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(レポ&写真) [PRIDE-GP] 8.10 さいたま:桜庭、シウバに3連敗。ミルコ×ヒョードル実現へ弾み

ドリームステージエンターテインメント "PRIDE GRANDPRIX 2003 開幕戦"
2003年8月10日(日) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ  入場者数:40,316人(超満員札止め)

  レポート:井原芳徳  写真:井田英登  コメント編集:今野麻夕子,荷福晶
  【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板・PRIDEスレッド]

第7試合 PRIDE GPミドル級トーナメント1回戦 1R10分/2・3R5分
×桜庭和志(日本/高田道場/91.2kg)
○ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー/PRIDEミドル級王者/91.2kg)
1R 5'01" KO (右ストレート)


 桜庭は今村雄介とともに、プロレスの人気タッグチーム・ロードウォリアーズに似せたコスチュームで入場。桜庭は増量したこともあり、体格的にはヴァンダレイに劣らない。計量時点の体重は同じだ。
 静かに間合いを保つ両者。桜庭は低めの構えからアッパーやミドル、ヴァンダレイは突進し素早い左右のパンチの連打を放つ。緊迫した打撃戦と間合いの攻防が何度も繰り返される。
 桜庭は途中眉間から出血するが傷は浅くすぐ止まる。冷静さを保ち、動きに遊びはなく、着実に勝利に歩みを進めているかのようにも見えた。だが打撃戦になればムエタイがベースのヴァンダレイが数枚上手。桜庭が左ローで飛び込んで来たところに、ヴァンダレイは速射砲のように左右をワンツー。右ストレートが桜庭のアゴを撃ち抜き、桜庭は真後ろに吹き飛んだ。

 3度目の対決でも文句無しの勝利をおさめたヴァンダレイは「今日の勝利を二日前に生まれた息子に捧げたい」とマイクアピールした。一方自ら再々戦を志願し、「シウバ銀行に預けた貯金を返したい」と語っていた桜庭だが、単なる一敗以上の負債を抱える結末となってしまった。

◆ヴァンダレイ
(試合の印象は?)今日は桜庭も準備を万全にしてきたし、打撃で攻めてきてよかったと思う。
(危ない場面は?)バーリトゥードのグローブは薄いので顔面に当れば効いてしまう。なので顎に食らわないように気を付けていた。
(打撃で対抗するプランだった?)私は常に試合前に対策は考えないで試合中に考える。そうして神様のおかげで勝てた。
(ローキックにパンチを合わせたのも)いつも練習でやっている。ここにいる会長の元でやっているムエタイの技術だ。桜庭は毎回何をやってくるか分からないので、今回は長時間にも耐えられる様、フィジカル面に重点を置いて準備してきた。
(王者としてのプレッシャーはあった?)確かにあったが、逆に観客のエネルギーをもらっていい影響を受けることが大切だと思う。日本では母国で試合をしている感じがする。
(桜庭が今回負ければ引退の可能性もあると言われているが?)そんな事は考えて欲しくない。彼のことは尊敬しているし、選手のキャリアにはよくない時期もある。我々はランナーであり障害を乗り越えることが大切だと思う。危険な競技ですが。
(四度目の対戦の可能性もある?)彼のようなレベルの選手とやるのはいつも光栄に思っているし、マッチメークしていただければまたやってもいいと思います。
(息子さんの誕生は力になった?)20日の予定が8日に息子(タイカラニ)が生まれて驚いたが、いいモチベーションになった。
(準決勝に残った中で誰が強敵か?)どの選手もすばらしい強敵だと思う。みんなたくさん練習してくると思うが、自分はそれ以上やるので必ず勝ちます。今回(地上波TVで)同日放送になったことは選手にとっていいモチベーションになります。PRIDEをもっと多くの人に知ってもらいたい。

