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[Dynamite!!] 12.31 大阪:「ナメるなよ紅白」谷川P、視聴率戦に自信

FEG "Dynamite!!" 2006年12月31日(土) 京セラドーム大阪 【→カード&チケット】 [BBS:K-1ヘビー/MAX/HERO'S]


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(12/30 up) 大阪市内のホテルで30日、本戦出場全26選手を集めての前日記者会見が開催された。粛々と明日への意気込みを語る選手達の中で、異彩を放ったのはやはり大会中最高の異色カードに臨むボビー・オロゴンだった。黒のシルクハットに燕尾服をまとって登場したボビー(185cm)は、チェ・ホンマン(218cm)と対面。33センチの身長差は到底同じリングに上がる選手とは思えないコントラストを描き出したが、ボビー当人はいつも通りご機嫌で終止笑顔を絶やさなかった。
 コメントを求められると、「今回はすーごくでかい山なので、リングの上で倒れるのか、大阪で食い倒れるのか楽しみにしてもらいたいと思います」とネタ発言を披露。さらに焼き肉屋で習ったという韓国語「カニサハムニダ(ありがとう)」を意味なく付け加え、場内の爆笑を誘った。
 また、ボビーと兄弟出場を果たすアンディも「僕ら二人(対戦相手の金子賢)はどっちも試合に勝った事が無いので、お互いの“傷を舐め合って”頑張りたいなと思います」と兄譲りの迷回答を披露。若干台詞を忘れて言葉に詰まるシーンも見られたが、兄弟揃ってムードメーカーとなっていた。

 続いてマイクを取ったのは、K-1ルールマッチでのメインを務める事になる魔裟斗。Dynamite!!参戦決定以来猛威を振るい続けている毒舌で、“代役”鈴木悟を猛襲。「明日は蹴って蹴って蹴り倒したいとおもいますので、鈴木選手は松葉杖を持って入場してください」と威嚇する。それに対しボクシング元日本王者の鈴木も笑顔で応戦。「魔裟斗選手は蹴りまくってくるそうなので、自分は殴って殴って殴り倒したいと思います」。魔裟斗にも引けを取らない甘いルックスながら、ハートでは位負けしないとばかりに舌戦を受けて立っていたのが印象的だった。

 全選手のコメントを受けて谷川貞治FEG代表は、オールスターが勢揃いした風景に感無量という表情を見せ「世界広しといえどもこれだけ多彩な選手が揃った大会は無いと思います。K-1ヘビー級のチャンピオンが居ます。MAXのチャンピオンが居ます。HERO'Sのミドル級、ライトヘビー級のチャンピオンが居ます。それからオリンピックの金メダリスト、銀メダリスト、大相撲の横綱、柔道のチャンピオン、ボクシングのチャンピオン、プロレスラーも居ますし、フリーターも居ますし、養護施設の先生も居ます。ホントに多彩なメンバーが揃ったなと思います。今年はNHKさんが『民放にライバルは居ない』とおっしゃってるようですが、これだけのメンバーが揃って、『舐めるな紅白』という感じでいい視聴率を取りたいと思います」と気勢を上げた。

 会見後の囲み取材でも、やはり気になるのは視聴率の事らしく「瞬間視聴率で言えばボビーvsチェ・ホンマンだと思いますよ。曙vsジャイアント・シウバ、金子賢vsアンディ・オロゴンがポイントになると思います。放送順はどうなるかわかんないですが。現場で良かった試合と、裏の紅白の流れを見ながら現場でTBSの人が考えて行くと思いますが。平均も桜庭vs秋山、魔裟斗、KIDとありますんで高いと思いますし、放送の中でも隠し球がありますんで期待してください。目指すは平均視聴率で過去最高。だから21%以上ですね。瞬間最高視聴率は、このラインナップの中でどっかに神が舞い降りれば、抜きたいなと思います」と、対紅白を強烈に意識した発言に終始。乱立する大晦日の格闘技中継の中で、唯一の地上波全国ネット放映の番組だけに、この結果が来年の格闘技界の行方を左右するといっても過言ではない。
 果たして勝利の女神が、谷川Pの頭上に降り立つ光景は見られるのだろうか?

