RIZIN 6.9 代々木第一体育館：堀口恭司と再戦のセルジオ・ペティス「前回とは違う展開になる。RIZINのバンタム級ベルトにも興味がある。朝倉海とも100％やってみたい」

　RIZIN.47（6月9日（日）国立代々木競技場 第一体育館）で堀口恭司との再戦に臨むセルジオ・ペティスが5月30日の朝、日本のマスコミのオンラインでの合同取材に応じた。

　　

MMA　バンタム級（61kg）　5分3R
堀口恭司（アメリカントップチーム／元RIZIN・ベラトール・修斗世界バンタム級王者、RIZINフライ級王者・元UFC同級3位）
セルジオ・ペティス（米国／ルーファスポーツ／元ベラトール・バンタム級王者、元UFCフライ級1位）

　堀口は21年12月のベラトールのバンタム級チャンピオンシップで王者・セルジオ・ペティスに挑戦し、3Rまで優位に試合を運ぶ中、4Rにバックハンドブローをもらい逆転TKO負けした。今回2年半ぶりにRIZINのリングでリベンジマッチを行う。
　セルジオ戦の後も堀口は22年4月のベラトールでパッチー・ミックスに敗れ、9月のRIZINでは金太郎に2R肩固めで逆転一本勝ち。体格差に苦しむ試合が続いたことから、大晦日のRIZINの扇久保博正戦から、UFC時代と同じフライ級に戻し判定勝ちした。昨年4月のベラトール・ハワイ大会ではレイ・ボーグとのフライ級戦が組まれたが中止。7月のベラトール埼玉大会では神龍誠とベラトール・フライ級初代王座を争ったが、開始すぐに堀口の左指が神龍の右目に入りドクターストップがかかり無効試合となっていた。大晦日のRIZINでは神龍との再戦がRIZINフライ級初代王者決定戦として行われ、堀口が2R裸絞めで一本勝ちした。試合直後、元RIZINガールの川村那月さんへの公開プロポーズを行い、2月に挙式を行った。今回は半年ぶりの試合で、セルジオに合わせてバンタム級に階級を上げて戦う。

　　
　ペティスは元UFCライト級王者・アンソニー・ペティスの弟で30歳。13年から19年にUFCに上がり、ブランドン・モレノ、ジョセフ・ベナビデスらに勝利し、フライ級1位まで上昇したことがある。20年からベラトールに参戦し、バンタム級に階級を上げ、21年5月にフアン・アーチュレッタを下し王者となった。同年12月に堀口に4R TKO勝ちし初防衛。右膝の靭帯の怪我の療養を経て、昨年6月にパトリシオ・ピットブルに判定勝ちし、2度目の王座防衛に成功したが、暫定王者・パッチー・ミックスとの11月の王座統一戦では2R裸絞めで一本負けしベルトを失った。その後、ベラトールはPFLに買収されたことが発表されたが、新体制でまだ試合しておらず、再起戦でRIZINに初出場する。

　先週行われた堀口のインタビュー記事はこちら。以下はペティスのインタビューの抜粋。（質疑の前後は整理しています）

――　今のコンディションはいかがですか
ペティス　凄く良いです。心身ともに最高潮です。日本のファンにセルジオ・ペティスという選手がどういう選手なのかを存分見せられると思います。

――　2年前の堀口選手との試合の時もケージサイドで観戦していたカルメンさんは、今回来日されるんでしょうか？
ペティス　彼女とは先日結婚しました。今回も来ますよ。

――　今回も平本蓮選手はセコンドにつきますか？
ペティス　まだわかりませんが、練習場所や減量のためのサウナも彼が手配してくれています。

――　前回の堀口戦の感想を聞かせてください。
ペティス　僕は打撃戦を期待していましたが、堀口選手は逆で、テイクダウンを仕掛け、ただ押さえつけるだけの戦略で来て、今までの試合で一番イライラしました。3Rと4Rの間にセコンドから、自分の中の野性的な部分を呼び起こすような檄をもらい、4Rから向かっていき、自分の動きができるようになり、打撃が当たるようになり、最後のスピニングバックフィスト（＝バックハンドブロー）が命中しました。

――　今回の堀口選手はどのように戦ってくると予想をしますか？
ペティス　前回とは違う展開になるんじゃないかと思います。前回は5Rで、今回は3Rなのもありますが、その中で彼は色んなものを混ぜて、出入りの速さを活かし、圧倒できるところを探して突いてくるでしょう。前回よりもパンチを打ってくると予想します。RIZINのグローブをつけてみましたが、思い切り打っても大丈夫だという感覚を持たせてくれるグローブですので、僕もパンチを出すことで、前回よりもお互いの拳が交錯するんじゃないかと思います

