シュートボクシング 2.10 後楽園ホール：ペットモラコットとの大一番迫る海人「肘有りを選んだからには、肘を存分に使って戦いたい」「一方的に切って倒す肘を仕上げている」

　SHOOT BOXING 2024 act.1（2月10日（土）後楽園ホール）でペットモラコット・ペッティンディーアカデミーと対戦する海人が7日、オンラインでの記者会見で、3日後に控えた大一番について話した。

　　

第8試合　メインイベント　スーパーウェルター級（70kg）（ノンタイトル戦）（肘有り）　3分3R（無制限延長R）
海人（TEAM F.O.D／SB世界＆KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級（70kg）王者、RISEミドル級（70kg）王者、GLORYライト級（70kg）4位、元SB日本スーパーライト級（65kg）王者）
ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー［Petchmorakot Petchyindee Academy］（タイ／元ONEムエタイ・フェザー級（70.3kg）王者、元ルンピニー認定スーパーフェザー級＆ミニフライ級王者）

　海人は3月のRISE ELDORADOでイ・ソンヒョンに判定勝ちしRISEミドル級王者となり、6月のSB世界スーパーウェルター級王座決定戦ではサモ・ペティに判定勝ちし、一気に2本のベルトを獲得した。8月にはオランダでのGLORYに乗り込み、ティジャニ・ベスタティのGLORYライト級王座に挑戦したが、5Rともポイントを取られ完敗に終わり、連勝が18でストップした。11月のSBでの再起戦でマサロ・グランダーを、12月16日のRISEではジェームズ・コンデを、いずれも1R KOすると、「GLORYで自分の相手になるのはベスタティ選手だけです。来年必ずリベンジしに行って、GLORYのベルトを日本に持ち帰りたいです」とアピールしていた。

　海人の肘有りルールの試合は、23年2月のNO KICK NO LIFEの緑川創戦以来1年ぶり。前回は1Rに緑川が右ボディを放ったタイミングで、海人が右の縦肘を合わせてダウンを奪うと、その後も肘とパンチで圧倒し、3R TKO勝ちしている。肘有りのイメージの薄い海人だが、対ペットモラコットでどう使いこなすか見ものだ。

――　ペットモラコット戦が近づいた今の気持ちは？
海人　試合決まってからですけど、ずっとワクワクしてるし、楽しみでしかない試合ですね

――　試合のイメージは？
海人　倒してしてるイメージは仕上がってるので、試合でしっかり実行するだけかなと思ってます

――　何Rに期待すればいいですか？
海人　早いラウンドで決着つけたいと思ってるので、1（R）から仕掛けていきたいなと思います

――　ムエタイの選手に苦戦している戦績についてはどう考えていますか？（※ここ約5年で海人が敗れた相手はチャムアトーン、チャド・コリンズ、ピンペット、ベスタティで、ベスタティ以外はムエタイをベースとする）
海人　どちらかと言えば、もしかしたら苦手なのかもしれないですけど、自分のスタイルも変えつつもあるし、ペットモラコット選手に対して倒せる対策もしてきたので、しっかり改善してきたことを、今回結果で出そうかなと思ってます

――　ムエタイに詳しい佐藤孝也さんからは、ゴング格闘技のインタビューで、海人選手がミドルキックを腕で受ける傾向があることが、ペースを握れない原因じゃないかという指摘がありました。
海人　カットできるならできた方がいいと思いますけど、僕自体しっかり入っていって倒したいと思っているので、腕で受けてもガードはガードだと思っています。しっかりガードして、パンチに繋げていきたいし、そこから蹴り返したりという風に、その（ミドルをもらった）後の方が自分的には大事かなと思っています。基本的にはカットできるのが見栄えもいいし、一番なのかなと思いますけど、腕でしっかりガードしている場合は、もうそこから繋げていきたいなと思っています。

――ペットモラコット選手の長い手足の攻撃をかいくぐって中に入れるイメージもできていますか？
海人　そうですね。ガードしていれば何も問題ないかなと思っているので、痛いミドルというのがどんなものかって、自分自身ちょっと受けたいなという興味もあるので、ちょっと受けていってしっかり返していきたいなとは思っています。

――　（ペットモラコットと戦ったことのある）梅野源治選手は判定では海人選手が勝てないという風に予想しています。
海人　そもそも判定までいくつもりも僕自身もないので、その辺は気にはしてないですけど、仮に判定行ったとしても、圧倒的な差は今の自分だと作れるかなとは思っています。

――　緒形健一さん（SB協会代表）は、ペットモラコット選手よりもさらに強い選手を今後リストアップしていると話しています。今はこの試合に集中しているとは思うんですけど、その先もっと強い相手と戦い、ベスタティにリベンジするという展望はお持ちですか？
海人　そうですね。今回もしっかり勝って世界的にも注目は集まると思うし、レベルの差を見せられたら、緒形さんの言う通り、今後もっと強い奴を呼んでもらわないと僕自身も逆に困るので、今回はしっかり勝って、日本と世界の格闘技界に、またちょっと自分のレベルが一つ上がったなっていうのを見せたいなと思っています。（※梅野と緒形氏のインタビュー記事はこちら）

