REBELS 6.9 後楽園ホール:日菜太、坂本優起に辛勝。大野貴志、KNOCK OUTトーナメント出場権獲得。鈴木宙樹、安本晴翔も勝利
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
格闘技医学会
現場で役立つ格闘技医学を研究/公開/実践中!
REBELS.61
2019年6月9日(日) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
※「REBELSルール」は肘無し・首相撲制限ありのキックルール。その他の試合はムエタイルール
第13試合 メインイベント REBELS 60kg級王座決定戦 3分3R(延長1R)
×葵拳士郎(マイウェイジム/WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者/60.0kg)
○鈴木宙樹(クロスポイント吉祥寺/60.1kg→60.0kg)
判定0-3 (山根28-30/北尻28-30/和田28-30)
※鈴木が王者に
町田光が王座を返上し、2月大会で王座決定トーナメント一回戦が行われ、鈴木宙樹 vs. 旭野穂、才賀紀左衛門 vs. 浅川大立が組まれた。だが旭野が欠場し、才賀は浅川に勝ったが同門の鈴木との決勝を辞退したため、鈴木に王座認定にふさわしい相手として葵が用意された。葵は2月のNJKFでWBCムエタイ日本統一王者になったばかりだ。
1R、両者とも右ロー、右ストレート主体の攻防。鈴木のほうが一発の重みでは上だが、葵は持ちこたえ、随所で攻撃を返し続け五分を維持する。
2R、鈴木が序盤から右ストレートをクリーンヒットし、その後も随所で右のストレート、アッパーを強打して好印象を残す。葵は耐えるが、有効な攻撃がなかなか返せない。
3R、鈴木は序盤から右ストレート、組んでの膝を当て続け、葵をダウン寸前まで追い詰める。終盤は攻め疲れたが、反撃を許さず試合を終える。
記者採点は2Rと3Rに鈴木につけ28-30で鈴木。ジャッジ3者も同じ採点で、鈴木が王者となった。鈴木は「これからREBELSを世界の舞台に持って行くので、自分について来てください」とアピールした。
第12試合 セミファイナル REBELS-MUAYTHAIフェザー級王座決定戦 3分5R
○安本晴翔(橋本道場/INNOVATIONスーパーバンタム級王者/56.9kg)
×栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺/57.40kg→57.0kg)
判定3-0 (北尻49-47/センチャイ49-47/和田49-46)
※安本が王者に
栗秋は2月にREBELS 57.5kg級王者・古谷野一樹、4月に八神剣太に勝利。KO負けした八神がベルトを返上し、王座決定戦が今回組まれた。
1R、安本がサウスポーからの左ミドル主体で主導権を維持する。前蹴りのフェイントを絡めたり、連打でミドルを当てたり、打ち合いのラリーで最後にミドルを当てたりと、印象的な攻撃を随所に織り交ぜる。栗秋は後手に回り、攻撃が乏しい。記者採点は安本。
2Rも栗秋が蹴り主体で攻勢をキープ。栗秋もバックハンドブローの奇襲で沸かせる場面もあるが、攻撃が少ない状態は変わらない。記者採点は安本。
3Rも安本が優位をキープし、組んでの膝を効かせて追い詰めたが、終盤、栗秋が接近戦で右肘を当ててパンチを連打して追い詰める。安本は右まぶたを切り、ドクターチェックを受ける。記者採点は栗秋。
4R、お互い消耗が激しくなってきたが、その中で随所で攻撃をまとめるのは安本のほう。中盤以降、パンチ連打、組んでの膝連打などで随所で栗秋を追い詰める。記者採点は安本。
5R、安本も疲れが激しいが、随所でパンチ、膝、ミドルを当て続け、主導権を維持。栗秋は時折スリップし、反撃できないまま終了する。記者採点は安本。合計49-46で安本。安本が完勝した。
第11試合 REBELSルール 71kg契約 3分3R(延長1R)
○日菜太(クロスポイント吉祥寺/REBELS 70kg級王者/70.9kg)
×坂本優起(シーザージム/シュートボクシング日本スーパーウェルター級(70kg)3位・元王者/70.8kg)
4R 判定2-0 (センチャイ10-9/北尻10-10/山根10-9)
3R 判定1-0 (センチャイ30-29/北尻29-29/山根29-29)
日菜太は2月のREBELSでラジャダムナン現役王者・シップムーンに左ローキックで3R KO勝ちして以来4か月ぶりの試合となる。その先には8月18日のKNOCK OUTでのジョムトーン・チューワッタナとの大一番を控えている。
1R、日菜太はサウスポーに構え、封印とまではいかず時折出すが、得意の左ミドルとローは控えめ。日菜太の左のふくらはぎにはテーピングが施され、状態はあまり良くないようで、パンチ主体のファイトを繰り広げる。前にぐんぐん出てくる坂本と、足を止めて度々パンチを打ち合い、時折被弾しながらもしっかり自分の左ストレートを返す。2R、日菜太はミドル、膝の比重を高めるが、基本はパンチ主体。打ち合いでお互い被弾し、まだ大差がつかない。
