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[PRIDE男祭り] 12.31 さいたま:シウバ×ハント決定。試合順発表

DSE "PRIDE男祭り -SADAME-" 12月31日(金) さいたまスーパーアリーナ 【→カード&チケット情報】 [→掲示板]

(12/29 up) ヴァンダレイ・シウバの対戦相手が、マーク・ハントに決まった。ハントは当初、男祭りでのミルコ戦を希望し、滝本誠のプロデビュー戦の相手候補にも挙がっていたが、右足首を負傷し、男祭りへの出場が取りやめになっていた。だが「勝てる試合ができるまでには回復(ハント談)」。桜庭欠場を受け、高田本部長がシウバの相手を募集していると聞きつけ、対戦を名乗り出た。心配なのは体重差。29日のカード発表会見の時点でシウバは90kg、ハントは127kgぐらいと話していたが、ハントは「展開次第で体重差が有利になることも不利になることもある」と語り、シウバは四点ポジションでの頭部への蹴りについても「ありでやる。チャンスがあれば顔を蹴りたい」と豪語した。(井原芳徳)

試合順決定。放映順は未定

 試合順がカード一覧のとおり決まった。メインは予定通りヒョードル×ノゲイラ。セミはシウバ×ハント。美濃輪は希望どおり去年同様第1試合の位置を得た。ただしフジテレビでの放映順は放送まで秘密。他局の番組の目玉のタイミングを横目で見つつ、臨機応変に試合を放送していく形は、去年と変わらない模様だ。会場の休憩時間のタイミングと回数も明らかにされていない。一般的な注目度が高いと思われる吉田×ガードナーは第6試合と比較的前の方になったが、これは他局の番組の節目となる9時前〜9時半頃でのオンエアを狙ったものと思われる。

桜庭、肋骨骨折で欠場

(12/28 up) 桜庭和志が第7肋骨および肋軟骨の骨折により欠場する。対戦予定だったヴァンダレイ・シウバの出場自体は消滅しておらず、DSEでは桜庭の代わりの選手を調整中だ。
 桜庭は11月30日のシウバ戦発表記者会見を欠席。DSEは「寝坊」が理由と説明していたが、12月9日の会見で、桜庭は「腰椎ねんざ(ぎっくり腰)」が理由で欠席したと“実情”を明かした。
 しかし本当は5日のCTスキャンの時点で骨折が判明していた。14日の再検査でさらに悪化していることがわかり、高田道場は17日になってようやく骨折であることをDSEに報告。桜庭は欠場を拒んだが、22日にDSE・フジテレビ・高田道場が協議し、桜庭の欠場を決定。関係者は3日間桜庭を説得し、25日に桜庭が了承。26日の緊急会見で欠場が発表された。

長南、アンデウソンと対戦

(12/22 up) 長南亮の対戦相手が、アンデウソン・シウバに正式決定した。これで男祭りの全カードが揃った。
 アンデウソンのPRIDE参戦は03年6月のPRIDE.26で高瀬に敗れて以来1年6ヶ月ぶり。03年11月にアスエリオらと共にシュートボクセを離脱し、今年3月に「ムエタイ・ドリームチーム(MTDT)」を結成(のちにアスエリオは独立)。6月の韓国のグラジエーターFCでは2日目のメインを務め、ジェレミー・ホーンに完勝。9月にイギリスのケイジレイジ8ではUFC参戦経験もあるリー・マーレイから3度ダウンを奪い完勝した。
 シュートボクセ離脱後はノゲイラとの親交が厚く、離脱直後の昨年12月には、ノゲイラが故郷で主催した大会のメインを務め、韓国の試合でもノゲイラがセコンドについていた。総合選手のパウンドフォーパウンドで、打撃なら最強レベルと言っても過言ではないアンデウソン。極真出身の長南とのアグレッシブな打撃戦はもちろん見物だが、ノゲイラから寝技を仕込まれていると考えられ、寝技の成長ぶりも見逃せない。既に決まっていた五味×パルバーとセットで、大みそかは武士道のメイン格の日本人の正念場となりそうだ。(井原芳徳)

高田、ふんどし一丁で暴れ太鼓

(12/21 up) 高田延彦PRIDE統轄本部長は21日、東京・台場のフジテレビで開催中のイベント「ホットファンタジー」のトークイベントに出席し、男祭りのオープニングでふんどし一丁で和太鼓を叩くパフォーマンスを繰り広げることを明かした。フリップは叩いている姿のイメージ図。また、このイベントでは大会のシンボルとなる「男祭りご本尊」も披露された。
 当初この日は長南亮の対戦相手と試合順が発表される予定だったが、発表は中止に。長南戦を加え、全11試合で行われることが決まっている。(井原芳徳)