サプライズマッチは、K-1王者今年10戦目の出撃

 いよいよ本番を前日に迎えた今日、さらに13試合目となる追加カードが発表された。なんと今月2日にK-1ワールドGPを制したばかりのセーム・シュルトと、ピーター・グラハムのK-1マッチというサプライズカードだ。シュルトは昨年の初戴冠からコンスタントに試合を重ねており、今年2006年は7大会9試合をこなす獅子奮迅ぶり。主催者側ではK-1ヘビー級マッチの目玉カードを模索し、ジェロム・レ・バンナに参戦を打診したが、当人が辞退したため急遽シュルトにお鉢が回った。当人はクリスマス休暇で海外でのホリデーを過ごしていたというが、この緊急オファーを快諾したという。まさに難攻不落の鉄人ぶりを見せる大巨人は、今年の締めくくりにふさわしい試合を見せられるだろうか。

 大会の模様はTBS系列28局で当日18:00〜23:34に放送。当日券は12時より、会場チケット売り場で全席種が販売される。(井田英登)
 

これもK-1プレミアム? 魔裟斗毒舌全開

(12/27 up) 魔裟斗が27日、東京・三軒茶屋のシルバーウルフジムで試合に向けての意気込みを語るとともに、練習の一部を公開した。
 対戦相手が同じボクサーでも元WBA王者のチェ・ヨンスから、元日本ミドル級王者の鈴木悟に急遽変更。魔裟斗は「11/20頃からコンディションを整えて来ていたので、試合が無くなるのが嫌だった。無くなるよりはいい。前の俺なら『じゃあやんない』てなっていた。ここで気持ちが負けたらダメ」と話し、モチベーションは維持できているようだ。
 試合1週間前を切り、練習はペースダウンし、疲れを抜く段階に入ったが、ボクサー対策はそのまま活かせる。入念なマッサージとシャドーボクシングの後に見せた2Rのスパーリングでは、パンチ主体のパートナーに対し、相手のステップを殺すローはもちろん、腕を潰すミドル、距離を取るための前蹴りを着実に当てて行く。その動きの一つ一つの切れ味は良好。今回の試合を「消化試合」「顔見せ」とうそぶいたが、自分の価値を下げる中途半端な試合を見せる気はさらさら無い。
 いつもよりリラックスして臨める試合のせいもあってか、リップサービスは毒が濃く自由奔放だ。魔裟斗とのパンチ戦に自信を示す鈴木に対し「スネの硬いところで思いっきり蹴飛ばす」「正月歩けないようにしてやる」「スパーをやったことがあるけどパンチだけでボコボコにしてやりました」「ハエが止まるようなパンチなんか当たるか」等と過激な言葉を連発する。
 「ヨンスのような相手とやるのは大晦日だけ。来年からはトーナメントに向けてちゃんとした試合をします」とも話すが、プレッシャーが無くのびのびした魔裟斗を見られるのは貴重。Dynamite!!ならではの“K-1プレミアム”も、たまには悪く無い。(井原芳徳)
 

元気、入場スケールアップ

(12/26 up) 須藤元気が26日、東京のスクランブル渋谷にて公開練習を行った。内容は3分2Rのグラップリング。飛びつき三角絞めを2度極め、パッと見、元気ワールド健在だが、ヘルニアの影響で完治しない首を気遣う様子が、動きの節々から伝わってくる。
 本人の口からも「正直、無理しないようにスパーをやった。5・6割の力しか入れていない」「背中からドンと落ちた時に少し響いた」と心配なコメントも。相手のジャクソン・ページの試合映像は確認済み。「思いっきりアグレッシブに来る。うまく歯車を崩して戦えれば」と話した。
 とはいえ入場パフォーマンスの方の元気ワールドは今まで以上のスケールになりそう。テレビ中継枠が5時間以上もあるため、普段はカットされる入場もノーカットで放映されるとにらみ、最初から最後まで手の込んだ演出を施す。昨日はダンスを5時間練習し「中抜けをして試合の練習をしていた」ほど。たまたま昨日がそうなっただけとはいえ、入場への熱の入りようが伝わってくる。
 テーマは古代マヤ文明。「色々研究するうち、人類の秘密は古代マヤにあることがわかった。オカルトではない」「メキシコのネイティブをイメージし、モンゴロイドを表現できれば」と話した。(井原芳徳)

