Krush 5.30 後楽園ホール:佐々木大蔵、平山迅を“安全運転”で封じ王座防衛。晃貴、黒田斗真の兄・勇斗との延長戦制す
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Krush.125
2021年5月30日(日)後楽園ホール
レポート:井原芳徳 写真:(C)K-1
第8試合 メインイベント Krushスーパー・ライト級(65kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/王者、元ライト級王者)
×平山 迅(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/挑戦者)
判定3-0 (30-29/30-28/30-28)
※佐々木が2度目の防衛
新型コロナウイルス緊急事態宣言の影響で、5月23日に予定されていたK-1が30日に延期し、昼に横浜武道館で開催され、夕方に終了。それから約2時間後、既に決まっていた同じK-1 JAPAN GROUPによるKrushが後楽園ホールで開催された。K-1 18試合、Krush 10試合のトリを飾ったのは、Krushスーパー・ライト級王者・佐々木大蔵の防衛戦だ。
1R、お互い距離を取り、フェイントをかけ、なかなか攻めない状態が続く。蹴りとパンチが時々出るが、ヒットは少なく、当たっても浅め。しかし終盤、佐々木の左ミドルのヒットが増える。記者採点はイーブン。
2R、佐々木が右ローも織り交ぜつつ、左ミドルにつなげ、終盤には顔面狙いの前蹴り、左ジャブも自在にヒット。平山はパンチの空振りが多く、ローを少ししか当てさせてもらえない。ジャブをもらったせいか鼻血も出すように。記者採点は佐々木。
3Rも佐々木が多様なフェイントを駆使しながら左ミドル、左ジャブを的確にヒット。終盤、佐々木の左ミドルの直後に平山が右フックを当てる場面も数度あったが、その先は続かず、佐々木が左ミドルを連続で当て続け、攻撃数で差を広げ終了。記者採点は佐々木。合計30-28で佐々木。ジャッジ3者も佐々木を1~2点差で支持し、佐々木の判定勝ちとなった。
マイクを持った佐々木は「今日1日、K-1にお付き合いいただき、ありがとうございました。本来ならメインのメインってことで、倒す姿を見せたかったんですけど、いつも通りの、安全運転してしまいました。ですがそれは平山選手の圧だったりがあって、こういう結果になりました。一人じゃ強くなれなくて、誰かがサポートしてくれるから、格闘技を続けられると感じています。ここでグッと来るかと思ったけど来なくて、家に帰ってからしみじみしたいと思います。コロナ禍ですけど、一人一人、思いやりを持って日々過ごしていきましょう」とアピールした。
第7試合 セミファイナル スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○晃貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushバンタム級王者)
×黒田勇斗(K-1ジム心斎橋チームレパード)
4R 判定2-1 (岡田10-9/山根9-10/西村10-9)
3R 判定0-0 (岡田29-29/山根29-29/西村29-29)
黒田勇斗は昼のK-1でのバンタム級日本最強決定トーナメントで優勝した黒田斗真の兄。1R、長身の勇斗が圧力をかけるが、晃貴が出入りも駆使し、右ストレート、右フックをヒットし、勇斗をひるませると、次第に圧をかけ返すように。まずは先手を取ったか。記者採点は晃貴。
2Rも晃貴が右のフック、ストレートを随所で叩き込み優勢。右のカーフキックも随所で絡める。勇斗は時折フラつくものの、右ロー、右テンカオを時折返し、大差はつけさせない。記者採点は晃貴。
3R、晃貴が左ミドルを放つと、勇斗は蹴り足を左手ですくってから、距離を詰め、パンチの連打の中で右ストレートをクリーンヒット。一瞬晃貴の腰が落ちる。蹴り足キャッチは反則だが、レフェリーの注意は無い。だがこれで流れに乗ったか?勇斗は手数を上げ、左ミドル、右ストレート、右テンカオのヒットを増やす。晃貴も前に出るが、ヒットが減り、勇斗に押されてバランスを崩す場面もあり、印象が悪い。記者採点は蹴り足キャッチの問題もあったが勇斗。合計29-28で晃貴。ジャッジ3者とも29-29で延長へ。
延長R、両者とも序盤から積極的にパンチを振るっていると、勇斗の右ストレートで晃貴の頭がのけぞる。だがすぐに晃貴も右ストレートを返し、右フックも当てて挽回。しかし勇斗も左ミドル、右アッパー、右テンカオを返し、一歩も引かない。だが終盤、晃貴が手数を上げ、左フックをクリーンヒット、勇斗も右テンカオ等を当てるが、手数で差をつけられてしまう。記者採点は晃貴。ジャッジは割れたものの、2者が順当に晃貴を支持し、晃貴の判定勝ちとなった。
晃貴はこれで2連勝。最近は負けが込んでいたが、ようやく波に乗れそうか。昨年7月には黒田斗真にも延長判定勝ちしており、黒田兄弟の天敵といえるかもしれない。
