ONE Championship 4.20 マニラ:今成正和、得意の足関封じられ判定負け。新設の立ち技部門でペトロシアンとノーンオーが完勝
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ONE Championship 70 – Heroes of Honor
2018年4月20日(金) フィリピン・マニラ・モールオブアジアアリーナ
レポート:井原芳徳 (写真は追って掲載します)
第3試合 バンタム級(65.8kg) 5分3R
×今成正和(今成柔術/元DEEPフェザー級&バンタム級王者)
○キム・デフォン [Kim Dae hwan](韓国)
判定0-3
シンガポールを拠点とするONE Championshipは今大会からAbemaTVでの生中継を再開すると共に、各大会への日本人ファイター2名の出場確約、AbemaTV「格闘代理戦争2ndシーズン」(4月29日(日)夜11時から放送開始)優勝者との5試合契約・最大1000万円支給といった新展開を発表。バウトレビューの独占インタビューでもチャトリ・シットヨートンCEOは来年3月の日本大会開催を確約しており、日本でも注目度が高まる中での開催となる。
また、ONEでは今大会から立ち技部門「ONE SUPER SERIES」をスタート。その関係もあってか、これまでケージだったONEの試合場が、5本ロープのリングに変わっている。一般的なボクシング用のリングよりも1辺が1メートルほど広いリングのため、これまでのように距離を取る戦いはしやすいが、壁際の攻防が変わることになる。(ロープにもつれた場合は一時ストップし頭を中央に向けていた)
42歳のベテラン・今成はONE旗揚げの翌年の2012年に2度参戦し1勝1敗。初戦では今大会のメインイベンター、ケビン・ベリンゴンをヒールホールドで秒殺している。以降は長らくDEEPの王座戦線で活躍し、今年1月に5年半ぶりにONEに参戦し、DREAMにも参戦していたユサップ・サーデュラエフ戦で判定負けしている。
1R、今成が、いつものように回って距離を取りながら、スライディングでの足関を狙う。中盤、デフォンの右のローをすくって今成が引き込むが、デフォンは鉄槌を連打。それでも足関を狙う今成を振りほどいてスタンドに戻す。今成はスライディングからヒールホールドを仕掛けようとするが、これもデフォンが対処する。
2Rも今成が下から足関を狙い、腕十字のチャンスもうかがうが、デフォンはハーフガードに持ち込み、鉄槌を落として攻勢を印象付ける。スタンドに戻った後、今成は自分から座って挑発するが、デフォンは応じず、尻を向けて挑発し返す一幕も。
3Rも今成が引き込むが、デフォンが2R同様に潰して上になり、サイドから今成の頭に膝と鉄槌を当て、終盤はマウントを奪おうとして終了。3R目にはっきり差をつけたデフォンの判定勝ちとなった。
(写真は16年10月のDEEPでの今成)
第8試合 メインイベント バンタム級 (65.8kg) 5分3R
○ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
×アンドリュー・レオーネ(米国)
2R TKO (レフェリーストップ:グラウンド打撃)
ベリンゴンは現在30歳。先述の通り今成に敗れ、以降もキム・スーチョル、上田将勝、ビビアーノ・フェルナンデスには敗れているが、勝ち負けを繰り返す中で着実に成長し、16年1月にビビアーノに敗れて以降は4連勝中だ。
1R、レオーネのタックルを切り、ベリンゴンがパンチを当てると、場内は地元のスターのベリンゴンに歓声。ベリンゴンがテイクダウンを奪い、ハーフから鉄槌、膝、肘を当てていると、レオーネは顔面から出血しドクターチェックが入る。再開はスタンドからとなるが、最後もベリンゴンが上になり終了する。
2R、スタンドで両者見合った後、ベリンゴンがバックスピンキックをヒット。ボディにもらって吹き飛んだレオーネに対し、ベリンゴンが上になってパウンド、肘、膝を当て続けると、レフェリーがストップ。場内は大歓声に包まれた。