※桜庭はノーコメント

第6試合 PRIDE GPミドル級トーナメント1回戦 1R10分/2・3R5分
○吉田秀彦(日本/吉田道場/92.9kg)
×田村潔司(日本/U-FILE CAMP.com/87.2kg)
1R 5'06" 袖車


 田村は前の入場曲と似た新しい曲で入場。口の周りには無精髭をはやしている。吉田は道衣を着用。道衣を使っての絞めは可能だが、帯を使うのは反則となる。
 序盤、田村の鋭い左ローが吉田の左膝の裏側に当たる。打撃戦を嫌った吉田はローで突進するが、それに合わせた田村のカウンターの左フックが吉田の顔面に炸裂。吉田はダウン気味に倒れる。
 田村はチャンスとばかり一瞬上になろうとするが、寝技を警戒してか、立ち上がって一旦離れる。そしてアリ猪木状態からパスガード狙いのジャンプをし、再び上に。だがガードポジションの吉田が田村のグローブをつかんでしまう。田村が再び離れようとしたところで吉田がタックルの形で前のめりになり、田村が膝蹴りを放とうとするが、島田レフェリーは一旦ストップをかけ、グローブをつかんだ吉田を注意する。そしてブレイクをかけ、スタンドで再開させる。
 スタンドに戻れば、田村がハイ、ロー、ストレートと打撃を上下に散らし吉田を翻弄。がむしゃらにパンチで突進する吉田をかわし、ノーガードで挑発してみせる。3分過ぎ、吉田は田村の左ミドルを捕まえテイクダウンに成功するが、半身で倒れた田村はすぐに吉田のバックに回る。

 田村にまたもチャンスが訪れたかに見えたが、パンチを躊躇する間に吉田に片手を抱えられ、足のフックができず、その先の攻めができない。スタンドに戻ると、今度は吉田が田村の首を抱え込む。しかし極めには至らず、ヘッドロックの形となってしまう。頭を抜いた田村は、再びスタンド勝負で左ローを効かせ、左ミドル、右フックで吉田を苦しめる。
 吉田は雑ながらもパンチで果敢に突進。そしてようやくチャンスが訪れる。払い腰で田村を倒すと、ハーフガードの体勢に。すかさず田村の首に手を回し、ホイス・グレイシーを仕留めた袖車を仕掛ける。田村は苦しそうな表情を見せタップ。吉田がなんとか勝利をものにした。

 頭をマットに付け、無念の様子の田村を尻目に、吉田は飛び跳ねて大喜び。だが田村の左ローを何発ももらった影響で左膝を痛めており、我に返った吉田は突然苦痛の表情を見せマットに倒れる。準決勝に進む事はできたものの、残り3選手はヴァンダレイ、ジャクソン、リデルと、田村以上のハードストライカー揃い。リング上で応急処置を受ける吉田を見て、これからの苦しいファイティングロードを予感せずにはいられなかった。
※両者ともノーコメント

第5試合 ヘビー級スペシャルマッチ 1R10分/2・3R5分
○ミルコ・クロコップ(クロアチア/クロコップ・スクワッド/103kg)
×イゴール・ボブチャンチン(ウクライナ/フリー/98.5kg)
1R 1'29" KO (左ハイキック)


 12センチ背が低いボブチャンチンの頭上を、ミルコの左ハイがかすめる。ボブチャンチンが右フックを振れば、ミルコがすかさず懐に入り込み突き放す。ミルコの華麗な動きに、超満員の会場はどよめく。ボブチャンチンも右ミドルを当てる場面があったものの、次第に打撃が空を切る場面が増える。ミルコの左ストレートでボブチャンチンは左眉を出血。そしてミルコは少し距離を取ってから左のストレート2発を叩き込み、ボブチャンチンが体勢を建て直し息をつく間もなく、ムチのように強烈な左ハイキック。首筋にもろにもらったボブチャンチンは棒のように真横に倒れノックアウトし、さらにミルコがパンチを叩き込んだところで島田レフェリーが試合をストップした。
 ヒョードルがリングサイド席で見つめる中、圧倒的な強さを見せつけたミルコ。マイクを持ち、ヒョードルとのタイトルマッチを希望した。ヒョードルが左の拳を痛めたため、11月の東京ドーム大会で行われるかはまだ不明だが、実現に向けての機運が一気に高まったことだけは確かだ。