道場破りから10年。安生×ハイアン決定

(12/17 up) DSEは17日の会見で安生洋二 vs. ハイアン・グレイシーを発表した。
 安生はちょうど10年前となる94年12月7日、ヒクソン・グレイシーに道場破りに挑むも返討ちに遭った。だがこの出来事がきっかけで、その後の師匠・高田延彦(現・PRIDE統括本部長)のPRIDE.1でのヒクソン戦への道筋が作られることとなる。
 このマッチメイクを提案したという高田氏は「この業界の定め(SADAME)の中で、安生とグレイシーの因縁は外せない。安生は年齢的にも(=37歳)実績的にもまだまだ終ったファイターじゃない。この試合は男祭りの裏メインになると思う」と説明。DSEの榊原信行社長は「先駆者の活躍があったからこそ今若い選手が戦えることを、プロモーターとしてファンに伝えたい。SADAMEを具現化した素晴らしいカードだと思う」と、高田氏の提案を了承したいきさつを語った。
 安生は「高田さんの防波堤の役割を果たせなかったことは自分にとっての汚点。今の高いレベルのPRIDEのリングで、自分がどれぐらいの力を出せるかわからないが、追い込んで練習をやっている」と語り、今は高瀬大樹や山本喧一らと共に練習し、キックボクシングの藤原ジムにも夏から通っていることを明かした。
 安生の総合の試合は01年1月のDEEP旗揚げ大会でチラギシビリ・ギア(掣圏道)と引き分けて以来。それまではUFC-Jを主戦場とし、97年にアボットに、00年にブスタマンチとリンドランドに敗れている。(井原芳徳)
(写真:『ハッスル』では高田総統とアン・ジョー司令長官の関係だが、この日だけはUインター時代の師弟関係に。とはいえハッスルネタもチラリ。高田「300%勝てるよね?」安生「いや、あの人は僕とDNAが似てるらしいけど、その話は置いておいて…」高田「じゃあ200%勝てる?」安生「勝てるように頑張ります。総統はセコンドには?」高田「国際電話で聞いてみるよ」)

滝本×戦闘竜、美濃輪×レコ他決定

(12/16 up) DSEは16日会見し、滝本誠×戦闘竜、美濃輪育久×ステファン・レコ、ジャイアント・シルバ×チェ・ムベの3試合を発表した。相手は未定だが長南亮の出場も決まり、残り2、3試合は20日までには発表される模様だ。
 滝本の相手には当初マーク・ハントも候補にあがったが、ハントは今月初頭に足を怪我し全治1ヶ月と診断され欠場となってしまった。そしてもう一人候補だったのが戦闘竜。約40kgの体重差だが、滝本は「全く異論がない」と対戦を引き受けたという。
 滝本は会見を欠席したが、戦闘竜は出席。「滝本選手は金メダルを取ったすばらしい選手で尊敬していますが、PRIDEのリングがどれだけ厳しいかを見せてあげたい。悪いけど自分は勝ちますんで」と語った。柔道・相撲の国技対決であることを意識し、「相撲技の張り手で決めたい」と宣言した(※PRIDEルールで張り手は反則にならない)。滝本は道衣着用で戦うが、戦闘竜は「ギを着て柔術の練習も普段からしているので不安はない」と言ってのけた。
 美濃輪は「今年は不甲斐ない試合が続いたので、とにかく試合がしたいと思い、相手は誰でもいいからと出場を志願した。がんばって殺します」と宣言し、去年の男祭り同様、第1試合での出場を希望した。
 長南は「83kg契約で試合をするのは自分だけだと思うので、その階級の選手と殺し合いをしたい。いつも通りの試合をします」と話した。五味隆典以外の武士道ファイター出場に関し、榊原信行DSE社長は「来年に向けての期待をかけての抜てき」と説明。大みそかのテレビ中継を通じ、武士道ファイターの知名度を上げる狙いもありそうだ。(井原芳徳)

