UFC 2.9 シドニー(レポ):ドリカス・デュ・プレシ、ストリックランドを返り討ちしミドル級王座2度目の防衛。ジャン・ウェイリー、タティアナ・スアレスに判定勝ちし女子ストロー級王座3度目の防衛
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UFC 312: Du Plessis vs Strickland 2
2025年2月9日(日)オーストラリア・シドニー:クドス・バンク・アリーナ
レポート:井原芳徳
ドリカス・デュ・プレシ、ストリックランドを返り討ちしミドル級王座2度目の防衛
第12試合 メインイベント UFCミドル級チャンピオンシップ 5分5R
○ドリカス・デュ・プレシ(王者)
×ショーン・ストリックランド(1位)
判定3-0 (50–45/50–45/49–46)
※デュ・プレシが2度目の防衛
デュ・プレシは31歳。18年にポーランドのKSWで王者となり、20年から上がったUFCでは8連勝。昨年1月のカナダ大会で王者ショーン・ストリックランドに判定1-2で勝利し、南アフリカ人初のUFC王者となる。8月のパース大会ではニュージーランド人のイズラエル・アデサニヤに4R裸絞めで一本勝ちし初防衛を果たした。
ストリックランドは33歳。23年9月にアデサニヤに判定勝ちしミドル級王者となったが、上記のとおり昨年1月にデュ・プレシに判定負けし王座陥落。6月の再起戦では7位のパウロ・コスタに判定勝ちし、今回のリベンジ戦につなげた。
1年前の初対決は僅差の打撃戦で、ジャッジは3者とも1点差で割れる結果となったが、再戦はデュ・プレシが巧みな試合運びで、しっかり差を示す。

SYDNEY, AUSTRALIA – FEBRUARY 09: (R-L) Dricus Du Plessis of South Africa punches Sean Strickland in the UFC middleweight championship fight during the UFC 312 event at Qudos Bank Arena on February 09, 2025 in Sydney, Australia. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
1R、前に出るストリックランドに対し、デュ・プレシがスイッチを織り交ぜ、前蹴りやジャブで距離を取りつつ、左右のミドル、右ロー、左ハイ、バックスピンキックを当てる。まだお互い慎重だが、デュ・プレシが距離を支配している印象で、ストリックランドはヒットが乏しい。記者採点はデュ・プレシ。
2R、ストリックランドの圧力が少し強まり、距離が詰まったせいか、デュ・プレシはミドルよりもローが増える。ストリックランドの右のパンチのヒットも増える。中盤過ぎからデュ・プレシはミドル、ハイを積極的に出し、ストリックランドとの距離を作るように。終盤、デュ・プレシは声を出しながらパンチと蹴りを出し続ける。記者採点はデュ・プレシ。ジャッジは割れ、2者がデュ・プレシを支持したが、1者はストリックランドを支持する。
3Rも同様の攻防が続く。デュ・プレシは右のバックハンドブロー、バック肘を当てる場面も。デュ・プレシは2Rまでに比べて右のボディストレートを多用するように。ストリックランドは顔面へのパンチ主体で、時折当てるが、デュ・プレシはブロックで対処できている。すると残り20秒を切り、デュ・プレシはタックルで倒し、すぐ立たれるものの、しっかり印象を作る。記者採点はデュ・プレシ。
4R、デュ・プレシが右ストレートを鼻に当てると、ストリックランドは鼻を気にして後退し、大量の鼻血を出すようになり、場内が湧き上がる。デュ・プレシは前に出続け、ストリックランドは回って距離を取る構図に。終盤、またもデュ・プレシが右ストレートを強打する。ストリックランドは追撃を封じてなんとか耐えきる。記者採点はデュ・プレシ。
5R、デュ・プレシは疲れた様子だが、スイッチを織り交ぜながら動き続け、プレッシャーをかけ、随所でパンチや蹴りを当てる。ストリックランドは次第に鼻血が再開するように。終盤、デュ・プレシは右カーフ、左ハイもヒットする。1分を切り、ストリックランドはようやくパンチを積極的に振うが、デュ・プレシは逃げ切り終える。記者採点はデュ・プレシ。合計50-45でデュ・プレシ。ジャッジ3者もデュ・プレシを支持し、デュ・プレシが判定勝ちで王座2度目の防衛を果たした。

