ONE勝利後インタビュー 和田竜光「普段あまり減量していない。ストロー級はやったことない選手もいっぱいいる」、箕輪ひろば「ネイト・ディアスみたいボコボコにされても勝つ選手になっていくしかない」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
センチャイムエタイジム錦糸町
最強のムエタイで最高の“美Body”を目指す!初心者の方、女性の方、大歓迎。見学無料!
ONE Fight Night 23(7月6日 タイ・バンコク:ルンピニースタジアム)に出場し勝利した和田竜光、箕輪ひろばのインタビューがONE Championshipから届いた。(写真(C)ONE Championship)
ONE 7.6 ルンピニー(レポ):和田竜光、判定勝ちで2連勝し「ストロー級のランカーどもは震えて待て」。箕輪ひろば、1Rのピンチ乗り越え判定勝ちし連敗脱出
連勝の和田竜光、まさかのストロー級挑戦を宣言、パシオやブルックスら強豪勢に「自分が負けているとは全然思わない、いけそうだなと思う」
7月6日(土)にタイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催された『ONE Fight Night 23』のフライ級MMAでシェ・ウェイ(中国)に判定勝利を飾った和田竜光(フリー)。高い技術力で実力者のウェイを完封。連勝を収め、試合後にストロー級に挑戦を宣言したが、試合後のインタビューに応えた。
―― 今回のシェイ・ウェイ戦を振り返って欲しいのですが、どんな作戦だったのでしょうか。
和田「作戦は特になくて。あんまり普段から作戦を決めてやる感じじゃないんですけど。相手は打撃は強い選手でしたが、相手の打撃を嫌がって組んだりとか、逆にそのタイミングを狙うとか、そういうことは考えてなかったです。むしろ、打撃でくるから、逆に打撃でやっつけちゃおうと。もちろん、その中で組むチャンスが組むチャンスがあれば組んでテイクダウンする。できなければ打撃でやる。そのノリでやってました。」
―― 過去のウェイ選手の戦い方からすると、今回の試合では自分の距離に入れず、和田選手が距離をコントロールしているように見えました。
和田「そうですね。試合始まって、1Rとか2R目ぐらいから大体こんな感じかっていうが分かりました。本当はもうちょっと組んでテイクダウンとか増やしたかったんですけど、ちょっと僕のそのアタックの仕方に相手がすごく対応してきて。研究されているからか、崩し辛かったです。でも、もうちょっとテイクダウンを取れれば、試合は楽だったと思うんですけど。そこは彼がやっぱり強い選手だったんだと思います。距離の話をすると、近づいて打ち合う、至近距離での打撃の攻防をすることは僕は得意なので。首相撲はいつもやるし、遠い距離から出入りされるのが、僕からしたら嫌なんで、その点については、距離をちゃんと自分の得意な設定にしてやったって感じです。」
―― 和田選手のアタックに押されて、ウェイ選手がディフェンスに徹していた様に見えましたが。
和田「組みに関して言うと、僕が良い所を持ちかけてたというか、何回か持てそうだったんですけど、ウェイ選手は持たせないような対応で、これは研究されていたんだと思います。あと足触りに行ったのが何回かあったんですけど、その時のスプロールの反応もとても早かったので、徹底してやってきたのだと思いました。(ウェイ選手が)打撃も強いのはわかっていたんですけど、僕の方が強いっていうのもわかっていたんで、特に脅威は感じなかったです。ONEのMMA選手の中では僕がナンバーワンのボクサーなので。」
―― 今回の試合は、和田選手がフェイントから攻撃を散らしたり、細かいパンチのテクニックが素晴らしく、和田選手の技術が非常に光った内容だと感じました。
和田「ありがとうございます。色んなところで、僕は『組技の選手』だと思われてるのが多いんですけど、打撃も得意なので。」
―― そうですよね。昔はどちらかと言うとバチバチなストライカーの印象があります。
和田「昔はそうでしたね。でも逆に、組みは昔はあんまりできなかったですね(笑)」
―― その意味で言うと、最近はMMAファイターとして成熟したと言う手応えを感じていますか。
和田「そうですね。経験値も上がってきて、自分のスキルはどんどん上がっているのは実感しています。逆に、体力が落ちたとも感じないし。その辺は結果が出なくなってきたら、落ちてきているっていうことなのかなっていう風に判断しています。」
―― 今回の試合で自身のパフォーマンスに関してどのくらいの評価をつけますか。