桜庭、会見欠席の理由は腰椎ねんざ

(12/9 up) 桜庭和志が9日、都内の高田道場で会見し、30日の会見を欠席した理由は寝坊ではなく、腰椎ねんざが原因であったことを明らかにした。
 桜庭は30日の正午から練習を始め、13時半頃、相手を持ち上げる時に腰を痛めたという。1時間ほど起き上がれない状態となり会見は休んだが、幸い軽症で済んだためほぼ回復し、既に軽めの練習を再開している。
 相手のシウバに負傷箇所を明かしてしまった格好の桜庭。「タックルに行っても持ち上げなければいいんで。色々バリエーションはあります」と答え、さらには「わざとシウバに腰を向けて抱き着いてくれれば、自分のチャンスになりますね」とトボけてみせた。
 シウバ戦の秘策のヒントを聞かれると、桜庭は「弟」とコメント。故石原裕次郎さんの生涯を描き高視聴率を記録したテレビ朝日40周年記念ドラマ「弟」を感動しながら見ている最中、技のかけ方が思い付いたという。「グラウンドでも立っててでも、腕も首も狙えて、片方を警戒したら、片方に効くという技です。最近は防御されるようになりましたが、練習でも80%〜90%はかかりますね」と豪語。どうやらドラマと直接関係は無さそうな技だが、男兄弟を描いた他局の高視聴率ドラマに、男祭りもあやかることができるか?(井原芳徳)
(写真:師匠の高田延彦PRIDE統轄本部長も同席。「サク、タックルを使わず、“サックル”いけよ。(マスコミの反応が薄く)「ジャンクスポーツ」で言ったんだけど、まだ浸透してないなぁ」と冗談を飛ばしていた)

柔道シドニー金の滝本がデビュー

(12/7 up) シドニー五輪柔道男子81kg級金メダリストの滝本誠が7日都内で会見し、男祭りでプロ総合格闘技デビューすると発表した。相手は未定だが、DSE側は異種格闘技戦的なマッチメイクを構想している。
 滝本はアマチュアアスリートの頂点である五輪金メダルを00年に取った後も、02年には体重無差別の全日本選手権でベスト8入りするなど実績を重ねていた。しかし毎年普通に試合に出続けるうちに、柔道に面白味が感じられなくなっていたという。そんな折、弦巻中・世田谷学園高の先輩・吉田秀彦から誘いを受け、10月31日のPRIDE.28を会場で観戦。プロの戦いに刺激を受け、さっそく11月から総合格闘技の練習を始め、同月20日迄に全日本柔道連盟に強化指定辞退届を提出していた。
 一部で滝本男祭り参戦濃厚と報じられたことに関し、DSEの榊原信行社長は30日の会見で、「僕は会っていないし交渉はしていない。報道に驚いている。もしPRIDEに出るとしても、大みそかにはとてもじゃないが間に合わない」等と答えていた。榊原社長は海外出張のため7日の会見を欠席。代わりに登場した高田延彦PRIDE統轄本部長によると、滝本のデビューは当初来年が計画されていたが、注目度の高い大晦日デビューが先週急遽決まったという。
 柔道以外にブラジリアン柔術・サンボもやったことはあるが、少しかじった程度だという滝本。先輩の吉田とは毎日練習し、打撃はキックボクシングジムで習っている。「まだ慣れていないですが、練習あるのみです」と語りつつも、不安はないか?という質問には「全くないです」とキッパリ即答し、強気な姿勢を示していた。体重は83〜85kgだが、体重に関係なくどんな相手とでもやりたい考えで、ヴァンダレイ・シウバの名前を上げられると「やってみたいです」と意欲的だった。総合の試合でも柔道衣を着て戦う考えだ。(井原芳徳)

◆滝本誠プロフィール(DSE公式資料より)
1974年12月8日生。茨城県岩井市出身。身長174cm/体重81kg。6歳で柔道を始め、講道学舎で修練に勤しむ。弦巻中学、世田谷学園高校、日本大学と進み、99年、00年全日本選抜体重別選手権優勝、00年ドイツ国際優勝など数々の国際大会で輝かしい実績を残す。
 00年にはシドニーオリンピック男子柔道81キロ級で金メダルを獲得し、評価を不動のものとする。そのシドニー五輪では、戦前の評価こそ高くなかったが、切れ味鋭い内股、袖釣り込み腰と“天才肌”と称される技のキレと、不動の精神力で勝ち進み、見事下馬評を覆し頂点を極めている。
 その後もフランスのクラブチーム、USオレルアンで活動するなど、その志は国内だけに留まらない。また02年には体重無差別の全日本選手権でベスト8入りするなど、体格の大きい相手とも渡り合う度胸と技を兼ね備えている
 今回は総合格闘技デビュー戦となるが、かねてよりプロ向きと言われた度胸と世界の頂点を極めた技術で、新たな修羅の道に足を踏み入れる。

