青木真也Youtubeチャンネルにバウトレビュー井原記者出演。「オワコン!?」と言われる格闘技メディアの存在意義について語り合いました。

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「メディアが弱くなっている。バウトレビューとか。言えば助けてやるのにな。もっとやり方あるのに」「別に喧嘩していない。向こうが俺に嫌われてると思っているだけ」
青木真也選手が約1か月前の1月22日、自身のYoutubeチャンネルにアップした、東京スポーツ・前田聡記者との対談の動画の中で、格闘技マスコミ論を語り、このような発言をしていたの知り、3日後のXで感謝を記しました。
僕は「うれしいですね」「僕は先日の『最高のプロレス』発言についての続編コラムで書いたとおり、青木選手の考えは勉強になるし賛同できる部分が多いです」「伊澤星花選手との寝技論での『エサまいて逃がして取る』という話どおり、こちらもエサに引っ掛かるような反応になりましたが、言及してもらったお礼として取り上げさせてもらいました。Yahoo!ニュースに配信していないウチは青木選手にメリットが無いと思いお声がけは遠慮していました。何か次の試合のプロモーションとか、会場ですれ違ったりとか、タイミングが合えばお話できるとうれしいですね」と書いたのですが、まさかの青木選手からYoutube出演のオファーをいただきまして、あれこれお話してきました。動画はこちらです。
厳密に言うと、最初、青木選手からは「何がやりましょう」程度のお声がけでしたが、上記の青木選手の発言が発端ですし、11月のONE日本大会での手塚裕之戦後には格闘技マスコミ批判もありましたし、それだったら青木選手からのシビアなメディア論も聞ければと提案してみました。そうは言ってもニーズが読めないので、最近スタートされた青木真也さぶちゃんねるでも構わなかったんですが、スタッフのタントージャさんも立ち会っての本チャンネル出演という形になりました。で、これは青木選手の公認のコタツ記事ということになります。
話は少しそれますが、イギリスのロックバンド、バグルスが1979年にリリースした「ラジオ・スターの悲劇(Video Killed the Radio Star)」という曲があります。「世界の民謡・童謡」というサイトでは「かつてラジオ番組で人気を博したスター歌手たちが、テレビやビデオの出現により活躍の場を奪われるという時代の流れを『ビデオがラジオスターを殺した』と擬人的に表現し、ラジオの黄金期を懐かしむノスタルジックな思いが描写されています」と説明されています。米国の音楽専門チャンネルMTVが1981年8月1日に放送開始した最初に流れたのがこの曲で、実際に80年代以降の音楽シーンはテレビでのミュージックビデオがプロモーションの主役となります。
それから40年以上の時を経て、メディアの主軸は次第にインターネットに移り、ミュージックビデオが主に視聴されるのはYoutubeとなり、MTVは視聴者数が激減します。英国では昨年大晦日をもってMTVの5つのチャンネルが終了し、2011年に開局した「MTV Music」は最後の放送で「ラジオ・スターの悲劇」を流したそうで、皮肉が聴いています。(出典:MTV、音楽専門チャンネルを大幅縮小 英国の5局が年末で終了へ/Rolling Stone)
格闘技メディアにおいても、PRIDE旗揚げと同年の1997年にバウトレビューがスタートし、その後、国内外でいろんな格闘技情報ウェブサイトが誕生したことで、これまで半月1回または月1回発売の雑誌が主体だった格闘技情報が、毎日入手できるようになりました。「格闘技通信」「SRS-DX」といった当時の格闘技雑誌がゼロ年代に休刊したのも、バウレビに限らず、速報性の高いインターネットの格闘技情報サイトの隆盛が影響していたと思います。(もちろんこの2誌の休刊には他にもPRIDE休止や出版社の事情など色んな理由がありましたがここでは割愛します)
