ONE Championship 1.14 シンガポール(レポ):三浦彩佳、王座初挑戦も判定負け。上久保周哉、6連勝。仙三、逆転KO勝ちで570万円ボーナス獲得
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ONE Championship「ONE: HEAVY HITTERS」
2022年1月14日(金)シンガポール・インドアスタジアム
レポート:井原芳徳 写真: (C) ONE Championship
第8試合 メインイベント ONE MMA女子ストロー級タイトルマッチ 5分5R
○ション・ジンナン(中国/王者)
×三浦彩佳(TRIBE TOKYO MMA/4位)
判定3-0
※ジンナンが6度目の防衛
ジンナンは17年からONEに上がりONE 7勝1敗。黒星はアトム級に落としての同級王者・アンジェラ・リーとのリマッチのみ。18年の2戦目でストロー級王座を獲得後、昨年9月のミシェリ・ニコリニ戦まで5度も防衛している絶対王者だ。
対する三浦はパンクラスで活躍後、19年2月にONEデビューしONE 5戦4勝1敗。20年2月のティファニー・テオ戦では3R KO負けを喫したが、昨年5月のハヤネ・バストス戦では一本勝ち。ONEでの勝利は全て袈裟固めからのアームロック(通称:あやかロック)によるもので、三浦が得意パターンに持ち込めるかが勝負の鍵となるだろう。今回が王座初挑戦だ。
1R、ジンナンの蹴り足を、三浦が捕まえてから組み付いて押し込むが、ジンナンは投げを防御して突き放す展開が繰り返される。三浦の首投げの対策は万全の様子だ。中盤、ジンナンが右のバックスピンキックを当てると、三浦は少し下がる。ジンナンはボディにパンチを散らしつつ、右フックも放ち、三浦を脅かす。
2Rも三浦がタックルを繰り返すが、ジンナンは耐えて突き放し続ける。ジンナンは顔面とボディにパンチを放ち続けるが、やや距離が遠い。三浦のほうもジンナンのパンチへの対処がある程度できている。しかしジンナンが右ローを当てていると効き目を発揮。三浦はサウスポーに切り替える場面も。最後はジンナンは右の前蹴りで吹き飛ばす。ここまでジンナンが優位だ。
3R、変わらず三浦はタックルを繰り返し押し込むが、ジンナンは突き放し続ける。ジンナンは離れればパンチと蹴りを出すが、ヒット自体は少ない。三浦が少し巻き返したが、テイクダウンには至らず、主導権を握るほどにはならない。
4Rも三浦は果敢にタックルを繰り返し、ジンナンが切り続ける展開。3Rよりも三浦が押し込む時間は長いが、やはりジンナンはその先に持ち込ませない。離れればジンナンがパンチと蹴りを当てる。
5Rも同様で、三浦のタックルをジンナンが切り続け、離れればパンチと蹴りを当てるという攻防が続く。ジンナンは攻めあぐねるものの、最後まで三浦に1度もテイクダウンを許さず、主導権を握らせず終了。記者採点はジンナン。ジャッジ3者もジンナンを支持し、ジンナンが判定勝ちで6度目の防衛に成功した。
仙三、急きょ相手変更も逆転KO勝ち。570万円のボーナス獲得
第4試合 MMA ストロー級 5分3R
○仙三(パラエストラ松戸/パンクラス・フライ級王者)
×エリピツア・シレガー(インドネシア)※ジェレミー・ミアド(フィリピン)から変更
3R 2’00” KO (左ボディフック)
仙三は19年からONEに上がりダニー・キンガド、リト・アディワンに連敗したが、20年12月にリャン・フイに判定勝ちし、ONE初白星をもぎ取った。試合はそれ以来1年ぶりだ。元々、ジェレミー・ミアドと対戦予定だったが、ミアドがコロナの影響で欠場し、試合2日前にシレガーへの変更が発表された。
1R、仙三が低い構えから左ジャブ、右ローを細かく出す。中盤、仙三が右ストレートを当てると、シレガーはタックルを仕掛るが、仙三は突き離す。だが仙三の右のパンチのタイミングで、シレガーは再びタックルを仕掛けると、テイクダウンに成功する。シレガーは中央付近でサイドで押さえ、顔面に膝を2発当て、好印象を残す。その直後、仙三は脱出するが、シレガーはまたも片足タックルから抱えて倒す。
2R、仙三がパンチの連打で詰めるが、またもシレガーがタックルを仕掛け倒す。仙三はすぐ立ち、圧力をかけ続ける。シレガーは少し疲れて来た様子だが、中盤にもタックルで倒し、サイドで押さえる。膝、肘、パウンドをコツコツ当てると、バックに回って裸絞めを狙うが、仙三は体をひねって脱出する。仙三は左ボディを放つが、ローブローになり一時中断する。再開後もシレガーがタックルを仕掛けるが、仙三は倒れず離れる。
3R、仙三が圧を掛け、左ボディを効かせる。シレガーはタックルで倒すが、トップキープできず。仙三は再び圧をかけると、左ボディをクリーンヒット。仙三がさらにパンチをまとめると、シレガーは顔をしかめ半身で逃げ、手を振り、戦意喪失状態となり、レフェリーがストップした。
Senzo Ikeda 🇯🇵 FOLDS Elipitua Siregar with a wicked body shot! @senzolkeda #WeAreONE #ONEChampionship#ONEHeavyHitters | How To Watch: https://t.co/B1Er5HwBAp pic.twitter.com/NReuydS5jZ
— ONE Championship (@ONEChampionship) January 14, 2022
