GLORY 8.20 ドイツ(レポ):RISE王者・直樹、初の海外で“ジョーカー”不発。地元ドイツのウォーシックに右バックブローでダウン奪われ判定負け
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GLORY 81
2022年8月20日(現地時間)ドイツ・デュッセルドルフ:カステロ・デュッセルドルフ
レポート:井原芳徳
第3試合(本戦第1試合) フェザー級(65kg) 3分3R
○デニス・ウォーシック[Denis Wosik](ドイツ)
×直樹(BRING IT ON パラエストラAKK/RISEライト級(63kg)王者)
判定3-0 (30-26/30-26/30-26)
RISEから3月のベルギー大会の小林愛三に続き、直樹がGLORYに初参戦した。
直樹は15年のRISING ROOKIES CUP(RISE新人王トーナメント)で優勝したRISE生え抜き選手。20年10月のRISE DEAD or ALIVEトーナメントでは白鳥大珠相手に番狂わせのTKO勝ちをし、決勝では原口健飛に1R KO負け。その後、秀樹相手にRISE王座を防衛し、白鳥との再戦でも延長判定勝ちするなど3連勝した。4月の代々木大会では1階級上のRISE王者・山田洸誓にKO負けしたものの、RISEの主力の一人という評価は変わらないだろう。6月24日に30歳になったばかり。海外での試合は今回が初だ。
対するウォーシックは今大会の地元ドイツの28歳。18年3月、K-1第4代フェザー級(57.5kg)王座決定トーナメント一回戦で郷州征宜に判定負けしている。以降は中国の武林風(WLF)に継続参戦し、19年4月にファン・フェイダに勝利し-63kg級の王者となり、20年1月に同じ選手と防衛戦を行い勝利している。現在5連勝中で戦績44戦35勝8敗1分。直樹同様にGLORYは今回が初戦だ。
7月の記者会見で直樹は「THE MATCHにRISE代表で出られず悲しい気持ちになり、RISE代表として必要とされていないとも思いましたが、今回はRISE王者としての強さを見せつけたい」「RISEの大阪大会が僕の試合の数時間後に行われますし、THE MATCHに出た選手がRISEが強いと証明してくれたので、8月の2日間でRISE最強を証明したいです。今はSNSで悪口を言うファイターが目立っていますが、僕は相手を尊敬して世界で強さを証明する先駆者になりたいです」と話していた。
1R、開始すぐからウォーシックが前に出て、直樹は回って距離を取る構図が続く。ウォーシックは細かく右ストレート、左ジャブ、右ロー、左テンカオ、左前蹴り等を当て続け、パンチをもらうと直樹は頭がのけぞり、印象が悪い。RISEや普段のGLORYよりも少し大きなリングなようだが、それでもウォーシックは度々直樹をロープやコーナーまで下がらせる。直樹も少し当てるが、すぐウォーシックの反撃を連打で浴びてしまう。記者採点もジャッジ5人もウォーシック。GLORYはジャッジ5人で、マストシステムで、ラウンド毎に採点が公開される。
2Rもウォーシックが前に出るが、少しずつ勢いは落ち、直樹も右ローや左右のストレート、右膝を細かく返すように。だがウォーシックは変わらず前に出て、左ジャブ、左ストレートをヒット。そして終盤、左の前蹴りで直樹を吹き飛ばす。直樹はすぐに立って左の飛び膝を出しながら前に出るが、直樹が左ジャブを出した直後、ウォーシックは奇襲となる右のバックハンドブローを当ててダウンを奪う。不意を突かれた直樹はすぐ立ち、ウォーシックが前に出て攻め続けて終える。直樹は肩を落として青コーナーに戻る。記者採点もジャッジ5人も10-8でウォーシック。
3R、ウォーシックが左のパンチを当てていると、直樹は右のまぶたから出血し、ドクターチェックが入る。再開後もウォーシックが前に出てパンチを当て、右の上段後ろ回し蹴りも当てる。直樹はボディ狙いの左前蹴りを時折当てるが、ウォーシックは変わらず前に出てパンチを当て続ける。最後の打合いで直樹も右フックを当てるが、最後はウォーシックが左フックを当て続け終了する。記者採点もジャッジ5人もウォーシック。合計30-26でウォーシック。ジャッジ5者も同様で、ウォーシックの判定勝ちとなった。
3月のベルギーでの小林愛三に続き、RISE王者がGLORYで完敗。直樹はこれまでRISEで何度か番狂わせを起こしたことから「倒し屋ジョーカー」の愛称がつけられ、GLORYの選手紹介画面でもJOKERという愛称が表示されていたが、今回は波乱を起こすことはできなかった。直樹の動きは硬かったが、日本で両者が戦ったとしても、ウォーシックは直樹にとってかなりの難敵となっていたことだろう。とはいえ直樹も2R以降、手数では追い上げができた。アウェーでの戦いに慣れれば改善できる余地はあり、過酷な経験は日本での戦いでも活きるはずだ。今後の再起に期待したい。
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