ONE 5.5 コロラド(レポ):ONE初の米国大会メインでデメトリアス・ジョンソンがモラエスを完封し王座防衛。ロッタン、2R KO勝ち、武尊とは「いつでもどこでもどんなルールでも戦う」
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ONE Fight Night 10: Johnson vs. Moraes III
2023年5月5日(金/現地時間)米国コロラド州ブルームフィールド:ファースト・バンク・センター
レポート:井原芳徳 写真:(C)ONE Championship
ONE初の米国大会メインでデメトリアス・ジョンソンがモラエスを完封し王座防衛
第11試合 ONE MMAフライ級チャンピオンシップ 5分5R
○デメトリアス・ジョンソン(王者)
×アドリアーノ・モラエス(挑戦者)
判定3-0
※ジョンソンが初防衛
ONE初の米国大会のメインイベントでは、元UFCフライ級王者で現ONE同級王者の“DJ”ことデメトリアス・ジョンソンが、米国在住のブラジル人・アドリアーノ・モラエスと防衛戦を行った。
両者は過去2度対戦し1勝1敗。21年4月の初対決では王者・モラエスが2R、挑戦者・DJを右アッパーでダウンさせてからの膝とパウンドのラッシュで仕留めTKO勝ちし初防衛した。昨年8月の再戦では4R、DJが右ストレートを効かせてからの顔面への左膝蹴りでTKO勝ちし、リベンジを果たすとともにONE王座奪取を果たした。今回は両者試合を挟まないリターンマッチで、DJは3戦連続でモラエスと戦う。
過去2戦はいずれもONEの本部のあるシンガポールでの戦いで、3戦目はONE初の米国大会が舞台となった。初対決は米国の大手ケーブルテレビ「TNT」で放送されたシリーズ初の大会のメインイベントで、再戦はAmazonプライムビデオを通じて北米に生放送されるシリーズ初の大会のメインに置かれていたため、両者の戦いは対北米市場へのアピールとして一定の効果があるようだ。
3度目の対戦は2度目同様、ベテランのDJが1枚上手のファイトを展開する。1R、お互い目まぐるしくスイッチし、蹴り主体の攻防を繰り広げる。終盤はモラエスがDJを押し込む時間が続く。残り20秒にハーブ・ディーン・レフェリーがブレイクをかけるが、目立った攻防は無いまま終わる。
2R、モラエスが左ストレートを当てると、またも金網にDJを押し込む展開になる。終盤、一旦離れるが、またもモラエスが押し込む。するとモラエスが押す動きに合わせ、DJが金網に沿って横に動いてから押し返すと、すぐ片足タックルを仕掛けて抱え上げてテイクダウンを奪うことに成功する。だがモラエスはすぐスタンドに戻し、まだ譲らない。
3R、またもモラエスがDJを押し込み続けるが、時折離れる状況をDJが作ると、中盤にはモラエスのボディに右膝蹴りをクリーンヒットする。モラエスは効いた様子で、動きが落ち、DJは組みの展開で執拗に左右の膝をボディに当てるようになる。最後にはDJは右ストレートも当てるように。
4R、DJは左ミドルを当て、組んできたモラエスに左膝もヒットする。モラエスはDJを金網に押し込むが、これまでその先に持ち込めない展開が多かったせいもあり、ディーン・レフェリーは早めにブレイクするようになる。DJは組んで膝だけでなく肘もヒット。組んだ状態でジャンプして当てる膝も織り交ぜ、身体能力の高さを印象付ける。モラエスはダメージも相まってスタミナの消耗が激しい。標高約1500メートルの会場での試合のため、他の試合でも選手の消耗が早い傾向にあったが、DJは2週間前に現地入りし調整した効果も出ているようだ。
5R、モラエスもバックスピンキック、肘打ちを序盤こそ返したものの、中盤以降はDJがタックルでテイクダウンを奪いかけたり、肘打ちを当てたりと、あっさり流れを引き戻す。モラエスは手詰まりになり、最後は離れた状態でDJがステップとフェイントでモラエスの反撃を封じ終了する。ジャッジは3者とも順当にDJを支持し、DJがモラエスに2連勝すると共に、王座の初防衛を果たした。試合後はケージに家族を入れて一緒に喜んだが、これも地元米国での試合ならではの光景だった。
ロッタン、2R KO勝ち。武尊とは「いつでもどこでもどんなルールでも戦う」
第10試合 ONEムエタイ・フライ級チャンピオンシップ 3分5R