魔裟斗の相手変更。ペタスK-1復帰戦

 魔裟斗と対戦予定だった元WBA世界スーパーフェザー級王者のチェ・ヨンスが、練習中に負傷し左太腿外筋部分断裂と診断されたため欠場する。代わってボクシング元日本ミドル級王者の鈴木悟が魔裟斗と対戦する。契約体重は73kgとなる模様。
 さらにK-1ルール・バダ・ハリ vs. ニコラス・ペタス、HERO'Sルール・石澤常光 vs. 金泰泳が決定。ペタスは02年6月に右スネを骨折して以来のK-1参戦。昨年10月にオランダで復帰戦を行いKO勝ち。今年9月のHEAT名古屋大会でもKO勝ちしている。来年のワールドGPに向け、今年ベスト16のハリとの一戦が試金石となる。
 

KID、キック形式のスパーで健在アピール

(12/26 up) 山本“KID”徳郁が25日、東京・白金のKILLER BEEにて公開練習を行った。
 内容はキックボクシング中心での4分2Rのミット打ち。サウスポーの構えから放たれる左のミドル、ローは、軸がぶれずタイミングも狙い所も正確。ミット持ちのタイ人のパンチの動きをかわしてフックを叩き込む動きも素早い。レスリングの練習と裸の肉体は見られなかったが、レスリングに専念したからといって、総合ファイターとしての技能は簡単には落ちない。
 「相手(イストバン・マヨロシュ)は金メダリスト。ハンパじゃない」「ナメてはいない。何が起こるか分からないのが総合」としつつも、「相手は俺のビデオをみて、行けると思ったみたいだけど、ナメている」「総合の厳しさを教える」「1Rで終わらせる」と豪語。畑の違いを印象づけたい考えを示した。(井原芳徳)

ホンマン、ボビーと総合戦|須藤の相手決定

(12/19 up) チェ・ホンマンとボビー・オロゴンがHERO'Sルールで対戦することが決まった。
 ホンマンは総合ルール初挑戦。総合の練習もしたことが無く、これから準備するが「シルム(韓国相撲)時代、ほとんどの選手が私を倒すことができなかった」「オープンフィンガーグローブは付けたことが無いが、大きな手で相手をつかめるので自分に向いている」と自信を示す。
 12/2のK-1ワールドGP決勝戦のリザーブファイトにエントリーするも、左腿の血腫の除去手術のため欠場。「いいコンディションとはいえないが、Dynamite!!には出たかった」という。「勝敗はさほど重要じゃ無い。面白い状況を見せたい」「入場では須藤元気に負けないショーを考えている」と余裕の構えだ。
 巨大なホンマンを前にし、ボビーは「ワニ川(谷川貞治FEG社長)は殺す気か」と不安を口にする。谷川氏は囲み取材で「さすがのボビーも緊張して、ギャグが滑ってた」「体格差を見た限り、安全には気を付けないと」と話す。
 「Dynamite!!を6年やって、これ以上変なカードはできない。来るところまで来た」「大会の目玉になる。亀田の世界戦を超える視聴率を取りたい。40%を超えたい」とマッチメイクに自信の谷川氏。その思惑どおりとなるか?(井原芳徳)

須藤元気「テーマは次元上昇」

(12/18 up) 須藤元気の対戦相手が、アメリカから初参戦のジャクソン・ページに決まった。試合形式はHERO'Sルール5分3R。ページはアメリカの名門・ジャクソンズ・サブミッションファイティング所属の24歳。金網総合大会・WEFのウェルター級王者で、総合戦績9戦7勝2敗。11月のS-CUPに参戦し、一回戦で緒形健一からダウンを奪っている。
 須藤は18日、谷川貞治FEG社長とともに、六本木ヒルズで行われたYahoo!ライブトークに出演。3月に再発した椎間板ヘルニアが完治していないが「お祭り的なイベントなので出たいと最後は自分からお願いした」と決意を示す。対戦相手の動画は観ていないが「写真は見た。タトゥーがカッコいい」「相手の強く無いところを攻めるのが戦略の第一」と話した。
 谷川氏は「詳しくは言えないけど、期する所あって、凄い決意で試合に臨むと聞いている」と明かす。元気は「来年はバックパッカーになる」と話し、終了後の囲み取材でも「お遍路を経験して、人間の成長を感じた。僕のエーテル体はもう世界中を旅しているけど、肉体も行ったほうがいい」「三次元から四次元に次元上昇するのが今回のテーマ」と、謎のコメントを残した。(井原芳徳)
 

