BOM 6.1 横浜文化体育館:スアキム、圧巻の2R KO勝ち。緑川創、ラジャダムナン再挑戦は判定負け。名高は判定勝ち
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BOMプロモーション(エイワスポーツジム)「BOM -The Battle Of Muaythai- season II vol.2」
2019年6月1日(土)横浜文化体育館
レポート&写真:井原芳徳
第12試合 メインイベント ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級タイトルマッチ 3分5R(インターバル2分)
○クンスック・シットシェプブンタム(タイ/王者)※初防衛戦
×緑川 創(藤本ジム/4位、WKBA世界スーパーウェルター級王者、元新日本ウェルター級王者)
判定3-0 (49-48/49-48/49-48)
※クンスックが初防衛
緑川は昨年6月、バンコクのラジャダムナンスタジアムに乗り込み、シップムーン・シットシェフブンタムとの王座決定戦で判定負けした。シップムーンはベルトを返上した模様で、4月28日にラジャダムナンスタジアムで、ウェルター級1位のクンスックと、スーパーウェルター級4位のFilipe Family Muaythai(ブラジル)の間で王座決定戦が行われ。クンスックが勝利した。緑川はラジャ王座2度目の挑戦に備え、4月末から5月頭の10日間、バンコクで練習し、この試合も生観戦している。
1R、緑川が圧力をかけ、中盤過ぎから次第に右ローを2連打する場面が目立ち始め、左ジャブからの右ストレートも当てる。クンスックは長い脚を活かして前蹴りを多用し、まだ慎重だ。記者採点はイーブン。
2R、序盤こそクンスックの右ハイをもらってしまった緑川だが、中盤からは右ロー、左ボディを効かせつつ、終盤には右ストレートもうまく当て、主導権を握る。記者採点は緑川。
3Rも緑川は前に出て右ロー、左の奥ローを当てるが、クンスックも回ってかわしつつ左右のミドル、テンカオを随所で当て、テクニック面で印象を残す。記者採点はイーブン。
4R、緑川はパンチの比重を上げ、ボディを当ててから顔面につなぐパターンで何度かクンスックをのけぞらせる。とはいえクンスックは随所で膝、ミドルを当てているため、タイ人ジャッジの評価はクンスックが上だろう。記者採点はクンスック。
5Rもクンスックは回ってミドル、膝を随所でヒット。逆に緑川はパンチをかわされる場面が目立つようになってしまい、最後はクンスックが組んで倒して終える。記者採点はクンスック。合計49-48でクンスック。タイ人のジャッジも同様で、クンスックの判定勝ちとなった。
第11試合 セミファイナル タイ国スポーツ協会ナーイ・カノム・トム・ライトフライ級王座決定戦 3分5R
○名高・エイワスポーツジム(エイワスポーツジム/ルンピニー・ラジャダムナン・IBFムエタイ世界ミニフライ級王者、元WBCムエタイ世界同級王者)
×ゲンカー・ヌンポンテープ(タイ)
判定3-0 (大成49-48/センチャイ49-48/ナルンチョン49-48)
※名高が王者に
4月14日のBOMでルンピニー認定ミニフライ級王座を獲得し、日本人初の同スタジアム王座獲得と2大スタジアム制覇を成し遂げた名高が引き続き出場。今回は1階級上で約1.4kg重いライトフライ級(49.0kg)で試合をする。名高は前回の試合後、ラジャダムナンスタジアムでのライトフライ級王座獲得に意欲を示していた。
なお、今回のベルトの名称にある「ナーイ・カノム・トム」は約250年前のミャンマー(ビルマ)との戦争中に活躍したとされるタイの英雄の名前だ。
1Rはお互い慎重。2Rになるとゲンカーが圧力を強め、サウスポーの名高に右ミドルを当てつつ、組んで膝を当てる場面を増やす。名高ももらいっぱなしではなく、膝を随所で返しているが、少し後手に回ってしまう。2Rまで記者採点はイーブン。
3Rもゲンカーが圧力をかけ続け、右ミドル、ロー主体で攻め続ける。名高は蹴り足をつかんで倒したり、左ミドル、膝を返したりはしているが、攻撃の数が少ない。記者採点はゲンカー。
4Rも同じような攻防で、名高も攻撃を返す数を増やし、3Rよりは挽回はしているが、ゲンカーが先手で多く攻撃を当て続けている感がある。記者採点はイーブン。
5Rもゲンカーが前に出続けるが、名高は回ってかわしつつも、随所でパンチやミドルをヒットしつづけ、テクニックで好印象を残す。記者採点は名高。合計49-49でドロー。ジャッジ3者は名高を支持し、名高の判定勝ちとなった。
マイクを渡された名高は「今回は1階級上で、パワーが全然違って、いい経験になりました。たくさん反省点が見つかったので、次はいい試合ができるようにします」と謙虚にコメントした。
第10試合 ライト級 3分5R
○スアキム・PKセンチャイムエタイジム(タイ/ルンピニー認定スーパーフェザー級王者)
×翔・センチャイジム(センチャイムエタイジム/INNOVATIONライト級王者、元WMC日本・MuayThaiOpen・蹴拳ムエタイ・NJKF王者)
2R 0’22” KO (右ストレート)