◆ミルコ
(試合の感想は?)ダメージは全くなく、コンディションもよい。勝ててうれしい。
(ボブチャンチンの印象は?)本当のファイターだと思う。男らしくてとても強かった。最後に私が勝ったので予定通りだった。(本当のファイターとは?)テクニックも必要だが、一番大切なのは心が強いこと。
(完璧な勝ち方だった?)全部の試合で相手を分析し、作戦を決めて、準備をして戦うだけ。
(ヒョードル戦のビジョンについて)一番の強敵で腕が強い。まだ見せていないテクニックもあると思う。グランドに付き合わず、得意の打撃を最大限に生かせるような作戦に忠実に戦えるようにトレーニングする。
(K-1とPRIDEの比重は?)これから1週間ゆっくり休んでからK-1のことを考える。

◆ボブチャンチン
(意識ははっきりしてる?)大丈夫。
(今回の試合の対策は?)ミルコ戦にむけて、相手に合った練習をした。
(あえてスタンドで勝負していたようだが、これも作戦?)よくわからないが、スタンドで打ち合いたいと思っていた。
(ミルコの印象は?)大変強い選手。試合にむけて正しい作戦を練ってきていて、すばらしい技術を持っている。
(最後のハイキックは?)見えなかった。ショッキングな打撃だった。それを防御できなかったのは自分のミス。
(ヒョードルがもしミルコと戦ったらどうなると思う?)ヒョードルがとても強い選手だということをよく知っているので、彼が勝つと思う。

第4試合 ヘビー級スペシャルマッチ 1R10分/2・3R5分
○アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップ・チーム/106kg)
×リコ・ロドリゲス(米国/チーム・パニッシュメント/119kg)
判定3-0


 00年のアブダビコンバットの再戦。その時はリコが膝十字固めで勝利している。106kgのノゲイラに対し、リコはUFCで戦っている時よりも増量し119kg。ヘビー級では15kg差がないと4点膝の選択権が発生しないため、4点膝ありの試合となる。
 「リコの方が体が大きいので、下になることを避けたい」と語っていたノゲイラは、プラン通り序盤から上になることに成功。だがハーフガードから首を抱えようとしたところで、リコがリバーサルに成功する。結局ノゲイラが上になったのは最初のこの場面と2Rの中盤の一瞬のみ。その2Rの場面の直後も上をキープできず、すぐリバーサルされてしまっていた。
 3R終了まで大半の時間ガードポジションを強いられたノゲイラ。だが腕十字、オモプラッタ、アームロック等、チャンスの多かったのはノゲイラの方。逆にリコはほとんどパンチを落とせず、最後まで攻めあぐねる。ルール上、10kg以上の体重差が判定基準の一つとなっていることも作用し、ノゲイラが文句無しの判定勝利。アブダビの借りを返すことに成功した。
 だがノゲイラのプライドからすれば、一本勝ちでリベンジしたかったところだろう。そしてヒョードルとミルコが同じ大会で豪快なKO勝ちでインパクトを残したことを考えると、ヘビー級のタイトル戦線から一歩後退してしまった感は否めない。