――　この前（1月28日）のONEでの武尊選手とスーパーレック選手の試合は見ましたか？
海人　自分の試合前は基本、誰の試合も見ないので、見てないんですけど、ある程度の結果とか展開的なものは、記事とかを読んだりはしたので知っています。武尊さんのいいところって気持ちだと思うので、その気持ち的な部分をしっかり試合で見せた結果が負けちゃったっていう結果なだけであって。どの選手もそうやし、見てるファンの皆さんもそうやし、本当に勇気もらったというか。武尊さんの気持ち全てを入れた試合だったと思うので、気持ち的な面の強さっていうのは、自分も見せていかないとダメだと思ったし、自分も頑張らないとなっていうふうには思いました。

――　自分の試合が決まったら対戦相手以外の試合は見ないのですか？
海人　ペットモラコット選手一つに集中したいので、ペットモラコット選手の試合は何個も見ましたけど、それ以外の情報を何一つ入れたくないので、見ないようにしてます。

――　ペットモラコット選手のどの試合を見ましたか？
海人　極力近い試合を多く見てますけど、大体YouTubeに上がっているものは全部見させてもらったんじゃないかなと思ってます。

――　特に参考になった試合は？
海人　参考になるというよりは、自分がどう相手に合わすというより、相手がちょっと嫌がってるものを見つけたかっただけなので、全部見て出た結果が試合で見せれるものじゃないのかな、と思ってます。

――　過去のタイ人との試合で、海人選手は前に詰めていくんだけど、相手はうまく距離を取って蹴りを当ててみたいなパターンが割と多く、ペットモラコット選手もそういう戦いは長けていると思うんですけど、そこの対応は？
海人　僕も入っていきたいのに、蹴りで止められたり、首組まれて何もパンチも打てず蹴りも返せずっていうのが続いちゃうと、チャムアトーンとかに負けてきた結果がそれになっているので、同じ結果を繰り返さないようにしていかないとダメなので、その辺の対策というか、自分の戦い方全て変えていって作り上げてきていると思います。

――　去年のベスタティ戦で見つかった課題への対策を、中長期で積み重ねている最中かなと思うんですけど、どういったところを重点的に置いて積み重ねていますか？
海人　ただ前に入るだけじゃなく、しっかり入りながら、でも相手の攻撃もしっかり避けれるような出入りですよね。その辺のすべてを今重点に置いて、自分は動いていっているので、その辺はだんだん変わってきているのかなと思います。

――　今回は肘打ちも入ってきます。1年前の緑川戦の時からまた進化していますか？
海人　肘もそうですね。僕の肘は結構速いし、ちょっと見えにくい角度で打ったりもできるので、そういうところもペットモラコット選手に試していきたいなと思っています。ペットモラコット選手も肘が得意だと言っていたので、その選手に自分の肘がどこまで通用するのかというのも、今回の試合で試したいなと思っています。

――　そうなるとリスクもあるかなと思うんですけど？
海人　そうですね。僕が肘の距離に入っていけば、ペットモラコット選手も振ってくると思うので、その辺も本当こう、切り合いじゃないですけど、（そうならないよう）一方的に切って倒せる肘を打っていけるように今回は仕上げているので、その辺はちょっと見てほしいなと思っています。

――　結構危険なところでの競り合いになりそう？
海人　そうですね。タイ人との試合になってくると、僕もパンチも打っていきたいし、蹴りも打っていきたいし、近い距離でも戦えるタイプなので、そういう危険な場面っていうのは絶対出てくると思うので。でもそこでなおかつ上回れるか上回れないかで、世界で戦っていけるかっていうのは変わってくると思うので。その辺の肘の打ち合いでも自分が上に立てるようにやっていきたいなと思っています。

――　カード発表会見後、ペットモラコット対策をしていく中で、戦術面で変わるものはありましたか？
海人　いや、特に無いですね。どの試合見ても、ペットモラコット選手はパンチもできるし、もちろん蹴りも肘もできる選手ですけど、今自分はそこで戦ったって上回れる自信があるので、肘で来るんであれば肘で打ち返していくし、蹴りで来るんであれば蹴り返していくし、パンチで入ってきてくれるんであれば自分もパンチ打っていくし、その辺は相手の土俵でぶつかって上回りたいなとは今も思っています。

――　海人選手は試合をやって戦績を上げていくよりも、むしろ強い選手と戦って、そこでまた自分を進化させていくところに重きを置いているように感じます。
海人　格闘家の本質ってそこだと僕自身は思っています。戦績はもちろん大事ですけど、勝っていってこそナンボだとは思うんですけど、しっかり強い奴と戦って勝っていって、自分がどれだけ強くなれたかというのを試していって、またさらに強い奴と戦っていって、というのを繰り返してこそ格闘家であって、何のために練習しているかというと、その強さを求めるためだと思っているので、僕はそうしていきたいなとは思っています。