第7試合 キックボクシング 71.2kg契約 3分3R
○ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
×ジョー・ナタウット [Jo Nattawut](タイ)
判定3-0
ONEが今大会からスタートした立ち技部門の試合。ルールはK-1スタイルの「キックボクシング」と、ムエタイの2種類がある。ONEのMMAはRIZINのように試合内容全体で判定するが、立ち技部門の試合はラウンドごとでマストシステムで採点する。レフェリーは日本の旧K-1、KNOCK OUTでもおなじみ大成敦氏が務める。
1R、ペトロシアンはサウスポーに構え、左ミドル、左ボディをヒット。ナタウットも右ミドル、右ハイを返すが、威力で劣る。2Rもペトロシアンが左ミドル、ロー、テンカオを効かせつつ、左のパンチの比重も上げ、差を示すように。3Rもペトロシアンが左右のロー、ボディ、ミドル等を着実に当て続け主導権を維持。ポイントの合計は不明だが、ペトロシアンの完勝に終わった。
第6試合 ライト級(77.1kg) 5分3R
○ホノリオ・バナリオ(フィリピン/元ONEフェザー級王者)
×エイドリアン・パン(オーストラリア)
判定2-1
地元フィリピンの人気選手・バナリオが1年ぶりの試合。1R、体格で勝るパンが圧力をかけ、右ストレート、左ボディをヒット。バナリオは距離を取って回りながら時折ミドルを当て、顔面への横蹴りも決め、場内を沸かせる。
2R以降も同様の構図。両者ともグラウンドに行く気配は無い。パンは前に出続け、バナリオは次第に攻撃が減る。パンは仁王立ちになって挑発する場面も。どちらも最後まで決め手に欠ける内容となり、判定は割れ、バナリオの勝利となった。
第5試合 ムエタイ 67kg契約 3分3R
○ノーンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ/元ルンピニー4階級王者、元ラジャダムナン認定ライト級王者)
×ファビオ・ピンカ(フランス/元ラジャダムナン認定ウェルター級王者)
判定3-0
1R、ノーンオーは左のジャブと前蹴りを時折出して距離を保ちつつ、時折右ミドルを強打し、蹴り足をつかんでから崩しを決め、ピンカを翻弄。3年ぶりの試合だがスキルは衰えない。
2Rもノーンオーが距離を取って左ミドル、左ハイ、右ミドルを自在にヒット。ピンカも蹴りをもらった後に左のインローを返したり、圧力を強めパンチを振るう場面があるが、ノーンオーのペースを崩せないでいる。
3R、ピンカはゴングが鳴るとすぐに前に出て、ミドルを連打して先手を取るが、次第にノーンオーのペースに戻り、随所でミドルをヒット。ピンカが前に来ればクリンチで寸断し続け終了。ノーンオーの完勝に終わった。
第4試合 フェザー級(70.3kg) 5分3R
○マラット・ガフロフ(ロシア)
×エミリオ・ユールシア [Emilio Urrutia](米国)
1R 2’34” 肩固め
第2試合 ムエタイ 77.1kg契約 3分3R
×エリオット・コンプトン [Elliot Compton](オーストラリア)
○コスモ・アレッシャンドレ(ブラジル)
2R 2’41” KO (左膝蹴り)
第1試合 63kg契約 5分3R
×カジ・イービン [Kaji Ebin](フィリピン)
○藤沢彰博(心技道場)
1R 1’48” TKO (レフェリーストップ)
藤沢はトイカツ道場でMMA・キックボクシングの試合を経験後、バンコクに移り住み、秋山賢治の道場に所属。タイでMMAで2勝した後、ONEのオーディションに合格し、出場権を獲得した。現在38歳。
1R、打撃を狙って前に詰めたイービンに対し、藤沢が1回目の片足タックルでテイクダウンに成功してサイドポジションに。鉄槌を時折落とし、少しずつ追い詰めていた最中、突如島田裕二レフェリーがストップする。イービンが左肩を痛めてギブアップした模様だが、突然のフィニッシュに藤沢も呆気に取られていた。