PFL 4.1 ラスベガス(レポ):工藤諒司、フェザー級リーグ初戦は21年優勝者のダゲスタン人選手に判定負けもダメージ無く2戦目へ
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PFL 1 2023
2023年4月1日(土/現地時間)米国ネバダ州ラスベガス:ザ・シアター・アット・ヴァージンホテルズ
レポート:井原芳徳 写真:(C)PFL
PFL(Professional Fighters League/プロフェッショナル・ファイターズ・リーグ)はMMAの階級別のリーグ戦が主体のイベント。前身はWSOFで、18年からPFLに改称し今のリーグ戦形式となった。野球のメジャーリーグのように、春の4月から23年のシーズンがスタートする。4~7月の予選(PFLではレギュラーシーズンと呼ばれる)の2試合を戦い、約10選手のうち勝ち点上位の4選手が夏の4人トーナメント準決勝(プレーオフ)に進み、秋の決勝(チャンピオンシップ)で勝利すれば100万ドル(約1億3千万円)の優勝賞金を獲得できる。レギュラーシーズンは短いラウンドで勝利するほど高い勝ち点を獲得できる(1R勝ち6点、2R勝ち5点、3R勝ち4点、判定勝ち・反則勝ち・不戦勝3点、引き分け1点)。試合場はケージ。通常のMMAルールと異なり肘無しとなっている。
今シーズンは日本から過去最多の3選手が参戦する。4月1日は元修斗フェザー級ランカーの工藤諒司(TRIBE TOKYO MMA)、7日はDEEP JEWELSフェザー級王者の東よう子(リバーサルジム新宿 Me,We)、14日は修斗ライト級世界王者の西川大和(西川道場)が出場する(いずれも現地時間)。日本勢が参加する男子フェザー級・ライト級、女子フェザー級以外でも、男子ヘビー級・ライトヘビー級・ウェルター級でもリーグ戦が行われる。出場メンバーはPFLの公式サイト参照。
PFLの模様はUFCと同じく米国の大手スポーツチャンネル・ESPNで放送され、日本でもDAZNが2月からスタートしたばかりの月980円の新視聴プラン「DAZN Global」を通じて配信される。DAZNにとっても日本の新規契約者を獲得するための大事なコンテンツとなるだろう。

2023 PFL 1 Ceremonial Weigh-In at The Theater at Virgin Hotels in Las Vegas, Nevada, Friday, March 31, 2023. (Cooper Neill / PFL)
フェザー級リーグ 5分3R
○モヴィット・ハイブラエフ[Movlid Khaybulaev](ロシア/勝ち点0→3)
×工藤諒司(TRIBE TOKYO MMA/勝ち点0)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
工藤はONEのトライアウトで3連勝しつつ、修斗フェザー級上位戦線で活躍し、21年7月の世界王座決定戦ではSASUKEに判定2-0で惜敗した。昨年4月からはPFLに上がり1勝2敗。シーズン初戦は負傷判定負けに終わり、6月の2戦目は1R右フックでKO勝ちして高得点を獲得し、8月の準決勝に進んだが、かつてベラトールを主戦場としていたバッバ・ジェンキンスに1R裸絞めで一本負けしシーズンを終えていた。
4月1日の大会での23年フェザー級シーズン初戦の相手、ハイブラエフは21年同級シーズン優勝者。MMA 21戦19勝1分1無効試合負けなしで、21年シーズン決勝で元UFCのクリス・ウェイドに判定勝ちして以来の復帰戦となる。今年のリーグ戦でも優勝候補と目されている。ダゲスタン共和国出身の32歳。元UFCライト級王者・ハビブ・ヌルマゴメドフ、現王者・イスラム・マカチェフの練習仲間で、ヌルマゴメドフ同様レスリング力の高さが持ち味だ。
Movlid Khaybulaev & Ryoji Kudo go back-and-forth to start the 1st round!#2023PFL1 LIVE NOW
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1R、ハイブラエフがパンチを振りながらタックルを仕掛け、工藤が立つ度にハイブラエフが抱えて倒す展開が繰り返される。工藤は最初こそ上を取り返してパウンドを落とす場面もあったが、中盤以降は金網を背にして座って耐える時間が続く。終盤にはハイブラエフが金網際で押さえ続けた後、マウント、バックマウントと移行し、パウンド、裸絞めで1Rフィニッシュの勝ち点6を狙う。工藤は時間いっぱいまで耐える。記者採点はハイブラエフ。
2R、パンチが交錯した後、またもハイブラエフが組み付き、工藤を倒して金網際で押さえ込む。その先の目立った攻撃が無く膠着状態が続く。ハイブラエフ陣営は1Rに工藤の技量を測ったことで、手堅く勝ち点3を取る戦略に切り替えたか?記者採点はハイブラエフ。
3Rもハイブラエフが序盤からタックルでテイクダウンに成功する。ハイブラエフは押さえ続け、時折パウンドを落とす。工藤ももがいて脱出を試み続けるが、返せないまま終了する。記者採点はハイブラエフ。合計30-27でハイブラエフ。ジャッジ3者も当然ハイブラエフを支持し、ハイブラエフが勝ち点3を獲得した。
Winner by Unanimous Decision… Movlid Khaybulaev!#2023PFL1 LIVE NOW
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工藤は初戦は大負けしたものの、ある程度想定内の結果だった。100万ドル目指し最大4試合戦うPFLのシーズンは、途中で怪我をしないことも大事だ。ハイブラエフは去年1年ブランクを作ったことも相まって、安全運転だったことが幸いし、工藤のダメージはほぼ無い様子で、リーグ2戦目は準備万端で臨めることとなる。既にこの日フェザー級で勝っている3選手も判定勝ちで勝ち点3しか獲得していなかったため、ハイブラエフも無理して4点以上を取る必要性は無かった。シーズン制ならではのクールな勝ち点計算は、好き嫌いが分かれるところだろう。フェザー級リーグ初戦を終えての順位表は以下の通りで、1選手だけフィニッシュ勝利して勝ち点5を獲得している。