和田「悪くはなかったとは思いますね。フィニッシュできなかったのは課題ですが、でもそれもできなかったから別にそれはそれで良いと思います。やることはやったので。あの日は、あれが自分にとって1番良いパフォーマンスだったと言う感じがします。対戦相手は強かったです。」
―― 試合後に、今後はストロー級に落とすと宣言されましたが、転向の理由は何でしょうか。
和田「理由は、普段あまり減量をしていなくて。(試合時は通常体重から)5kg位は落としているんですけど、凄いスムーズにできるんです。規則正しい生活サイクルにすると、自然と落ちるみたいな感じで。変なものを食うのをやめたりとか、しっかり3食を摂るみたいなノリでやると健康的に身体なって体重が自然に落ちるんです。なので、いわゆる減量って言うのを別にしてないんです。フライ級はDJ(デメトリアス・ジョンソン)がいて彼と戦いたいと言うのがあって。それで言うと、とりあえず戦いたい選手がこの階級にはもういないです。もちろん、チャンピオンになるっていう目標はあるんですけど、フライ級ではそのチャンスが回ってくるのもまだまだかなっていうのと、ストロー級はまだやったことない選手もいっぱいいますし。現実的に考えた時に、落としてみようかなと。その方がベルトに近いんじゃないかなって思って。それで、今回勝ったら落とすっていう風に決めていました。」
―― ストロー級挑戦のその階級変更の発言の中で、その相手にランカーやチャンピオンを呼びかけていましたが、具体的に戦ってみたい選手はいますか。
和田「一切ないです。そもそも戦いたい選手っていうのはいなくて、(ONEでは)DJだけでした。どの位強いのかなとか、触ってみたいなって思っていた時期もあるんですけれど、今は特に何もそういう感情はなくなりました。戦うのは誰でもいい感じです。用意された相手とやりたいし、自分より評価の高いランキングの選手とかだったら誰でもいい感じです。(王者のジョシュア・)パシオとやりたいとか、(1位のジャレッド・)ブルックスやりたいとか、そういうのはないです。なんか、“やってみたい!”って感じではないというか。まぁ、でも、やりたいんですけどね。(自分より)ランキングが上であれば、やりたいという感じです。」
―― 今、ストロー級で猛威を奮っているブルックスの実力はどう評価しますか。
和田「やっぱり組みが強いし、軽量級ならではというか、動きも試合を通してあまり落ちたりしないし、すごい良い選手だと思いますね。ただ、自分がそこに劣っているかって見た時に、別に対応できるかなとも思います。だから挑戦したいという風に思ったりしています。他にも強い選手いますけど、パシオも強いし、ボカン(・マスンヤネ=2位)とかも強いし、ロシアの選手(マンスール・マラチエフ=5位)も強いなとは思いますが、だからといって別に自分が負けているという風には全然思わない。いけそうだなと思います。」
―― ストロー級で挑戦する中で、タイトルマッチのチャンスがあるとしたらそれはいつまでにやりたいとか、ありますか。
和田「もちろん早ければ早いほど良いですが、体力的な衰えを今のところ感じてない。どこまで元気でやれるんだろうなって。自分でも未知なところもありますし、元気なうちにやりたいとは思います。(35歳だが)40歳になっても、もしかしたら動けるかもしれないし、わかんない。」
―― 最近、MMA業界の中でも35歳が節目の年齢みたいな話題が出ますが、自身としては、それは自分には当てはまらないと感じているのでしょうか。
和田「よく年齢は関係ない、年齢はあくまで数字という人がいますが、僕もそう思ってて。結果が他の選手との差を見せつけられたりとか。パフォーマンスも、別に動けるけど、あの時と比べたら落ちてきたなとかがあるんだったら、僕も辞めるという事を考えていると思いますが、それがまだないんで。できるところまでやってみようって感じです。だから『いつまでやるの?』とか周りの人に聞かれたりもしますが『弱くなるまで』って答えています。」
―― その全盛期の状態をキープできている理由は、自身でどう分析していますか。
