シュートボクシング 6.10 後楽園ホール:海人、ジャオウェハーを1R KOし7連勝。村田聖明、連勝9でストップ。宍戸大樹・笠原弘希が快勝
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SHOOT BOXING 2018 act.3
2018年6月10日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 メインイベント 68kg契約(肘有り) 3分5R(無制限延長R)
○海人(TEAM F.O.D/SB日本スーパーライト級(62.5kg)王者)
×ジャオウェハー・シーリーラックジム(タイ/シーリーラックジム/MAX MUAYTHAIスーパーライト級王者)
1R 2’34” KO (右フック)
海人は昨年4月、前年のS-cup 65kg世界トーナメント優勝のザカリア・ゾウガリーの相手に抜擢され、5R判定負け。だが6月に鈴木博昭、9月に宮越慶二郎に肘でTKO勝ち。11月でのシュートボクシング(SB)日本スーパーライト級王座決定トーナメントで憂也、健太を下し優勝。今年2月の後楽園では鈴木に3度勝利しているタップロン・ハーデスワークアウトをKO。4月の後楽園では、現在KNOCK OUTのスーパーライト級王座決定トーナメント決勝に勝ち進んでいる不可思を肘で切り裂きTKO勝ちし、6連勝の快進撃を続けている。SB協会は11月18日の両国国技館大会でのS-cup -65kg世界トーナメント開催を予定し、その機運を高める上でも海人に対する期待は大きい。
対するジャオウェハーは16年4月に宍戸大樹の引退試合の相手を務め、肘で宍戸をKO。さらに昨年4月にはKNOCK OUTで健太を肘で切り裂いてTKO勝ちしている、現在32歳のベテランだ。
1R、海人は最初はオーソドックスだったが、30秒程でサウスポーにスイッチすると、右ジャブ、左ローをテンポ良く当ててペースを握る。ジャオウェハーもロー、ミドルを当てるがヒットは少なく、パンチと肘を振り回すが距離が遠い。海人はオーソドックスに戻してもジャブとローで痛めつける。そして終盤に差し掛かり圧力を強めると、ジャオウェハーの右ミドルをすくって下がらせてから、右の縦肘、右アッパー、右フック等でラッシュを仕掛ける。回って逃げるジャオウェハーを追いかけて再び詰めると、パンチラッシュから左ボディを効かせ、動きの止まったジャオウェハーを右フックでマットに沈めた。
マイクを持った海人は「肘の対決で肘で切ってやろうと思ったんですけど、パンチが思ったより入ったのでやっちゃいました。これからも面白い試合をするんで、シュートボクシング、僕の試合を見に来てください」とアピールした。
バックステージでのインタビューで、海人の自己採点は「30点」と厳しかったが、力量差があり過ぎて、力を持て余したことも影響しているだろう。シーザー武志・SB協会会長は「強くなったね。自信があるんだろうね。今-65kgでは(国内)ナンバーワンでしょう。KNOCK OUTが今(トーナメントを)やっていますけど、ああいうのもやらせてもいいでしょう。必ず日本のトップ、いや、世界のトップになれます」とコメント。まずは11月のS-cup制覇への道が最優先となりそうだが、今後の他団体への出撃にも前向きな姿勢を示した。
海人はこれで7連勝だが、その前に敗れた相手がゾウガリー。海人は「再戦するなら肘無しでやりたい。負けたのも肘無しやったし、肘でしか勝てへんと思われたくない。ザカリアも僕とやる時まで勝ち続けて欲しい」と話した。(写真のMIOはSBの動画サイトのインタビュアーを務めていた)
第7試合 セミファイナル 62kg契約(肘有り) 3分3R(無制限延長R)
×村田聖明(シーザージム/SB日本スーパーフェザー級(60kg)王者)
○ヒンチャイ・オー・センスックジム(タイ/MAX MUAYTHAI 61kg級6位)
3R 1’41” TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる側頭部のカット)