◆ノゲイラ
(試合の感想)寝技ならもっといい試合ができた。リコは立ち技に逃げた。リコがポイントを稼ぐために寝技を避けたのでいい試合ができなかった。
(ヒョードルやノゲイラの試合を観て研究して、ポイントを稼ぐような戦い方をしたのでは?)その作戦は観客にとって綺麗ではない。自分は立ち技を練習していろいろな技を身につけて、良い試合を見せたい。ブラジリアン・トップチームでは相手を極めることを目標にしている。
(試合中は常に自分が優勢だと思って戦っていた?)下にいたが、ずっとチャンスをうかがっていた。
(判定勝ちについて)私の方がアグレッシブだったので勝ったと思っている。リコは元UFCチャンピオンで強い相手だったので、研究していたと思う。
(ミルコの試合について)観ていない。(ミルコについて)とても危険な選手。速くて強いが、寝技なら自分の方が上だと思う。(ミルコがタイトルに挑戦することについて)今、スターになっている選手。2ヶ月前までミルコと戦うと思っていたがリコだった。いずれ戦うことになると思う。
(ブスタマンチの試合の感想)1Rは勝っていた。2・3Rは互角。でもすばらしい勝利だったと思う。ブラジリアン・トップチームの寝技が最強だと証明できたと思う。

◆リコ
「警察がどこにいるか知りませんか?盗みに入られたんですけど。(試合の感想は?)わかりません。あなたはどう思いますか?今、盗みに入られた警察がどこにいるか知りませんか?(何を盗まれた?)勝利を盗まれた。観ませんでしたか?私が勝った試合だった。
(ノゲイラの印象)2週間前に決まった相手で、コンディションも悪かった。2Rでノゲイラは疲れていて、ヒザが効いていて吐きそうになっていた。絶対に自分が勝っていると思う。
(ジャクソンも「リコが勝っている」と言っていたが?)この試合で私が負けてノゲイラが勝っていると思っている人がいたら、ここに出てきてほしい。この試合を観た人はだれが勝ったかわかっていますよね?ノゲイラの名前が呼ばれたときははなんてことかと思った。高田道場に属していれば勝っていたかもしれない。(マイクを投げ捨てて退場)」

第3試合 PRIDE GPミドル級トーナメント1回戦 1R10分/2・3R5分
×ムリーロ・ブスタマンチ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム/UFCミドル級王者/90.8kg)
○クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン(米国/チーム・オーヤマ/92.8kg)
判定1-2


 欠場のアローナをセコンドに従えブスタマンチ登場。体重はリミットの93.0kgからさほど軽くない90.8kg。背もジャクソンより高く、意外と体格負けしていない。1R前半は下からの腕十字とギロチンで攻勢。だが極まりが浅く、ジャクソンに持ち上げられ叩き潰されてしまう。やはりパワーではジャクソンが上か。
 5分過ぎからはスタンドの静かな打撃戦と、ブスタマンチのグラウンドへの引き込みが交互に繰り返される。グラウンドになってもすぐにジャクソンが立ち上がり、ブレイクがかかる場面が多い。グラウンドが続いた場合も、ファビアノ・イハから柔術を学んだジャクソンはしっかり防御。ブスタマンチに極めさせない。結局3Rまで同様の展開が続き、両者決め手のないまま試合終了。急遽出場のブスタマンチが本領を十分発揮できなかったのはもちろんだが、ジャクソンにとっても相手が変わったことで作戦を組み直さざるをえず、戦いにくい試合だったようだ。

 判定は必ずどちらかに軍配を上げないといけない「マストシステム」が採用されているため、和田とヒュームはジャクソン、三宅はブスタマンチと評価が二分。ジャッジ泣かせの試合だったことを伺わせる。会場からは1Rに極めのチャンスのあったブスタマンチが勝ちとならなかったことに対し、ブーイングが巻き起こる。だが2・3Rと試合が進むにつれ、ジャクソンの打撃を数発もらったブスタマンチが、引き込みのふりをして自ら寝転ぶ場面が多かったようにも感じられた。積極性の紙一重の差が勝敗を分けたともいえよう。
 しかしよくよく考えてみれば、トーナメントという重大なイベントに、通常のワンマッチと同じ判定システムを採用すること自体に問題はないだろうか? K-1グランプリのように延長戦を設けるのも一つの策だろう。11月の決勝戦で何らかの改善がされることを期待したい。