7月21日のRISEでの那須川天心との再戦を控えたスアキムが出場。1R、終盤にスアキムが圧力を強め、右ストレートを2連打してダウンを奪う。終了間際にも右ストレートでダウンを重ねる。2Rもその流れは変わらず、スアキムが右ストレートで2ダウンを重ねたところで、ソンマイ・レフェリーがKOを宣告した。
第9試合 65kg契約 3分5R
○パコーン・PKセンチャイムエタイジム(タイ/WMC世界ウェルター級王者、元ルンピニー認定ライト級王者)
×松本芳道(KICK-DIET吉野町/元新日本ライト級王者)
判定3-0 (岡林50-48/センチャイ50-46/ナルンチョン50-46)
パコーンは4月のBOMで中野椋太を右ロー一撃でKO。松本は4月のKNOCK OUTで前口太尊に判定勝ちしている。
1R、今回もパコーンが右ロー、左インローを強打し、松本をふらつかせ先手を取る。2Rになると松本もパンチの数を増やすが、クリーンヒットにならず、随所でローをもらい続ける。
3R、松本がパンチを当てていると、パコーンもローだけでなく負けじとパンチを増やし、左ミドルも強打してトータルで技量の高さを印象づける。
4Rもパコーンが随所でパンチと蹴りを当て攻勢をキープ。5Rは松本のパンチをかわしながら時折挑発しつつ、ステップでかわして逃げ切り判定勝ちした。
第8試合 WBCムエタイ世界ミニフライ級王座決定戦 3分5R(インターバル2分)
○ペッデート・ボーサッパッパイ(タイ)
×竜哉・エイワスポーツジム(エイワスポーツジム/WMC世界ピン級王者、ムエサイアム・イサーン・ミニフライ級王者)
判定3-0 (ナルンチョン49-48/センチャイ49-48/シーン49-48)
※ペッデートが王者に
名高が返上した王座を賭けた一戦。竜哉は昨年8月、ノーナクシン主催のスック・ワンキントーンでペッデートに判定負けしている。1R、竜哉が右ロー主体、ペッデートは左ミドル主体の攻め。終盤にかけお互い蹴り数を増やす。2Rも竜哉は右ロー主体にしつつ左ボディ、左ミドルも増やし、全般の攻撃数を増やし、やや優位に。ペッデートはまだひるまず、前に出て圧をかけ左ミドル、右ストレート、組んでの膝等を返し続ける。
3Rも同じような構図だが、ペッデートはペースを上げ、パンチを当ててから組んで膝を連打する場面を増やし、竜哉は終盤攻撃が返せなくなってしまう。4R、序盤こそ竜哉が手数を上げて巻き返したが、中盤以降は再度ペッデートが攻勢になり、終盤は膝の連打で竜哉を追い詰めポイント差を広げる。5Rも同じようにペッデートが中盤まで攻め、前蹴りと首相撲で反撃を封じ判定勝ちした。
第7試合 バンタム級(ノンタイトル戦) 3分5R
×鳩(TSK japan/WMC日本バンタム級王者)
○チェ・ソクヒ[Choi Seok hee](韓国/T-CLUBムエタイジム)
判定0-3 (45-50/46-49/46-48)
※4R左ストレートで鳩に1ダウン
第6試合 LPNJ(ルンピニー日本)スーパーバンタム級王座決定戦 3分5R
×サームシエン・シリラックムエタイジム(タイ)
○朝陽・PKセンチャイムエタイジム(エイワスポーツジム/MA日本フライ級王者、ムエサイアム・イサーン・バンタム級王者)
2R 1’20” KO (左フック)
※朝陽が王者に
1R、お互い慎重だったが、終盤に朝陽が右ロー、左ボディを当てるように。2Rも同じように朝陽が攻めた後、左フックの2連打でダウンを奪い、最後も左フックでマットに沈めた。
第5試合 63kg契約 3分5R
○キヨソンセン・FLYSKYGYM(タイ/FLYSKYGYM/WMCインターコンチネンタル・スーパーフェザー級王者)
×石井達也(フリー/WMCインターコンチネンタル・スーパーライト級王者、元新日本ライト級王者)※藤本ジムから所属変更
判定3-0 (50-47/50-46/50-48)
2Rまでお互い慎重だったが、3R、レフェリーに両者が攻めるよう促されると、キヨソンセンが首相撲で長時間石井を捕まえ、膝と肘を随所で当てて主導権を握る。4R以降も変わらず、石井にほとんど攻めさせないままキヨソンセンが完勝した。
第4試合 54kg契約 3分5R
×一航(新興ムエタイジム/NJKFバンタム級3位)
○HIROYUKI(藤本ジム/新日本バンタム級王者)
判定0-3 (47-50/47-49/48-49)
1R、HIROYUKIがコンビネーションの中で右ローにつなげ、積極的に攻めて先手を取る。2Rからじわじわ一航もパンチ、ミドル、ローを増やし、3Rは少し疲れの見えたHIROYUKIを下がらせる場面も。
4Rは序盤、HIROYUKIが巻き返すが、一航が後半は反撃し手数を上げる。5R、一航はパンチを当てる場面もあるが、口が開いて疲れが濃くなり、HIROYUKIが左ミドル、崩しを多く決め続けて優位に進め、点差を広げ判定勝ちした。
第3試合 58kg契約 3分3R
×川原龍弥(北流会君津ジム/WMC日本フェザー級2位)
○ヨードインシー・シリラックムエタイジム(タイ)
2R 2’42” KO (右フック)
第2試合 スーパーバンタム級 3分3R
×明彦(尚武会)
○加藤有吾(RIKIX)
2R 2’07” KO (パンチ連打)
第1試合 ライト級 3分3R
×将輝・FLYSKYGYM(FLYSKYGYM)
○羅向(ZERO)
判定0-2
※1R将輝に右フックで1ダウン