KNOCK OUT 4.25 後楽園ホール:ベルトを懸けた再戦、バズーカ巧樹「このベルトを改めて自分のものにしたい」、大谷翔司「ベルトを獲って、30歳からでもこんなにできるんだと見せたい」
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KNOCK OUT 2021 vol.2(4月25日(日) 後楽園ホール)のKNOCK OUT-BLACK ライト級(62.5kg)タイトルマッチで対戦するバズーカ巧樹(菅原道場/王者、MA日本スーパーライト級王者)と大谷翔司(スクランブル渋谷/挑戦者、INNOVATIONライト級王者)のインタビューが主催者から届いた。(選手スナップ写真提供:KNOCK OUT)
昨年12月のノンタイトル戦で大谷がダウンを奪って勝利したことで今回のタイトルマッチにつながっており、バズーカとしてはリベンジの機会でもある。「負けたらチャンピオンじゃない」というバズーカは、この試合にどのような心境で臨むのか? 一方の大谷にとっては前回の勝利が今回にどう影響するのか? 試合へのプラン、ベルトへの思い、そしてその先のビジョンを語ってもらった。
バズーカ巧樹「気持ちは王座決定戦。『やっぱりバズーカが強かった』と思わせます」
――大谷選手と再戦でタイトルマッチとなりました。改めて前回の対戦を振り返ると?
バズーカ 3Rにしっかりやられちゃったんで、自分としてもダメな試合でしたね。自分のダメなところが出てしまいました。
――ダメなところとは?
バズーカ 多少油断したというのもあったと思うんですけど……ダウンを取られた時はダメージは全くなかったんですけど、パンチをチョコチョコ当てられたので、そこがダメでした。
――大谷選手が、想定よりも粘り強かった?
バズーカ そうですね、粘り強さだけはありました。攻撃の威力とかは全く感じなかったですけど。
――自分の攻撃については?
バズーカ 実際、倒せてもいなくて、ずっと前に来られたので、本当に効かせられた攻撃はなかったと思ってます。
――ああいうタフな選手に粘られると、作戦が狂って焦ったりというのもありましたか?
バズーカ うーん……でも自分は判定勝ちの方が多いので、それで焦るというのはないですね。しっかり自分の距離で戦って、試合を作っていければ問題ないので。やっぱり3Rにやられてしまったのは、自分のダメな部分だったという感じです。
――なるほど。おそらく、負けた試合についてこんな風にいろいろ聞かれるのもイヤなんじゃないかと思うんですが……。
バズーカ まあ、気持ちよくはないですよね。ただ、もちろん負けて悔しい気持ちはあるんですけど、すぐに切り替えて次に進んでるので、そんなに負けたことを気にしてはいないです。次に勝って結果で見せればいいと思ってるんで。
――では、次の試合についてなんですが、今回はどう戦うつもりですか?
バズーカ どう戦うというか……しっかり倒して勝てば誰も文句はないと思うので、倒して勝とうと思っています。
――そのために、練習で意識したり強化している部分というのは?
バズーカ いろいろありますね。具体的には言えないですけど。その手応えは抜群にあります。
――先ほど伺った前回の印象からすると、「倒しにくい相手」ではないんでしょうか。
バズーカ そこもあるっちゃあるんですけど、自分の全部をしっかり出して戦えば、全く問題なく勝てる相手なので、100%の準備で挑もうと思ってます。
――菅原会長からはどのように言われてますか?
バズーカ 「やり返せ」って感じですかね。
――そういう時の会長は、怖い雰囲気なんでしょうか。
バズーカ ……そこは何とも言えないです。
――怖そうですね(笑)。では一度敗れたことで、大谷選手の存在はバズーカ選手自身の中で、以前より大きくなりましたか?
バズーカ 大谷選手がどうとか、そういう意識は全くないんですけど、結果として1回しっかり負けてしまったので、「必ずやり返す」という気持ちだけは強くあります。
――ちなみに3月上旬のカード発表会見の席で、大谷選手が「試合後のバズーカ選手から“いいヤツオーラ”を感じた」という発言をしていました。あれについては?