――　またスピニングバックフィストで仕留めますか？それとも他の技を用意していますか？
ペティス　さすがに堀口選手はスピニングバックフィストを警戒してくると思いますので、新しい武器を用意しています。僕も平本選手とも練習し、対日本人の打撃にもだいぶ慣れて来たと思います。

――　2年間から堀口選手はどう変わったと思いますか？
ペティス　当然彼は打撃も強くて全部できる選手ですが、レスリングベースのグラップラーとして成長している印象です。試合では僕をテイクダウンして一本を狙ってくると思います。

――　この2年であなたはどう変わりましたか？
ペティス　自分自身の実力に自信を持てるようになりました。以前は戦いながらも疑問を持つことがありましたが、パトリシオ・ピットブルやパッチー・ミックスと戦う中で自信を高めることができました。年齢を重ね、自分の体の使い方もわかってきたことも要因かと思います。

――　前回の堀口戦は堀口選手のミスで負けたという見方についてはどう思いますか？
ペティス　あれはラッキーブローだと言われているのは知っていますが、何年も前からずっと練習してきた技です。試合で当たるパンチにラッキーパンチは無いです。今までの準備の積み重ねとタイミングが合致した時に、そういうKOが生まれるので、ラッキーだとは思ってないです。

――　アウェーの空気の中で戦ったことはありますか。
ペティス　以前UFCでブランドン・モレノとメキシコシティで戦った時も完全にアウェーでした。試合に集中していればリングの外のことは気にならないです。自分自身のやることをやれば、新しいサポーターを得られるかもしれません。

――　RIZINの試合場はリングですが、リングでの試合経験はありますか？
ペティス　MMAのデビュー戦がリングでしたし、ボクシングもたくさんやっていますので、違和感はありません。リングでの試合は久々ですが、どんな環境でも戦えるよう準備するのがファイターの仕事です。

――　リングでも押され込まれてから立つ自信はありますか？
ペティス　ケージの方が立ちやすいですが、スタンドの攻防では左右に回って動きやすいです。堀口選手のようなステップを使う選手にとって、リングだと不利で、自分が堀口選手の正面に立つ時間が増えて、有利になるんじゃないかと思います。

――　RIZINルールではグラウンド状態の相手の頭部への蹴りが認められますが、駆使しますか？
ペティス　100％準備しています。私はPRIDEを見て育ち、マウリシオ・ショーグンの踏みつけも見ていますし、ジムメイトにもそういうルールで試合をしている選手がいますので、出すタイミングはわかりますし、チャンスがあれば使いたいです。逆に寝技で不利になっても、自分の身を守る武器が増えたというようにも思っていますし、このルールで戦えることに興奮しています。

――　ショーグン以外でPRIDEで印象的な選手はいますか？
ペティス　ミルコ・クロコップですかね。ミルコの左ハイキックは美しかったです。他にもランペイジ・ジャクソン、ヴァンダレイ・シウバも好きで、言い始めたらキリがないですけど、その中で一番を挙げるならミルコで、彼の赤と白のバーリトゥード・ショーツと左ハイキックは忘れられません。

――　今後も日本で継続して戦いたいですか？
ペティス　常に外国で戦いたい気持ちがありますが、その中で特に日本ではぜひ戦ってみたい国でした。（2012年のUFC日本大会で）兄（＝アンソニー）がジョー・ローゾンと戦った時も「日本は素晴らしかった。日本のファンは凄かった。街も綺麗で、皆が選手に対するリスペクトをしっかり持っている」と話していました。自分がこの格闘技に求めるものが日本にあると思いますので、機会があればまた日本で戦いたいです、

――　RIZINのバンタム級のベルトに興味はありますか？
ペティス　自分はベルトが好きなので興味があります。兄がWECとUFCのベルトを持っていて、僕がベラトールのベルト持っていますので、MMAのレガシーを兄弟で完成させる意味でも（PRIDEの系譜にある）RIZINのベルトは素晴らしいものになると思います。今は目の前の試合に集中していますが、自分のパフォーマンス次第で、その試合後の新しい扉が開くでしょう。

――　先日のベラトールでのパッチー・ミックスとマゴメド・マゴメドフのバンタム級チャンピオンシップはどう思いましたか？
ペティス　接戦でした。パッチーは初防衛戦でしたが、初防衛戦は緊張が大きく、自分の思うような動きができないものだと思います。ドローでも良かったと思います。マゴメドフも打撃を何回か効かせていたので、5Rにもう少し攻めていれば勝てたかもしれませんが、彼は（ポイントで）勝っていると思って消極的になってしまったのが勝敗を分けたんじゃないかなと思います。いずれにせよ接戦だったと思います。