ミルコとランデルマンが再戦

(12/6 up) ミルコ・クロコップとケビン・ランデルマンの再戦が決定した。両者は4月のヘビー級GP開幕戦で対戦し、ランデルマンが下馬評を覆すKO勝ちをおさめている。ミルコはDSEを通じ次のコメントを発表している。「2004年のたったひとつの忘れ物を取りに帰る。ケビンにはこの試合を受けてくれて感謝している。あの敗北からたくさんのことを学んだので、それを2005年に活かしたい」

桜庭×ヴァンダレイ、近藤×ダンヘン、五味×パルバー決定

(11/30 up) PRIDE男祭りの会見が30日都内で行われ、桜庭和志 vs. ヴァンダレイ・シウバ、近藤有己 vs. ダン・ヘンダーソン、五味隆典 vs. ジェンス・パルバーの3試合が発表された。全10〜11試合を予定し、残りカードは10日以内の発表を予定している。

 桜庭×シウバは4度目の対戦。過去01年のPRIDE.13、02年のPRIDE.17、03年のミドル級GP開幕戦で激突し、いずれもシウバがKOまたはTKO勝利している。だが桜庭は4度目の対戦に常に意欲を示していた。
 DSEの榊原信行社長は「4度目の対戦と聞いて『またか』とか『大みそかまでせつない思いをしたくない』と思うファンもいると思う。だがこれはPRIDEを象徴するカード。これまでの対戦では怪我等で不運な面もあった。もう一度桜庭に賭けてみたい。何かドラマチックな事を起こしてくれるのではないか?」と期待を込めてこの試合を組んだことを明かした。
 しかし桜庭は寝坊を理由に会見を欠席。会見の10分前にマネージャーからDSE関係者に「寝坊をした」との連絡があったという。

 一方のシウバはブラジルより次のコメントを発表している。「前大会のタイトルマッチ後の会見の際に、今回の大会のテーマが“SADAME”と聞いて、それはサクラバだとすぐに思いました。このPRIDEという素晴らしいリングと共に私は成長し、そして私はサクラバが築いてきたものを引き継いでいます。我々シュート・ボクセはMr.高田とサクラバをとてもリスペクトしています。今回サクラバと特別な大会で闘える事をうれしく思います。過去3度の闘いは、全て私が勝利をしていますが、サクラバにはいつも危険なものを感じます。今回も持てる力を全て出し尽くし、今まで以上の素晴らしい闘いを、会場に来てくれるファンとテレビを見ている方々に見せたい。サクラバは私へ勝つ為に、あらゆる思いをぶつけてくるでしょう。そして私も、チャンピオンとして守り続けてきた誇りと思いをサクラバにぶつけ、チャンピオンとして必ず勝利します」

 元々桜庭は、昨年の男祭りで実現しなかった田村潔司との対戦にも前向きで、DSEの榊原信行社長は田村に桜庭戦のオファーを出していた。しかし交渉は難航。榊原社長は交渉を続けたかったが、昨年は大会間際まで交渉が続き、桜庭が準備不足のままノゲイラ弟戦に臨まざるをえなかったことを反省し、田村との交渉を早々に切り上げた。田村は今年の男祭りに出場しないが、榊原社長は「来年のミドル級GPに向けて、田村選手を口説きます。声を大にして言います」と語り、今後の桜庭×田村実現に意欲を示した。
 
 近藤はダンヘン、ムリーロ・ニンジャ、マウリシオ・ショーグンの3選手をDSEから候補として提出され、ダンヘンを選択した。その理由を近藤は「3人の中で一番実績があり、周りの評価も高い。前から凄く興味を持っていた」と語る。さらに「実力のある選手とやれることで、やる気がみなぎっている。勝って来年のミドル級GPに出場できるようアピールしたい」「相手は一個一個の展開がスピーディー。自分はそれ以上の動作をして、いろんな展開を見せて、最後は一本か関節を取りたい」と意気込みを語った。
 ダンヘンも20日にアメリカで行われたPRIDEのオーディションで榊原社長に「近藤と戦えて光栄だ。いい試合がしたい。PRIDE.28の中村戦がアクシデントで終ったので、一刻も早く試合がしたい」と話していたという。