武蔵の相手決定

(12/16 up) 武蔵が砲丸投げ韓国記録元保持者のランディ・キムと対戦することが決まった。試合形式はK-1ルール・3分5R。

 ランディは1975年3月25日生まれの31歳。今回が格闘技デビュー戦。9月に破られるまで砲丸投げ韓国最高の18m47cmを記録。6月に引退しK-1転向を表明。8月から大阪の正道会館の金泰泳コーチの元で、チェ・ホンマンらとキックボクシングの練習を始めた。K-1以前の格闘技の経験は無し。身長195cm、体重113kg。キックの練習をするうち、15kg減量したという。なお、正道会館所属の武蔵とは練習チームと練習時間が別で、肌を合わせたことは無いという。

 東京全日空ホテルで15日、両選手は記者会見。ランディは「砲丸投げで培ったパワーをいかにパンチに乗せて的確に当てるかを見せたい」とパンチ力に自信。谷川貞治FEG社長によると、金泰泳も「キムのパンチ力は半端じゃない」と話しているという。
 とはいえ練習を始めて4か月程度で、いきなり武蔵戦は荷が重い。ランディ本人も「とても有名な選手と戦う事になり、プレッシャーを感じている。自分なりに納得いく試合をしたい」と謙虚に抱負を語り、「力だけでは決して勝てないスポーツだとはわかっている」と冷静だ。
 しかしこの試練もK-1サイドの期待の現れ。谷川氏は「武蔵選手にも佐竹選手にもデビュー戦でトップ選手を当てたのが昔からのK-1の方針」と説明。ホンマンに続くアジア発のK-1スター誕生を期待していた。

 胸を貸す立場の武蔵だが、今年4戦全て黒星。12/2のK-1ワールドGP決勝戦のリザーブファイトでは、アーツにパンチでKOされた。1か月も試合間隔が無く、脳のダメージの残存が心配だが、谷川氏は「MRI・CT検査をしたところ、全く異常は無かったが、そのことも考慮して相手を決定した」と釈明する。
 本格的な調整にまだ入っていない武蔵だが、「アーツ戦までにやってきた(練習の)貯金がある」と問題無さげ。とはいえランディのことを「パワーはあると思う」と評し、「初心者とはいえ、全く油断はしていない」と話す。そして「最近の僕は人に言われて、倒しに行くことを意識し過ぎて、自分の持ち味が消えていた。自信を無くしているところも多少ある。今回は自分の動きを取り戻すことを重視したい。堅く勝ちに行く」とも語り、再起への足がかりにしたい考えを示した。

 
桜庭&秋山、試合前に微妙な心理戦

 大みそかの対戦を控えた桜庭和志と秋山成勲が、東京・六本木のK-1ジムで連日公開練習を行った。桜庭は道衣を着た状態でスパーリングを行い、道衣を脱いで相手に巻き付ける等、奇想天外な技を披露。秋山は桜庭のタックルを意識してか、組み付き際や離れ際でパンチを狙う動きを度々見せた。
 桜庭は「相手のビデオはまだ見ていない」「試合はやってみないとわからない」「作戦は秋山選手と体が接触してから考える」とコメント。秋山も「自分の練習が大事。研究しても、試合で有効になるかはわからない」と語り、相手についての特別な研究はしない考え。
 だが秋山にボクシングを指導する山田武士トレーナーは、秋山に頼まれて桜庭の公開練習を偵察。桜庭も試合で道衣は着ないと言いつつも、道衣を着て公開練習を行い、相手陣営をかく乱しようとする。
 山田氏は「試合で桜庭選手が実際ああいう動きをするかはわからないけど、桜庭選手の世界観が見られて面白かった。今日の空気感を秋山に伝えたい」と発言。微妙な心理戦は、試合にどう影響するか。(井原芳徳)
 

総合ルールで金子賢×アンディ・オロゴン

(12/13 up) 元俳優・金子賢の対戦相手が、ボビー・オロゴンの弟のアンディ・オロゴンに決定した。ルールはHERO'Sルール。金子は昨年大晦日のPRIDE男祭りの瞬間最高視聴率を獲得しており、今年も高視聴率を期待されての出場となる。
 東京全日空ホテルで13日に行われた会見で、谷川貞治FEG社長は「二人とも等身大の実力がわかる試合。第1、第0試合といった扱いになるが、勝負論としては他の試合に負けない」とこの試合を評価する。
 金子は実力差の大きい相手との試合が続いたとはいえ2連敗中。「ラストチャンスの気持ちで頑張る」と決意を表明した。
 ファッションモデルをしていたアンディは9月のK-1 MAXでプロ格闘家デビュー。「正直、前回負けた時、もう(K-1系大会での)試合は無いと思っていた」「オファーの段階ではK-1ルールと思い込んでいた」ことを明かし、今回のマッチメイクについても「枯れ木も山のにぎわい」と自嘲する。練習はキックボクシングがほとんどで、寝技はGRABAKAの一般クラスでかじった程度だという。総合は最初で最後のつもり。「寝技よりも打撃を磨く。組まれないよう、遠くからの打撃でうまく戦えれば」と話した。
 兄・ボビーの参戦も決定。谷川氏は「近日中に凄い面白いカードを発表する」と予告している。(井原芳徳)
 