◆ジャクソン「自分が経験した中で一番タフな試合だった。ブスタマンチは全てにおいて手強かった。今日のパフォーマンスはよくなかった。準備期間がなかった。ずっとアローナとの対戦を想定して練習してきた。1Rは彼が優勢だった。まだ彼のスタイルに慣れていなかったからだ。2、3Rは慣れてきて自分が取ったと思った。試合後のブーイングは気付かなかったが、僕が負けたと思ってしたのかもね。それよりリコとノゲイラの試合の方がブーイングだろう。誰が見てもリコが優勢だったのに。今日は試合の勝利は嬉しくない。(と水を飲んでゲップをして帰る)」

◆ブスタマンチ「とてもハードな試合だった。体も万全ではなかった。(短い準備期間で対戦を承諾したのは?)アローナ欠場の難しい状況の中で、トップチームの責任、誇りがあった。日本の皆様にもアピールするいい機会だし、神様に与えられたものだからだ。
(UFCのタイトル防衛戦は)プライドとの契約問題もある。自分はお金の問題でなく強い相手と戦うために日本でやりたい。今回が初めてだがこれからも応援してほしい。
(試合後流した涙は)困難な状況の中、GPを戦い終えて感極まった。」

第2試合 PRIDE GPミドル級トーナメント1回戦 1R10分/2・3R5分
×アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー/90.2kg)
○チャック・リデル(米国/ピット・ファイトチーム/UFC代表/92.9kg)
1R 3'09" KO (左フック)


 リーチのあるアリスターが膝とパンチで攻勢。左ストレートをもらったリデルは右眉を出血してしまう。リデルはなんとかテイクダウンに成功し、四点ポジションとなるものの、アリスターは長い手を伸ばしてリデルの膝を封じ込め、スタンドに戻すとまたも打撃で優位な展開を続ける。
 だがリデルは「アイスマン」のニックネームどおり冷静。後退気味になりながらもチャンスを待ち続ける。そしてアリスターが体力切れを起こし、攻めが雑になったとみるや、突き放して右フック二発。さらに「効いてないぜ」とばかりアリスターが作り笑いをした隙を逃さず、腰の入った強烈なブーメランフックを側頭部に一撃。最後はグロッキーになったアリスターをロープに追い詰めパンチを連打し、左フックでノックアウト。リデルは技術の高さはもちろん、ベテランならではの勝負強さも存分に発揮した。

◆アリスター「(試合の印象は?)すごいがっかりしている。こちらからの攻撃もかなり強くきめていましたが、ラッキーな一撃でやられた。(あの少し前から疲れたように見えたが?)体は熱くなっていたが、疲れてはいなかった。チャックはスタンドで戦いたかったが、自分の方が優勢だった。彼の頭の傷はパンチか膝で作った。さらにそこを攻撃しようと思いました。一言いわせてください。自分は3年間負無しなんです。そして今回負けました。もっとよくなって、強くなって必ずカムバックします。まだ23才です。練習して必ず帰ってきます。期待していてください」

◆リデル「(狙い通り?)これは戦争になると思いましたし、そうなりましたが、自分が勝ちました。押して押して押しまくる試合をしようと思った。(アリスターがラッキーパンチで負けたと言っていたが?)どんなパンチでもラッキーパンチになりうる。ファイターでやっていれば常に起こることなんです。(途中までアリスターをやりずらいと思った?)特にやりにくいタイプではないが、背が高いし苦しい戦いになるだろうと思った。
(次に戦いたいファイターは?)何年もシウバともやってないので決勝であたれればいいと思う。(ジャクソンはやりにくい?)誰に対しても恐いとは感じません。(勝敗を分けたものは?)はっきりとは分からないいが、私の全ての練習、今までの経験、そういった全てのファクターを含めてだと思う。彼は若いしこれから経験を積むだろう。」
(インタビューが終わった時、アリスターが入ってくる。「ラッキーなやつ。このハンマーを受け取ってくれ。」と小型ハンマーを渡して互いに笑って握手)