村田は2月の深田一樹戦に続いて2度目の肘有りルール。4月大会で香港の選手をKOし9連勝中で、タイ人との試合は20戦目で初だ。対するヒンチャイはタイで人気のイベントMAX MUAYTHAIを主戦場にしている17歳で、戦績43戦32勝9敗2分。
1R、お互い慎重な出だしとなったが、終盤に差し掛かり、ピンチャイの左ミドルが当たり出す。だが村田もロープに詰め、左フックから右ボディのコンビネーションを決めると、右フックでぐらつかせ追い詰める。記者採点は10-9で村田。
2R、村田は首相撲の展開で腰投げを決め、シュートポイント1。その後も圧力をかけてやや押し気味の攻めを続け、終盤にはコーナーに詰めてのパンチと肘の連打で追い詰める。記者採点は10-8で村田。
3Rも村田がパンチ主体で押し気味だったが、ピンチャイも左ジャブを当て、村田は鼻血を出す。そしてピンチャイは左ジャブで距離を作った後、右の肘をクリーンヒット。村田は左の側頭部が血で染まりドクターストップ。見事逆転勝ちのピンチャイは涙を流して喜んだ。
第6試合 68kg契約(肘有り) 3分3R(無制限延長R)
○宍戸大樹(シーザージム/元SB東洋太平洋ウェルター級(67.5kg)王者)
×土屋大喜(roots/修斗バンタム級(61.2kg)世界10位、元修斗ライト級(65kg)環太平洋王者)
3R 1’08” TKO (ドクターストップ:左肘打ちによる眉間のカット)
宍戸は16年4月のジャオウェハー戦で引退したが、4月大会で2年ぶりに復帰し、香港の選手に判定勝ちしている。対する土屋は佐藤ルミナの弟子。15年8月にSB初参戦し、海人に延長戦の末に敗れて以来のSB挑戦。主戦場のプロ修斗では今年2戦しいずれも判定負けしている。
1R、宍戸はスイッチを織り交ぜながら、左ミドルを当て、途中からバックハンドブローやバックスピンキックを絡めるように。土屋は圧力をかける側になる時間が長く、同じようにスイッチを織り交ぜ、右ローをタイミング良く返す。記者採点は10-10。
2Rに入ると、宍戸はどこかを痛めたか?単なるスタミナロスか?動きが悪くなり、スリップが目立つようになり、土屋がパンチやローでやや優勢に攻めるように。土屋はバックドロップもトライし、攻勢を印象付ける。記者採点は9-10で土屋。
だが3R、穴戸は左の縦肘をクリーンヒット。土屋は眉間が割れ、ドクターストップ。宍戸が見事逆転勝ちを果たした。
第5試合 ウェルター級(-67.5kg) 3分3R(無制限延長R)
×忍アマラー(モンゴル/SBモンゴル/SHINOBUファイティングジム/元WPMF世界スーパーライト級王者、元全日本ライト級王者、元MA日本スーパーフェザー級王者)
○奥山貴大(GSB/SB日本ウェルター級1位)
判定0-3 (津山28-30/若林28-29/茂木28-29)
忍は全日本キックを主戦場に2000年代のキック界で活躍した後、長期戦線離脱していたが、昨年に海外のリングで復帰。2月のSB後楽園大会で国内復帰を果たすと、北斗拳太郎から僅差の判定勝ちをおさめている。現在38歳ながら、-65kgのS-cup参戦を視野に入れ、今回は階級を下げての試合に。対する奥山は4月大会で、忍と同じモンゴル出身のチングン新小岩に大差の判定勝ちし4連勝中だ。
1R、忍がガードを低くし力を抜いた状態から、左右のミドルを強打し続け、やや優勢だったが、中盤、奥山が接近戦での打ち合いで右フックを当ててダウンを奪うことに成功する。記者採点は8-10で奥山。
2R、忍は左ミドルを当て続け、次第に疲れは見え始めたが、奥山は目立った攻撃を返せず。記者採点は10-10。3Rも忍は左ミドルを当てるが、途中からは疲労が目立って攻撃が減る。奥山も投げやギロチンで点差を広げようとするが決め手に欠ける内容で終了。記者採点は10-10で合計は28-30で奥山。1Rのダウン分のポイントで奥山が差をつけ判定勝ちした。
第4試合 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(無制限延長R)