これで2連勝の仙三は「強かったです。危なかったです。いつもと同じ感じになりました。とにかく必死に戦いました。左ボディは狙っていました。まぐれかもしれないですけど、ツイていました」と話し、最後は同門の扇久保博正を思わせる、かめはめ波ポーズで締めくくった。
KA ME HA ME HA @senzolkeda #WeAreONE #ONEChampionship#ONEHeavyHitters | How To Watch: https://t.co/B1Er5HwBAp pic.twitter.com/2iNKihgAhw
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ONEから届いた大会後のインタビューで仙三は「1・2Rを取られているなと思った」「3Rの初めくらい打ったボディが効いているなって思って、もう最後まで絶対に倒しにいくって思って」「自分の武器はメンタルだと思っているので。世界でもトップだな、という自信はあります」「タイトルを狙っていけるように、上のランカーの人たちとやりたいですね」等とコメント。かめはめ波については「シンガポールの方も分かってくれるかなって思って。扇久保くんもやっていましたけど、皆んなに元気をあげようと思って、全力でやりました」と話した。
ONEは12月の大会から、優秀なパフォーマンスを披露した選手に対し「パフォーマンス・ボーナス」として5万ドル(570万円)を1大会1~5名に支給する制度をスタートした。今大会ではハビブ・ヌルマゴメドフの後輩でONE初参戦のザイード・イザガクマエフ、微妙な判定で敗れたエカテリーナ・ヴァンダリーバ、そして仙三の3選手がこのボーナスを獲得した。仙三は「認めてもらえて、もらえるなら最高ですね。全て欠けて戦って良かったなと。でもまずは試合に勝てて嬉しいです」と話している。
上久保周哉、ONE 6連勝
第1試合 MMA バンタム級 5分3R
○上久保周哉(TRI.H studio/頂柔術)
×トロイ・ウォーゼン(米国)
3R 4’36” 裸絞め
上久保はパンクラス、TTF等での試合を経て、18年からONEに上がり5戦全勝。最近では4月にミチェル・チャマールに2R裸絞めで一本勝ちしている。4月は元々、ウォーゼンと戦う予定だったが、カード変更の都合で、ウォーゼンは強豪・ジョン・リネカーの相手に抜擢されており、9カ月を経て仕切り直しの両者の一戦が組まれた。ウォーゼンは19年からONEに上がり3連勝していたが、ユサップ・サーデュラエフ、リネカーと上位勢相手に2連敗している。
1R、開始すぐから上久保が片足タックルを仕掛けて金網に押し込む。ウォーゼンは耐えるが、上久保は2分かけて倒すと、バックに回る。ウォーゼンはキープさせず振り落とし、逆にバックを狙うが、上久保は脱出し、片足タックルに戻る。上久保は終盤にもバックを取りオンブの状態に。裸絞めを狙うが、ウォーゼンは防御を続ける。
2R、上久保はまたも序盤からタックルを仕掛ける。ウォーゼンに切られバックを取られかける場面もあったが、中盤からは倒して金網際でコントロールし続ける。終盤、ウォーゼンが脱出し押し込むが、すぐ上久保が押しかえす。途中、膝蹴りを絡める場面も。
3Rも上久保がグラウンドコントロールを続け、序盤から腕十字を狙う。ウォーゼンは簡単に脱出すると、バックを奪い返し、裸絞めを狙うが、上久保は脱出する。終盤、上久保はテイクダウンを奪い、ハーフ、バックと移ると、疲れて来たウォーゼンに裸絞めを極めてタップを奪った。上久保はこれでONEでの連勝を6に伸ばした。
ヌルマゴメドフの後輩・イザガクマエフ、青木&アルバレスに宣戦布告
第6試合 MMA ライト級 5分3R
×ジェームズ・ナカシマ
○ザイード・イザガクマエフ
2R 2’17” 肩固め
ハビブ・ヌルマゴメドフの後輩でONE初参戦のザイード・イザガクマエフが、前回青木真也に一本負けしたナカシマと対戦。ヌルマゴメドフを彷彿とさせる、一度密着したら離れないグラウンドコントロールでナカシマを圧倒し快勝した。試合後のインタビューでは「エディ(・アルバレス)、青木、アイ・キル・ユー」と上位勢に宣戦布告した。
Saygid calls out Eddie Alvarez, Shinya Aoki, and… Chatri?! @Ealvarezfight @a_ok_i @yodchatri #WeAreONE #ONEChampionship#ONEHeavyHitters | How To Watch: https://t.co/B1Er5HwBAp pic.twitter.com/gwiAVUTnqs
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第7試合 ムエタイ 66.45kg契約 3分3R
×セーマペッチ・フェアテックス(1位)
○タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム
1R 2’55” KO (左ストレート)
※タワンチャイの計量オーバーでバンタム級(65.8kg)から66.45kg契約に変更
第5試合 ムエタイ 女子ストロー級 3分3R
○スーパーガール・ジャルンサックムエタイ
×エカテリーナ・ヴァンダリーバ
判定2-1
第3試合 キックボクシング ライトヘビー級 3分3R
○ベイブラット・イスアエフ
×ヤニス・ストフォリディス
1R 0’31” KO (左フック)
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第2試合 MMA 女子ストロー級 5分3R
○ティファニー・テオ(1位)
×メン・ボー
2R 3’45” 裸絞め