 五味の相手、パルバーに関しては当初、修斗が12月14日の代々木第2体育館でのビッグイベントでの高谷裕之戦を発表していたが、後日、交渉の最終段階で合意に達さなかったことを理由に中止を発表していた。修斗世界ライト級(-65kg)では高谷が1位でパルバーが3位。パルバーは王座への道を断念し、体重のハンデを呑み、PRIDE参戦と五味戦を選んだ。
 五味はパルバーについて「自分が23歳で、パルバーがUFCのチャンピオンだった頃(01年)に、対戦を熱望していた。あれから3年間かかったけど、お互い連勝中なので、軽量級世界一を決めるような戦いをしたい」「パルバーも自分もお互い調子の悪い時期を乗り越えてここまで上がって来た。人間的にも凄い選手だと思う」と語った。
 今年に入ってからのパルバーは、総合ルールでは修斗で3月に植松直哉、7月にステファン・パーリングと対戦し、いずれも立ち技だけで勝負しKO勝利している。だが五味は「総合の試合でボクシングやムエタイの試合をする必要はない。総合の中で叩き潰したい」と話し、寝技勝負に持ち込みたい考えを示した。

 なお、全日本柔道連盟に強化指定辞退届を提出したシドニー五輪柔道男子81kg級金メダリストの滝本誠が、男祭り参戦濃厚と一部で報じられたことに関し、榊原社長は「僕は会っていないし交渉はしていない。報道に驚いている。もしPRIDEに出るとしても、大みそかにはとてもじゃないが間に合わない」と話した。(井原芳徳)

ヒョードル×ノゲイラ決定

(11/2 up) エメリヤーエンコ・ヒョードルとアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラの3度目の対決が、PRIDE男祭りのメインイベントとして行われることが決まった。この試合は8月にノーコンテストに終ったヘビー級GP決勝戦と、ヘビー級チャンピオンシップを兼ねて行われる。他にもヴァンダレイ・シウバ、桜庭和志、ミルコ・クロコップ、マーク・ハント、五味隆典、ジャイアント・シルバの出場が決定。桜庭は田村潔司戦、ハントはミルコ戦に意欲を示した。10試合程度を予定し、DSEの榊原信行社長は「ガードナー以上にインパクトのある選手とも交渉中」と明かした。大会の模様は大会開始の18時から23時40分までフジテレビ系列で放送される。

 1日行われた開催発表記者会見で、王者・ヒョードルは「12月31日を心待ちにしている。再戦できて光栄です」、暫定王者・ノゲイラは「これまでのPRIDEで最高のイベントにしたい」等と意気込みを語った。ノゲイラは8月の試合後、左肘の関節ネズミの除去手術を行うつもりで、来春の再戦を希望していたが、榊原社長は「それではファンの熱が冷めてしまう」と早期再戦を要請。ノゲイラは来年に手術を延期しヒョードル戦を決意した。なお、ヘビー級GPの優勝・準優勝賞金は、両者合意の上、合計2,500万円を1,250万円ずつ等分することが決まっている。

 今大会に付けられたサブタイトルは「SADAME(=定め)」。榊原社長は「望むと望まないに関わらず、戦う男達に課せられる宿命・運命」とその意味を説明する。
 ヒョードル vs. ノゲイラもそれに準じたカードだが、ハントも呼応するかのように「ミルコと戦いたい」と発言。榊原社長は「ハントの意見はしかと受け止めたい」と態度を保留したが、K-1ルールで対戦するのかという質問には「わかんないですね」と答え、可能性が0%では無いことを明かした。ちなみにミルコも会見に出席予定だったが、寝坊を理由に欠席した。
 桜庭は対戦したい相手を聞かれると、最初は「6チャンネル(TBS)に出てた黒人の人」と、Dynamite!!に出場するタレントのボビー・オロゴンさんをあげ出席者を笑わせた。だが「色で言えば?」というゲストの浅草キッドの質問には「赤ですか?」と返答。UWFインター時代の先輩で、去年の男祭りでも対戦の噂された田村潔司の存在をちらつかせた。榊原社長も「田村選手には是非出場してもらいたい。桜庭くんも相手の候補に入れて交渉にあたりたい」と実現に前向きだった。
 五味は対戦希望の相手についての質問に、「BJペンとかノゲイラとか、いつか世界のトップとやって、よその中量級に負けない試合をしたい」と、大みそかの先も見越した選手の名前をあげた。ちなみにノゲイラはミノタウロのことではなく、五味より一階級下の修斗世界ライト級王者アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラのこと。ルイス・ブスカペもPRIDEでは小さなノゲイラと呼ばれているが、ブスカペの名前は出ず、対戦意欲はやや薄らいだ様子だった。