バズーカ いや……あの場でも「何言ってんのかな」と思ったんですけど……。終わった後に、「生意気なこと言ってすみませんでした」と言ってきたので、「またやりましょう」とは言ったんですよ。負けて、絶対リベンジしてやろうと思ってたので。そのことじゃないですかね。まあ、人の言うことは特に気にしないんで、どう言われてもいいんですけど。
――同時に、前回がノンタイトル戦で、今回はタイトルマッチです。タイトルが『REBELS-BLACKライト級』から『KNOCK OUT-BLACKライト級』に移行して初めてということではありますが、防衛戦ではあります。その点については?
バズーカ 負けてしまったらチャンピオンではないと思ってるんです。だから今回、同じ相手との試合なので、やり返せばまたしっかりチャンピオンと名乗れると思ってます。自分の中では、「これに勝てばチャンピオン」という気持ちです。
――では気持ちの中では、防衛戦というより、王座決定戦に近い意識ということですね。
バズーカ そうですね。今は自分がチャンピオンとは思ってないので。
――ただ、新しくなったベルトが今、お手元にあると思います。それも自分のものではないという感じですか?
バズーカ はい、自分のものとは思ってないですね。ただ新しいベルト自体はすごくカッコいいと思います。ここで勝って気持ち的にもチャンピオンと名乗れるようになりたいですし、このベルトも改めて自分のものにしたいと思います。
――記録の上では、今回勝てば初防衛ということにはなります。そうすれば、自分の力が改めて証明されたということになるのでは?
バズーカ うーん……1回防衛したぐらいでは、力が証明されたということにまではならないと思います。ベルトを守り続けてやっと、自分の強さが分かるんじゃないかと思ってるので。自分の中で納得できるぐらいの強さがほしいですね。
――それは、1回納得いく勝ち方ができるぐらいのレベルではないということですね。
バズーカ そうですね。1回、納得いくような勝ち方ができたとしても、自分の強さにはまだ納得できないと思うので。そういう勝ち方が続けられて、やっとそう感じられるんじゃないかと思います。まだまだ修行が足りないですから。
――また先日、同門の島野浩太朗選手がK-1の日本武道館大会で勝利しました。試合後のコメントでは涙ながらに菅原会長への感謝も述べられていましたが、刺激になったのでは?
バズーカ あの日はずっと一緒だったので、あんな大舞台に出場してしっかり勝った姿を見て、すごく刺激にもなりましたし、自分も続きたいと思いました。
――そういう周囲のいろんな状況もある中で、改めて今回の試合、どういう試合をしてどう勝ちたいですか?
バズーカ 「やっぱりバズーカが強かった」ということを、お客さんが確信できるような勝ち方をしたいと思います。前の試合から全部含めて、「やっぱりこっちの方が強いな」と、全員がしっかり確信できるような試合を見せたいです。
大谷翔司「今度は言い訳できないように、倒してベルトをいただきます」
――前回バズーカ選手に勝ったことで、タイトルマッチで再戦することになりました。まず前回の対戦を振り返ると?
大谷 結果的には勝てたんですけど、本当にただ勝ったというだけで。内容を見返しても、1Rから相手にコントロールされていたので、自分の中では勝ったという感じはあまりしてないですね。
――そうですか。試合中から「コントロールされている」という意識だったんでしょうか。
大谷 そうですね。足技がうまいなというか、ポンポン出してきて足数が多くて、今までの相手にはなかったタイプでしたね。
――ただ、後半に行くに従ってプレッシャーもかけていたように見えましたし、実際ダウンも奪いましたよね。
大谷 でもあそこで倒し切れるようでないと、今後チャンピオンになった時にKNOCK OUTを背負っていけるような選手にはなれないと思うので。一見、前に出てるようには見えるんですけど、グチャグチャになってそのまま勝ち逃げできればいいなという下心が少し出ちゃったんで、落ち着いて相手の攻撃とか状態を見極めて倒し切るというのが今回の課題です。
――実際に対戦してみたバズーカ選手の強さや攻撃力などはどう感じましたか?