3Rもお互いパンチ主体で激しく打ち合う展開が続く。坂本は時折もらうも、一歩も引かず前に出続け、終盤には右ストレートで少し日菜太をふらつかせ、場内を沸かせる。
記者採点は30-30。ジャッジは1者のみ日菜太を支持し、2者はイーブンで延長にもつれ込む。変わらず激しくパンチで打ち合い、一進一退の攻防が続くが、終盤、日菜太が左ストレート、ミドル、ハイのヒットを増やし、やや優勢で終える。記者採点は日菜太。ジャッジ2者が日菜太を支持し、日菜太の判定勝ちとなった。
日菜太は「すいません。坂本選手、凄い体力があって本当疲れました。見ての通りほとんど蹴れなかったんですけど、怪我が多くなって、パンチばっかりの勝負になりました。残された時間は少ないですが、8月の試合、その次の(目標の)東京ドーム、応援してください」とアピールした。
第10試合 KNOCK OUTスーパーバンタム級王座決定トーナメント出場者決定戦 55.5kg契約 3分3R(延長1R)
×KING強介(ロイヤルキングス/REBELS-MUAYTHAIスーパーバンタム級王者/55.4kg)
○大野貴志(士道館新座ジム/WMC日本スーパーバンタム級王者/55.5kg)
判定0-3 (山根27-30/センチャイ27-30/和田26-30)
この試合の勝者は、8月18日のKNOCK OUTでのKNOCK OUTスーパーバンタム級王座決定トーナメントの出場権を獲得し、一回戦で江幡塁と対戦する。
1R、強介がガードを下げつつ圧力をかけ、大野が回り続ける構図が続き、両者慎重だったが、終盤、強介の大振りの左フックのタイミングで、大野がショートの左フックを合わせてダウンを奪う。
2R、強介は1Rよりも圧力をかけてパンチの連打をまとめる場面が増える。だが終盤、少しお見合いが続くと、大野が終了間際に右ストレートをクリーンヒットして少し強介をぐらつかせ好印象を残して終える。
3Rも強介が随所でパンチをまとめるが、大野は耐え、終盤にも右フックをクリーンヒットし、大差をつけさせず終了する。記者採点は1R8-10で大野につけ28-30で大野。大野が判定勝ちし、KNOCK OUTトーナメント出場権を獲得した。
リングには塁が上がり「今日、新日本キックとREBELSの対抗戦で新日本が負けましたが、8月18日のKNOCK OUTで大野選手に勝って、決勝でREBELSの小笠原瑛作選手に勝って、借りを返させてもらいます。たくさんの団体で交わって、キックボクシング新時代を盛り上げていきます」とアピール。大野は「皆さんの応援のおかげでつかみ取ったKNOCK OUT出場権です。KING選手のおかげで盛り上がりました。ありがとうございます。江幡選手は小笠原選手と決勝と言いましたが、僕が勝ちます」と話した。写真中央はKNOCK OUTの運営会社・キックスロードの原田克彦代表。
第9試合 REBELS×新日本キック対抗戦II 大将戦 スーパーフライ級 3分3R
○老沼隆斗(STRUGGLE/REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者/51.95kg)
×空龍[あろん](伊原道場新潟支部/新日本フライ級2位/51.95kg)
判定3-0 (和田30-29/北尻30-28/山根30-28)
両団体の対抗戦は4月14日の新日本キックで第1弾が行われ、REBELS側からは潘隆成らが5選手が乗り込み2勝2敗1分の五分の結果で終わっていた。今回は3戦目まで勝敗のわからない接戦で大将戦を迎える。
1R、老沼が圧力をかけ続け、右ロー主体の蹴りで主導権。空龍は崩れず蹴りを返すが攻撃が乏しい。空龍はいつもは1階級下で戦っているため、少し力負けしている感がある。
2Rも老沼が右ロー主体で蹴り続け主導権を維持する。ハイキックや回転系の蹴り技も織り交ぜ、場内を沸かせる。
3Rは空龍も蹴り数を増やし、肘も織り交ぜて巻き返すが、老沼も随所で右ロー等の蹴りを返し続け、逆転は許さず。記者採点は1Rと2Rに老沼につけ30-28で老沼。ジャッジ3者も老沼を支持し、老沼の勝利となった。
第8試合 REBELS×新日本キック対抗戦II 中堅戦 ライト級 3分3R
△大谷翔司(スクランブル渋谷/61.15kg)
△高橋亨汰(伊原道場本部/元新日本フェザー級1位/61.15kg)
判定1-1 (北尻28-29/和田29-28/センチャイ29-29)
新日本のリングに乗り込み千久をKOした大谷翔司は、今度は新日本のタイトルマッチ経験者・高橋と対戦。1R、前に出てくる大谷に対し、高橋はサウスポーに構えて回ってかわしつつ、左ミドル、左ハイを当てる。終盤、大谷も右ストレートをクリーンヒットし、印象を良くする。
2R、高橋が左ミドル、左ハイのヒットを増やし、波に乗ってきたかに見えたが、大谷も随所で右ミドル、右ストレートを返し、終盤のパンチの打ち合いで左フックを当ててぐらつかせ挽回する。最後はパンチとハイで大谷が攻め込み、場内を沸かせる。