――　そんな海人選手がリスクもある肘有りルールをあえて受けた理由は？
海人　ペットモラコット選手が肘が得意だという情報も元々あったので、相手が得意なものを無くして戦って勝つよりは、得意なことを持ったまま試合した方が僕的にも面白いし、そこに勝ってこそ勝ちの意味というのも出てくると思うので。相手が強い土俵のまま自分はどの試合も戦っていきたいなと思っているので。肘有りで僕が肘を避けてもまたそこは面白くなくなるので、肘有りで選んだからには、肘を存分に使って戦いたいなと思っています。

――　打倒ベスタティはいつ頃を考えていますか？
海人　ベスタティは肘無しで戦っている選手なので、今回肘有りでペットモラコット選手と戦ってどう繋がっていくかと言われると繋がりはないのかもしれないですけど、僕はただただ強いやつと試合して勝ちたいという気持ちがあるので。ペットモラコット選手に勝てば自分が格闘家としてレベルアップしていけると思っているし、レベルアップした自分がおるからこそ、またベスタティにも勝っていけると思っているので。繋がりはないのかもしれないですけど、ただただ勝っていって、自分を強くしていきたいなと思っています。

――　先日、魔裟斗さんとYouTubeで共演されましたが、感想を聞かせてください。
海人　魔裟斗さんにも自分を期待してもらっているのかな、という風に思いました。魔裟斗さんも70kgの選手ですし、話しさせてもらっていく中で、やっぱり魔裟斗さんというのは超えていかないといけない存在だなと改めて思いました。70kgは魔裟斗っていう時代はいつまでもないので、時代を変えて（自分の）時代を作っていきたいなと思いました。

対戦カード

第8試合　メインイベント　スーパーウェルター級（70kg）（ノンタイトル戦）（肘有り）　3分3R（無制限延長R）
海人（TEAM F.O.D／SB世界＆KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級（70kg）王者、RISEミドル級（70kg）王者、GLORYライト級（70kg）4位、元SB日本スーパーライト級（65kg）王者）
ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー［Petchmorakot Petchyindee Academy］（タイ／元ONEムエタイ・フェザー級（70.3kg）王者、元ルンピニー認定スーパーフェザー級＆ミニフライ級王者）

第7試合　セミファイナル　58.5kg契約　3分3R（無制限延長R）
山田彪太朗［こたろう］（シーザージム／SB日本フェザー級（57.5kg）王者）
ペットシートーン・ソーサクナリン（タイ／True4U 54kgトーナメント優勝）

第6試合　60.5kg契約　3分3R（無制限延長R）
笠原友希（シーザージム／SB日本スーパーフェザー級（60kg）王者・元フェザー級（57.5kg）王者）
ソン・ジェミン（韓国／K-COMBATライト級王者）

第5試合　オープンフィンガーグローブマッチ　65.5kg契約　3分3R（無制限延長R）
イモト・ボルケーノ（グラップリングシュートボクサーズ／SB日本スーパーライト級（65kg）王者）
パトリック・ルヘイン（アイルランド／COMBATE GLOBAL推薦）

第4試合　オープンフィンガーグローブマッチ　スーパーフェザー級（60kg）　3分3R（無制限延長R）
手塚翔太（Sublime guys・GONG-GYM坂戸／SB日本スーパーフェザー級1位、香港Energy Fight同級王者）
ミハエル・レイズ（米国／COMBATE GLOBAL推薦）

第3試合　スーパーウェルター級（70kg）　3分3R（無制限延長R）
RYOTARO（龍生塾／SB日本スーパーウェルター級1位）
都木航佑［たかぎ こうすけ］（キャピタルレイズ fighting GlaNz／SB日本ウェルター級（67.5kg）1位、元KROSS×OVER KICK同級王者）

第2試合　スーパーウェルター級（70kg）（肘有り）　3分3R（無制限延長R）
風間大輝（橋本道場／SB日本スーパーウェルター級3位）
小原俊之（キング・ムエ／HOOST CUP日本EXミドル級王者）

第1試合　バンタム級（52.5kg契約）　3分3R（無制限延長R）
小林大樹（龍生塾／SB日本バンタム級3位）
翼（TARGET／RISEスーパーフライ級（53kg）5位、元ジャパンキック・バンタム級王者）

概要

大会名　SHOOT BOXING 2024 act.1
日時　2024年2月10日（土）開場・17:00　開始・17:30
会場　後楽園ホール
中継　U-NEXT（2,189円/月）
チケット料金　VIP席20,000円（完売）　SRS席15,000円（完売）　RS席10,000円　S席7,000円　小中学生シート2,000円（当日販売のみ/要身分証明書）　※当日券は各500円UP
チケット販売　チケットぴあ　イープラス　SB公式ネットショップ　出場選手・所属ジム
お問い合わせ　シュートボクシング協会　03-3843-1212　http://www.shootboxing.org/