DEEP JEWELS 5.28 ニューピアホール(レポ):2週間後に結婚式の伊澤星花、アムに1R三角絞めで一本勝ち「私生活も格闘技も幸せの絶頂にいます」。万智、デビュー4連勝「成人式までにベルトが欲しい」
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skyticket Presents DEEP JEWELS 41
2023年5月28日(日)東京・ニューピアホール
レポート:井原芳徳 写真提供:DEEP事務局
伊澤星花、アムに1R三角絞めで一本勝ち。6.11 COROとの結婚式を発表し「私生活も格闘技も幸せの絶頂にいます」
第8試合 メインイベント 49kg契約 5分3R
○伊澤星花(フリー/DEEP JEWELSストロー級王者、RIZIN女子スーパーアトム級(49kg)王者、RIZIN同級トーナメント2022優勝)
×アム・ザ・ロケット(タイ/フリー/DEEP JEWELSミクロ級(44kg)王者)
1R 3’31” 三角絞め
伊澤は5月6日のRIZIN.42での山本美憂戦が、美憂の負傷で大晦日大会に延期となり、DEEPからのオファーを受け、今回1年半ぶりにDEEPの大会に凱旋することになった。昨年は4月に浜崎朱加との再戦で勝利しRIZIN女子スーパーアトム級王座を獲得し、7月から12月にかけて行われたRIZIN女子スーパーアトム級GPではパク・シウらを下し優勝し、MMAデビュー以来の連勝を9に伸ばした。今年3月には元DEEPバンタム級暫定王者のCOROと入籍し、東京学芸大学教職大学院を修了したばかりだ。
対するアムは26歳のタイ人。ムエタイでWMC、WPMFの世界王座を獲得し、14年にMMAデビュー。19年にRIZINに上がり浜崎朱加に1R腕十字で敗れ、山本美憂に判定負けしている。20年2月のDEEP JEWELS初代ミクロ級王座決定トーナメント一回戦で佐藤絵実に1R腕十字で一本勝ちしたが、5月の古瀬美月との決勝がコロナ禍の影響で延期となり、古瀬が出産のため休養に入ったため、アムは戦わずしてミクロ級王者に認定されていた。試合はその佐藤戦以来約3年ぶり。成長のほどが気になるところだ。今回はRIZINのスーパーアトム級と同じ49kg契約で、計量で伊澤が48.75kgだったが、44kgのミクロ級王者のアムは48.25kgと軽めのクリアだった。ケージで向かい合った際もアムが一回り小さく見える。
試合は伊澤が寝技で圧倒する展開に。1R、伊澤が右ローを放つと、足を掛けるような形となり、アムはバランスを崩す。伊澤は組み付き、アムの立ち際に飛びついてギロチンチョークを仕掛けて、グラウンドに引き込む。アムは体とアゴを引いて脱出するが、伊澤は攻め手を緩めず、下からすぐに足を登らせる。アムは立ち、猪木アリ状態にとなるが、自らグラウンドに入り、サイドを狙うと、伊澤は立って、またも飛びつきギロチンを狙う。これはすぐ振りほどかれるが、今度がすぐに伊澤が腕十字を仕掛ける。これも防御されるが、すぐ伊澤は上に。アムが立つ動きに合わせてバックマウントを狙うと、アムの頭の側に落ちながら腕十字を仕掛ける。横三角から腕十字を狙う形になり、アムは腕を組んで耐えていたが、最後は伊澤が下になり、三角絞めを深く極めたところでタップを奪った。
マイクを持った伊澤は「1年半ぶりに帰ってきました。アム選手ありがとうございます。楽しかったです。またDEEP JEWELSに出て、もっと盛り上げたいです。試合前でなかなか言えなくて、私的な事なんですけど、COROさんと6月11日に結婚式をすることになりました。私生活も格闘技も幸せの絶頂にいます。この幸せを皆さんに分けられるようにこれからも一生懸命頑張ります。私の応援も、DEEP JEWELS、RIZINの応援もよろしくお願いします」とアピールした。
須田萌里、パク・ジョンウンに1R TKO負け
第7試合 セミファイナル 49kg契約 5分3R
×須田萌里(SCORPION GYM)
○パク・ジョンウン(韓国/チーム・ストロングウルフ)
1R 4’27” TKO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)