第1試合 ヘビー級スペシャルマッチ(ノンタイトル戦) 1R10分/2・3R5分
○エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/ロシアン・トップ・チーム/PRIDEヘビー級王者/104kg)
×ゲーリー・グッドリッジ(トリニダード・トバゴ/フリー/110kg)
1R 1'09" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 開始すぐからグッドリッジのお株を奪うような剛腕パンチでラッシュをかけるヒョードル。組み付いてグッドリッジをリング中央に引っ張り、膝を効かせてからテイクダウンに成功すると、トップポジションからパンチの雨を降らす。 弱ったグッドリッジが足を開いた隙にサイドに周り込むと、立ち上がってサッカーボールキックを連発し、最後はパンチを連打したところでレフェリーストップ。非情なまでの実力差を発揮し、王者の貫禄を示した。
 一方かつての「PRIDEの番人」は、何もできずに完敗。同様に過去に最強とも言われたボブチャンチンの完敗も合わせて考えると、総合格闘技界の時代の移り変わりの速さを感じざるをえない。

◆ヒョードル
(試合の感想)試合はとても早かった。元から試合が始まってからテンポが速い試合をゲーリー選手に感じてほしかった。今回それを伝えることができて、このような試合運びができた。
(打撃の展開は予想通りだった?)打撃だけでなく寝技の練習にも力を注いだ。ゲーリー選手のビデオを観てコーチと研究した結果、ゲーリー選手よりも自分の打撃の威力が強くて速いことがわかったので、打撃でいこうと思った。
(スタンドでのKOを狙っていた?)試合の状況でどれが有効かを決めた。今回は打撃が有効だと思った。
(チャンピオンなのに第一試合で戦うことはどう思うか?)PRIDEの興行者が決めたことで、自分の試合がメインでないということ。GPの幕開けとしていい試合になるだろうということで選ばれたのだと思う。
(ノゲイラやミルコも今日試合をしたが、負けられないという責任感はあったか?)常に自分の国やコーチにプライドを持っている。そのようなみなさんのために責任を持っているので、気持ちは変わらない。

(プレッシャーは感じた?)ノゲイラ戦の前の方がプレッシャーを感じた。チャンピオンになってからは試合が連続しているので疲れている。家族のところで休みたい。
(ミルコが快勝したらタイトル戦でミルコと対戦する可能性もあると榊原社長が言っていたが?)初めて聞いた。チャンピオンになってから3回連続試合をして体の不調があるので、体を治してからのぞみたい。
(ミルコ対策は?)打撃と寝技をまんべんなくトレーニングする。
(コーチの方は?)サンボと柔道トレーナーのボロノフ・ウラジーミルで、自分が幼少のときからずっと見てくれている。

◆グッドリッジ
「ヒョードルがパンチを出してくるとは思っていたが、それはテイクダウンのためで、少しだけパンチをしてくると思っていた。しかも重く、あれほど正確に来るとは予想していなかった。昨年私はK-1で試合をしていて、打撃には自信があったのに。今回はヒョードルが強かった。
(いつ引退する?)近い将来に引退するつもりはない。現在37歳だが、自分のスキルが向上していて、試合をするたびに良くなっている。ただ、今回は残念ながらそれをうまく見せることができなかった。勝つこともあるし負けることもある。試合に出られることがうれしいし、愛してやまないことなので、引退することはまだ考えていない。
(9月にアメリカで総合の試合があるが、気持ちの切り替えは?)すぐできるが、今のところ決まっていない。自分はPRIDEやK-1や新日本プロレスで試合をしているが、交渉があれば出るかもしれない。マーク・ケアーと戦う予定だったが今はどうなっているかわからない。「ラストマン・スタンディング」というイベントで、9月から10月に延期されたと思う。最終決定されていない。」

Last Update : 08/11

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