――　セルジオ選手が前回ミックスに負けた後、ベラトールの体制が変わり、PFLに上がる選択肢もできました。それでも引き続きミックスの持つベラトールのベルトを狙いますか？先ほどRIZINに上がるという話もありましたが、今後どういった選択肢がありそうでしょうか？
ペティス　この試合の後、しかるべき扉が開くんじゃないかなと思います。ベラトールでも白黒をつけたい試合もあります。あと数試合勝てばまたベルトに挑戦できる立場にいると思います。前回パッチーとやった時は、心身ともに万全では無かったので、パッチーにも、世界にも、自分はあんなもんじゃないんだというのを見せつけて、あのベルトをまた自分の腰に巻きたいとは当然思っています。そしてRIZINのベルトにも興味がありますし、どっちのベルトを目指していもいいと思います。

――　RIZINバンタム級王者の朝倉海に興味はありますか？
ペティス　100％やりたいですね。彼は素晴らしい選手で、危険な相手ですが、そういった強くて怖い相手に立ち向かって勝利を勝ち取ることが大好きですので、機会があればぜひ戦ってみたいです。

――　UFCのクリスチャン・ロドリゲスとの練習動画を見ましたが、彼との練習での成果を聞かせてください。
ペティス　彼は高校が同じでした。彼はとんでもない化け物で、ハングリーで、モチベーションも高く、寝技も打撃もレベルが高く、今回のファイトキャンプは自分でも凄く満足できるものになりました。今回クリスチャンも呼んで自分のセコンドとして動いてもらおうと思っています。本当に素晴らしいアスリートなので、今のうちから目をつけておいた方がいいと思います。ここ数年でチャンピオンになると思います。

対戦カード

MMA　バンタム級（61kg）　5分3R
堀口恭司（アメリカントップチーム／元RIZIN・ベラトール・修斗世界バンタム級王者、RIZINフライ級王者・元UFC同級3位）
セルジオ・ペティス（米国／ルーファスポーツ／元ベラトール・バンタム級王者、元UFCフライ級1位）

MMA　フェザー級（66kg）　5分3R
クレベル・コイケ（ブラジル／ボンサイ柔術／元RIZIN・KSW・REBEL FCフェザー級王者）
フアン・アーチュレッタ（米国／ザ・トレーニングラボ、HBアルティメット＆グレイシーバッハ／元RIZIN＆ベラトール・バンタム級王者）

MMA　フェザー級（66kg）　5分3R
カルシャガ・ダウトベック［Karshyga Dautbek］（カザフスタン／タイガームエタイ/レギオン）
関　鉄矢（SONIC SQUAD／元ZSTフェザー級王者）

MMA　フェザー級（66kg）　5分3R
武田光司（BRAVE／元DEEPライト級王者）
ラジャブアリ・シェイドゥラエフ［Razhabali Shaidulloev］（キルギス／Ihlas）

MMA　ライト級（71kg）　5分3R
スパイク・カーライル（米国／キングスMMAアナハイム/トレーニングラボ）
キム・ギョンピョ（韓国／レッドホースMMA／元HEATライト級王者）

MMA　ライト級（71kg）　5分3R
徳留一樹（パラエストラ八王子／元パンクラス・ライト級王者）
宇佐美正パトリック（Battle-Box）

MMA　ライト級（71kg）　5分3R
ジョニー・ケース（米国／MMAラボ）
“ブラックパンサー”ベイノア（極真会館／元RISEウェルター級（67.5kg）王者、元J-NETWORK同級王者、極真会館全日本ウェイト制2018軽量級優勝）

MMA　ヘビー級（120kg）　5分3R
上田幹雄（BRAVE／極真会館全世界空手道選手権2019優勝）
シェミスラブ・コバルチェク［Przemyslaw Kowalczyk］（ポーランド／Koloseum Kuznia Formy Pulawy）

キック（肘有り・つかんでからの攻撃は1回・OFG着用）　62kg契約（ライト級相当）　3分3R
梅野源治（PHOENIX／元ラジャダムナン＆BOMライト級（61.23kg）王者、元WPMF世界・WBCムエタイ世界・同インターナショナル・スーパーフェザー級王者、元M-1フェザー級王者、元WPMF日本＆WBCムエタイ日本スーパーバンタム級王者）
魚井フルスイング（和術慧舟會HEARTS）

概要

大会名　Yogibo presents RIZIN.47
日時　2024年6月9日（日）開場・12:30（予定）　開始・14:00（予定）　終了・20:00～21:00頃
会場　国立代々木競技場 第一体育館 [HP]
中継　ABEMA、U-NEXT、RIZIN 100 Club、RIZIN LIVE（前売5,000円/当日5,500円/アーカイブ3,300円）
チケット料金　VVIP席275,000円　VIP席110,000円　SRS席33,000円　S席22,000円　A席11,000円　※1歳よりチケットが必要　
チケット販売　イープラス　チケットぴあ　ローソンチケット　出場選手・所属ジム
お問い合わせ　RIZIN FF事務局　03-5772-3223　https://jp.rizinff.com/