須田はこの春高校を卒業したばかりの18歳。昨年11月のDEEP JEWELSで元DEEP JEWELSストロー級暫定王者の本野美樹と49kg契約で対戦し判定負け。今年3月のDEEPニューピア大会では1つ下のアトム級に戻し、桐生祐子を圧倒し2R裸絞めで一本勝ちしている。今回はまたも49kgに戻し、韓国の経験豊富な実力者に挑む。
ジョンウンは過去にDEEP JEWELS等で富松恵美、佐藤絵実に勝利し、黒部三奈、前澤智に敗れている。最近は韓国のRoad FCに連続参戦し、昨年7月の試合では1R KO勝ちしている。
1R、須田はタックルを仕掛けて金網にジョンウンを押し込む。だがその際にバッティングとなり、福田レフェリーはブレイクする。離れた状態で再開する。、
中盤、ジョンウンの左ローのタイミングで須田が両足タックルを仕掛ける。須田は潰されると下になり、ジョンウンの腕をつかんだが、ジョンウンはすぐに外して立ち、猪木アリ状態から右ローを当てる。須田が立ち、右ミドルを当てると、蹴り足をつかまれたが、須田は飛びついてジョンウンの首を抱えて引き込もうとする。だがこれもジョンウンは振り落とし、須田の仕掛けを潰し続ける。
以降はスタンドの打撃戦が続き、ジョンウンは随所で右のカーフキック、ローキックを当てる。須田も右ミドルをお返しし続ける。すると須田は終盤、右ハイをジョンウンの肩口に当ててから、パンチの連打で前進し、場内をどよめかせる。だが金網に押し込んでから離れると、須田の右ミドルに合わせ、ジョンウンが右ストレートをクリーンヒット。須田は真後ろにダウンし、ジョンウンが右のパウンドを連打し須田が防戦一方となったところで福田レフェリーがストップした。
万智、初の国際戦で1R勝利しデビュー4連勝「成人式までにベルトが欲しい」
第6試合 ストロー級 5分3R
○万智(スポーツジム67’s)
×キム・ユジョン[Kim You Jeong](韓国/チーム・ジーニアス)
1R 2’24” アームロック
万智はDEEP JEWELSアマチュアで試合経験を積み、昨年11月大会でプロデビューしARAMIに判定勝ち。今年2月大会では大島沙緒里に勝った実績もあるHIMEに1R終盤、裸絞めを極め一本勝ちし、素質の高さを印象付けた。3戦目で早くも国際戦が用意された。
対するユジョンは初来日でMMA 4戦3勝1敗の24歳。現在3連勝中で、昨年は11月のARCの試合で3R裸絞めで一本勝ちし、12月のRoad FCの試合でも裸絞めで1R一本勝ちしている。
1R、両者サウスポーで、ユジョンが前に出て来るが、万智は回って距離を取ってから、ユジョンのパンチにタックルを合わせて、30秒足らずで上になることに成功する。万智は金網際で押さえ、ハーフガードに移り、時折鉄槌を落とす。ユジョンは下からしがみついて防御していたが、万智はその左腕をつかむと、V1アームロックをガッチリと極め、最後は肩もひねるような形になったところで福田レフェリーがストップした。
ノーダメージで完勝の万智は「初の国際戦でしたが、一本で極められて良かったです。今日が10代最後の試合だったんですけど、成人式までにベルトが欲しいです」とマイクアピールした。
ストロー級の現王者はRIZINスーパーアトム級との2冠王でもある伊澤星花。大会の中継の実況の鈴木芳彦アナウンサーの話によると、伊澤が宇都宮に教育実習で戻った際、万智と練習していたこともあるといい、万智としては伊澤にベルトを返上して欲しいとのことで、伊澤との対戦は考えていない模様だ。
ケイト・ロータス、寝技で差をつけ完勝
第5試合 49kg契約 5分2R
○ケイト・ロータス(KING GYM KOBE)
×彩綺[さき](フリー)※北村彩綺 改め
判定3-0 (橋本20-18/福田20-18/田澤20-18)
ロータスは昨年9月大会では竹林愛留に判定勝ちしたが、今年2月大会では青野ひかるの寝技に手を焼き判定負けしている。彩綺は昨年11月のブレイキングダウンで土木ネキこと坂本瑠華に勝利している選手。タイ在住で今回がMMAデビュー戦となる。
試合は寝技の技術差が如実に出る展開に。1R、両者サウスポーで構え、彩綺が左ミドルから左ストレートのコンビネーションを放つが、ロータスはそのタイミングでタックルを仕掛け、素早く動いてバックマウントを奪う。中盤にはロータスが裸絞めを狙い、立たれてもタックルで倒し、終盤にはマウントからパウンドを連打し、またもバックに。最後、ロータスは下になるが、腕十字を狙って終える。
