KNOCK OUTの新プロデューサーにREBELS山口元気代表が就任。選手育成を強化。8.18 大田で日菜太×ジョムトーン、スーパーバンタム級トーナメントに江幡塁・小笠原瑛作参戦
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KNOCK OUTの小野寺力氏に代わる新プロデューサーに、山口元気・クロスポイント会長兼REBELS代表が就任した。
KNOCK OUTは16年9月、カードゲーム会社のブシロードの協力を得て、小野寺氏が主宰していたキック大会「NO KICK,NO LIFE」をグレードアップさせる形で発足し、同年12月5日に初の大会がTDCホールで行われた。4月29日 ベルサール高田馬場大会の終了後の記者会見で、小野寺プロデューサーの退任が発表されていた。
山口氏の新体制では、「キックボクシング団体の上位概念の構築」というこれまでのコンセプトを維持しつつ、「選手育成の強化」を新たな柱に加え、KNOCK OUTとREBELSの連携強化、両大会を放送しているTOKYO MXと連動してのトライアウト企画の実施、アマチュア大会の開催、創立47年の伝統のある全日本学生キックボクシング連盟との連携なども行う。
新体制初の大会は「K.O CLIMAX 2019」と題し、8月18日(日)東京・大田区総合体育館大会で開催。江幡塁・小笠原瑛作ら4選手の参加する初代スーパーバンタム級王座決定1DAYトーナメントの決勝がメインイベントとなり、セミファイナルではREBELSルール(肘無し・首相撲制限あり)70kg契約・3分3R・日菜太 vs. ジョムトーン・チューワッタナが行われる。
山口氏は1970年4月25日生まれの49歳。現役時代はMAキックで活躍し、1995年にMA日本フライ級、98年に同フェザー級王座を獲得。引退後は渋谷や吉祥寺等でジムを経営すると共に、03年には同じ山木ジム出身の伊藤隆氏らと共にR.I.S.E.(現在のRISE)を旗揚げし、アマチュア部門のKAMINARIMONの責任者を務めた。RISEを離れた後は10年にREBELSを旗揚げし、現在も継続すると共に、KNOCK OUTだけでなくK-1、RISE、シュートボクシング、RIZIN、ONE Championshipなどの各大会に選手を送り込む“全方位外交”を繰り広げていた。
木谷オーナー「KNOCK OUTをもう1回一番高い山に持って行く」
5月20日の都内での記者会見で、KNOCK OUTの運営会社・キックスロードの原田克彦社長は「これからのKNOCK OUTは選手育成・発掘が新たな一つの柱となります。そのためにトップ選手をこれまでたくさん育成したきた山口代表のノウハウを生かすべきだと考えました。アマチュア大会を開催し、REBELSを経て、KNOCK OUTで花開くピラミッドを構築します」と話した。
ブシロードの取締役でキックスロードのオーナーの木谷高明氏は「山口さんの大会を見ていると、1つ1つの試合を点ではなく線にし、さらに面にする流れを作るのがお上手ですね」「2年半KNOCK OUTをやって課題も色々見えました。アマチュアからの選手育成のピラミッド作りもしつつ、ファン層に関しても、マニアからちょっと興味がある層の中間を充実させるピラミッド構造を作り、年2~3大会見に来るような人を増やしたいです。8月大会は今まで以上にプロモーションに力を入れて、世間にどんどん突き刺すことをやりたいです」と話し、“第2期KNOCK OUT”の展望や山口氏への期待を述べた。
16年9月の設立発表会見で、木谷氏は「KNOCK OUTも最初2年ぐらいは赤字だとは思いますが、いずれ大きなビジネスになると信じています」と話していたが、実際この日の会見でも「そこそこの赤字です」と認めつつ、「僕ら(ブシロード)は映像やキャラクターの資産を作っていますが、これぐらいの赤字ならあきらめませんし、まだまだ可能性があります」と意気込む。さらに「KNOCK OUTの発足当初はみんなが上がりたい大会でしたが、今は10ぐらいあったバリューが3~4に下がった感じですね。演出を良くしてファイトマネーを上げ、メディアの露出を増やしましたが、他にも(RIZINやONE等のライバルの大会が)出てきて、目指すべき頂点ではなくなり、いくつかの山の1つになってしまいました。もう1回一番高い山に持って行くために、見る人もやる人もピラミッドを作り直さないとけないです」と話した。