○笠原弘希(シーザージム/SB日本フェザー級(57.5kg)1位)
×直也(VERSUS/INNOVATIONフェザー級3位)
1R 2’56” KO (左ハイキック)
笠原の蹴りを嫌って前に詰める直也に対し、笠原が左右のストレート、左ミドルを着実に当てて、次第に圧力を強めると、コーナーに詰めての左ボディの連打でダウンを奪う。さらに左ボディでダウンを奪うと、直也も意地を見せて立ってくるが、笠原は容赦なく左ハイでKO。18歳とは思えぬ、破壊力の高さを存分に見せつけるファイトだった。
第3試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(無制限延長R)
○西岡蓮太(龍生塾/SB日本ライト級1位)
×ポッシブルK(翔拳道)
判定3-0 (和田30-29/若林30-28/津山30-28)
やや変則的な動きのKに対し、西岡が着実に右ロー、右フック等を当て、1Rから主導権。2Rも同様に優位に試合を運ぶ。3Rはやや疲れが見え、クリンチが増えてしまったが、終盤に右ストレート、右ハイで印象を残し判定勝ちした。
第2試合 SB日本スーパーバンタム級(55kg)王座決定トーナメント一回戦 3分3R(無制限延長R)
○伏見和之(シーザー力道場/3位)
×竹野元稀(風吹ジム/6位)
判定2-0 (和田29-28/若林29-29/津山29-28)
内藤大樹の王座返上により、王座挑戦者決定トーナメントが王座決定トーナメントに変更。5月20日の愛知大会で一回戦の他2試合が行われ、植山征紀と川上叶の龍生塾勢が勝ち上がっている。準決勝は9月15日の後楽園、決勝は11月18日の両国で行われる。内藤は第1試合の前にリングに上がってシーザー会長にベルトを返上し、「これからはまたチャンレジャーとして、(上の階級で)SBのベルトを狙うのも面白いですし、逆に来年、今日返上したベルトも面白いですし、これからの僕に期待してください」と話した。
1R、前に出てパンチ主体の竹野に対し、伏見は回ってかわしながら右ローを着実にヒット。竹野も右ローを次第に織り交ぜるように。記者採点は10-10。
2R、伏見の右ローが効き目を発揮し、足を止めての打ち合いでも右フックを当て、伏見優勢の流れ。終盤にもボディ打ちの連打を決めたが、前に詰めると、その動きに合わせて竹野が背負い投げを成功し、シュートポイント1を獲得する。記者採点は9-9。
3R、伏見がパンチを打ち合いの展開で当て、やや優勢な状況が続く。竹野は劣勢が続いたが、打ち合いに応じ、パンチを返すようになり、飛び膝や前蹴りでも見せ場を作る。両者激しい打ち合いで観客を沸かせ終了する。記者採点はヒット数で上回った伏見につけ10-9で、合計29-28で伏見。ジャッジ2名も同じ採点で、伏見が激闘を制した。準決勝では植山と対戦する。
第1試合 SB日本スーパーバンタム級(55kg)王座決定トーナメント一回戦 3分3R(無制限延長R)
×内藤凌太(ストライキングジムAres/4位)
○笠原友希(シーザージム/5位)
判定0-3 (津山28-30/和田27-30/若林28-30)
1R、笠原がサウスポーに構え、左ミドル、テンカオ、ストレートを度々当てて主導権。2Rも笠原ペースだが、内藤も少しずつ右のインロー、ストレートを返すようになり、差を縮める。3R、両者疲れが見える中で、笠原が飛び膝やバックハンドブローで終盤に見せ場を作って終了。記者採点は1Rと3Rを笠原が取り28-30で笠原。ジャッジ3者も順当に笠原を支持した。笠原は準決勝で川上と対戦する。
オープニングファイト2 58kg契約 2分3R(延長1R)
×清水 悟(シーザージム新小岩)
○魁斗(立志会館)
判定0-3 (29-30/28-30/28-30)
オープニングファイト1 58kg契約 2分3R(延長1R)
○手塚翔太(GONG GYM坂戸)
×須賀裕一朗(AFC/TENKAICHIフェザー級7位)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)
※2R前方への投げで手塚にシュートポイント1