2Rもロータスがテイクダウンをトライし続け、。中盤には首投げで豪快にテイクダウンに成功する。ロータスがパウンドを落とすと、彩綺は下から三角絞め、腕十字を狙うが、極まりが浅く、ロータスは外す。最後、ロータスはハーフからパウンドを連打し、差を見せつけて終了。このラウンドもポイントを取り判定勝ちした。
藤田翔子が引退式「これからも格闘技を通じて“Love, Dream & Happiness”を伝える」
第4試合の後には藤田翔子(リバーサルジム新宿Me,We)の引退式が行われた。藤田は元DEEPフライ級暫定王者の藤田大和の姉。極真会館(館長/松井章奎)時代の2014年に全日本女子ウェイト制準優勝の実績があり、21年3月にMMAプロデビューし、昨年11月まで5戦2勝3敗。「これからは弟の大和や、プロボクサーの健児の応援していただけるとうれしいです。私は引退しますが、これからも格闘技を通じて“Love, Dream & Happiness”を伝えていけたらと思います」等と話した。EXILE擁する芸能事務所・LDHが代官山で運営するジム・EXFIGHTで、藤田はインストラクターを務めており、LDHはLove, Dream & Happinessの略称でもある。
古瀬美月、期待の新鋭・上瀬あかりに競り勝つ
第4試合 アトム級 5分2R
○古瀬美月(K-PLACE)
×上瀬あかり(毛利道場)
判定3-0 (橋本20-18/福田20-18/内田20-18)
上瀬はHIMEと同じ山口の毛利道場に所属。ジュニア修斗や空手道禅道会の大会等で度々優勝し、この春卒業した高校ではレスリング部に所属していた。2月のDEEP JEWELSでプロデビューし、山崎桃子に判定勝ちしている。今回は昨年9月に山崎に判定勝ちしている、20戦目の古瀬との試合が組まれた。
1R、古瀬の左ミドルのタイミングで、上瀬がタックルを仕掛けて倒すが、古瀬は立ち上がって金網際で組むと、大外刈りで倒して、すぐさまサイドポジションを奪う。トップに移れば、左のパウンドを連打する。だが上瀬は古瀬がパウンドを落としたタイミングで腕をつかんで腕十字を極める。古瀬はもがいて脱出すると、寝た状態の上瀬の下からの攻めに警戒しながらパウンドを狙うが、強打は打てず。最後は上瀬が古瀬を金網に押し込んで終える。記者採点は迷ったが上瀬。ジャッジ3者が古瀬につける解釈も理解できるものの、上瀬の腕十字は古瀬のパウンドよりも効果的な攻撃だったと判断した。
2R、上瀬がタックルを繰り返し、古瀬を押し込み続けるが、倒せない状態が続く。中盤、植松レフェリーが「アクション」コールをかけると、両者テイクダウンを狙う動きが入るも、結局倒せない状態が繰り返される。だが3度目の「アクション」の後、古瀬が大外刈りで倒し、中央付近ですぐさまマウントを奪う。終盤も古瀬がポジションキープする。最後は上瀬が上を取り返し、パウンドを連打して終了する。記者採点は僅差だが古瀬。合計19-19でイーブン。マスト判定で古瀬。ジャッジ3者とも20-18で古瀬を支持し、古瀬が判定勝ちした。
第3試合 フライ級 5分2R
×MANA(blooM)
○奥富夕夏(リバーサルジム新宿Me,We)
判定0-3 (田澤18-20/福田18-20/内田18-20)
奥富は全日本女子相撲選手権軽量級(65kg)で14・17年・18年に優勝している選手。DEEP JEWELSのアマチュアで5戦5勝し今回がプロデビュー戦。1R、奥富がテイクダウンを繰り返し、パウンドをヒット。中盤、MANAもテイクダウンを奪い返すが、奥富は脱出して押し込み、主導権を奪い返して終える。
2Rも奥富が金網際で押さえてパウンドをヒット。中盤には下からの腕十字にトライし、失敗してもすぐに上を取り、果敢にパウンドを当て、主導権を維持する。2Rともポイントを取り判定勝ちした。Me,Weの選手らしく基本がしっかりできており、今後の躍進が楽しみだ。
第2試合 アマチュアSPルール 50.5kg契約 3分2R
×吉川桃加(トライフォース赤坂)
○須田美咲(リバーサルジム立川ALPHA)
判定0-3
第1試合 アマチュアSPルール 55kg契約 3分2R
×角田光優(禅道会中信支部)
○横瀬友愛(BELVA)
判定0-3
アマチュアSPルール 49kg契約 3分2R
―Sarah(トライフォース赤坂)
―横瀬美久(BELVA)
中止 (Sarahが前日計量で2.65kgオーバー)