Dynamite!!を多分に意識

 この日の会見はお台場のフジテレビ球体展望室で行われた。後方では局関係者も様子を眺めていたこともあり、主催者のフジ&DSE関係者のコメントも、自然とTBS&FEG陣営のDynamite!!を意識したものとなる。以下はその抜粋。

◆榊原信行DSE社長「大みそかでも、笑いとかヌルいイベントは作るつもりはありません。サブタイトル(=SADAME)を付けたのは、テーマの無いイベントは観る人の心に伝わらないと思ったから。紅白歌合戦には視聴率でちょっと負けるかもしれませんが、少なくともDynamite!!には勝てるように頑張りたいです」

◆高田延彦PRIDE統轄本部長「お祭りのイメージは必要ありません。これまでやってきた、真剣勝負、ガチンコで、普段着のままのPRIDEを12月31日にやります。6チャンネルを意識しないで、全力でやるだけです」

◆フジテレビスポーツ局・清原邦夫チーフプロデューサー「今年1月3日のスポーツ新聞で毎分ごとの視聴率が報道されたのを見て、大みそかのゴールデンタイムの注目度の高さを改めて実感しました。個人的に親交のあるK-1の皆さんを敵に回すことになりますが、一緒に紅白を倒したい思いと、こっちが勝ちたい思いの両方があります」

◆フジテレビスポーツ局・佐藤大輔プロデューサー「TBSとは視聴率競争になりますが、番組の視聴の質と満足度ではDSEと我々が圧勝です。Dynamite!!とは番組としてのジャンルが違うと感じています。昔から格闘技を見て来た一人として、“格闘技の勝利”を高らかに叫べるようにしたいです」

 中でも挑発的だったのはPRIDE担当の佐藤氏(写真中央)のコメント。司会の三宅正治アナも「佐藤は心は格闘家ですから」と苦笑いを浮かべフォローを加えたほどだった。
 佐藤氏はヘビー級GPのパンフレットで「最近、とあるリングでは『格闘技』という言葉が空しく響く茶番劇が数多く見受けられ(開幕戦パンフ)」「『今』を感じないプロレス団体、『なんちゃって対抗戦』や、120%出るわけのない『ボクシングヘビー級チャンピオン』より、このトーナメントの方がよっぽど『ロマン』がありますよね(2nd ROUNDパンフ)」と記して波紋を呼び、PRIDE.28のパンフでは「ボクは一生ついていきます」とまで宣言した熱血漢だ。試合前の選手紹介VTRの作り込み、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を思わせる漢字のテロップやフラッシュバックの手法は、彼の手腕によるものが大きい。男祭りの紹介VTRは、裏番組を意識したいつも以上に濃い内容となりそうだ。

ガードナー、“第2のガファリ”説を一蹴

 前日のPRIDE.28で対戦の発表された、吉田秀彦とルーロン・ガードナーも会見に出席し、改めて“金メダリスト対決”に向けての意気込みを語った。吉田は「昨日ガードナー選手と握手をしたら凄い手で、これで殴られたらヤバいと思いました。良い年を越せるようにしたいです」といつものように率直なコメントで会場をなごませた。
 会見後の囲み取材が無いせいもあり、会見ではガードナーに質問が集中。レスリングに詳しい某紙の記者からは、02年8月のUFO LEGENDで失態をさらしたマット・ガファリの再来を危惧する辛らつな質問も飛んだ。しかしガードナーは96年からスバーン、フライ、コールマンらと総合の練習をしていた時期があったことを明かすと、「ガファリには00年のシドニー五輪出場を賭けた試合で勝ったことがある。今年のアテネの前にはコーチをしてもらった。グラップリングの技術ではガファリより私の方が上。大みそかの試合を見てもらえればわかると思う。ガファリ×小川は見たが、私がアメリカンレスリングの強さを証明してみせる」と不安説を一蹴した。(井原芳徳)