KID、アテネ五輪グレコ金メダリストと対戦

(12/11 up) レスリング・フリースタイルで北京五輪出場を目指す山本“KID”徳郁がDynamite!!に参戦し、2004年アテネ五輪レスリング・グレコローマン55kg級金メダリストのハンガリー人・イストバン・マヨロシュ(Istvan Majoros)とHERO'Sルールで対戦することが決まった。
 マヨロシュは1974年7月11日生まれの32歳。KID同様北京五輪出場を目指す。レスリング・データベースによると、今年から60kg級に上げ、3月のワールドカップ・ハンガリー大会で優勝。4月のヨーロッパ選手権は5位、9月の世界選手権では15位の成績を残している(マヨロシュのデータはこちら)。
 KIDと谷川貞治FEG代表は11日、東京・日比谷の帝国ホテルで記者会見。谷川氏は当初、J.Z. カルバンとのHERO'Sミドル級新旧王者対決を計画したが、カルバンの10月のHERO'Sでの左拳の負傷が十分に治らなかったため断念。そこで世界中の関連プロモーターに柔道とレスリングの五輪メダリストを打診したところ、K-1の東欧のプロモーターから「『俺は自信ある』と言っている金メダリストがいる」とマヨロシュを推薦されたと説明する。詳細は不明だが、総合とボクシングの練習経験はあるという。
 KIDは7月に五輪挑戦を表明。第一関門となる来年1月26〜28日の天皇杯を前に怪我の不安もあるが、KIDは「まあ、ノリなんで。出たいから出るだけ。天皇杯に勢い付けたいんで」「レスリングの練習にも慣れてきた。レスリングのパワーがついてきたので、試合で試したい」と話し、今回の試合への強い意欲を示した。
 レスリングの練習の合間も、たまに打撃の練習はしていたというKID。「グレコの金ってことで、組んだ時にどれだけパワーがあるのか楽しみ」と語るが、「レスリングじゃないから。総合だから」とも話し、特段組技・寝技に固執する考えは無く、打撃戦にも前向きだった。
 マヨロシュ戦の契約体重は65kg前後を予定。両選手とも種目は違うが、今は60kg級の選手。身長はKIDが163cm、マヨロシュは165cmで、ほぼ同体格となる。(井原芳徳)
 

所×ホイラー、永田×勝村、曙×シルバ決定

(12/8 up) Dynamite!!のカード発表記者会見が8日も行われ、HERO'Sルール5分3R・所英男 vs. ホイラー・グレイシー、永田克彦 vs. 勝村周一朗、曙 vs. ジャイアント・シルバの3試合が新たに発表された。

 Dynamite!!初出場の勝村は、所、小谷直之と並ぶZSTの主力選手。児童養護施設で働いていることから「リアルタイガーマスク」がニックネーム。仕事の様子がNHKのサンデースポーツでも取り上げられたことがある。
 勝村は「正直オファーには驚いていますが、鎌倉児童ホームと全国の養護施設の子供達に勇気を与える試合ができればと思い、この試合に挑みます」と抱負を語った。

 無差別級の曙×シルバを除き、いずれも契約体重は未定だが、永田はHERO'Sミドル級(70kg)での活動を視野に入れ今回は減量。「シドニー五輪(レスリング・グレコローマン競技)の69kg級で銀メダルを取った時のポテンシャルが発揮できる」と話す。逆に自分より大きい相手との対戦となる勝村は「今は63-64kgぐらいです。体重のことでも悩みましたが、去年のDynamite!!で英男が自分より重い相手(ホイス)と戦っているのを見て勇気づけられたので、腹をくくってやります」と話した。

