DEEP 3.1 後楽園ホール:元谷友貴、大塚隆史を完封し判定勝ち。住村竜市朗、悠太との死闘制しウェルター級王座防衛
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skyticket Presents DEEP 94 IMPACT
2020年3月1日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第10試合 メインイベント バンタム級 5分3R
○元谷友貴(フリー/元DEEPバンタム級&フライ級王者)
×大塚隆史(T GRIP TOKYO/元DEEPバンタム級&フェザー級王者)
判定3-0 (和田30-27/豊永30-27/松宮30-27)
新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、政府が2月26日、「多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等」の2週間の「中止、延期又は規模縮小等の対応を要請」した。多くのイベントが中止される中、DEEPは大会を決行。前日計量後、DEEPの佐伯繁代表は「選手たちの減量のことやファイトマネーのこともあるので、やることにしました。2週間後の大会なら辞めていたと思います」と話していた。
そんな今回のメインイベントは、RIZINで最も盛り上がるバンタム級でも戦っている元谷と大塚の、再浮上をかけた一戦だ。
大塚は17年7月からのRIZINバンタム級GPに参戦し、大晦日の準決勝で石渡伸太郎に判定負けした。その後はDEEPで3勝2敗。ビクター・ヘンリーとトレヴィン・ジョーンズに敗れているが、12月の大田大会では高野優樹に判定勝ちしている。
対する元谷は昨年3月にヘンリーに敗れDEEPのバンタム級王座を失って以来のDEEP登場。7月のRIZINでは堀口恭司のバンタム級王座(当時)を狙う「バンタム級四天王」の一角に位置づけられ、扇久保博正と対戦し、好勝負を繰り広げるも、判定1-2で惜敗した。大晦日のRIZINではベラトールとの対抗戦の副将に選ばれたが、パトリック・ミックスのギロチンチョークで一本負けを喫しており、DEEPのケージからの再浮上を図る。セコンドにはパラエストラ浦安で一緒に練習している上田貴央、渡辺華奈がつく。
1R、元谷が前に出る大塚をかわしつつ、右ロー、カーフキックを当て続けて主導権を握る。中盤、右フックでふらつかせ、右テンカオで飛びつくと、大塚はタックルで倒す。だがしばらくして元谷はスタンドに戻すと、前半同様に右ローを当て続け、主導権を維持する。
2R、元谷は右ロー、カーフも当てるが、右ストレートの比重を上げ、終始主導権を維持する。大塚は前に出続けるがかわされ続け、数発しかパンチも蹴りも当てさせてもらえない。
3Rも大塚は前に出て、タックルの頻度を上げるが、元谷は突き放し続け、自分の右ロー、右ストレートを着実に当て続ける。足を止めてパンチが交錯する場面でも、被弾せず自分のパンチを的確に当てる。終盤には元谷が上になり、バックも取り、上からパウンドをまとめて終了。差をしっかり印象付け、文句なしの判定勝ちを果たした。
試合後のマイクで元谷は「コロナで騒がしい中、応援ありがとうございます。今年もDEEP、RIZINに出たいので応援お願いします」とアピールした。バックステージでは「大塚選手の映像を見たら、ローをカットしなかったんで入ると思いました」「ビクターも扇久保選手も今、RIZINでベルトを取っていいぐらいの位置にいますけど、そこに競り負けるようなら、まだまだなので、勝てるようになりたいです」と話した。
第9試合 セミファイナル DEEPウェルター級タイトルマッチ 5分3R
○住村竜市朗(TEAM ONE/王者)
×悠太(ALLIANCE/挑戦者、元王者)
判定5-0 (福田29-28/橋本29-28/和田29-28/長瀬29-28/松宮29-28)
※住村が2度目の防衛
住村は18年4月の佐藤洋一郎戦以来となる防衛戦。昨年12月29日のベラトールさいたま大会でのRIZINルールの試合に出場したが、ジョン・タックに1R TKO負け。18年8月のRIZINのストラッサー起一戦に続き、RIZINルールでは連敗中だ。悠太とは16年10月のDEEP大阪大会でのDEEPウェルター級GP一回戦で対戦し、住村が2R裸絞めで一本勝ちしている。悠太はその後1年8か月、怪我のためブランクがあり、復帰後初戦は計量オーバーも伴い判定負けに終わったものの、以降3試合はANIMAL☆KOJI、渡辺良知、佐藤洋一郎相手に3連勝している。
1R、住村が序盤から圧をかけ、左ジャブ、左右のストレート、フックを度々当てて、悠太を苦しめる。悠太も少しずつ左ジャブを返し、最後は倒して上になって終える。記者採点は住村。住村は積極的な攻めについて「最近は見る癖がついていたので(セコンドにもついた)青木(真也)さんと皇治さんから『行こう』と言われていた」という。
2Rも住村がパンチラッシュで先手を取り、グラウンドで上になる。だが悠太が脱出すると、左フックをクリーンヒットし、住村をダウンさせ形勢逆転。すぐ上になり、パウンドラッシュからバックに回るが、詰めが甘く、住村が返して上で押さえる。最後は再び悠太が上になって終える。記者採点は悠太。