和田「怪我がないと言うのが大きくて、そして怪我をしないためのマインドみたいなのもあって。無理をしない。あと、僕、全部練習のスケジュールとか全部自分で組んでいるんです。コーチがいないし、ボクシングのジムとか行くと、指導してくれるコーチはいるんですけど、練習全体を指示する人がいなくて。それは僕には今すごくハマってて。なので、疲れたなと思ったらすぐ休んじゃったりします。先輩の顔がちらついたり、厳しいコーチの顔がちらついたりすると、『ダメだ。練習に行かないと』とか普通は思うのですが、自分の場合は、今日はなんか風邪っぽいから休もうとか、あまり無理をしないでやっています。それが大きな怪我に繋がってないっていうのもあると思いますし、練習中もなるべく無理しないです。若い頃って結構、頑張りすぎてどこか痛めたりとか、逆に相手に怪我させたりとかあったんですけど、そういうのをなるべく避けたいんで、危ない方向には動かないです。危なくなりそうな、例えば熱くなっている選手には練習でその選手のそばに行かないと決めています。セルフディフェンスですね。そういうのを何年もやって、怪我をしないように努めています。あと、(怪我を回避した)ラッキーの連続ですね。危ないことから避けたい気持ちが強く、自分には良くないことが起きそうな事への嗅覚を持っています。もしかしたら明日大怪我して格闘技人生が終わるかもしれないし、日々そういう危機感を持ってやっていますし、その上でそうなってもいいやっていう位の覚悟で毎日過ごしています。」
―― 最後にファンへのメッセージをお願い致します。
和田「ファンのメッセージ。これがね、本当にいつも1番難しいんですけど、いつも同じこと言っちゃうんですけど、次の試合も僕がどういった取り組みをして試合に臨んでいるかっていうのを、試合を見て、楽しんでもらいたいというか、気楽な気持ちで見てもらいたいっていうのもあります。 本当にビール片手に横目で見ながら楽しんでもらえる位でいいかなと思っています。」
連敗ストップの箕輪ひろば、ダウン乗り越え大逆転「吹っ切れた。僕は傷つきながら頑張っていく」
7月6日にタイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催された『ONE Fight Night 23』のストロー級MMAでジェレミー・ミアド(フィリピン)に判定勝利を飾った同級4位の箕輪ひろば(総合格闘技道場STF)。1Rにダウンを奪われるピンチに見舞われたもののそこから反撃。得意のグラウンド展開で相手をしっかりドミネートしての逆転勝利、連敗を止めた。試合後のインタビューに応えた。
―― まさに“箕輪ひろば劇場”激闘の中での勝利おめでとうございます。
箕輪「本当はスムーズに行く予定だったんですけど、アクシデントもあって。それが試合なので仕方がないですが、結果的に勝利できて良かったです。」
―― アクシデントというのはどの場面のことでしょうか。
箕輪「(1R目の相手の)ストレートです。あんなに綺麗にもらうとは思ってなかったので。あと、タックルで押し込む側だったのは今回が初めてなんです。しかもリングで。そこで相手に足を(ロープの)外に出されるとあんなに引っ張って来れないんだなっていうのは結構思いました。」
―― その辺りケージでやるとは勝手が違う感じだったのでしょうか。
箕輪「そうですね。もっと簡単に引っこ抜けるかなと思ってたんですけど。でもレフリーはよく見てくれていたなという感じでした。」
―― 1R目のダウンについて、自身はどういう状況だったのでしょうか。
箕輪「バーンってもらって後ろに倒れたんですけど、こう、別に(意識が)飛んじゃってるとかはなかったので、冷静に相手がヒザ蹴り来てるなと思いながら、タックルに入りました。」
―― では、あの辺りはほぼフラッシュダウンに近いような感じですか。
箕輪「そうですね。フラッシュ(ダウン)よりも、(意識は)しっかりはしていました。あのストレートは、来るのが見えてましたし、『これもらうな』と意識できるタイミングでもありました。ただ、こんなに目が腫れるとは思っていなかったです。」
―― 因みに、その目の周囲の怪我の状態はいかがですか。
箕輪「目の下と上も切っていますが、下が6針、上4針で合計10針縫っています。でも1週間後には抜糸ができる状態です。」
―― ここまでカットした、これ程の怪我はキャリアでは初めてですか。
箕輪「10針はないですね。ブルックス戦で大きくカットしましたが、10針は初めてかもしれないです。」
―― その辺り、リーチのあるミアドの距離感というのがつかみ辛かった事があったのでしょうか。
箕輪「僕の今回の試合のコンセプトが『逃げない』という事だったので。いつもだったらバックステップしてかわして、 距離を作り直せばよかったのですが、今回は立ち向かおうとした部分がありました。あの状況も想定して試合の構成も組んでたので、『別にこうなるよね』って感じではありました。
―― 今までとは違う戦い方をイメージしたのは、どういう気持ちがあったからなのでしょうか。
