UFC 2.10 オーストラリア:石原“夜叉坊”暉仁、好勝負も3連敗。アデサニヤ、アンデウソンとのスキル合戦制す
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UFC 234: Adesanya vs. Silva
2019年2月10日(日)オーストラリア・メルボルン:ロッド・レーバー・アリーナ
レポート&写真:井原芳徳
第12試合 UFCミドル級タイトルマッチ 5分5R
―ロバート・ウィテカー(王者)
―ケルヴィン・ガステラム(4位)
中止
第11試合 メインイベント ミドル級 5分3R
○イズラエル・アデサニヤ(6位)
×アンデウソン・シウバ(15位、元王者)
判定3-0 (29-28/30-27/30-27)
ミドル級王者・ウィテカーが前日計量後、ヘルニアを悪化させ緊急手術が必要となり欠場し、タイトルマッチが消滅する事態となり、アデサニヤとアンデウソンのセミメインイベントがメインイベントに格上げとなった。
アンデウソンは17年2月にデレク・ブランソンに判定勝ちして以来2年ぶりの試合となる。17年11月にドーピングの抜き打ち検査で陽性反応が出て、1年の出場停止処分を科されていた。現在43歳。
アデサニヤはナイジェリア出身、ニュージーランド在住の29歳。キックで81戦75勝5敗1分の好戦績を残し、MMAでも15戦全勝、昨年から参戦したUFCでも4戦全勝の快進撃を続け、11月にはブランソンを1Rで粉砕している。下馬評もアンデウソンより上だ。
That hurt him!
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— UFC (@ufc) 2019年2月10日
1R、サウスポーに構えるアンデウソンに、アデサニヤはスイッチを時折しながらプレッシャーをかけ続ける。お互い慎重にフェイントを掛け合う時間が長いが、主導権はアデザニヤ。アデザニヤの右のショートフックでアンデウソンの腰が一瞬沈み、右膝蹴りでアンデウソンが一瞬顔をしかめる場面も。アンデウソンも右フックと右ローを少し返すが、有効というほどの威力は無い。終盤、アデザニヤの左ハイをアンデウソンがバックスウェーでかわす場面が2度あり、反応の良さを印象付け、観客を沸かせる。
2R、アデザニヤの右ミドルをもらったアンデウソンはノーガードで挑発。アデザニヤもノーガードで呼応し、観客を楽しませる。お互い慎重な状態が続いたが、中盤以降、アンデウソンが細いパンチのヒットを増やす。終盤には圧力を強め、パンチと膝の攻撃をまとめるが、アデザニヤのダメージ自体は乏しく、トータルのヒット数はほぼ五分のため、ジャッジの評価は割れる。
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— UFC (@ufc) 2019年2月10日
3R、アデザニヤの左ローで一瞬アンデウソンの膝が落ちる。アンデウソン一流のギミックなのか、本当に効いているのか?再びアデザニヤが左ミドルを蹴って来ると、アンデウソンは蹴り足をすくって金網際に倒してから、飛び膝蹴りを放つ。当たらなかったが、会場を沸かせる。中盤には両者足を止めてのお見合いで体を振ってフェイントを掛け合う場面も。両者とも技術の交換を楽しんでいる様子だ。だがそんな中で、着実にパンチを当てているのはアデザニヤのほう。アンデウソンはクリーンヒットは回避し、防御力の高さを随所で見せつけるが、有効な攻撃につなげられないまま試合終了する。
ジャッジは3者ともアデザニヤを支持。試合直後に両者は抱き合い、判定が読み上げられた後も、マットに正座して頭を下げ合い、互いに敬意を示した。インタビューでアザデニヤは「ずっとアンデウソンのファンでした」と喜びを語りつつ、「ケルヴィン、ベルトはあきらめろ」と、メインイベントのタイトルマッチが消滅した挑戦者のガステラムを挑発した。アンデウソンは今後について聞かれ「わからない。クリチバに帰って家族に会いたいし、クリチバでも試合がしたい」と答えており、故郷のブラジル・クリチバ大会でラストファイトという可能性も高まった。