大谷 想像通りでしたね。今まで63kgでやっていたので多少の大きさは感じたんですけど、想定の範囲内だったので、やってみても怖さはなかったです。
――事実として1回勝っているわけですが、それは今回、気持ちの上でどういう影響がありますか?
大谷 前回は練習の時から「格上のバズーカ選手を倒してやろう」というモチベーションでやってましたけど、それが今回はただ「ベルトを獲る」という目的に変わっただけで、相手が誰とかは考えてないです。「1回勝った」ということは忘れるように周りからも釘を刺されてますし、自分でも、前に勝ったからどうこうというのは考えないようにしています。やることは、誰が相手でも一緒という感じですね。
――では今回のテーマは「倒し切る」ということ?
大谷 そうですね、倒したいです。でも、KOを狙いすぎるといい動きにならないので、流れの中で相手の状態をしっかり見極めてとどめを刺せるようにしたいです。畳みかけるところでしっかりまとめたいです。
――そこで「倒し切るための武器」というと……
大谷 やっぱり得意なのは右なんですけど、最近は倒せる武器を増やしたいなと思って、左フックとかも意識して練習しています。なのでちょっとずつですけど、自信はついていってる感じですかね。
――ここまで、傍目には「フィジカルの強さで押し勝つ」イメージがありますが。
大谷 フィジカルにはもともと自信があるんですけど、練習では別の戦い方もできるんですよ。単純に、それが出し切れていないというか。今までの試合ではよくても練習の5割ぐらいしか出せたことがないんですね。そこが一番の課題かなと思ってるんですけど、そういうテクニックも出せるように、これからもっと成長していきたいと思ってます。それが出せれば、勝てない選手はそんなにいないと思ってるんで。
――出せていない理由というのは?
大谷 今までは経験も少なくて、試合になると焦っちゃう場面が多かったですね。いい攻撃をもらったら「取り返さなきゃ!」と焦っちゃうのがダメだなと思ったので、入場の時から平常心を意識してリングに上がりたいと思ってます。
――これまでは、焦ってグチャグチャになっても何とか押し返せてはいたと。
大谷 そうですね。今まではそれでいけたかもしれないですけど、トップレベルの相手になってくると、全てがパーフェクトに近くなければ勝てないと思うので、フィジカル、メンタル、テクニック全てを、トップレベルに上げられるように頑張りたいです。
――そういう点で、理想像というか、目指す存在みたいなものはありますか?
大谷 格闘技を始める前、学生時代によく見ていたのが、アーネスト・ホーストなんですよ。そこにちょっと影響されてるのかなというのはありますね。あの当時は、自分がキックボクシングでプロになるなんて思ってなかったですけど、今も無意識にそこを目指してるなということに、最近気づきました。
――ミスター・パーフェクトですか。
大谷 そうなりたいですね(笑)。ホーストはいろんなところに攻撃を散らして、最終的に倒すというスタイルですよね。最初からドカン!と打って倒すのではなくて、削って削って倒すというのがカッコいいなと思いますね。今はまだ全然ですけど、一つ自分のスタイルというものを確立したいです。
――ここで勝てばチャンピオンです。ベルトについてはどんな思いがありますか?
大谷 ベタな言葉かもしれないですけど、KNOCK OUTのチャンピオンになって、夢や希望を与えられる選手になりたいなと思ってるんですね。自分みたいな地味で泥臭い選手が、書く上の選手をどんどん倒して這い上がっていくストーリーというのを、見ている人に伝えられたらと思っています。ベルトはそのためにも必要だし、チャンピオンとして団体を問わずいろんな強い選手ともやってみたいと思っているので、このベルトがそのための切符になるのかなと。
――「チャンピオンになる」ということは、キックボクシングを始めた頃から目指していたものですか?
大谷 もちろん目指してたんですけど、目の前の敵に集中してやってきた結果、今があるという感じですかね。先のプランはある程度あるにせよ、途中でダメな時期もあって、心が折れそうになる時もあったんですよ。それも越えて、やっとここまで来たかという感じです。
――ここに至る道のりで、実感として一番成長できた点というのは、どういうところですか?
