Krush 10.21 後楽園ホール:フェザー級王座戦インタビュー/初防衛戦の王者・森坂陸「負けるはずがないから“引退”という言葉を出している」×2度目の挑戦・篠塚辰樹「前は練習0.2・遊び9.8だったのが、今は練習8・遊び2ぐらい」
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Krush.154(10月21日(土)後楽園ホール)でのKrushフェザー級タイトルマッチ・森坂陸(王者)vs. 篠塚辰樹(挑戦者)の2選手のインタビューがK-1 GROUPから届いた。またこの試合の紹介映像もK-1のYoutubeにアップされている。
第10試合 ダブルメインイベント2 Krushフェザー級(57.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
森坂 陸(エスジム/王者)※初防衛戦
篠塚辰樹(MASTER BRIDGE SOUND/挑戦者)
森坂は3月、玖村修平に勝利しKrushフェザー級王者となり、今回が初防衛戦となる。6月のK-1横浜大会では5年前に敗れた相手である元K-1王者の椿原龍矢と対戦し判定負けしている。
篠塚は元プロボクサーでRISEで活躍後、21年3月からK-1 GROUPに上がり、2戦目の12月に新美貴士のKrushフェザー級王座に挑戦したが2R KO負けした。怪我の療養等を経て、今年3月に林勇汰をKOすると、7月のK-1両国大会では佑典を延長RでKOし勢いに乗る。
森坂陸「負けるはずがないから“引退”という言葉を出している」
―― 挑戦者が篠塚辰樹選手に決まった時はどう思いましたか?
森坂 名のある選手で、盛り上がるからいいかなあという感じですね。
―― そしてカード発表会見で顔を合わせましたが、その時の印象は?
森坂 まあ、イメージ通りですかね。率直にフラレたなあと思いましたけど(笑)。
―― ああ、「以前、個人的に飲んだりしてみたいと思っていた」という森坂選手の発言に、篠塚選手が「キモいし、俺は飲む気はない」と全く興味を示さなかった件ですね。タイプが真逆そうなので、森坂選手の言葉はちょっと意外でした。
森坂 性格とかは似てると思ってないんですけど、けっこうお酒を飲んだり、夜にみんなで「ウェーイ!」って遊ぶ感じが似てて、数年前に彼が他団体で戦ってる時にも、夜に何度か会ったことがあるんですよ。そこで話したら面白くて、「いつか飲みに行きたいなあ」と個人的に思ってただけで。その後、彼がK-1 GROUPに来て「いつかやるんだろうな」とは思ってたんですけど、まあ会見ではネタというか、思ってたんで発言したら、あんな回答で(笑)。
―― なるほど(笑)。ファイターとしての篠塚選手は、やりやすい/やりづらいで言うと?
森坂 僕からするとやりやすいタイプの選手かなと思います。ファイトスタイルが真逆で、僕は蹴りが中心で彼はパンチャーじゃないですか。僕からしたら、あんな感じにパンチで前に出てくる選手はやりやすいんですよ。逆に前回、6月にやった椿原龍矢選手みたいなスタイルは僕にはやりづらくて。
―― ガンガン前に出てくる相手をいなしながら戦う?
森坂 いなしながらというのはもちろん僕のテクニックだから使いますけど、やっぱりメインイベントということもあって、僕が挑戦者だった玖村修平戦の時みたいな感じで、打ち合いたいとも考えています。
―― 「打ち合う」という点については、チャンピオンになって、またメインイベンターとして、意識がより強くなった感じですか?
森坂 それはかなりありますね。数年前からパンチの練習を強化して、打ち合えるようにはなってきたんですけど、タイトルマッチが決まった時から「そういうファイトスタイルにしなきゃな」とはずっと思っていて、意識しているところです。
―― ただ、打ち合いにはリスクも伴いますが。
森坂 もちろん、そこは油断していませんし、僕は「見える」という点では自信があって、見えていればパンチをもらっても倒れないですし、打たれ強さでは僕の方が全然上だと思ってますし。だからそこはそんなに心配してないというか、いつも通りにやれば勝てるかなと思ってます。
―― 最終的にはどう勝ちたいですか?