○ロッタン・ジットムアンノン(王者、キック1位)
×エドガー・タバレス(挑戦者)
2R 1’34” KO (左肘打ち)
※ロッタンが5度目の防衛
ロッタンは19年にジョナサン・ハガティーを下して王座を奪取して以降、ゴンサルベス、ハガティー、ペッダム、ラシリ相手に昨年11月まで4度王座防衛。今年1月にはキックルールでジドゥオ・イブに判定勝ちしている(ただしロッタンは計量で1.5ポンド(0.68kg)オーバーしていた)。ONEのチャトリ・シットヨートンCEOは4月29日、自身のフェイスブックを更新し、K-1 3階級制覇王者の武尊と複数試合の契約を結んだことを発表しており、今後のロッタンと武尊のビッグマッチ実現への道のりも気になる状況となっている。
挑戦者のタバレスはメキシコ人。昨年7月にWBCムエタイ・インターナショナル・スーパーフェザー級王者となっている。ONE初戦で王座に挑戦する。
試合はロッタンが大方の予想通り差を示す試合に。1R、ロッタンが序盤から左右のローを着実に当てる。タバレスはバック肘を度々放つがロッタンはかわす。タバレスが右前蹴りを出せば、ロッタンはつかみながら左右のボディを当てる。ロッタンはまだ手数は控え目ながら、着実にダメージを与える。記者採点はロッタン。
2R、ロッタンは序盤から前に出ると、左の縦肘をヒット。タバレスは腰が落ちてマットに手をつくが、すぐ立ったためオリヴェイ・コスト・レフェリーはダウンとはしない。とはいえロッタンはこれで早速主導権を握り、前に出て顔面へのパンチも多く出すようになり、左肘も織り交ぜる。すると中盤、タバレスの左前蹴りを左手でつかんでから左肘を放つと、一発目はかわされ、タバレスは一回転して右の肘を放って来たが、タバレスが向き直した直後、右手でタバレスの首をつかみながら左の肘をクリーンヒット。タバレスはダウンしたまま立ち上がれず、ロッタンのKO勝ちとなった。
ONEでは見事な勝利を遂げた選手に50万ドルが主催者から贈呈されるが、ロッタンには2倍の100万ドルが贈呈された。試合後のインタビューでは、リングアナからONEムエタイ・バンタム級王者・ジョナサン・ハガティとの対戦を提案され、ロッタンは前向きな姿勢を示した。
また舞台裏でのABEMAのインタビューで、今大会の中継の解説を武尊が務めたことを聞かされると、ロッタンは笑顔を浮かべつつ「僕のパフォーマンスがわかったと思いますので、早く戦いましょう。いつでも準備できています。どんなルールでも、どこでも戦います」と話した。武尊は「うれしいですね。僕も同じ気持ちなんで。まずは6月の(フランスでの)試合を乗り越えて。また違う機会に僕からもメッセージを送りたいと思います」と話している。
第9試合 ONEサブミッション・グラップリング・フライ級チャンピオンシップ 10分1R
○マイキー・ムスメシ(王者)
×オサマ・マルワーイ(挑戦者)
8’03” 裸絞め
※ムスメシが2度目の防衛
第8試合 MMA 女子アトム級 5分3R
○スタンプ・フェアテックス(1位、元キック&ムエタイ同級王者)
×アリース・アンダーソン
2R 2’27” KO (右ミドルキック)
第7試合 MMA ウェルター級 5分3R
×ロベルト・ソルディッチ
○ゼバスチャン・カデスタム
2R 0’45” KO (パンチ連打)
第6試合 MMA ライト級 5分3R
○セージ・ノースカット
×アフメド・ムジタバ
1R 0’39” ヒールフック
第5試合 MMA ミドル級 5分3R
○アウンランサン(元ミドル級&ライトヘビー級王者)
×ファン・ロン
2R 0’48” フロントチョーク
第4試合 サブミッション・グラップリング ミドル級 10分1R
×ライニアー・デ・リダー(MMA同級王者)
○タイ・ルオトロ
判定0-3
第3試合 ムエタイ 女子131ポンド契約 3分3R
○ジャッキー・ブンタン
×ディアンドラ・マーティン
1R 2’34” TKO (レフェリーストップ:右フックでダウン後)
※ストロー級(125ポンド)のリミットをブンタンは6ポンド、マーティンは1ポンドオーバー
第2試合 MMA フライ級 5分3R
○カイラット・アクメトフ(2位)
×リース・マクラーレン(4位)
判定3-0
第1試合 MMA ライト級 5分3R
×ローウェン・タイナネス
○オク・レユン(1位)
判定0-3