UFC 7.29 ソルトレイクシティ(レポ):ゲイジー、ポワリエを2R右ハイでKOし第2代BMF王者に。アレックス・ペレイラ、ライトヘビー級初戦は元王者ブラホビッチに判定勝ち
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UFC 291: Poirier vs. Gaethje 2
2023年7月29日(土/現地時間)米国ユタ州ソルトレイクシティ:デルタセンター
レポート:井原芳徳
第11試合 メインイベント ライト級 5分5R
×ダスティン・ポワリエ[ポイエー](2位、元暫定王者)
○ジャスティン・ゲイジー(3位、元暫定王者)
2R 1’00” KO (右ハイキック)
ポワリエとゲイジーは18年4月のUFCファイトナイトのメインで対戦し、ポワリエが4R TKO勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトに選ばれ、勝ったポワリエはその後2連勝し1年後にライト級の暫定王者となり、敗れたゲイジーもその後4連勝し2年後に暫定王者となり、出世への流れとなっていた。両者ともその後はハビブ・ヌルマゴメドフ、チャールズ・オリベイラとのチャンピオンシップで敗れたが、それ以外の試合では勝利。ポワリエはコナー・マクレガーからの2連勝で名を上げた。直近の試合でもポワリエは昨年11月にマイケル・チャンドラーに勝利し、ゲイジーは今年3月にラファエル・フィジエフに勝利し、上位に踏みとどまっている。
約5年ぶりの再戦には、ホルヘ・マスヴィダルが4月に引退し空位となったBMF (Baddest Mother Fucker)王座が懸けられる。いわば“最高・最強のワル”を決める戦いとして盛り上がった19年11月のマスヴィダル×ネイト・ディアスのために、UFCのデイナ・ホワイト代表が用意した、UFCの本来のチャンピオンシップ戦線とは無関係の王座だ。前回はウェルター級だったが、今回はライト級で、階級に関係なく“BMF”を決める形だ。BMFというスラングには“イカした奴”といった親しみを込めたニュアンスも含まれており、ポワリエとゲイジーに関してはそちらの要素が強いだろう。今回は珍しく正規のチャンピオンシップの無いナンバーシリーズの大会で、裏番組でベラトールの日本大会もあるため、UFCとしてもある程度の話題作りも必要な状況だった。
1R、ポワリエがサウスポーで構えてプレッシャーをかけ、ゲイジーは時折詰めてパンチを振るい、左ローも当てる。中盤、ポワリエが左ミドルを当てるが、ゲイジーも右ハイをお返しする。お互い顔面へのパンチも当てるが、まだ均衡は崩れない。だが終盤、ポワリエが左ボディを当てると、少しゲイジーはひるむ。その後もポワリエがプレッシャーをかけ手数で上回るが、ゲイジーも左ロー、右ストレートを返し、完全に主導権を奪わせない。記者採点は僅差だがポワリエ。

SALT LAKE CITY, UTAH – JULY 29: (R-L) Justin Gaethje punches Dustin Poirier in a lightweight fight for the BMF belt during the UFC 291 event at Delta Center on July 29, 2023 in Salt Lake City, Utah. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC via Getty Images)
すると2R、いきなりフィニッシュが訪れる。ポワリエがプレッシャーをかけ、ゲイジーが時折詰めてパンチを振う状態は変わらなかったが、ゲイジーが右ストレートを振ってから右ハイにつなげると、これがポワリエの首筋にクリーンヒットし、ポワリエがダウン。ポワリエは大の字になって倒れ、ゲイジーが右の鉄槌を一撃したところでハーブ・ディーン・レフェリーがストップした。

SALT LAKE CITY, UTAH – JULY 29: (R-L) Justin Gaethje celebrates with Kamaru Usman after his KO victory over Dustin Poirier in a lightweight fight for the BMF belt during the UFC 291 event at Delta Center on July 29, 2023 in Salt Lake City, Utah. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC via Getty Images)
ゲイジーは5年越しのリベンジを果たすとともに、BMFのベルトも獲得。ベルトは前王者のマスヴィダルが授与した。インタビューでゲイジーは「自分を信じてやってきて良かった。次はタイトルが欲しい。世界一になりたい」と話し、正規のUFC王座奪取に意欲を示した。
アレックス・ペレイラ、ライトヘビー級初戦は元王者ブラホビッチに判定勝ち
第10試合 コーメインイベント ライトヘビー級 5分3R
×ヤン・ブラホビッチ(3位、元王者)
○アレックス・ペレイラ(ミドル級2位、元同級王者)
判定1-2 (29–28/28–29/28-29)
ブラホビッチは20年9月、ジョン・ジョーンズの返上で空位となったライトヘビー級王座をドミニク・レイエスと争い勝利。イズラエル・アデサニヤ相手に防衛したが、21年10月、グローバー・テイシェイラに敗れ王座から陥落した。テイシェイラもイリー・プロハースカに敗れ王座陥落したが、プロハースカは怪我のため王座を返上。昨年12月、ブラホビッチとマゴメド・アンカラエフで王座決定戦が行われたが、引き分けで王座空位のままに。今年1月の王座決定戦でジャマール・ヒルがテイシェイラを下して王者となったが、ヒルも怪我のため今月中旬にベルトを返上。絶対王者ジョーンズがヘビー級に転向して以降、混沌とした状況が続いている。
ペレイラはキックボクシングのGLORY時代からのライバルであるアデサニヤと2連戦し、昨年11月には5R TKO勝ちしミドル級王座を奪ったが、今年4月のリターンマッチでは2R KO負け。今回はライトヘビー級に階級を上げ、2階級制覇を目指す。
1R、開始すぐからブラホビッチがペレイラを金網に押し込み、テイクダウンを狙う。ペレイラは首を抱えてギロチンを狙うが極まりは浅い。中盤、ブラホビッチは片足タックルで倒し、バックマウントを奪い、裸絞めを狙い続ける。終盤になってもブラホビッチはバックをキープし、執拗に裸絞めを狙い続ける。記者採点はブラホビッチ