森坂 もちろんKOで仕留めたいです。倒すことを意識して毎日練習しています。何で倒すかはあんまりこだわってなくて、打ち合う中で何か当たって倒せればいいかなという感じなんですけど、バックハンドブローが入りやすそうだなとは予想しているので、それは狙ってますね。
―― それは戦前に言ってしまって大丈夫なんですか?
森坂 どうせ対策してきても、当たる時は当たるので大丈夫です。まあ別にバックハンドで倒したいと思っているわけでもないので。
―― 今、フェザー級は群雄割拠の様相です。今大会では元王者の新美貴士選手と稲垣澪選手の試合もありますし、タイトルに近い選手も多いですよね。そこはどう見ていますか?
森坂 新美選手と稲垣選手の勝者は次の挑戦者候補かなとも思いますけど、「新美選手は1回獲ったのに、もう1回獲りにくるんだ」とも思います。確かにKrushフェザー級は熱い階級だなとは思ってますけど、今僕は周りの選手をそんなに意識しているというよりは、Krushの中ではトップなので、誰がきてもいいように迎え撃つ立場なので、誰とやりたいとかはあんまりないですね。とりあえず僕が強くなればいいやという考え方です。
―― K-1については?
森坂 今回防衛したら12月のK-1大阪大会にも出たいですし、K-1でも活躍していきたいです。ただKrushの防衛戦も僕が望んでいたことなので、ここはしっかり勝ってつないでいって、来年はK-1王座を狙っていきたいと思っています。このKrushのベルトを失った時点で、僕はK-1を目指せなくなると思っているから、「負けたら引退」って言ってるんですけど。負けるはずがないから「引退」という言葉を出しているというのもあるんですけど、今回防衛してベルトの価値を上げてから、来年はK-1というのが僕の目論見ですね。今回勝たないと「K-1に行きたい」なんて言えるわけもないので、しっかり勝ちます。
―― では最後に、この試合への“決意”を教えていただけますか?
森坂 僕の中では「負けたら引退」というワードは大きいんですよね。その覚悟があるという試合をしたいですね。集大成とは言わないですけど、ケジメの試合というか、防衛できなかったら終わりという“覚悟”を見に来てほしいです。
―― 分かりました。ありがとうございました!
篠塚辰樹「前は練習0.2・遊び9.8だったのが今は練習8・遊び2ぐらい」
―― 王者の森坂選手とはカード発表会見で顔を合わせましたが、その時の印象は?
篠塚 「小っちゃいなあ」って思ったぐらいですね。小っちゃいし、コメントもキモかったんで、「やっぱつまんねえな、コイツ」って思ってました(笑)。
―― 森坂選手からは「飲みに行きたいと思ってた」という話もありましたが……。
篠塚 いや、普通にキモいっすね。試合前に何言ってんだコイツって感じだし、試合終わっても別に仲良くする気はないです(笑)。
―― では森坂選手のファイターとしての印象は?
篠塚 ファイターとしても何も思ってないし、リスペクトもないっすね。倒せないからバックスピンでクルクル回って、「俺は華があるんだ」って見せてるだけって感じっす。とりあえず回って、つまんねえ試合ばっかしてるなって感じです。
―― ただ、その選手が今チャンピオンなわけですが……。
篠塚 うーん、タイミングっすよね。まあ今回で彼は終わるんで。それと、今のK-1 GROUPには面白い選手が少ないっすよね。K-1 GROUPも森坂がチャンピオンでいるより、俺がチャンピオンになった方が100%うれしいと思うんで、俺がチャンピオンになってやろうかなって感じです。
―― ではどういう試合をして、どう勝ちたいですか?
篠塚 ツイッターで軍司(泰斗)とも話したんすけど、アイツの12月(K-1大阪大会)の相手が決まってないみたいなんで、その候補に入るような試合を見せたいですね。軍司にもK-1 GROUPにも、ファンのみんなにも。
―― それは“瞬殺”みたいな形ですか?
篠塚 瞬殺でも別にいいんですけど、今までやってきたことを見せたいなって感じです。ホントに変わったんで、強くなったところを見せたいです。戦い方も全て変えたというか、アップデートしました。
―― 具体的には?
篠塚 もちろん空手をやり始めたのもデカいですし、今まで全く興味がなかったムエタイとかも見て練習するようになって、気付くところも成長した部分もいろいろありました。
―― ボクシングからの転向直後は、持っているものプラス、自由気ままに戦えばいいという印象でした。
篠塚 あの頃は、持ってるものだけで勝てる、俺はボクサーだからパンチでいけばいいや、っていう感じだったんですけど、やっぱ気付いたんですよ。「キックボクシング」をやってるんだから、蹴らないともったいないなということに。
―― ついに気付きましたか!