3R、パンチの打ち合いが続き、中盤、少し悠太がひるむと、住村が組み倒して上になる。膠着ブレイク後、再び住村が倒して押さえ続ける。悠太は脱出して上になると、最後はパウンドを落とし挽回する。記者採点は攻勢の時間の長かった住村。タイトルマッチはジャッジ5人で、5人とも住村を支持し、住村が苦しみながらも判定勝ちで防衛を果たした。
第8試合 フェザー級 5分3R
○横山恭典 (KRAZY BEE)
×巽 大佑(NEX)
3R 3’30” 肩固め
1R、序盤から横山がテイクダウンに成功し、バックを取ると、最後まで捕獲し続け、裸絞めを狙い、パウンドを当てる。2R以降も横山がグラウンドで攻め続けて圧倒し、3Rにバックキープの後、肩固めを極めて絞め落とし完勝した。
第7試合 バンタム級 5分2R
○CORO(K-Clann)
×ドリームマン[クリッサダー・コンスリチャイ](タイ/ターントンジム)
2R 4’11” TKO (タップアウト:グラウンドパンチ)
ドリームマンはレスリングの元タイ代表で、14年にMMAでプロデビューし、ONEでは4勝し活躍し、今回DEEPに初参戦した。ベストは1階級下だ。
1R、COROが飛びついてのギロチンを仕掛けるが、ドリームマンは対処し、反り投げで倒す。だがグラウンドでCOROが上になると、サイドで押さえ続け、終盤にも飛びつきのギロチンを狙い、主導権を維持する。
2R、疲れの見えるドリームマンを、COROは序盤から倒して、サイドで押さえ続ける。COROは終盤、マウントを奪い、右肘を強打すると、ドリームマンはタップし、COROの勝利となった。
第6試合 バンタム級 5分2R
○才賀紀左衛門(888ジム/K-Clann)※クロスポイント吉祥寺から所属変更
×ジャック(タイ/MASTER THONG)
1R 1’22” TKO (レフェリーストップ:左フック)
才賀は昨年6月のRIZIN神戸大会で国崇とキックルールで対戦予定だったが、左眼窩底骨折の後遺症により欠場していた。MMAの試合は17年12月のRIZINで朝倉海にTKO負けして以来2年2カ月ぶり。18年7月にクロスポイント吉祥寺に所属後はキックボクシングに専念していた。今回から所属を変えMMAに戻り再スタートを切る。
1R開始すぐ、ジャックが右ストレートを効かせ、パンチラッシュで追い詰め、上からパウンドも当てる。才賀は立った後もジャックにパンチで攻め込まれるが、打ち合いで左ボディを当てていると効き目を発揮する。金網に詰めて、左ボディを放つが、ローブローとなり一時中断。再開後、才賀が顔面に右と左のパンチを立て続けに当てると、ジャックがうずくまり、豊永レフェリーがストップした。
序盤ピンチに陥り、反則もあり、快勝とはいかなかった才賀。マイクを持つと「総合を2年半ぶりにやって、やっぱ娘の顔が浮かんで、負けられへんなって」「今K-1もあればRIZINもあります。DEEPにも出させてもらったんで、DEEPにもいっぱい出たいです」と話した。
グラップリング・エキシビションマッチ 5分1R
―神龍 誠(フリー/DEEPフライ級王者)
―越智晴雄(パラエストラ愛媛/DEEPストロー級王者)
勝敗無し
日本政府が26日、新型コロナウイルス対策で、過去2週間以内に韓国南部の大邱(テグ)市と慶尚北道清道郡に滞在歴のある外国人を入国拒否の対象とする方針を示し、大邱にいるビョン・ジェウン(韓国)が今大会の欠場を余儀なくされた。対戦予定だった神龍は越智と王者同士でのエキシを行った。
神龍は越智と観客に礼を述べ「体ピンピンしているんで、RIZIN横浜、ぜひ出してください」とアピール。越智は「年末は勝つことができなくて、DEEPの強さを証明できなかったので、今年はガンガン勝って証明したいと思います」と話した。
第5試合 フライ級 5分2R
×島袋チカラ(CORE王子豊島)
○藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We)
判定0-3 (18-20/18-20/18-20)
1R、藤田がスタンドで左ボディ、左ミドルを当て、上になれば肘とパウンドを当てる。島袋も下からギロチンや三角を狙うが、藤田は対処している。
2R、スタンドの打撃戦で島袋も左ミドルを当てるが、藤田が前に出て左フック、左右のミドルなどを豪快に当てて好印象を残し、テイクダウンも重ねて判定勝ちした。
第4試合 ライト級 5分2R
○大山釼呑助(INFIGHT JAPAN)
×ハリー・スタローン(ブラジル/マカコ・ゴールドチーム・ジャパン)
1R 2’50” 失格
※グラウンド状態の相手の頭部への膝蹴りの反則でスタローンに減点1。大山はドクターストップでスタローンの失格に。
第3試合 フェザー級 5分2R
○神田コウヤ(パラエストラ柏)
×遠藤来生(パワーオブドリーム)
判定3-0 (20-18/20-18/20-18)
第2試合 バンタム級 5分2R
×ハシャーンフヒト(NEX)
○笹 晋久(パラエストラ柏)
判定0-3 (18-20/18-20/18-20)
第1試合 フライ級 5分2R
×石神保貴(EXFIGHT)
○渋谷カズキ(高本道場)
判定1-2 (豊19-19○/和田○19-19/福田19-19○)
オープニングファイト2 ストロー級 5分2R
○中村正人(レンジャージム)
×多湖力翔(ネックスイチムエ)
判定3-0 (20-18/○19-19/○19-19
オープニングファイト1 DEEP JEWELS アマチュアSPルール 49kg契約 3分2R
―吉川桃加(禅道会)
―マヤ(パラエストラ柏)
中止 (マヤの計量2.2kgオーバー)
※グラップリングエキシビションマッチに変更