吉田、ガードナーと金メダル対決

(11/1 up) 10月31日のPRIDE.28では、男祭りに向けいくつかの発表がなされた。
 前日参戦の発表されたルーロン・ガードナーはメインイベント前、シドニー五輪の金メダルを首にかけてリングインし、「アメリカンレスリングが世界最強であることを証明したい」と宣言。これを受け、高田延彦PRIDE統轄本部長は「金には金を。秀彦、出てこいやぁ!」と吉田秀彦を呼び込んだ。吉田は道衣を着てリングイン。「昨日出場が決まりました。焦っています」と苦笑いを浮かべながらも、「同じ金メダリストとして恥ずかしくない試合をしたい」と宣言した。
 この日は桜庭和志も出場をファンの前で表明。ヴァンダレイ・シウバ、ミルコ・クロコップも、試合後に出場を宣言した。榊原信行DSE社長は「シウバはヘビー級でもやりたいと言っていた。ミドル級であっても、顔見せではない、今回の死闘に勝るとも劣らない試合になる相手を用意したい」「ミルコとジョシュの再戦は早ければ大みそかにやりたいが、ジョシュの左肩の様子を見てから決めたい」と話した。またヒョードル vs. ノゲイラの決着戦についても「二人とも日本に来ているので、この後最終交渉して決めきりたい。年内には何とか対戦させたい」と話し、小川直也については「ゼロとは言えないが、ハッスルで忙しいと思うので、今のところラインナップには考えていない」とした。1日にフジテレビで行われる会見で、新たな発表がなされる模様だ。(井原芳徳)

カレリン破ったガードナー参戦

(10/30 up) アメリカのグレコローマンレスリングの強豪・ルーロン・ガードナーが、大みそかにさいたまスーパーアリーナで開催されるPRIDE男祭り2004で総合格闘技デビューすることが決まった。31日のPRIDE.28に来場し、ファンに向け参戦を発表する。
 ガードナーは00年シドニー五輪グレコローマンレスリング130kg級でアレキサンダー・カレリンを破り、金メダルを取ったことで有名な選手。02年2月、故郷のワイオミング州の山中で遭難し凍傷となり右足中指を切断し、現役続行は不可能と思われたが、1年間のリハビリを経て奇跡の復活。今年8月のアテネ五輪でも銅メダルを獲得した。08年の北京五輪出場は断念し、アメリカ最大のプロレス団体・WWEからもオファーを受けていたが、総合に興味があり、しかも1971年8月16日生まれの33歳とまだ比較的若いこともあり、PRIDEを次の人生に選んだ。
 DSEとガードナーは複数年契約を結び、06年開催予定のヘビー級GP出場を目指す。現在はダン・ヘンダーソン、ランディ・クートゥアの所属するチーム・クエストで総合の練習をしているという。デビュー戦のルールは通常のPRIDEルール。相手は未定だが、30日都内で会見した榊原信行DSE社長は「対柔道、対ボクシングといった異種格闘技戦のようになる相手を考えている。迎え撃つのは日本人であって欲しい」と語っている。(井原芳徳)

今年も開催へ。五味・戦闘竜は内定か

(10/15 up) DSEの榊原信行社長は14日のPRIDE武士道其の伍の終了後、大会総括とともに大みそかに開催予定の年越しイベントについて語り、今回もフジテレビとの共催で同イベントを行うとの意向を非公式ながら表明した。この日活躍した五味隆典、戦闘竜らの名前も参加選手にあげるなど、既にカード編成に向けて具体的な検討に入っていることも覗かせた。
 昨年末、日本テレビ放映の「猪木祭」ならびにTBS放映の「Dynamite!!」との三つ巴の視聴率競争では、一般社会でも連日報道されるような大きな渦を巻き起こしたことで記憶に新しいが、今年は早々にアントニオ猪木氏が休止を宣言、一方でK-1側は柔道家の秋山成勳を獲得とともに「Dynamite!!」の継続開催を発表、PRIDE側がどう出るかに注目が集まっていた。

 昨年の放映では五時間の長丁場ながら平均12.2%、瞬間最高28.7%を記録。コンテンツとしての優秀さを印象づけた「男祭り」だが、二年目の今年は「Dynamite!!」との正面激突でどこまで威力を発揮できるかが見どころ。大晦日はまたもや、格闘技界の勢力地図をも塗り替えかねない一日になりそうだ。