 所が希望していた須藤元気戦は、須藤の体調が万全でないため実現が見送られたが、谷川貞治FEG社長は須藤のDynamite!!出場に向け対戦カードを調整中。所は「ホイラー選手に勝ったのは凄い選手ばかり。僕もその一人になりたい」と決められたカードに熱意を示す一方、「須藤選手との試合とのダブルヘッダーでも構わない。谷川さんお願いします」とも話していた。谷川氏は苦笑いを浮かべつつも「Dynamite!!は何でもあり。その発想自体、プロデューサーとしても面白い」と答えていた。12月6日で41歳になったホイラーは、今回の試合で総合引退を予定しているという。最後に弟・ホイスの敵を討つため、所戦を熱望した。

 曙×シルバは、曙が203cm・197kg、シルバは230cm・180kgの超巨漢対決。曙はサップ戦で紅白を抜く瞬間視聴率を記録し、シルバも過去のPRIDE男祭りで高い視聴率を獲得してきたことから、お茶の間受けを強く意識したDynamite!!らしいカードといえよう。曙は「シルバ選手の試合は戦闘竜との試合を見ました。その時はシルバ選手が勝ちましたが、今回は相撲取りをなめてかかったら痛い目にあうことを約束します」と意気込みを語った。(井原芳徳)
 

魔裟斗、畑山と戦った元WBA王者と対戦

(12/7 up) 魔裟斗がDynamite!!に今年も出場し、元ボクシングWBA世界スーパーフェザー級王者の韓国人・チェ・ヨンス(崔 龍洙:写真右)と対戦することが決まった。試合形式はK-1ルール・3分5R。契約体重はMAXと同じ70kgとなる模様だ。

 ヨンスはK-1 MAXのテレビ中継の解説者でもある畑山隆則氏と、1998年にWBA王座を賭け戦ったこともある選手(判定負けで8度目の防衛に失敗)。03年1月、WBC世界スーパーフェザー級王座に挑むも判定で敗れ、この試合を最後に引退した。ボクシングのプロ戦績は34戦29勝(19KO)4敗1分。
 以降はジムを経営し練習はしていなかったが、05年からK-1参戦目指し練習を再開。今年9月のK-1韓国大会でキックデビュー。パンチで一方的に攻め42秒でKO勝ちしており、今回がキック2戦目となる。今年8月で34歳。身長は魔裟斗より2センチ高い176センチで、現在の体重は68.5〜69キロだという。

 11月初めからタイで練習していたヨンスは、7日の都内での会見のために来日。年齢、体重、さらに過去のK-1でのボクシングから転向間もない選手の苦戦を考えれば、ヨンスも同じ道を歩みそうな気配だ。魔裟斗はそこをズバッと突く。
「ボクシングの王座を7度防衛しただけあって、いい雰囲気を持っている選手ですけど、ボクシングはボクシング。K-1 2戦目ということは、ボクシングの4回戦ボーイと一緒。イジメっぽくなっちゃうと思うけど、ボクシングとK-1は違うよってことをわからせたい」
 囲み取材でも魔裟斗は「もう終わった選手。パンチで倒せたらいい」と余裕。ヨンスが「キックだけで3R以内に倒す」と豪語すれば、「キックで倒せたら俺が賞金出す」と言い返した。

 魔裟斗の試合出場は6/30のMAXの世界一決定トーナメント以来6か月ぶり。当初は来年2月に開催予定の日本代表決定トーナメント大会での復帰を希望していた。
 しかし11月中旬、谷川貞治K-1イベントプロデューサーはDynamite!!欠場を阻止すべく、タイで映画撮影中だった魔裟斗を訪問。ルンピニースタジアムで一緒にムエタイを観た後、中華料理を食べ、タイ式マッサージを受けながら説得した。
 魔裟斗は12/2のK-1ワールドGPが終わった後に出場を決意。「結果的に谷川さんの情熱に負けた。僕的にDynamite!!に思い入れは無いけど、出場してMAXをアピールすることで、MAXのためにも自分のためにもなると思った」と理由を語る。ただし「これやったら2月やんないっすよ」とも話し、関係者へのプレッシャーも忘れなかった。

 気になるのはコンディションだが、完璧とはいかないものの、問題は無い様子。本格的な練習は10月から再開し、タイにいた11/2〜19の間も走り込みを欠かさなかった。帰国後、シルバーウルフジムでスパーリングし動きを確かめたところ「衰えていないか心配だったが、全然大丈夫だった」という。「タイ人のトレーナーいわく、今は50〜60%。時間が無いなりに調整していく。試合までには70%ぐらいの出来に持っていきたい」と話した。

