Krush 4.30 後楽園ホール(レポ):大沢文也、瓦田脩二から左ハイでダウン奪い悲願のKrush王座奪取。西京佑馬・森田奈男樹が豪快KO勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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Krush.136
2022年4月30日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第10試合 メインイベント 株式会社 東亜工業所 Presents Krushライト級(62.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス/王者)※初防衛戦
○大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER/挑戦者)
判定0-3 (梅木28-30/西村28-30/箱崎27-30)
※大沢が王者に
瓦田は昨年の王座決定トーナメントで優勝したが、2月のK-1東京体育館大会では篠原悠人に判定負けし、連勝が8で止まった。大沢とは20年12月のK-1両国大会で対戦し延長判定2-1で勝ったが、練習仲間同士ということもあってか、両者なかなか攻め込めない試合だった。その後の大沢は川﨑真一朗に延長判定勝ち、卜部功也に判定負けし、昨年12月には弘輝に判定勝ちしている。31歳だが今回で50戦目のベテランで、悲願のKrush王座奪取を目指す。
1R、瓦田が度々右ミドルを当てるが、大沢は再三蹴り足をつかんでからパンチを返すため、豊永レフェリーから注意を受ける。終盤、大沢はローキックがローブローになる場面もあり、反則が多い。記者採点はイーブン。
2R、両者ともロー、ボディ打ち主体の攻防に。中盤から瓦田の手数が少し増えてきたが、最後、大沢も左右のフックで瓦田を下がらせて巻き返す。記者採点はイーブン。
3R、序盤こそ瓦田が左右のミドルを当てつつ、距離を詰めてパンチを連打し先手を取るが、耐えた大沢は次第に左ボディフックのヒットを増やして挽回。瓦田は少し苦しそうだ。すると終盤、大沢が左右のパンチを振って距離を詰めてから、左ハイを当ててダウンを奪取。これで大きく差をつけ、瓦田は立つが、すぐに時間切れに。記者採点は8-10で大沢。合計28-30で大沢。大沢が判定勝ちで悲願のKrushベルト奪取を果たした。
大沢は「ようやくチャンピオンになれました」と話し、ファンや関係者に感謝の言葉を述べた。さらに「僕のことはいいんで。うちの龍華と寺島輝はこれからガンガン強くなると思うんで応援してあげてください」と謙虚に話したが、最後は「同じライト級の選手が勝敗予想していたけど、俺が負けると言った奴、糞食らえ。俺がチャンピオンだ」と大沢らしい毒を吐いた。
バックステージでのインタビューでは、ダウンを奪った左ハイについて「練習でいつも使っていた技ですけど、試合で出そうとは考えていなかったです。自然に出ました」と明かした。勝敗予想に関しては、瓦田のKO勝ちを予想した南雲大輝に特に腹を立て「お前レベルの選手に言われたくない」と不満をぶちまけた。敗れた瓦田は左足の甲を包帯で巻いて登場し「1Rに左の三日月を大沢選手の肘に当てた時に痛めました」と明かし、ダウンを取られた左ハイについては「想定していなかったです」と話した。
大会後の総括でK-1の中村拓巳プロデューサーは「大沢選手は10年の間で見たことのないぐらいのハイキックでお見事でした。先日のK-1で大和哲也選手がベルトを取った姿とカブりました。今、アマチュアから若くて生きのいい選手がたくさん出てきている中で、ベルトに対して長年こだわりを持ち続けた選手が思いをかなえるのも、K-1 JAPAN GROUPの歴史が見えて面白いですし、Krushらしい試合でもあったと思います」と話し、大沢の悲願の戴冠を称えた。
第9試合 セミファイナル ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○西京佑馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushスーパー・フェザー級(60kg)王者、K-1甲子園2016 -60kg優勝)
×増井侑輝(真樹ジムAICHI/Bigbangスーパーライト級王者、シュートボクシング日本ライト級3位)
2R 0’58” KO (左フック)
西京兄弟の弟・佑馬は昨年12月のK-1大阪大会でゴンナパーに敗れて以来の試合。増井は約30戦のキャリアがあり、J-NETOWRK、ホーストカップ、シュートボクシング等に上がっていた選手でKrush初参戦。Bigbangのタイトルを保持し、Bigbangでは東本央輝、昇也に勝利している。
1R、増井がサウスポーで構えて圧力をかけ、随所で左ミドル、ローを当てやや優位。西京は回る時間が長く、終盤になってようやくパンチを増やすが、多くは増井にかわされてしまう。記者採点は増井。
だが2R、西京が見ずに序盤から圧を強めると、ワンツーからの左フックを当ててダウンを奪う。増井は立ち、打ち合いで相打ちとなる場面もあるが、西京が右フックと左フックを連続でヒット。ダウンした増井はダメージが大きく、すぐさまレフェリーがストップした。増井はストレッチャーで運ばれた。