大谷 2~3年前ぐらいから「どうやったら勝てるのか」ということを考えて、生活から見直すようになりました。食べるものも変えたり可能な中でやれることは全部やって、それぐらいの時期から負けないようになったんですよ。練習に対するモチベーションもすごく高くなっているし、そこが一番変わった点だと思います。
――意識から変わったということですね。ここまで、所属するスクランブル渋谷の増田博正会長からはどんなことを言われていますか?
大谷 基本的に誉められることはほとんどなくて、常に厳しい言葉をかけていただいてます。僕が慢心しないように、いつも「こんなもんじゃないぞ」って釘を刺してくれていますね。最近一番言われているのは、「絶対油断するなよ」ということですね。
――冒頭で、「KNOCK OUTを背負っていく」という言葉がありました。そういう気持ちも強い?
大谷 はい。KNOCK OUTのチャンピオンとして、他団体のチャンピオンもどんどん倒していけるようになりたいです。自分は今年30歳になって、勢いで言うと10代とか20代前半の選手たちの方があると思うんですけど、ちょっと見方が違うというか。僕が30歳でKNOCK OUTのタイトルを獲って、ここからスターに駆け上がっていくストーリーを見せたいですね。それが見てる人にとって夢とか希望になると思うので。「30歳からでもこんなにできるんだ」というところを見せたいです。
――改めて、今回の試合で一番見てもらいたいところは?
大谷 やっぱり、ベルトに対する気持ちですかね。バズーカ選手もリベンジマッチで防衛戦ということで、負けられない試合ですよね。それと、僕のベルトに対する気持ちのぶつかり合いになると思います。
――そのぶつかり合いに負けない自信がある?
大谷 カード発表会見でも、「集中力が切れた」とかって言い訳してたじゃないですか。そういうヤツにベルトを巻かせたままではいさせられないというか。今度は言い訳できないような勝ち方をして、僕がベルトをいただきます。
対戦カード
※REDルールは肘有りキックルール、BLACKルールは肘無しキックルール
無法島 presents KNOCK OUT-BLACK ライト級(62.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
バズーカ巧樹(菅原道場/王者、MA日本スーパーライト級王者)※初防衛戦
大谷翔司(スクランブル渋谷/挑戦者、INNOVATIONライト級王者)
創世のタイガ presents BLACK 女子46.5kg契約 3分3R(延長1R)
ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/KNOCK OUT-BLACK女子アトム級(46kg)王者)
MIREY(HIDE GYM/WMC日本女子&J-GIRLSピン級(45.53kg)王者)
BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺/元WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王者)
銀次(Next零/TENKAICHI&KPKBフェザー級王者、大翔KICK 57.5kg王者)
BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
龍聖(TRY HARD GYM)
No-Ri-[ノーリー](ワイルドシーサー・コザ/元TENKAICHIバンタム級王者)
RED スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
松﨑公則(STRUGGLE/元REBELS-MUAYTHAI・WPMF日本・J-NETWORKスーパーフライ級王者、元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者)
花岡 竜(橋本道場/INNOVATIONフライ級王者)
BLACK ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
麻火佑太郎(PHOENIX)
古村匡平(FURUMURA-GYM/大和MUAYTHAIスーパーライト級王者)
BLACK スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
炎出丸(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKスーパーバンタム級王者)
加藤和也(ドージョー☆シャカリキ)
BLACK スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
濱田 巧(team AKATSUKI)
酒井柚樹(TEPPEN GYM)
BLACK 女子45kg契約 2分3R
川島えりさ(クロスポイント吉祥寺)
井之上弥生(橋本PREBO)
概要
大会名 KNOCK OUT 2021 vol.2
日時 2021年4月25日(日) 開場・17:00 開始・18:00
会場 後楽園ホール
チケット料金 SRS席¥20,000 RS席¥15,000 S席¥10,000 A席¥7,000 ※当日500円アップ ※小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料
チケット販売 KNOCK OUT OFFICIAL SHOP チケットぴあ 出場選手・所属ジム
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