長時間中継のおかげで5R制復活
 
 TBS系列28局での大会放映時間が、大晦日の18:00〜23:34に決定した。谷川氏は「5時間半、紅白歌合戦と真っ向勝負する。今年民放で大晦日に格闘技を中継するのはK-1が唯一。格闘技を守るためにも気を引き締め、いいカードを組んでいきたい」と話した。カードもほぼ確定しており「今日から連日発表し、来週中頃には全て発表するぐらいでいく」とのことだ。
 中継時間が長くなるが、過去大会に比べ極端に試合数を増やすことは無いという。とはいえ、近年3ラウンド+延長R形式が定着していたK-1ルールの試合で、5R制が復活するちょうどいいきっかけとなった。早速魔裟斗の試合で5R制を採用。谷川氏も「3Rは短い。本当は5Rがいい」と話す。5R制では3R制よりも高いレベルでの体力と戦略が要求され、ゲームとしての幅が広がる。テレビ局の都合に左右されたとはいえ、これを機に5R制の試合が増えることを期待したい。(井原芳徳)

秋山×桜庭決定。KID・元気も出場へ

(10/23 up) 秋山成勲 vs. 桜庭和志が決まった。両者は10/9のHERO'Sのライトヘビー級トーナメントの準決勝で対戦を予定したいたが、桜庭の体調不良により中止に。トーナメントで秋山が優勝後、桜庭に対戦を呼びかけていた。他にも出場予定選手として山本“KID”徳郁、須藤元気、曙、武蔵、宇野薫、所英男、永田克彦、金子賢の名が発表されている。

カルバン、MAXルールで魔裟斗戦を希望

(10/10 up) 9日のHERO'Sのミドル級トーナメントで優勝したJ.Z. カルバンが10日、一夜明け会見に出席。大会後のインタビュー同様、K-1 MAXとの二冠に改めて意欲を示した。左拳を負傷したが、大みそかのDynamite!!にも出場したい考え。「一日も早く怪我を治して出たい。第1回大会を見た時から出たい大会だった」と話した。
 打撃オンリーの試合経験は無いカルバンだが、オランダに出稽古した際には、魔裟斗とも5年前に戦ったモハメッド・オワリから指導を受け、ドラゴやメルヴィン・マヌーフとも練習しているという。
 フィジカルトレーナーのマック高野氏も「立ち技でも十分に戦える。彼はまだ22歳。かつて私が指導したBJペンのようなセンスの良さがある」と太鼓判。カルバンは「ルールにこだわらず自分の可能性を試したい。大みそかは尊敬する魔裟斗やKIDと戦いたい」と話した。
 ライトヘビー級トーナメントを制した秋山成勲は、ナイキのCMの撮影のため海外へ飛び立ったため一夜明け会見を欠席した。
 9日の大会の平均視聴率は14.6%。フジテレビの古畑任三郎ドラマの再放送の22.7%に続き同時間帯2位。瞬間最高は金子賢戦の20.6%だった。谷川貞治FEG代表が「前田さんの発言もあって、自然といいドラマができた」と理由を分析すると、前田日明スーパーバイザーは「とか言いながら、計算してるんでしょ?」「“谷川劇場”の一役を買ってしまった。あと3年で俺も50歳になるのに、何を子供じみたことをやってんねやろう?」と言い返し、谷川氏を苦笑いさせていた。(井原芳徳)

今年も開催。TBS放送時間拡大へ

(9/28 up) FEGは28日、Dynamite!!を3年連続で京セラドーム大阪(旧・大阪ドーム)で開催することを正式発表した。
 同日のTBS系列 28局ネット放送も決定。時事通信によると、大みそかの番組編成について、TBSの井上弘社長は27日の定例会見で、「K-1の枠を広げる」とコメントし、ボクシングの亀田興毅の試合中継についても行う予定がないことを明言している。日本レコード大賞を今年から12月30日に変更することをTBSは夏に発表済だ。
 昨年は視聴率が下落したDynamite!!だが、今年はPRIDEがフジテレビからの放映契約を解除され、状況が一変。だがそのPRIDEは今年も男祭りをさいたまスーパーアリーナで開催することを発表済で、デイリースポーツの28日の記事によると、タイソンをマカオで試合させ、たまアリとの二元中継を行うことも計画されているという。さらにUFCまでもがラスベガスで12/30(現地時間)に大会を開催。アメリカのファンを一番意識しているはずだが、日本時間では大みそかの昼にあたるため、日本のマーケットにも影響を及ぼすことは必至。3大会が競合した03年並の混乱が生じるのか? 大みそかまで予測不能の日々が続く。(井原芳徳)