快勝の西京は「3年ちょっとぶりのKOなのでホッとしています。次はK-1とか色々出たいんで、検討お願いします」とアピールした。
第8試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×國枝悠太(Never mind)※二刃会から所属変更
○岡嶋形徒(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
3R 0’58” 負傷判定0-3 (西村27-29/岡田27-29/三浦27-29)
國枝はK-1 JAPAN GROUP 3勝2敗で、勝った試合は全てKO勝ち。1月のKrushでは桝本翔也をKOした。岡嶋はデビュー後5連勝したが、森坂陸、新美貴士相手に連敗中だ。
1R、長身の岡嶋が右ローを随所で当て続けていると、國枝は時折バランスを崩す。岡嶋は右ミドルもヒット。國枝も左ボディ、フックを返して巻き返す。
2R、國枝は右のカーフを当て効かせる。次第に岡嶋もカットするようになるが、自分の蹴りが減る。終盤には國枝が右ボディを効かせ、やや優位に。記者採点は國枝。
3R、國枝は最初から左右のパンチを振りながら詰めるが、岡嶋は右フックを当ててダウンを奪う。さらに岡嶋は右フックでダウンを奪うが、倒れた國枝の頭を蹴る反則を犯し、國枝の回復を待つ。結局ドクターストップがかかり、岡嶋の反則は偶発的と判断され、ここまでの内容での判定が行われた。岡嶋に減点は無い。3Rの記者採点は7-10で岡嶋。合計27-29で岡嶋。岡嶋の勝利となったが、当然岡嶋は沈痛の表情だった。
第7試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○森坂 陸(エスジム)
×竹内将生(エイワスポーツジム/RISEフェザー級2位、BOM王者、元Bigbang王者、元MA日本スーパーバンタム級王者、元J-NETWORK&WPMF日本バンタム級王者)
判定2-0 (西村28-28/岡田29-28/梅木29-28)
森坂は20年の第5代Krushフェザー級王座決定トーナメントでは決勝に進んだが新美貴士に判定負け。昨年は軍司泰斗、斗麗に連敗した。元はムエタイベースだが、対するK-1 JAPAN GROUP初参戦の竹内は肘有りの通常キックルールで多くのベルトを獲得してきた選手。Bigbang、RISEでも肘無し・つかみ制限ありのルールも経験している。
1R、静かな立ち上がりだったが、竹内がサウスポーに切り替えたところで、森坂が右の前蹴りを見せてから、詰めて来た竹内に、得意の右のバックハンドブローを当ててダウンを奪う。その後はオーソドックス同士が続き、竹内は左ミドルを当てるが、森坂もステップで距離を取りつつ左フックを随所で当て、やや優位を維持する。記者採点は10-8で森坂。
2R、竹内は左ジャブを振りつつ、左ミドルを度々当て、サウスポーに切り替えれば左テンカオもヒット。森坂は攻撃が減り印象が悪い。記者採点は竹内。
3R、竹内は蹴りの応酬で左ミドルを多く当てやや優位だったが、中盤過ぎから差をつけようと詰めてパンチを増やすと、森坂のパンチをもらってしまう。蹴りの応酬でも森坂は右ミドルを増やし、五分に近い状態に戻す。記者採点はイーブン。合計29-28で森坂。ジャッジ1者は3Rに竹内につけたが、2者は記者と同じ採点で、森坂が判定勝ちした。
第6試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×ヴィトー・トファネリ(ブラジル/ブラジリアンタイ/闘英館)
○稲垣 柊(K-1ジム大宮チームレオン)
判定0-3 (梅木28-30/岡田28-30/西村29-30)
稲垣は昨年11月に大泉翔をKOして4連勝中と波に乗る22歳。今回は対戦予定だった近藤拳成が負傷欠場し、大会10日前にトファネリ戦への変更が発表された。トファネリは昨年5月のK-1の林健太戦と今年2月のK-1での佐々木大蔵戦と2連敗中だが、どちらの試合でも相手を苦しめる場面を作っている。
1R、稲垣がサウスポーからの右ジャブを度々当てつつ、左ストレート、右ハイもヒット。トファネリは右ミドル主体で、カカト落としも絡める。まだ均衡状態だ。
2R、稲垣は右ジャブ、左ミドルを当てつつ、左の奥足狙いのローを増やすと、終盤に効き目を発揮。稲垣は左ボディも強打して攻勢を印象付ける。トファネリは左まぶたをカットし出血している。このラウンドは稲垣が取ったか。
3R、トファネリも胴廻し回転蹴りを効かせる場面もあるが、稲垣が左ストレート、奥ローを効かせ、終盤には右フックでひるませ、攻撃数で上回る。結局、2~3Rのポイントを取り、稲垣が判定勝ちした。
第5試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
×藤村大輔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○森田奈男樹(エイワスポーツジム/全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO)2017軽重量級(85kg)優勝)
