Krush 8.29 後楽園ホール:近藤魁成、ウェルター級王座決定トーナメント決勝進出も右手首を負傷。山際和希が王者に
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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Krush.116
20202年8月29日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第7代Krushウェルター級(67.5kg)王座決定トーナメント
政府の新型コロナウイルス感染予防対策に従い、通常の約半分の収容人数で開催された今回のKrushには、主催者発表で700人の観衆が集まった。大会の目玉は、木村“フィリップ”ミノルがK-1に専念するため返上したKrushウェルター級王座を4選手が争う1DAYトーナメント。2014年の新生K-1旗揚げ以前はKrushで同様の4選手による1DAYトーナメントが頻繁に行われており、Krushの原点回帰ともいえる企画だ。
今回の組み合わせは近藤魁成 vs. 海斗、一吉 vs. 山際和希に。近藤三兄弟の三男・魁成(写真)はK-1甲子園を2連覇したエリート。昨年は木村とピケオーとの試合に抜擢され、KO負けしたが貴重な経験を積み「他の選手との違いを見せたい」と話す。対する海斗は朝倉兄弟を輩出したTHE OUTSIDERに2度上がっている雑草系ファイターで、高いKO率を誇るハードパンチャーだ。
一吉は九州・関西のキック系大会の5冠王でKrush初参戦。山際は3月のKrushで魁成に判定負けしている。山際は加藤虎於奈の欠場で、一吉は松岡力の欠場で、大会2週間を切ってから出場が決定しており、1日2試合勝たないといけないトーナメントで戦い抜く体力も気がかり。となれば初戦は短期決着狙いか?
第1試合 第7代Krushウェルター級(67.5kg)王座決定トーナメント準決勝(1) 3分3R(延長1R)
×一吉[かずよし](RAOU JAPAN/KOSウェルター級&スーパーウェルター級王者)
○山際和希(谷山ジム/元Bigbangウェルター級王者)
1R 1’35” KO (2ダウン:右フック)
1R、開始すぐから頭を近づけ、両者パンチ、右ロー主体の攻防に。緊急出場の一吉も鋭い右ローを当てたが、山際が右ストレートを一発叩き込むと、一吉は動きが止まり、山際が右ストレートを連打しダウンを奪う。一吉は立ち上がるがダメージは大きく、山際がパンチの連打で一吉を防戦一方にしたところで芹沢レフェリーがストップ。山際が初戦をわずか95秒で突破した。
第2試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
○近藤魁成(大成会館/K-1甲子園2017・2018 -65kg優勝)
×海斗(ポゴナ・クラブジム)
2R 2’54” KO (2ダウン:パンチ連打)
1R、海斗がサウスポー、魁成がオーソドックスに構え、ミドルの打ち合いから始まる。中盤、魁成が右テンカオを効かせると、海斗の動きが止まり、右の三日月も連打で決まるが、終了間際に海斗も左テンカオと左フックの連打でひるませる。
だが2R、魁成が右ロー、左ボディを効かせると、海斗は動きが鈍くなる。それでも随所で海斗はパンチを返し、魁成も少し苦しむが、魁成が顔面、ボディにパンチを打ち続け、終盤にロープに詰めてのパンチ連打でダウンを奪う。海斗は立ち上がるがフラフラで、最後は魁成がパンチを連打すると、梅木レフェリーがストップ。すぐさま海斗はマットに倒れ込み、担架で運ばれた。
第7試合 メインイベント 決勝 3分3R(延長1R)
○山際和希(谷山ジム/元Bigbangウェルター級王者)
×近藤魁成(大成会館/K-1甲子園2017・2018 -65kg優勝)
1R 3’00” TKO (レフェリーストップ:右手首の負傷)
決勝は3月に戦った両者の再戦。前回は魁成が判定勝ちしたが、今回は意外な結末に。1R、パンチ主体の攻防で、山際も右ボディ、右ストレート、左ボディ、右ミドルを当てるが、終盤にかけ魁成が若干パンチの手数を増やし優位に。とはいえ大差は無く、勝負は2Rからかというムードになった終了間際、魁成が突如膝から崩れ落ちる。