 

FEG "FieLDS K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!!"
2006年12月31日(土) 大阪・京セラドーム大阪
開場・13:00  開始・15:00
放送・TBS系列 28局ネット 大会当日 18:00〜23:34


第12試合 HERO'Sルール 85kg契約 1R10分・2R5分(延長R5分)
秋山成勲(日本/フリー/HERO'S '06 ライトヘビー級(85kg)トーナメント優勝) 
桜庭和志(日本/フリー)

第11試合 K-1ルール 73kg契約 3分5R
魔裟斗(日本/シルバーウルフ/K-1 WORLD MAX '03 優勝)
鈴木 悟(日本/フリー/ボクシング元日本ミドル級王者)

第10試合 HERO'Sルール 5分3R
チェ・ホンマン(韓国/フリー)
ボビー・オロゴン(ナイジェリア/チーム・オロゴン)

第9試合 HERO'Sルール 65kg契約 5分3R
イストバン・マヨロッシュ(ハンガリー/FSPUデプレツェン/アテネ五輪グレコローマン55kg級優勝)
山本“KID”徳郁(日本/KILLER BEE/HERO'S '05 ミドル級(70kg)トーナメント優勝)

 〜休憩〜

第8試合 HERO'Sルール 70kg契約 5分3R
須藤元気(日本/ビバリーヒルズ柔術クラブ)
ジャクソン・ページ(アメリカ/ジャクソンズ・サブミッション・ファイティング/WEFウェルター級(70kg)王者)

第7試合 K-1ルール 3分5R
セーム・シュルト(オランダ/正道会館/K-1 WORLD GP '05 '06優勝)
ピーター・グラハム(オーストラリア/ムンダインズ・ジム)

第6試合 K-1ルール 3分5R
武蔵(日本/正道会館)
ランディ・キム(韓国/フリー)

第5試合 K-1ルール 3分5R
バダ・ハリ(モロッコ/ショータイム)
ニコラス・ペタス(デンマーク/ザ・スピリット・ジム)

 〜休憩〜

第4試合 HERO'Sルール 5分3R
曙(日本/チーム・ヨコヅナ)
ジャイアント・シルバ(ブラジル/フリー)

第3試合 HERO'Sルール 70kg契約 5分3R
所 英男(日本/チーム・ゼスト)
ホイラー・グレイシー(ブラジル/グレイシー・ウマイタ)

第2試合 HERO'Sルール 85kg契約 1R10分・2R5分(延長R5分)
石澤常光(日本/TEAM JAPAN)
金 泰泳(日本/正道会館)

第1試合 HERO'Sルール 70kg契約 5分3R
永田克彦(日本/新日本プロレス)
勝村周一朗(日本/勝村道場)

第0試合 HERO'Sルール 72kg契約 5分3R
金子 賢(日本/フリー)
アンディ・オロゴン(ナイジェリア/チーム・オロゴン)

 〜開会式〜

オープニングファイト HERO'Sルール 5分3R
キム・ドンウック(韓国/チーム・ラジェンカ)
内藤征弥(日本/和術慧舟會A-3)


◆入場料金
SRS席 32,000円 RS席 22,000円 SS席 18,000円 S席 12,000円 A席 6,000円
桜庭和志応援シート & 秋山成勲応援シート(SS席/特典付き)18,000円

◆先行発売 
FEGオフィシャルサイト(ケータイサイトでも)

◆一斉発売 10月29日(土)10時より
e+(イープラス) http://eee.eplus.co.jp/
チケットぴあ 0570-02-9999(初日のみ特電:0570-02-9505)
ローソンチケット 0570-063-003(初日のみ特電:0570-084-659)
CNプレイガイド 03-5802-9999(初日のみ特電:0570-03-9977)
※0570から始まる番号は一部の携帯電話、PHS、CATVからの電話接続は不可となります。

◆チケットに関するお問い合わせ先: キョードーチケットセンター TEL:06-6233-8888

◆大会に関するお問い合わせ先:
 (株)FEG  TEL:03-3796-5060 FAX03-3796-2978

Last Update : 12/31 00:49

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