第3試合 バンタム級 5分3R
×石原“夜叉坊”暉仁(チーム・アルファメール・ジャパン)
○カン・ギョンホ(韓国)
1R 3’59” 裸絞め
石原は昨年6月、UFC初参戦のロシアの新鋭・ピョートル・ヤンに1R TKO負けして以来の試合。昨年は2戦2敗、2連敗中で、UFC戦績も3勝4敗1分と負け越しになってしまった。WOWOW提供のインタビューで「次はいまUFCと結んでいる契約の最後の試合で、負ければもう次の契約はないでしょうし」「だから、負けたら僕は引退するって決めていますから」「でも、それは追い込まれて言ってるわけではなくて、それぐらい今回は自信があるし、世界と闘えると思えているので」と、覚悟と自信を口にしていた。試合では石原らしさも魅せたが、結果的には完敗と言える内容となる。
ギョンホは12年、韓国ROAD FCでのバンタム級トーナメントで佐藤将光らを破って優勝後、13年からUFCに参戦。清水俊一、石原の盟友・田中路教に連勝し、UFC 2勝1敗1無効試合の成績を残した。兵役を経て18年1月に3年4か月ぶりにUFCに復帰し、グイド・カネッティに1R三角絞めで勝利したが、8月のヒカルド・ラモス戦では判定1-2で惜敗している。現在31歳。
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1R、石原がサウスポーに構え、ギョンホの圧力を回ってかわす状況が続く。ギョンホの右ストレートをもらい石原は後退したが、ギョンホが追いかけて右ストレートを放って来たところに、左のオーバーハンドフックをかぶせてクリーンヒットし、ギョンホに膝をつかせる。石原はラッシュを仕掛けようとするが、ギョンホは立ち上がり脱出する。ギョンホはすぐ回復し、少しずつ右ストレートのヒットが増やすと、石原は苦しそうな表情を浮かべるようになる。ギョンホは石原を首相撲で捕まえて、右の膝をアゴに当ててダウンさせる。石原はすぐ立つと、ギョンホ相手に玉砕覚悟のパンチ合戦を繰り広げ、場内を沸かせるが、ほとんどのパンチは空を切り、2度目の逆転の一撃にはつなげられない。石原がフラつくようになると、ギョンホが石原の背後から飛びついてオンブになり、そのままグラウンドに持ち込む。抵抗できない石原に対し、ギョンホは裸絞めを仕掛け、絞め落として少ししたところでレフェリーがストップした。
試合後、石原は笑顔でギョンホと握手し、やり切ったといった表情。石原のUFCとの契約がこのまま終わる可能性のほうが高いが、観客のハートをつかんでおり、再契約の可能性が完全に消えたわけではない。仮に契約が終わったとしても、まだ27歳の石原に、RIZINなどの他のプロモーターが関心を示す可能性は高いだろう。
第10試合 セミメインイベント ライト級 5分3R
○ランド・バンナータ
×マルコス・ロサ
1R 4’55” アームロック
第9試合 バンタム級 5分3R
×ハニ・ヤヒーラ(15位)
○リッキー・シモン
判定0-3 (27-30/27-30/25-30)
第8試合 女子フライ級 5分3R
○モンタナ・デ・ラ・ロサ
×ナディア・カセム
2R 2’37” アームロック
第7試合 ライトヘビー級 5分3R
○ジム・クルート
×サム・アルビー
1R 2’49” TKO
第6試合 ライト級 5分3R
○デボンテ・スミス
×マー・ドンヒョン[Dong Hyun Ma]
1R 3’49” TKO
第5試合 フェザー級 5分3R
○シェーン・ヤング
×オースティン・アーネット
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第4試合 フライ級 5分3R
○カイ・カラ・フランス
×ハウリアン・パイバ[Raulian Paiva]
判定2-1 (28-29/29-28/29-28)
第2試合 ライト級 5分3R
×キャラン・ポッター
○ジェイリン・ターナー
1R 0’53” KO
第1試合 バンタム級 5分3R
×ウリジ・ブレン[Wuliji Buren]
○ジョナサン・マルチネス
判定0-3 (27-30/27-30/28-29)