どうやら魁成は崩れる直前に右ストレートを当てた際、当たり方が悪く手首を痛めた模様。魁成が股間を押さえるように座り込んだため、梅木レフェリーは一旦タイムストップしたが、魁成が右手首をかばって痛がっているのを確認し、試合を終らせ、山際に勝利を宣告した。
ベルトを巻いた山際は「チャンピオンになりましたけど、実力ではなく、ラッキーだと思っています。でも3月に負けてから、腐らずにずっとやって来たので、振ってきたチャンスかなと思っています。去年夏ぐらいから、いい試合ができなくて、結果が付いてこなかったんですけど、スポンサーや応援してくださる方のおかけでここまでやれました。チャンピオンになりましたけどおごらず頑張ります」と謙虚にアピールした。
バックステージで山際は「初戦は接近戦で驚きましたけど、ボクシング練習の成果が出ました。3月に近藤選手とやった時、こうすれば勝てるんじゃないかと手応えを感じ、5カ月ずっとやって来て、5~6割はできて、こういう形につながって良かったです」と試合を振り返った。
魁成との3度目の対戦の可能性もあるが「やる気ですね。実力で勝ったのじゃないので、3度目もありです」と話しつつも、「ダイレクトリマッチじゃなく、間に他の選手ともやってみたいです」ともコメント。具体的に戦いたいについては「負けている選手にもリベンジしたいです。今回出なかった松岡力選手もですし、魁成選手とももう一回やりたいですし、木村選手、野杁(正明)選手もですし、(安保)瑠輝也選手が67.5kgに上げると聞いていますし、とにかつ強い選手とやりたいです」と話した。
その他ワンマッチ
第6試合 セミファイナル スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○佐々木洵樹(POWER OF DREAM/元Krushバンタム級(53kg)王者)
×龍斗(K-1 GYM横浜infinity)
判定2-0 (30-28/29-29/30-29)
※龍斗が計量600gオーバー。龍斗は1R減点1、ファイトマネーか20%減額。規定のグローブハンデは佐々木が拒否
佐々木はバンタム級王座を返上し、階級アップしての初戦。1R、サウスポーに構え、圧力をかけ続け、随所で左右のボディの連打を当てる。龍斗も右のミドル、ローを返し続け抵抗する。
2Rも佐々木がパンチ主体、龍斗が蹴り主体の構図が続くが、なかなか均衡は崩れない。3Rもお互い攻撃を出し続けるが、なかなか差がつかず終了。判定は減点1分の差で佐々木の勝利となったが、減点が無ければ三者三様で延長という採点だった。
◆佐々木「とりあえず勝てて良かったです。でも反省点ばかりでしたね。龍斗選手は右のキックも強かったんですけど、自分の悪いところばかり出ました。(相手の体重オーバーは)気にならなかったです。試合内容がああなったということです。見ていたファンの方たちも佐々木こんなもんかと思ったと思いますし、会長が言ったことが全くできなかった試合です。(今後の目標は?)自分の先が見えたと思われていると思うので、また必死にやっていきます」
第5試合 63.5kg契約 3分3R(延長1R)
○東本央貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
×金子大輝(K-1ジム大宮チームレオン)
1R 3’02” KO (左フック)
堀井翼の代役で2週前に試合の決まった東本だったが、終盤、金子の右フックに合わせ、クロスさせ左フックをクリーンヒットしダウンを奪う。金子は立ち上がるが、少しフラついたのを見た芹沢レフェリーがストップした。
東本は「急遽2週間前に試合決まって勢いで行ったれという気持ちでした。そんな感じでいつも呼んでくれたら行きますんで」とアピール。最後は自身が店長を務めるショーグンバーガー町田店のアピールも忘れなかった。
第4試合 72kg契約 3分3R(延長1R)
×藤村大輔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○MIKE JOE(フィリピン/BATTLE FIELD/TEAM J.S.A/Bigbangスーパーウェルター級王者)
判定0-2 (29-30/30-30/29-30)
第3試合 78kg契約 3分3R(延長1R)
×OD・KEN(ReBORN経堂)
○雄人[たけと](優弥道場)
4R 判定0-3 (9-10/9-10/9-10)
3R 判定1-1 (30-29/29-30/30-30)