3Rも大谷のパンチ、高橋の蹴りの構図。お互い一歩も譲らない展開が続いたが、終盤、高橋が左のミドルのヒットを増やし、少し良い印象を残して終える。
記者採点は1Rに高橋、2Rに大谷につけイーブン。ジャッジは三者三様でドロー。また今後再戦を見たいと思わせる激闘だった。
第7試合 REBELS×新日本キック対抗戦II 先鋒戦 フェザー級 3分3R
○千羽裕樹(スクランブル渋谷/57.05kg)
×瀬川 琉(伊原道場稲城支部/57.0kg)
2R 2’46” TKO (レフェリーストップ:右ミドルキック)
1R、千羽が度々パンチの連打で詰めてやや優勢。2R、瀬川がサウスポーからの左ハイを当てていたが、千羽がパンチを返していると失速し、コーナーに詰めての連打でスタンディングダウンを奪う。千羽が右ミドルを当てて2度目のダウンを奪うと、瀬川は立ったもののうずくまり、北尻レフェリーがストップした。
第6試合 REBELSルール 63kg級 3分3R
×耀織[よしき](Y’s glow/62.05kg)
○与座優貴(橋本道場/極真会館2017全世界ウェイト制軽量級(70kg)優勝/62.9kg)
判定1-2 (山根28-30/北尻29-28/センチャイ28-29)
与座は3月のキック転向後2連続KO勝ちし、今回が3戦目。1R、耀織が前に詰めてパンチを連打するが、与座はブロックしてしのぐと、ロー、ミドルを着実に返し続け、終盤には左ストレートと左ハイの連打を決め、耀織をぐらつかせる。
2Rも耀織はパンチ主体で、与座がブロックしつつ、首相撲に持ち込み、膝を連打する。離れれば与座は1R同様にミドル、ハイ等を当てるが、1Rのように耀織はぐらつかず、パンチを出し続ける。
3Rは耀織がロープに詰めてパンチの連打を続ける場面が目立つように。与座はクリーンヒットこそもらわず、パンチを返すが、手数で劣り少し印象が悪い。
記者採点は1Rと2Rに与座、3Rに耀織につけ28-29で与座。ジャッジは割れ、2者が与座を支持し勝利したが、与座は涙。3Rフルで戦い、課題の多く見つかる一戦となった。
第5試合 REBELSルール 女子47kg契約 2分3R
×パク・シウ(韓国/TEAM MAD/46.85kg)
○ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/46.9kg)
判定0-3 (山根29-30/センチャイ28-30/和田28-30)
シウはキック5戦3勝2敗、MMA 4戦2勝2敗の27歳。最近では昨年8月のDEEPで富松恵美を打撃で苦しめ判定勝ちしている。
1R、お互いローを打ち合った後、クリンチになる展開が繰り返され、パンチの打ち合いもある中でお互いにヒットする。2Rも同様の構図の中で、シウが右フックを当ててから組み付く展開が目立つように。ぱんちゃんは組まれた後に膝を返し、離れればパンチの連打を時折当てる。3Rも同様の構図が続くが、シウは少しヒットが減り終了。記者採点は30-30でイーブン。ジャッジは3者ともぱんちゃんのヒット数を評価し、ぱんちゃんの勝利となった。
第4試合 スーパーバンタム級 3分3R
○炎出丸(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORK王者/55.25kg)
×ダイナマイト柿崎(DRAGON GYM/RKA王者、元DBS王者/55.1kg)
判定3-0 (センチャイ29-27/和田30-27/北尻30-27)
第3試合 REBELSルール 61kg契約 3分3R
○古谷野一樹(クロスポイント古河/元REBELS 57.5kg級王者/60.95kg)
×小磯哲史(テッサイジム/蹴拳ムエタイ・スーパーフェザー級王者/60.55kg)
判定3-0 (山根29-27/和田30-27/北尻30-26)
第2試合 REBELS-MUAYTHAIスーパーウェルター級王座決定リーグ戦 3分3R
×津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム/勝ち点3/69.85kg)
○吉田英司(クロスポイント吉祥寺/勝ち点2→5/69.7kg)
1R 2’07” TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる額のカット)
第1試合 REBELS-MUAYTHAIスーパーウェルター級王座決定リーグ戦 3分3R
×光成(ROCK ON/勝ち点0/69.55kg)
○降籏健嗣(士道館ひばりが丘道場/勝ち点0→2/69.50kg)
判定0-2 (センチャイ28-30/山根29-29/北尻28-29)
REBELS 一夜明け会見:満身創痍の日菜太、8月のジョムトーン戦に向け回復優先「若い選手の猛練習に引っ張られないよう」。新王者・鈴木宙樹、元KRUSH王者・島野浩太朗との対戦に意欲