いわば「Internet Killed the Magazine」といった状況で、これは格闘技業界に限らない話でしたが、それからさらに時を経て、インターネットメディア自体の中でも栄枯盛衰がありました。今やYoutubeやSNSで青木選手らファイターが直接自らの言葉を発信できるようになり、ABEMAやU-NEXTの登場により試合レポートを読まずとも生中継で試合を自宅で視聴でき、記者会見もプロモーターがYoutubeで生中継し、プロモーターも自分たちのSNSやサイト等の発信媒体があり、今度はインターネット格闘技メディアが「Kill」されかかっている状況です。
今回の青木選手との約70分の対談動画のタイトルは「オワコン!?明るい未来が見えない!?格闘技メディアを当事者であるバウトレビューと話すの巻」。さすがタントージャさん、端的に言い表してくれています。メディア論も話していますが、格闘技・プロレス観のジェネレーションギャップだったり、青木真也と言う存在論だったりにも話が派生します。
昨年11月の青木選手について書いた続編コラムの最後、吉田拓郎の「人生を語らず」という曲を貼り付け、「わかりあうよりは、確かめあうことだ」という歌詞を引用しました。今回の青木選手との対談では、意見は違えど、お互いなぜそう考え、行動しているのかについて、じっくり“確かめあうこと”はできたんじゃないかと、少なくとも僕の方は思いました。一般的なインタビューとも違うきっかけで生まれた企画でしたが、色々新鮮な発見がありました。
昨今、政治言論の世界でも「ファクトチェック」「エコーチェンバー」といった言葉がよく登場します。ある考え方のベースとなる事実に誤りがあったり、解釈が粗かったり間違っていても、言い方に説得力があると信じてしまったり、その考え方に沿った考えばっかり吸収し、客観的な見方ができなくなってしまう。格闘技分野においても、色んな議論がありますが、その意見の交通整理だったり、違った見方の提示をするのも、今後の格闘技メディアの大事な仕事なのではないかとも思いました。青木選手、タントージャさんからのアドバイスも参考に、今後「Kill」されないよう頑張ります。
以下、今回の青木真也 vs. 井原芳徳の冒頭だけ、軽く書き起こししますので、続きは動画をチェックしてください。あ、高評価ボタンを押すのと青木真也チャンネルへの登録もよろしくお願いいたします。感想のコメントを書き込んでもらえるとうれしいです。こういったお仕事の依頼もお待ちしております。(井原芳徳)
青木 はい、ごっちゃんし。今日は喉、大丈夫?今日はだいぶ良くなったけど。バウトレビューっていう格闘技メディアで、いいですかね。その井原さんが来てくださったということで。これまず大前提で言うと、メディアが青木真也のYouTubeに出るって、すごい勇気のあることですよ。
井原 そうなんですか?
青木 思いっきり行かれる可能性はあるから。ある種、存在否定をされる覚悟はあるってことじゃないですか。僕の普段の立ち振る舞いを見てると。
タントージャ マスコミとの距離感みたいなのも含めてね。
青木 だから、来てくれたことに対してはすごくありがとうと。戦いの場に上がったわけだから。
井原 戦いなんですか(笑)
青木 今回来てもらったのは、11月のONEの後、僕が「最高のプロレス」って言ったじゃない。あの言葉って解釈が分かれる言葉だと思っていて。各メディアが好きに解釈してくれていいんだけど、記事に「嫌われていると思う」っていう一文が書いてあったんですよ。好きも嫌いもないんだけどな、と思った。
井原 そこがポイントなんですよ。青木選手が好きか嫌いかということではなく、マスコミというのは、マスコミュニケーションで、選手の好き嫌いがあれど、誰であれ、勝ったらちゃんと称えて評価して伝える。そこはみんな平等で伝えるから、逆に言うと好き嫌いでやってたら25年も続いてない、という仕事ではあるんですね。だから「嫌われてるんだろうな」ぐらいは書くけど、かとって避けるというわけでもない、ということかな。
青木 俺からすると、格闘技マスコミっていうものが存在しないと思ってるんだよ。
井原 ほう。
青木 取材拒否が怖くて、思ったこともちゃんと記名で書けない。今のマスコミは、記者会見に来てニュースを流しているだけで、必要がない。