山口元気氏「実際にKNOCK OUTに選手を出していて、いい面も悪い面もあるなあと感じていました」
「僕が引き受けないと(KNOCK OUTが)無くなっちゃうなら、やるしかないって思いました」と、プロデューサー就任のオファーを引き受けた理由について語った山口氏。「実際にKNOCK OUTにウチの選手を出していて、いい面も悪い面もあるなあと感じていました」といい、「8選手で3~4大会かけてトーナメントをやると、主力選手を出す各団体の興行のメインイベントで選手が使えなくなってしまい、各団体の興行が疲弊する状況を目の当たりにしていました。4選手での1DAYトーナメントなら、各団体の興行スケジュールとの間でやりくりがしやすくなり、各団体にもお返しができます。8人の1DAYトーナメントで肘有りだと難しいですけど、4人であればギリギリ肘有りでできて、スリリングな戦いが見せられると思います」と、トーナメントのスタイルを変える狙いを説明すると共に、各団体・プロモーションとの循環構造作りに意欲を示した。REBELSは昨年8月からMMA大会のパンクラスと「完全グループ化」したが、その関係も維持するとのことだ。トライアウト企画の詳細は未定だが、「プロアマ問わず、地方の選手、女子選手も、KNOCK OUTでスターになりたい方はどんどんアピールして応募して欲しい」と話している。
会見の2日前には、山口氏の弟子でKNOCK OUTスーパーライト級王者の不可思がK-1 JAPAN GROUPと契約し、K-1 WORLD GP 6月30日 両国国技館大会に参戦することが発表されたばかり。今回の会見では、REBELSが現在協力関係にある新日本キック、シュートボクシングの選手参戦が発表されたが、不可思に限らず、これまでKNOCK OUTにレギュラー参戦していた選手が他団体に流出する動きもちらほら出始めている。
山口氏は「不可思が『K-1に出る』と言い出した時は、木谷さんにどう伝えればいいものやらと悩んだんですけど」と話して苦笑し「彼がやりたいことは今のK-1なら実現できる状況です。今は新生KNOCK OUTを作る段階で、1~2年後にはみんなが上がりたいってなるような舞台に再構築したいです」とコメント。不可思の王座は昨日付けで返上されたとのことだ。
木谷氏は「みんな上がりたいリングだとまた思ってもらえれば、みんな戻ってくると思う」としつつも「現役王者が他団体に行ってしまうのは、さすがにウチがカッコ悪いので、最低1回は防衛戦をやらないといけないとか、契約でちゃんとしないといけないですね。芸能事務所なら独立したら半年や1年は移籍できないといった決まりもあります」と話した。同時に、ブシロードグループの声優・音楽・演劇といった芸能分野でのネットワークも活かし、選手のタレント活動やセカンドキャリアの構築の支援にも意欲を示した。会見では声優の相羽あいなさんの「KNOCK OUTオフィシャルサポーター」就任が発表され、同じく声優でKNOCK OUTのアンバサダーだった橘田いずみさんが司会を務めていた。
年内はKNOCK OUT&REBELSで後楽園ホール5大会
今後のKNOCK OUT、REBELSのスケジュールは左上写真の通り。REBELSは6月9日(日)、8月10日(土)、10月6日(日)の後楽園ホール大会を予定通り開催。KNOCK OUTは既に発表の8月18日(日)の大田大会の他に、10月4日(金)と11月1日(金)の後楽園大会の開催が新たに決定した。REBELS新木場スタジオコーストでの9月1日(日)の大会は「おそらく無くなると思う」と山口氏は語り、12月8日(日)の新木場は「やると思います。何か新しい取り組みを提案させていただければ」と話した。