SALT LAKE CITY, UTAH – JULY 29: (L-R) Alex Pereira of Brazil punches Jan Blachowicz of Poland in a light heavyweight fight during the UFC 291 event at Delta Center on July 29, 2023 in Salt Lake City, Utah. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC via Getty Images)
2R、ペレイラがプレッシャーをかけ、お互い時折右のカーフキックを当てるが、慎重な攻防が続く。中盤、カーフをもらったブラホビッチの足が流れ出すが、ペレイラがパンチを振って詰めたところで、ブラホビッチは胴タックルを仕掛けてテイクダウンを奪う。ブラホビッチはトップキープするが、ペレイラはその先の攻めは許さず、金網を背にして立ち上がり突き放す。終盤、ペレイラは前に出て、右カーフキック、右ストレートを当てる。ブラホビッチはタックルを仕掛けるが力が入らず、疲れて来た様子だ。ペレイラはブラホビッチを金網に詰め、左ボディ、右アッパーをヒット。ブラホビッチは防戦一方で終える。記者採点はペレイラ。開催地のソルトレイクシティは標高約1300メートルあるため、選手の消耗も早いようだ。3R序盤にはUFCの中継画面にもその情報が表示される。
3R、ペレイラは左ミドル等を当て、プレッシャーをかけるが、反撃を警戒してか?同じく疲労しているのか?慎重な試合運びに徹する。中盤、ブラホビッチはタックルで押し込むが、すぐにペレイラは突き放す。終盤もペレイラが左ジャブやボディを当てる等して主導権を維持する。しかし残り40秒、ブラホビッチは片足タックルでテイクダウンに成功する。中央付近でブラホビッチがトップキープするが、パウンドをほとんど落とせず終了する。記者採点はペレイラ。合計28-29でペレイラ。ジャッジは割れたが、2者が記者同様の採点でペレイラを支持し、ペレイラがライトヘビー級初戦を白星で飾った。ペレイラはインタビューで「誰が相手でも構わない。ベルトを懸けて戦わせてほしい」と話した。
第9試合 ヘビー級 5分3R
○デリック・ルイス(10位)
×マルコス・ホジェリオ・デ・リマ(15位)
1R 0’33” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

SALT LAKE CITY, UTAH – JULY 29: (R-L) Derrick Lewis knees Marcos Rogerio de Lima of Brazil in a heavyweight fight during the UFC 291 event at Delta Center on July 29, 2023 in Salt Lake City, Utah. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC via Getty Images)
1R、開始すぐにルイスはダッシュして左の飛び膝蹴りを当ててデ・リマを倒す。デ・リマは下からルイスの足をつかもうとして抵抗するが、ルイスは上からパウンドを連打する。最後は背中を向け亀になったデ・リマにルイスが背後からパウンドを連打したところでレフェリーがストップした。
第8試合 ライト級 5分3R
×トニー・ファーガソン(元暫定王者)
○ボビー・グリーン
3R 4’54” 肩固め
第7試合 ウェルター級 5分3R
×マイケル・キエーザ(12位)
○ケビン・ホランド
1R 2’39” ダースチョーク
第6試合 ウェルター級 5分3R
○ガブリエル・ボンフィム
×トレヴィン・ジャイルズ
1R 1’13” フロントチョーク
第5試合 フライ級 5分3R
○C.J.ベルガラ
×ヴィニシウス・サルヴァドール
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
※サルヴァドールが計量2.5ポンドオーバー。ベルガラにファイトマネーの20%を譲渡
第4試合 ミドル級 5分3R
○ロマン・コプィロフ
×クラウディオ・ヒベイロ
2R 0’33” KO (左ハイキック)
第3試合 ウェルター級 5分3R
○ジェイク・マシューズ
×ダリウス・フラワーズ
2R 2’37” 裸絞め
第2試合 ウェルター級 5分3R
×マシュー・セメルスバーガー
○ウロシュ・メディチ
3R 2’36” TKO
第1試合 女子フライ級 5分3R
○ミランダ・マーベリック
×プリシラ・カショエイラ
3R 2’11” 腕ひしぎ十字固め