◆榊原信行DSE社長のコメント(要約)
「今日は平日にもかかわらず9000人ものお客さんに入っていただきました。ミルコやヴァンダレイといったヘビーやミドルの選手の力を借りないで、この結果を出せた事に手応えを感じました。
 大みそかについてはまだに正式に発表してないのですが、近日中にフジテレビと協議して発表したいです。昨年は三つ巴でしたが、今年はどちらが裏か表か判りませんが、K-1さんの胸を借りるつもりで、正々堂々と戦いたいです。
 今日のメンバーの中では、戦闘竜が結果出してくれました。お相撲さんにはありがちな、スタミナ不足を解消するために肉体改造もして。彼の相手には相撲対柔道とかプロレスラーとか、彼同様何か背負ったもののある選手を当てれば、テレビのの向こう側まで届くものがあるんじゃないかと思います。五味君の相手については、ブスカベで一般に届くか?と言う部分も含めて、また検討していきたいです。」

 

ドリームステージエンターテインメント "PRIDE男祭り2004 -SADAME-"
2004年12月31日(金) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ
(JR京浜東北・高崎・宇都宮線「さいたま新都心」徒歩すぐ/埼京線「北与野」徒歩7分)
開場・15:30 開始・17:30 (フジテレビ系 18:00〜23:40放送)(スカパー!Ch180 PPV生中継)

第11試合 PRIDEヘビー級GP決勝戦&ヘビー級統一王座決定戦 1R10分・2R5分・3R5分
エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッドデビル/王者)
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム/暫定王者)

第10試合 1R10分・2R5分・3R5分
ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー/ミドル級王者)
マーク・ハント(ニュージーランド/リバプール・キックボクシングジム)

第9試合 1R10分・2R5分・3R5分
五味隆典(日本/木口道場レスリング教室)
ジェンス・パルバー(アメリカ/チーム・エクストリーム)

第8試合 1R10分・2R5分・3R5分
ダン・ヘンダーソン(アメリカ/チーム・クエスト)
近藤有己(日本/パンクラスism)

第7試合 1R10分・2R5分・3R5分
ケビン・ランデルマン(アメリカ/ハンマーハウス)
ミルコ・クロコップ(クロアチア/チーム・クロコップ)

第6試合 1R10分・2R5分・3R5分
吉田秀彦(日本/吉田道場)
ルーロン・ガードナー(アメリカ/フリー)

第5試合 1R10分・2R5分・3R5分
滝本 誠(日本/フリー)
戦闘竜(アメリカ/フリー)

第4試合 1R10分・2R5分・3R5分
長南 亮(日本/フリー)
アンデウソン・シウバ(ブラジル/ムエタイ・ドリームチーム)

第3試合 1R10分・2R5分・3R5分
安生洋二(日本/フリー)
ハイアン・グレイシー(ブラジル/ハイアン・グレイシー柔術アカデミー)

第2試合 1R10分・2R5分・3R5分
ジャイアント・シルバ(ブラジル/フリー)
チェ・ムベ(韓国/CMA-KPW KOREA)

第1試合 1R10分・2R5分・3R5分
美濃輪育久(日本/フリー)
ステファン・レコ(ドイツ/ゴールデン・グローリー)


◆入場料金(全席指定・消費税込み)
VIP(ビップ 専用入場ゲート、グッズ付き)100,000円 完売
RRS(ロイヤルリングサイド)30,000円
スタンドS 17,000円
スタンドA 7,000円 完売

◆販売スケジュール
・特別先行電話予約 11月14日(日)10:00〜19:00
・一斉発売 11月28日(日)10:00〜

◆チケット発売所
DSE 03-5464-1531  
PRIDE オフィシャルサイト / 携帯端末オフィシャルサイト
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:594-700)
ローソンチケット 0570-06-3003(Lコード:30000)
CNプレイガイド 03-5802-9999  
イープラス eee.eplus.co.jp
楽天チケット
サンクス    
高田道場 03-5749-5030  
グレート・アントニオ 03-3219-9550  
レッスル池袋店 03-3989-0056  
書泉ブックマート 03-3294-0011  
フィットネスショップ格闘技 03-3265-4646  
チケット&トラベルT-1 03-5275-2778  
後楽園ホール 03-3811-2111
BCG 03-3560-7911
さいたまスーパーアリーナ 048-600-3037  
相鉄ジョイナスプレイガイド 045-319-2456  
公武堂 052-241-2511
バックドロップ 03-3255-8701
バトルロイヤル 03-3556-3223
新日本プロモーション
ときめきドットコム

◆お問い合わせ:ドリームステージエンターテインメント TEL:03-5464-1531

Last Update : 12/29 21:30

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