8月18日の大田大会は「K.O CLIMAX 2019」と題して開催されるが、グループ会社の新日本プロレスの夏の恒例行事の「G1 CLIMAX」を彷彿とさせる名称で、「キックボクシング真夏の最大のビッグマッチ」として毎年夏の恒例イベント化を目指す。木谷氏は「ゆくゆくは武道館で開催したい」と話した。これまでのKNOCK OUTは大田区総合体育館での開催が主体で、12月の両国国技館大会が恒例化していたが、スケールダウンさせ、先述通りピラミッド構造を固めるのが当面の展開となりそうだ。
江幡塁&小笠原瑛作、トーナメント決勝での再戦に揃って意欲
その「K.O CLIMAX 2019」8.18 大田大会の目玉となるのが、「KNOCK OUT初代スーパーバンタム級王座決定ワンデートーナメント」。体重は55.5kg、試合時間は一回戦・決勝ともに3分3R(延長1R)。抽選の結果、一回戦の組み合わせは以下の通りとなった。
小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/WPMF世界スーパーバンタム級王者、ISKA K-1ルール世界バンタム級(55kg)王者)
レダ・ナライン[Reda Narain](オランダ)
江幡 塁(伊原道場/WKBA世界スーパーバンタム級王者)
REBELS 6月9日 KING恭介(ロイヤルキングス/REBELS-MUAYTHAIスーパーバンタム級王者)×大野貴志(士道館新座ジム/WMC日本スーパーバンタム級王者)の勝者
瑛作と塁は昨年6月のKNOCK OUTで対戦し、瑛作が優位に進めていたかに見えたが、塁が3Rに右ストレートで一撃KO勝ちし、塁はKNOCK OUT AWARD 2018のベストKO賞に選ばれていた。両者の実績も考慮し、2人が別ブロックに入る構図で抽選が行われた。塁は「小笠原選手に一回戦で勝ってもらって、去年やったような激闘をまたやりたいです」、瑛作は「KNOCK OUTに育ててもらったのに、まだ恩返しできていません。これからKNOCK OUTの中心になって、令和KNOCK OUTを盛り上げたいです。塁選手にはぜひ決勝に上がってもらいたいです」と意気込みを語った。
◆レダ・ナライン 公式プロフィール
チーム・ナライン所属 1992年05月27日生 オランダ国籍(スリナム民族)
身長 169cm ファイトウエイト 55~60kg プロ戦績 27戦26勝(11KO)1敗 UMC国内王者、FTS国内王者、FTS欧州王者
ジュニア時代から毎週のように試合をこなし通算62戦。プロとなってからの戦績27戦で唯一の敗北は2016年1月開催のオトマニジム主催大会でのソフィアン戦だが、試合中の負傷による敗北で内容的には互角であった。サウスポースタイルでアグレッシブファイトを展開する。ルシアン・カルビン・ジムでキックの基本を構築し、現在はチーム・ナラインとして活動している。今秋にエンフュージョンファイトでの57kg世界タイトルマッチが内定している。
日菜太「新日本プロレスの東京ドーム大会で試合を組んで欲しい」「手売りはやめたくない」
セミファイナルではREBELS提供試合として日菜太 vs. ジョムトーン・チューワッタナが行われる。ジョムトーンは元ラジャダムナン3階級王者、元プロボクシング東洋太平洋スーパーフェザー級王者。プロボクシングは9戦8勝1敗で、15年5月に大田区総合体育館で内山高志にTKO負けしている。ムエタイではゲーオ、ノンオー、大和哲也に勝ったことがあり、近年は中国を主戦場とし、16年のクンルンファイトの16人参加のトーナメントでは準優勝し、17年7月のクンルンでは日菜太と同門のT-98にローキックでTKO勝ちしている。現在29歳で、コンスタントに試合をこなし、トップ戦線を走り続けている。
