも狙っていたので。
――ということは、前回勝ったからと言って、気持ち的に有利とか楽とかは一切ない?
増田 はい。今回はしっかり倒して、ライト級でしっかり力を示していかなきゃいけないので。ライト級は強い選手がいっぱいいるので、「俺がいるぞ!」というのをアピールするためにも、KOして勝つというのが今回のテーマですね。
――それに向けての手応えは?
増田 修正に修正を重ねてやってきてますから、大谷の力がしっかり出て、作戦通りに動いてくれれば2R後半から3Rにしっかりダウンを取ってKOまでつなげてくれると思います。
――勝てばいよいよ『KNOCK OUT』の王者ということですが。
増田 チャレンジャーですけど、今は団体が乱立しているので、『KNOCK OUT』のライト級王者は強いんだということをしっかりと示すためにも、しっかりとした勝ち方をしてもらいたいですね。
――一方、バズーカ選手はリベンジマッチなので、かなり目の色を変えてくると思うんですが。
増田 バズーカ選手は本当に試合巧者だし、そこは警戒しながら出鼻をくじいていきたいです。
――バズーカ選手のことは前戦と今回の対策でかなり見えたところでしょうか。
増田 そうですね。お互い力は分かっていると思うんですが、大谷に関しては前回、ほとんど力を出せずに勝った試合でしたが(笑)。
――では大谷選手がちゃんと力を出したら、バズーカ陣営は驚くはずということですか。
増田 そうですね。前回とは別人だと思うんじゃないですか。
――大谷選手本人からは、その気合いは伝わってるんでしょうか?
増田 前回、僕からだいぶ怒られてますからね(笑)。まあだいぶ自信もついてきたようだし、「やれるぞ」と思ってる感じは伝わりますね。
――彼は最初に入会してきた時から、選手としてチャンピオンになるというのは想像できましたか?
増田 そうですね。いいもの持ってましたし。体格にも恵まれていてパンチも蹴りも強くて、カウンターも上手でした。
――自衛隊での経歴がありますが、そういった体の強さも最初から感じられたんですか?
増田 それはありました。自衛隊でもかなり長い時間、練習していたらしいので。ただ、いい意味でも悪い意味でもマイペースなんですよ。なので意識とか集中力という意味では気をつけました。それと、彼が自衛隊でやっていた徒手格闘術のクセを抜くのは大変でした。
――そうなんですか。
増田 詳しくは聞いてないんですが、徒手格闘術はポイント制だったと思うんですよね。だから当てて終わりっていうところがあったんですよ。手数を増やさせて、キックボクシング仕様にするのにはちょっと時間がかかりました。
――デビューからここまでは順調でしたか?
増田 順調……ではないですね。順調だったら3年でベルトを巻いてるはずだったので。そこはなかなか、昔のクセが抜けきらなかったところがありましたね。
――普段の大谷選手は、会長から見るとどういうタイプですか?
増田 物静かで、優しい子です。気持ちの中にはギラギラしたものを持ってるのかもしれないですけど、それを表に出すタイプではないというか。内に秘めた闘志はすごいものがあるんですけど、照れ屋なのかクールなのか、あんまり見せないですね。たくさんの選手を見てますけど、今ってあんまり気持ちの強い子はいない感じがするんですよね。だから選手によって指導の仕方も変えたりしてやってますけど。
――大谷選手に接するにあたっては?
増田 先ほども言った通りマイペースなので、危機感を持つようにとはいつも言ってます。焦る必要はないけど、危機感は持ってなさいと。ただ、イノベーションのベルトを獲ってからは「チャンピオンなんだ」という自覚がだいぶ出てきたようで、スパーリングを見てても意識が変わってきてますね。後輩たちを教えたりもして、自分が引っ張らなきゃというのは感じるようになりました。
――では、今回勝ってベルトを獲れば、さらに一皮むけそうですか。
増田 もっと早くむけてほしいんですけどね(笑)。まあ、今度勝てばまただいぶ違うとは思います。今回はBLACKルールですけど、アイツはヒジもうまくてどっちもいけるので、ライト級全体のトップまで行ってほしいと思ってます。
――今回、大谷選手のここを見てほしいというポイントは?
増田 流れの中のコンビネーションですね。それがキレイに出れば勝ちにもつながると思います。
対戦カード
※REDルールは肘有りキックルール、BLACKルールは肘無しキックルール
第9試合 メインイベント 無法島 presents KNOCK OUT-BLACK ライト級(62.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
バズーカ巧樹(菅原道場/王者、MA日本スーパーライト級王者)※初防衛戦
大谷翔司(スクランブル渋谷/挑戦者、INNOVATIONライト級王者)
第8試合 セミファイナル 創世のタイガ presents BLACK 女子46.5kg契約 3分3R(延長1R)
ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/KNOCK OUT-BLACK女子アトム級(46kg)王者)
MIREY(HIDE GYM/WMC日本女子&J-GIRLSピン級(45.53kg)王者)
第7試合 BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
龍聖(TRY HARD GYM)
No-Ri-[ノーリー](ワイルドシーサー・コザ/元TENKAICHIバンタム級王者)
第6試合 BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺/元WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王者)
銀次(Next零/TENKAICHI&KPKBフェザー級王者、大和KICK 57.5kg王者)
第5試合 RED スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
松﨑公則(STRUGGLE/元REBELS-MUAYTHAI・WPMF日本・J-NETWORKスーパーフライ級王者、元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者)
花岡 竜(橋本道場/INNOVATIONフライ級王者)
第4試合 BLACK ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
麻火佑太郎(PHOENIX)
古村匡平(FURUMURA-GYM/大和MUAYTHAIスーパーライト級王者)
第3試合 BLACK スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
炎出丸(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKスーパーバンタム級王者)
加藤和也(ドージョー☆シャカリキ)
第2試合 BLACK スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
濱田 巧(team AKATSUKI)
酒井柚樹(TEPPEN GYM)
第1試合 BLACK 女子45kg契約 2分3R
川島えりさ(クロスポイント吉祥寺)
井之上弥生(橋本PREBO)
概要
大会名 KNOCK OUT 2021 vol.2
日時 2021年4月25日(日) 開場・16:45 開始・17:30
会場 後楽園ホール
中継 ツイキャス(3,300円~/PPV) サムライTV(生中継/月額1,980円)
チケット料金 SRS席¥20,000 RS席¥15,000 S席¥10,000 A席¥7,000 ※チケット完売 ※小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料
チケット販売 KNOCK OUT OFFICIAL SHOP チケットぴあ 出場選手・所属ジム
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