箕輪「やはり、あそこを避けては勝てないだろうなっていう気持ちがありました。ああいう展開にできたからこそ、あるか分かりませんが、ミアドと再戦したとしても次回も多分勝てると思います。あそこ逃げていたら、もしかしたらまたあの距離を潰されたらどうなるんだろうみたいな想定があったかもしれないですけど。結果として、あの距離でもきちんと勝てたと僕は思っています。ミアドに関してですが、もう正直怖いものはないです。やっぱり逃げて勝つというよりも、どんなことでも戦って勝つというのを、今回1個こう目標にしていたので、そこはクリアできたかなっていう風に思います。」
―― いつものクレバーな戦い方と比べ、今回はこれまで以上に“リスク上等”的なアグレッシブに前に出る姿勢が見えた印象ですが、その意識はありましたか。
箕輪「そうですね。クレバーに戦うイメージもありましたが、(実際は)クレバーに戦っているんですけど、その中でもその根本にある闘志というもの自体を殺してはいけないという気持ちがありました。今回はその闘志が少し多めでした。結果論になってしまいますが、バランス的にはこれぐらい闘志があって、その上でそのクレバーな部分もあってっていう、それがやっぱ総合なんじゃないかなと思います。」
―― 確かに今回はもの凄く闘志を感じさせられました。
箕輪「そうですね。でも結構クレバーでした。パーンって倒されて、1ラウンド終わった時に僕の中で、これも結果論になってしまいますが、分かったなと思ったんです。多分、この 2ラウンド終盤か3ラウンド頭で、俺は一本取れる気ではいました。結局、取れなかったですが。そのタイミングで多分勝てるなと思いましたし、それと同時に、1ラウンドのあそこで倒されたけど 『盛り上がる』と思ったんで。それぐらい考える余裕はありました。」
―― 1ラウンド終盤、 箕輪選手がテイクダウンを奪って最後いい形で終わりました。あの辺りで「これはいけるな」みたいなイメージはあったのでしょうか。
箕輪「後半打撃も少し当たりだしたし、打撃を制したかなっていう気もあったんで。タックルもあそこで入れる形もできましたし、別にこのまま行ったらいけるなっていう気も全然ありました。」
―― ミアド選手のテイクダウンディフェンスはいかがでしたか。
箕輪「思ったより上手かったです。その(ロープ外に)足を出すっていうのも踏まえて。山北選手との試合を見てたら、もう少しポロっといくかなと思ったんですけど、結構粘り強かったです。」
―― 今回の勝利で連敗脱出ですが、その点についての心境はいかがですか。
箕輪「やっとかっていうのもありますし。勝ち方を思い出したじゃないですけど、どういう風に勝ってたかなっていうのが、しっかり思い出せました。僕は無傷では絶対勝てないので、もう血みどろにされても勝ちます。その一点です。」
―― まさに“一皮剥けた”感覚でしょうか。
箕輪「振り切れました。あのかっこつけの無傷でスパンと勝つのは無理でした、僕には。リスク背負って勝つしかないです。」
―― 箕輪選手からそういう言葉が聞けるとは正直想定外でした。
箕輪「スッキリ勝つと言っていたのですが、無理でした。やっぱリスク背負って戦わないと。」
―― 試合後のSNSで「報われる努力はあった」とメッセージしていましたが、今回の勝利は感情的に来るものがありましたか。
箕輪「そうですね。ずっと努力はし続けてきているつもりで。でも、その報われない時期があって。それに対して努力をすることを止めようが、その競技自体を辞めようが、それは本人の勝手だとは思うし。ただ、僕はそこで続けるっていう選択をした手前、何が正しいとか、何が間違いっていうのは、僕が到底言えたことじゃないですけど、ただ僕の1つの努力し続けるって形で正解だったのかなっていう風に僕は思っていました。報われない努力があって、報われる努力があって、各々の形でいいんじゃないかなっていう。努力するのが正解とか、しないのが間違いとかじゃない。」
―― 今回の試合を通し、技術的な意味で手応えを感じた部分はありましたか。
箕輪「ありました。 それこそJTTでビリー(・ビゲロウ)コーチに言われるのですが、“ドミネート”力、“グラウンドコントロール”力は間違いなく上がっているなっていう風には思ってました。多分前の僕だったら、一本勝ちにこだわって、例えば行けない体勢から技に行ったりとか、無理にバック回るっていう展開もあったのですが、今回はやらなかった。別に行っても良かったんですけど、やっぱり今回なんとしてでも勝ちたかったので。そこはリスクだから回避したつもりです。自分が一本を取りに行ってポジションを失うよりは、そのまま続けてパウンドアウトもしたかったですし、肩固めも狙ったんですけど、無理だなっていう風に判断して、あのままポジションコントロールに専念したって感じです。」
―― 手応えのあった“ドミネート”力向上について、それは純粋にレスリング力の部分でしょうか、それとも組んだ動きの中での瞬時の判断力の部分でしょうか?