SYDNEY, AUSTRALIA – FEBRUARY 09: Dricus Du Plessis of South Africa reacts after a unanimous-decision victory against Sean Strickland in the UFC middleweight championship fight during the UFC 312 event at Qudos Bank Arena on February 09, 2025 in Sydney, Australia. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
ジャン・ウェイリー、タティアナ・スアレスに判定勝ちし女子ストロー級王座3度目の防衛
第11試合 コーメインイベント UFC女子ストロー級チャンピオンシップ 5分5R
○ジャン・ウェイリー(王者)
×タティアナ・スアレス(1位)
判定3-0 (49–46/49–46/49–45)
※ジャンが3度目の防衛
ウェイリーは35歳。19年8月にジェシカ・アンドラージに勝利し、東アジア人史上初となるUFC王者に。21年4月、ローズ・ナマユナスに1R KO負けし2度目の防衛に失敗。11月のナマユナスとのダイレクトリマッチでも判定1-2で惜敗。22年11月、当時の王者カーラ・エスパルザに挑戦し、2Rに裸絞めで一本勝ちしベルトを奪還した。23年8月、アマンダ・レモスに判定勝ちし初防衛している。昨年4月のUFC 300ではヤン・シャオナンを相手にUFC初となる中国勢・東アジア人同士のチャンピオンシップに臨み判定勝ちした。
スアレスは34歳。レスリング時代の10年には世界選手権で吉田沙保里とも戦ったことがある。14年にMMAデビューし、16年のTUFで優勝し、17年からUFCに上がり6連勝中。首や膝の怪我の療養を経て、23年2月、4年ぶりの復帰戦ではフライ級でモンタナ・デ・ラ・ロサに2Rギロチンで一本勝ち。同年8月のストロー級でのジェシカ・アンドラージ戦でも2Rギロチンで一本勝ち。それから1年半ぶりの試合で、王座に初挑戦したが、ウェイリーの壁は高かった。
試合は1Rこそスアレスが取るが、2R以降はウェイリーが圧倒する展開に。1R、ウェイリーの右フックのタイミングで、スアレスが組み付き、そのままタックルで倒し、1分足らずでサイドポジションを奪って押さえ続ける。終盤、ウェイリーの立ち際に、スアレスがギロチンチョークを仕掛けるが、ウェイリーは対処して上を取り返す。スアレスは下からしがみついて追撃を許さない。記者採点はスアレス。

SYDNEY, AUSTRALIA – FEBRUARY 09: (R-L) Zhang Weili of China battles Tatiana Suarez in the UFC strawweight championship fight during the UFC 312 event at Qudos Bank Arena on February 09, 2025 in Sydney, Australia. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
2R、スアレスがタックルを仕掛けて押し込んで倒そうとするが、ウェイリーが潰して上になる。中盤、ウェイリーは肘と鉄槌を連打する。スアレスはその隙に立ち、再びタックルを仕掛けるが、ウェイリーは離れ、サウスポーのスアレスに右ストレートを当てる。終盤、またもスアレスがタックルを仕掛けて押し込むが、これもウェイイーが潰して上になり、押さえ続けて終える。記者採点はウェイリー。
3R、ウェイリーが右ストレートをクリーンヒットすると、スアレスは一瞬腰が落ちる。スアレスはタックルを仕掛けて押し込むが、力が入りきらない様子だ。中盤過ぎから離れての打撃戦に戻り、ウェイリーが随所で左右のパンチを当てて主導権を維持する。記者採点はウェイリー。
4R、序盤の組みの展開で、ウェイリーが潰して上になり、ハーフで押さえ、パウンドを当てる。中盤過ぎにはウェイリーが肩固めを狙うが、絞まりは浅く、ウェイリーは解除する。終盤、ウェイリーはサイド、トップと移り、コントロールを続けて終える。記者採点はウェイリー。
5R、中盤に入ってスアレスが倒して上になりかけたが、力が入りきらず、すぐにウェイリーが返して上になり、スアレスのチャンスを潰す。ウェイリーはバックに回り、終盤にはトップをキープする。最後、ウェイリーが立ち、スアレスも立つが、すぐ時間切れとなる。記者採点はウェイリー。ジャッジは1者が10-8とつける。合計49-46でウェイリー。ジャッジ3者もウェイリーを支持し、ウェイリーが判定勝ちで王座3度目の防衛を果たした。

SYDNEY, AUSTRALIA – FEBRUARY 09: Zhang Weili of China reacts after a victory against Tatiana Suarez in the UFC strawweight championship fight during the UFC 312 event at Qudos Bank Arena on February 09, 2025 in Sydney, Australia. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
第10試合 ヘビー級 5分3R
×ジャスティン・タファ
○タリソン・テイシェイラ
1R 0’35” TKO (レフェリーストップ:右肘打ち)
第9試合 ライトヘビー級 5分3R
△ジミー・クルート
△ホドルフォ・ベラト
判定1-0 (29–27/28–28/28–28)
第8試合 ウェルター級 5分3R
○ジェイク・マシューズ
×フランシスコ・プラド
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第7試合 フェザー級 5分3R
×ジャック・ジェンキンズ
○ガブリエル・サントス
3R 2’06” 裸絞め
第6試合 ライト級 5分3R
○トム・ノーラン
×ヴィチェスラフ・バルショフ
判定3-0 (29–28/29–28/30–27)
第5試合 女子フライ級 5分3R
○ワン・ツォン
×ブルーナ・ブラジル
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第4試合 バンタム級 5分3R
×コルビー・シックネス
○アレクサンドレ・トプリア
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第3試合 ライト級 5分3R
○ロン・チュー
×コーディ・スティール
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第2試合 ウェルター級 5分3R
○ジョナサン・ミケイレフ
×ケビン・ジュセ
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
第1試合 ライト級 5分3R
○クイラン・サルキルド
×アンシュル・ジュブリ
1R 0’19” TKO