武尊選手とカルロス菊田・元K-1プロデューサーの“マッチ”について思ったこと【垂れ流しのコタツ記事でなくコラム形式で】

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7月6日日曜日、ABEMAの「THE MATCH 2022」の全試合再放送のメインイベント、那須川天心対武尊の放送と同じぐらいの時間帯から、武尊選手と元K-1プロデューサーのカルロス菊田氏がX上で繰り広げた、K-1の契約・ONEの財務等を巡る“マッチ”に関しては、デリケートな部分の検証や評価の時間を要するため、ニュース記事化は見送っていました。
投稿をコピー&ペーストして一丁上がりでコタツ記事的に載せたマスコミもありましたが、昨今の政治報道の問題と一緒で、論評無しの垂れ流しは鵜吞みにする人もおり危険です。とはいえ案の定、関係者による検証不足な論評も、Youtube等で見かけます。
この状況、そして問題自体、非常に取り扱いにくいのが正直なところですが、いい加減な論評がまかり通るのもどうかと思いますし、「なんでバウレビは報じないんだ」と思われるのも困ったもんだなと思い、通常のニュース記事形式ではなく、気になった点について、ちょっとだけコラム形式で書いてみることにしました。そうはいっても書けないことが多いですから、あまり期待しすぎず読んでいただけると幸いです。(井原芳徳)
まず、Xのポストを追っかけていなかった人もいると思いますので、菊田氏と武尊選手のやりとりを整理します。
菊田氏は7月6日の昼のポストで、LowKickMMA.comという海外の格闘技情報サイトが載せた、ONEの財務状況についての記事の要約を載せ「崩壊寸前!」等と記しました。そのポストにその日の夜、武尊選手が反応し「K-1のプロデューサーだった人が他団体を下げるような発信をすることが逆にK-1や格闘技業界のイメージを下げる。今、必死にこの業界を盛り上げる為に命懸けで戦っている選手達に失礼」とポストしました。菊田氏は「“命懸けで戦ってる選手”に敬意があるからこそ、選手を食い物にするような経営構造には黙っていられないのです」と反論します。すると武尊選手は「ではまずは命懸けで戦ってる K-1ファイター達に敬意あるファイトマネーと怪我の治療費の保証やプロのアスリートに相応しい待遇をしてあげてください」とポストの冒頭に記し、K-1の待遇の内情について明かしました。
ただ、その武尊選手のK-1の待遇について明かしたポストは、いくつか注釈が必要だと思わされる内容で、そこが記事化を見送る主な理由となりました。このコラムでは通常の記事よりカジュアルな形式で、武尊選手の告発内容について、率直に思ったことを書き添えてみます。検証としては緩い点が多いことをご容赦ください。
【トーナメントで一日3試合して身体ボロボロになって戦ってもファイトマネーは1試合分】
優勝とかの賞金がどの程度だったのかによっても状況が違ってくるかなと思いました。たいていのトーナメントでは、ベスト4以上だと表彰があったと思います。ただ、K-1は基本的に賞金の金額は非公開ですから、その額が少なければ不満が出ても仕方ありません。あと、チャンピオンになればファイトマネーはアップするはずですから、トーナメントのファイトマネーが少ない分は補填されるのではと思いました。
【地方での試合以外は試合前のホテル代も自腹】
自宅で減量してから都心の計量会場のホテルに行ったり、リカバリーは自宅でしてから首都圏の試合会場に直で行けたほうがいい選手も多いのでは。同じ東京在住でも、ホテル代不要の選手からすれば、もらえる選手が出てくると、自分は損していると感じるかもしれません。あと予算的に仕方ない面もあるでしょう。ONEのファイトマネーや怪我の治療費の手厚さの話もそうですが、逆に人件費・諸経費がONEの経営を圧迫している側面もあるでしょうから、諸刃の剣だと思いました。
【契約終了してからの半年間優先交渉期間】
優先交渉期間はONEもあるのでは。RIZINが5月のRIZIN男祭りの朝倉未来選手の対戦相手として青木真也選手にオファーした際も、この問題が生じて頓挫していたかと思います。
ある程度、K-1、ONE、RIZINあたりを満遍なく見ている人なら、これぐらいの疑問点はすぐ出て来たと思いますが、意外と指摘する人が少ない印象でした。
武尊選手は昨年2024年1月に発売した著書「ユメノチカラ」第4章【「ファイターとお金」を考える】の冒頭(p.103)で「今までファイトマネーの交渉をしたことがない。K-1のころから、僕は言われた金額に『はい』と言うだけで、もっと上げてほしいとか言ったことがない」と書いていました。独立後は「以前よりはお金のことも考えるようになってきた」そうですが、K-1在籍時代、待遇改善についてあまり動いていなかった印象を持っていました。一方で、那須川天心戦に関しては「実現までの2~3年は、ひどい時には毎週、試合開催に向けた話し合いをしていた(p.41)」と書くなど、熱心に動いていました。ファンからも、自身も熱望していた大一番を実現させるため、K-1側の機嫌を損ねないよう配慮し、待遇改善については口をつぐんでいた可能性も、無いとはいえないかもしれません。
少し話はそれましたが、武尊選手のポストに話を戻しますと、最大の焦点は、やはり「契約で固めて自動更新」「ファイトマネーの何倍もの金額の違約金」という箇所でしょう。菊田氏は武尊選手の投稿へのリポストで、他に指摘された問題点含め「なかなか表に出づらい現実を示すものであり、多くの選手たちが同様の状況にあることも事実です。それを公にされた勇気と責任感に敬意を表します」と回答し、否定せず事実と認めました。この点は画期的だったと思います。
ただ、中村拓己氏からバトンタッチされた後、菊田氏は実際にプロデューサーとして、この問題をどの程度改善するよう努めたのかが気になりましたし、関わった当事者の回答としては「他人事すぎないか?」とは正直思いました。
とはいえ、菊田氏の“開国”路線以降、宇佐美秀メイソンのように、ワンマッチだけ参戦してその後は出なくなった日本人もちょこちょこ出てきました。今の宮田充氏の体制では、自動更新や違約金問題を告発した黒田斗真選手との契約が「双方の合意により満了」する出来事も5月にはありました。その交渉内容は不明なので、なんともいえないところもあるのは確かですが、武尊選手がK-1にいた中村P時代よりも、菊田P・宮田Pに変わってから、選手にとっては良くなっている・動きやすくなっている点もあるのかもしれません。
ただ、これらの話は、検証を丁寧にやらないといけないですし、このコラムの文章のように、推測ばかりになってしまうので、記事化に二の足を踏んだということを、ご理解いただけると幸いです。あとまあ正直なところ、当事者の皆さんとも取材先で顔を合わしますから、あんまり気まずくなることは書けないという思いもあります。彼らもそうですし、マスコミも、自分らの考えだけでは動けない。そういった状況も理解していただければうれしいです。