箕輪「いい質問ですね。難しいんですけど、あれはレスリングだと、多分パウンド打たなくていいんです。だから、もっと徹底した、言い方悪いですけど、塩漬けみたいな形になると思うんです。そうではなくて、きちっと削りながら、あくまでも・・・ドミネートというのは、固めるに固執しないというか、動きの中で相手に動かせないっていう、ちょっと言葉で説明しづらいんですけど。MMAの中でのその拘束力を上げていきたつもりでした。そこら辺りが出たかのかなと思います。以前よりもポジションを気にしてできたかなと思います。上に回ってグラウンドヒザっていう展開をアディワン戦の時もやってたと思うんですけど、今回それをやらなかった理由は、ポジションキープを意識しました。ミアドはタックルっぽく起き上がってくるのが上手かったので、多分、上四方固めにいったら、このまま起き上がってくるの強いだろうなって判断したんです。よってサイドでも下半身寄りというか、相手の足をずっと掴んでいる展開で、横から抑え込むというのに切り替えました。」
―― この流れの中で年内の展望として、誰と戦いたいとかはありますか。
箕輪「ブルックスとやりたいです。前にも言ったんですけど、きっちりと借りを返して清算しなきゃいけないなと。それ以外であれば、別にランカーであれば、誰でもいいです。ランカーでなければ、別にあんまり興味はないですね。」
―― 選手目線で、ブルックスはストロー級で一つ頭抜けている存在ですか。
箕輪「そこは間違いないです。やっぱ試合を見ていても、チャンピオンのパシオですが、前回は望んでない形でのベルトの取り方ではあったと思う。なので、あのタイトル戦を待ち出さないのであれば、ブルックスが(実力的には)チャンピオンだと思います。ただチャンピオン云々っていうよりも、まずは(一度負けている)ブルックスに借りを返したいですし、その後ベルトを別の人間が持っているのであればベルト取りに行きたいです。」
―― ルオトロ兄弟と一緒に仲良く記念撮影している様子をSNSで公開していましたが、仲が良いのでしょう。
箕輪「前回の日本大会の時に宿泊先のホテルで朝食するタイミングが一緒で。向こうは英語で、こっち日本語で喋ってみて、何言ってるかわからなかったですが、ノリが合うというか。『お互い頑張ろうぜ』みたいなことを言っていたら、控室も一緒で(笑)自分の試合を見た、ルオトロが『お前すげえな。お前の根性は練習じゃ絶対につかない。アメリカに来る機会あったらいつでも一緒に練習しよう。』と言ってくれたんです。そしたら今回も大会で一緒になって。」
―― 箕輪選手がルオトロ兄弟のところで出稽古する予定はありますか?
箕輪「西海岸の雰囲気好きですし、いいですね。彼らの根っていうものも僕は好きですけど、彼らのそのカルチャー的なものも好きなので。横乗り系の感覚的にもね。」
―― 今回の試合は色々な意味で箕輪選手が前に進める内容になりましたね。
箕輪「そうですね。吹っ切れました。セコンドにも言われましたけど、傷つかないで戦うことがないので、僕は傷つきながら頑張って行かなきゃいけないんだなって。大沢(ケンジ)さんが言ってましたけど、アディワン戦もアームロック極まらなかったから僕が勝っただけで、あそこで極められていたら僕の負けでしたし。今回もストレートでKOされてたら、僕のKO負けでした。やっぱり、そこでやられないっていうのが僕の強さだっていうことに改めて気づきました。そういうのを起こらないようにして戦うのは、リスク回避とはまたちょっと違うんだなと。」
―― 次の試合も楽しみでしょうがないです。本当に素晴らしい試合でした。
箕輪「本当に毎試合血だらけで、本当勝っても負けても縫っているので。アディワン戦は筋肉が断裂し腱も切れたし、シウバ戦も拳が折れていました。ブルックス戦もカットしたし、ボカン戦は股間が痛かった(笑)バラート戦は指をカットし、ずっと壊れていますね(笑)なので、とりあえず怪我を治したいです。」
―― 最後にファンへのメッセージをお願いします。
箕輪「お世話になってます。箕輪ひろばです。応援ありがとうございました。本当にとても力になりました。結構やられた試合でしたけど、箕輪らしい試合にはなり、盛り上がったんじゃないでしょうか。僕がやられて勝つという、いつもの展開にはなったと思います。本当セコンドには和製ディアスだなって言われるぐらいボコボコにされているんで。本当にネイト・ディアスみたいボコボコにされても勝つような選手になっていくしかないなって風には思いました。次回以降もきちっとやられてでも勝てるように練習していきますので、引き続き応援よろしくお願いします。」