篠塚 やっと気付きましたね。キック始めて5年ぐらいで、やっと「あ、蹴った方がいいな」と(笑)。
―― 衝撃的なKOデビューの後、2戦目でローキックにやられましたよね。その時には気付かなかった?
篠塚 あの時はまだキック始めて3ヵ月で、ローキックがあんなに痛いと思ってなかったんですよ。予想以上に「いってぇ~!」ってなって。あの頃はナメてましたね。それで負けて、蹴られなきゃ強くならないなと思って、みんなにひたすら蹴りまくってもらってました。
―― まず耐性を作ろうと。ただ、その過程ってボクシングから転向してきた選手がみんな辿る道だと思うんですが、過去の例は見ていなかった?
篠塚 うっすら聞いてはいたんですけど、見てはいなかったですね。まず、昔は他人の試合を見てなかったので。今はキックもムエタイもMMAも見てますけど、あの頃は何も見てなくて、本当にナメてました。
―― 「俺が殴れば勝てる」と。
篠塚 ホントにそう思ってました。「誰でも、当たれば倒れるっしょ」って。今はそこから全てが変わりました。頭も体も戦い方も、全部が変わりましたね。最初の頃はキックのリングに上がっても「ボクサー」でしたけど、今は「キックボクサー」です。
―― おお! そうなると、「蹴るからこそパンチも当たる」というのも実感しているのでは?
篠塚 それはすごくあるっすね! 今までホントに気付けてなかったんですけど、蹴りがあるからこそのパンチもあるし、パンチがあるからこその蹴りもあるし。パンチと蹴りを組み合わせて、空手も含めてやっと自分のスタイルが完成したって感じです。
―― では、2年半前にK-1 GROUP参戦した当初の自分ともまた違う?
篠塚 違いますね。小澤海斗戦の時とかは、何も練習してなかったんで(笑)。今は練習しかしてないです。もちろん遊びもしてますけど、比率が大きく変わったっすね。
―― どれぐらい変わったんですか?
篠塚 前は、練習0.2、遊び9.8だったんですよ。それが今は練習8、遊び2ぐらいです。だいぶ変わったっすね。
―― そんなに変われるものなんですね。
篠塚 新美(貴士)に負けた(21年12月)のがすげえ悔しくて、「もう負けたくねえな」って思ったんです。
―― では今は、新しく作り上げたスタイルの上に、もともと持っていたパンチがあるから、最強ということですか。
篠塚 そうですね。一時期は蹴りの練習をしすぎてボクシングを忘れちゃってたこともあるんですけど、それじゃダメだと気付いて。「パンチがあっての蹴りだな」ってことが分かったんですよ。小澤戦の時とかは蹴ろう、蹴ろうとしすぎててパンチがダメだったんですけど、今はパンチも完全に思い出したから最強です。
―― けっこう、一つのことをやるとガーッとそっちに行っちゃう方なんですか?
篠塚 そうなんすよね。けっこうバカなんで、1回何かやるとそれだけにグワーッと行っちゃうんですよ。バカ単純っつーか(笑)。でも今は全てを含めてやらなきゃダメだと思って、ボクサー時代の関係者にまた会ったり、キック転向したばっかの時の人に会ったりしていろいろ話も聞いて、自分の中でスタイルが確立できてますね。
―― そうですか!
篠塚 昔できてたけど、今はできてないことがあるなって気づけたんですよね。そういうのも取り戻しました。
―― では今は、勝ってチャンピオンになるのが待ち遠しいという感じでは?
篠塚 いや、マジで待ち遠しいっす。早くベルト巻きたいっすね。別にKrushのベルトがほしいとかじゃなくて、“ベルト”が早くほしいっす。
―― そして次はK-1と。
篠塚 それができたら最高ですね。今のフェザー級で、軍司とやって面白いヤツって他にいないんで。俺しかいないっしょって感じですからね。今回の試合で見せればそこまで行けるはずなんで。
―― 軍司選手はK-1王者ですが、もうK-1王座も獲る自信満々なんですね。
篠塚 そうっすね。軍司とは昔から練習もしてて、昔はバーを一緒にやったりもして、仲良かったんですよ。今は本当に負ける気はしないっす。アイツも強くなってますけど、負けないっす。
―― 今回はタイトルマッチが2試合あって、この試合が後楽園ホール大会のメインになる可能性が高いです。そこに関しては?