第6試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○小倉尚也(スクランブル渋谷)
×小巻海斗(真樹ジムAICHI)
判定3-0 (28-26/28-26/28-26)
※1R右ストレートで小倉に1ダウン。2Rボディ連打で小巻に1ダウン。3Rボディ連打で小巻に1ダウン
小倉は昨年9月に吏羅にKO勝ちし、1月には黒田勇斗に判定勝ちし2連勝中。小巻は2月にK-1 JAPAN GROUPに初参戦し、44・ユウ・ウォーワンチャイを1R KOしインパクトを残した。
1R、じわじわ前に出る小倉に対し、小巻が右フックを当て、開始わずか20秒でダウンを奪取する。小倉はダメージは小さく、すぐに立ち、変わらず圧力をかける。お互い積極的にパンチを振るうが、終盤、小倉の右のカーフキックで少し小巻がバランスを崩す。ここから小巻が前に出てくると、パンチの打ち合いとなるが、小倉がヒットを増やし攻勢に持ち込む。終了間際には左ボディフックもクリーンヒットする。
すると2R、小倉が前に出続けパンチを振るい、中盤からは右のカーフキックも連打すると、右ボディフックを効かせてから、右と左のボディの連打でダウンを奪う。その後も小倉がパンチ主体で右カーフも絡め攻勢をキープする。しかし小巻も随所でパンチを返し、スリリングなムードを残す。
3R、小倉は序盤からパンチを度々ヒット。左ミドルも絡めつつ、途切れず顔面、ボディにパンチを打ち続け、コーナーに詰めてパンチを連打し、小巻が防戦一方になったところでレフェリーがダウンを宣告する。これで逆転に成功。続行後も小倉は詰めて休まずパンチを打ち続け試合終了。小倉がピンチを乗り越え激戦を制し、連勝を3に伸ばした。
第5試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)
○中島千博(POWER OF DREAM)
判定0-3 (28-30/27-30/26-30)
※2R左フックで伊藤に1ダウン
1R、リーチの長い両者の戦いは、パンチも当てるものの、基本的には蹴り主体の攻防。お互いミドルを当て、中島の蹴り数がやや多いが、まだ大差はない。
ここまで中島はオーソドックス主体で時折サウスポーに切り替えていたが、2Rに入るとサウスポーの時間が長くなる。とはいえなかなか均衡は崩れなかったが、中島が頻繁にスイッチしていると、終盤、オーソドックスからサウスポーに切り替えると、伊藤の右ストレートの空振りの直後、左アッパーをクリーンヒット。下がった伊藤に、中島がパンチの連打をまとめ、左フックでダウンを奪う。
3R、負けじと前に出る伊藤に対し、中島はスイッチしつつステップしてかわし、左右のミドルを的確にヒット。終盤にはオーソドックスに構え、伊藤の右にカウンターで右フックを合わせ、またもひるませる。それでも伊藤は前に出るが、中島は最後に左フックを当て終了。点差を広げて判定勝ちし、連敗を2でストップすると共に、成長も印象付けた。
第4試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×龍斗(team NOVA)
○稲垣 澪(K-1ジム大宮チームレオン)
判定0-3 (29-30/29-30/28-30)
第3試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×三井大揮(WIZARDキックボクシングジム)
○内田 晶(チーム・タイガーホーク)
3R 3’00” KO (3ダウン:右ストレート)
第2試合 女子フライ級(652kg) 3分3R(延長1R)
○芳美(OGUNI-GYM)
×ファエゼ・ウィラサクレック(イラン/ウィラサクレック・フェアテックス・イラン)
4R 判定3-0 (10-9/10-9/10-9)
3R 判定0-0 (29-29/29-29/29-29)
第1試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×明戸仁志(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○加藤 港(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)
3R 0’39” KO (左フック)
※明戸が計量400gオーバー。明戸10オンス、加藤8オンスのグローブハンデ。1R明戸減点1。明戸はファイトマネー20%減額
プレリミナリーファイト第2試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
○愛瑠斗(健成會)
×光佑(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)
2R 0’41” KO (右ストレート)
プレリミナリーファイト第1試合 女子54kg契約 2分3R
×TOODY NAOMI(月心会ラスカルジム)
○ARINA(闘神塾)
判定0-3 (26-30/26-30/26-30)
※3R右ハイキックでTOODYに1ダウン