日菜太はK-1 JAPAN GROUPとの契約が3月で終了し、新たな戦いの舞台へ進むことに。日菜太は「まずは6月9日のREBELSで坂本優起選手に勝って、8月にジョムトーンに勝って、凄い活躍をしたら、来年1月4日と5日の新日本プロレス東京ドーム大会の中で僕の試合を組んで欲しい」とアピール。木谷氏は苦笑しつつも「難しい事情があるけど、その心意気はいいですね」と答えた。
さらに日菜太は「最近は500枚チケットの手売りをしていたので、手売りはやめたくない」とも発言。これまでのKNOCK OUTは選手に練習に専念してもらうために手売りをさせない方針をアピールしていたが、木谷氏は「手売りはこれまでも一部でありました。手売りをしないというよりも、ファイトマネーをチケットで渡すようなことがしたく無かったんですね」と説明。「手売りの営業が苦痛な選手もたくさんいると思います。でも営業をすることで日菜太選手のペースが作れるのならいいと思います」と容認した。
また、日菜太×ジョムトーンは「REBELS提供試合」という枠組みとはいえ、肘無しの試合がKNOCK OUTで解禁される形となる。山口氏は「今回はひとまず肘無しでやってみて、あとは状況に応じて考えたい」、木谷氏も「柔軟に行きたい」とコメント。日菜太自身は「肘があろうがなかろうが、この大会に出るのなら、ノックアウトして勝って行きたい」と、ルールに関係なくイベントのコンセプトを体現する姿勢を示した。
新日本キック、シュートボクシングからも継続参戦
会見には今後のKNOCK OUTの出場予定選手として、新日本キックから江幡塁以外にも5選手、REBELSからは小笠原瑛作と日菜太以外にも4選手が会見に出席。ムエタイオープンからはREBELSに上がっている壱・センチャイジムも登場した。今回の会見には出なかったが、シュートボクシング日本フェザー級王者の笠原弘希も今後のKNOCK OUTに参戦予定だといい、SB勢も引き続きKNOCK OUTに参戦する。以下の選手は8.18 大田大会の出場に関しては未定だ。(コメント順は下2枚写真ともに左から)
◆江幡睦 KNOCK OUTに新日本が乗り込む感じですね。僕もKNOCK OUTのバンタム級のベルトが欲しいですし、これまで通りラジャダムナンのバンタム級のベルトを取る夢を持っています。大きな大会に出て江幡兄弟の名を世間に広めたいです。
◆勝次 50年前の沢村忠さんの時代の盛り上がりを超えられるよう、キックボクシング発祥団体の新日本キックの選手たちで盛り上げたいです。
◆重森陽太 キック団体が多いことはネガティブに思われがちですが、交わることで面白くなります。色んな団体の選手に勝って盛り上げたいです。アジアトーナメントと同じミスをしないようにして、結果を出したいです。
◆斗吾 KNOCK OUTにまだ上がったことがありませんが、挑戦できるなら皆さんの目に焼きつく試合がしたいです。
◆リカルド・ブラボ (日本語で)まだKNOCK OUTやってないですけど、これからウェルター級の強い選手とやりたいです。
◆良太郎 新生KNOCK OUTのコワモテ枠になれるよう頑張ります。ジムのトレーナー兼代表兼選手なので、自分が活躍して、教え子を大きな舞台に連れて行きたいです。
◆ぱんちゃん璃奈 これから女子の若い選手がいっぱい出てくると思いますが、負けないように自分が引っ張って行きたいです。
◆丹羽圭介 色んな人の力を借りてREBELSのチャンピオンになれたので、価値のある挑戦をこれからも続けていきたいです。
◆T-98 試合決まったら全力で盛り上げます。僕は体が頑丈なので、もし70kgで1DAYトーナメントをやるのなら、4人でも8人でもなく16人の1DAYでもやります。
◆壱・センチャイジム KNOCK OUTでスターになるのは俺という確信があります。他のバンタム級チャンピオンみんなに勝って、最強を証明したいです。
「K.O CLIMAX 2019」8.18 大田大会のチケット料金は後日発表。6月2日にKNOCK OUTファンクラブ先行予約がスタートし、6月9日のREBELS後楽園大会でも先行発売が行われ、10日から一般発売がスタートする。