篠塚 もう1個のタイトルマッチ(フライ級・大鹿統毅vs悠斗)のヤツらが鼻毛みたいなつまんないこと言ってるじゃないですか。アイツらは試合も絶対つまんないんで、自分は入場から盛り上げるんで。入場は自分らがやってるダンスホールを見せつけるんで、入場から楽しみにしてほしいですね。
―― そういうものを格闘技と結びつけたいという思いも強いですよね。
篠塚 メチャメチャありますね。格闘技ファンにダンスホールに来てくれればいいし、ダンスホールのみんなが格闘技見に来てくれたらいいなって思います。それができるのは俺しかいないっすから。だから俺はやるっす。
―― では最後に、この試合に向けての“決意”を教えていただけますか?
篠塚 とりあえずのベルトなんですけど、入場から楽しませて、強くなったところをちゃんとみんなに見せるんで、楽しみにしてくださいって感じっすね。
―― 分かりました。ありがとうございました!
対戦カード
第10試合 ダブルメインイベント2 Krushフェザー級(57.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
森坂 陸(エスジム/王者)※初防衛戦
篠塚辰樹(MASTER BRIDGE SOUND/挑戦者)
第9試合 ダブルメインイベント1 Krushフライ級(51kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
大鹿統毅(K-1ジム総本部チームペガサス/王者、K-1甲子園2022 -55kg優勝)※初防衛戦
悠斗(HUNGRY GYM/挑戦者、WMC日本ライトフライ級(49kg)王者、元ボクシング日本同級王者)
第8試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
新美貴士[たかひと](名古屋JKファクトリー/元Krushフェザー級王者)
稲垣 澪[れい](K-1ジム大宮チームレオン/元Bigbangフェザー級王者)
第7試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/元Krushフライ級王者、K-1甲子園2021 -55kg優勝)
黒川瑛斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
第6試合 第6代Krush女子フライ級(52kg)王座決定トーナメント・一回戦(2) 3分3R(延長1R)
鈴木万李弥(クロスポイント吉祥寺)
麻央(K-1ジム心斎橋チームレパード)
第5試合 第6代Krush女子フライ級(52kg)王座決定トーナメント・一回戦(1) 3分3R(延長1R)
真優[まひろ](月心会チーム侍)
池内紀子(POWER OF DREAM)
第4試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
山本直樹(K-1ジム五反田チームキングス)
松本和樹(T-GYM)
第3試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
鬼山桃太朗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Bigbangスーパーバンタム級王者)
野田 蒼(月心会チーム侍/K-1甲子園2020 -55kg優勝)
第2試合 フライ級(51kg) 3分3R(延長1R)
大夢[だいな](WIZARDキックボクシングジム)
宗一郎(朝久道場/KPKBバンタム級王者)
第1試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
三宅祐弥(Hacker GYM)
赤田功輝(RAIGHT)※ALONZA ABLAZEから所属変更
プレリミナリーファイト第3試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
橋本雷汰(BFA-SEED/K-1甲子園2022 -60kg優勝)
啓斗(team ALL-WIN)
プレリミナリーファイト第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
寺島 想[こころ](AX GYM)/K-1カレッジ2020 -60kg優勝
サガエ・ルーカス(ブラジル/ブラジリアンタイ)
プレリミナリーファイト第1試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R
田上“DARUMA”健太(K-1ジム蒲田チームアスラ)
水上陽生[はるき](ポゴナ・クラブジム)
概要
大会名 Krush.154
日時 2023年10月21日(土)開場・17:00 プレリミナリーファイト開始・17:30 本戦開始・18:00
会場 後楽園ホール
中継 ABEMA(生放送)
チケット料金 SRS席 20,000円 RS席 15,000円 S席 10,000円 A席 7,000円 ※当日券500円アップ。16:00より販売 ※小学生からチケットが必要
チケット販売 K-1.SHOP グッドルーザー 出場選手・所属ジム
お問い合わせ グッドルーザー 03-6450-5470 https://www.k-1.co.jp/krush/