2R 0’46” KO (右バックスピンキック)
1R、蹴り主体の攻防で、藤村が右のカーフキック、左右のフック、森田が右ロー、左ミドル、右バックスピンキックを当てるが、まだ均衡が崩れない。
だが2R、森田が開始すぐに左の奥ローを当ててから、顔面狙いの左前蹴りを内回し蹴りの形で当ててダウンを奪取。藤村は立つが、森田は1Rにも当てていた右のバックスピンを藤村のレバーに当てて2ダウン目を奪う。藤村は立ち上がるが、うずくまってファイティングポーズが取れず、森田のKO勝ちとなった。
なお、大会後の総括で中村プロデューサーは「エイワスポーツジムはムエタイのジムですけど、中川(夏生)会長は森田選手も竹内選手も、このルールでも戦える選手に鍛えてくれて、本気でK-1・Krushのベルトを取りに来ているのを感じます。竹内選手もバックブローをもらった以外は良かったので、評価が落ちることが無いですね」と、新興勢力のエイワ勢を高く評価していた。
第4試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
○峯 大樹(若獅子会館/RKSバンタム級王者)
×大村修輝(POWER OF DREAM)
4R 判定3-0 (西村10-9/豊永10-9/三浦10-9)
3R 判定1-0 (西村30-29/豊永30-30/三浦30-30)
1R、峯はオーソドックス、大村はサウスポーで構え、峰は右ミドル等の蹴り、大村は右フック等のパンチ主体の攻め。まだどちらも慎重で均衡状態が続く。2R、峯は左ボディ、大村は右フックだけでなく左ミドルと膝が増える。だがクリンチも増え、梅木レフェリーから注意を重ねられ警告を受ける。
3Rもクリンチが多く、レフェリーは注意する。パンチを打ち合うが均衡が崩れないまま終わる。
試合は延長へ。相変わらずクリンチが多くレフェリーの注意1が入るが、打ち合いは増え、均衡は崩れなかったものの、峯が中盤以降、左フックの強打を重ねてやや目立ち、ジャッジ3者から支持され判定勝ちした。
第3試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×東本央貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○竜樹(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)
判定0-3 (岡田27-30/山崎27-30/西村28-30)
1R、東本がサウスポーで構え、左ミドル、ボディ、右アッパー、竜樹が右ミドル主体の攻め。五分の展開だったが、終了間際、竜樹が左ジャブを効かせつつの右ストレートでダウンを奪う。
2R、竜樹は再びダウンを奪おうと、パンチの比重を上げ、随所で連打をまとめ、右ミドル、ハイも絡め好印象。東本はブロックをある程度できているが、もらい続け攻撃が減り印象が悪い。
3R、東本が左の奥ローを効かせるが、左インローがローブローとなり一時中断。東本は終盤にかけ圧を強めパンチを振るうが、竜樹をつかまえきれず終了。竜樹が判定勝ちした。
第2試合 フライ級(51kg) 3分3R(延長1R)
×萩原秀斗(K-1ジム総本部チームペガサス)
○大夢[だいな](WIZARDキックボクシングジム)
3R 2’26” TKO (コーナーストップ)
1R、萩原は左前蹴りを散らしつつの右ミドル、大夢は左ジャブを散らしつつの右ストレート、左ボディを巧く当てるが、まだ均衡状態。2R、萩原もパンチが増え、左ストレートを当てるが、大夢が左右のパンチの連打でダウンを奪取。さらに左ジャブでもダウンを奪う。
3R、大夢は右ローを効かせつつ、左ジャブ、左右のストレートを随所で当て主導権を維持。萩原はダメージが溜まる。すると終盤、大夢の右ローで萩原の膝が落ちたところで、萩原陣営がすぐさまタオルをリングに投入し、大夢のTKO勝ちとなった。
第1試合 58.5kg契約 3分3R(延長1R)
△水津空良[そら](優弥道場)
△犬童 凛(K-1ジム目黒TEAM TIGER)
2R 2’01” 負傷判定 (豊永20-20/三浦20-20/岡田20-20)
1R、水津がサウスポー、犬童がオーソドックスで構え、蹴り主体の攻防。水津も右インローを効かせるが、犬童が右ミドル、三日月のヒットを増やし挽回する。
2Rも蹴り主体の攻防となるが、水津はローブローのダメージで中断。その後、犬童はバッティングのダメージで中断。犬童はダメージが大きくドクターストップ。ここまでの内容で判定が行われ、差がつかずドローとなった。
プレリミナリーファイト第2試合 ライト級(62.5kg) 3分3R
○河北光生(K-1ジム五反田チームキングス)
×大関敬真(POWER OF DREAM)※BOXING-WORKS水龍會から所属変更
3R 2’52” TKO (コーナーストップ:右ストレートでダウン後)
プレリミナリーファイト第1試合 ライト級(62.5kg) 3分3R
×原田優介(K-1ジム大宮チームレオン)
○三宅祐弥(team ALL-WIN)
判定0-3 (27-30/27-30/27-29)