新日本キック 10.21 後楽園ホール:喜多村誠、T-98を肘で切り裂き4R TKO勝ち。UMAはリカルド・ブラボに完勝しREBELSとの対抗戦は1勝1敗。江幡塁・勝次はKO勝ち
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新日本キック「MAGNUM 48」
2018年10月21日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第12試合 56kg契約 3分5R
○江幡 塁(伊原道場本部/WKBA世界スーパーバンタム級王者)
×デープブリー・オー・デットポン[Thepburi Or.Detphol](タイ/元ルンピニー認定フライ級2位)
3R 2’00” TKO (レフェリーストップ:ボディへの左膝蹴り)
江幡兄弟の弟・塁は6月のKNOCK OUTで小笠原瑛作にKO勝ちして以来の試合。9月から1か月間、オランダのマイクスジム、ヘマースジムに出稽古してきた。対するデープブリーは27歳、戦績112戦87勝(18KO)23敗2分。4月からの最近3試合はタイの東北部のブリラム県、タイの東のカンボジアで3戦し2勝1敗しているという。
1R、塁がプレッシャーをかけ、右ロー主体で攻めるが、左足の動きが少しぎごちない感じで、踏み込みが足りない。テープブリーも反応できている。記者採点10-10。
2R、塁は右ローを主体にしつつ、詰めて右ストレートも放つが、テープブリーはクリーンヒットをもらわず、時折左フック、右ローをお返し。終盤の右ローの相打ちの場面で塁のほうがスリップしてしまう。とはいえまだ大差は無く、記者採点は10-10。
3R、塁はしばらく慎重だったが、左ミドル、左ボディを効かせると、手応えを感じた様子で、圧力を強めボディ狙いの左右のパンチを連打し、最後は組んで左膝をボディに当てダウンを奪う。テープブリーはローブローをレフェリーにアピールしていたが聞き入れられず、そのまま塁のTKO勝ちとなった。
塁は「どんな試合もKOで勝ちます。(伊原)会長、ラジャダムナン、いつでも僕は挑戦できます。僕は必ず取って見せます。皆さんの応援が力になります。僕がもっとキックボクシングを盛り上げて見せます。12月9日(の後楽園大会)、またここに出ます。もっと凄い試合を見せます」とアピールした。
第11試合 70kg契約 3分5R
×T-98(クロスポイント吉祥寺/REBELS-MUAYTHAIスーパーウェルター級王者、元ラジャダムナン王者)
○喜多村誠(伊原道場新潟支部/元日本ミドル級王者)
4R 0’45” TKO (レフェリーストップ:右肘打ちによる頭部のカット)
6月のKNOCK OUTで江幡塁 vs. 小笠原瑛作という、新日本とREBELSのトップ対決が実現。この一戦をきっかけに新日本キックの伊原信一代表、REBELSの山口元気代表が、それぞれのリングでの交流戦実現に向けて意気投合した。REBELS 10月8日 後楽園ホール大会では、日菜太 vs. 緑川創の大一番が組まれ、日菜太が判定勝ち。スーパーウェルター級での対抗戦第2弾が新日本のリングで実現する。
1R、T-98が終始圧力をかける側となりつつ、お互いロー主体の攻防。蹴り数自体は大差は無いが、T-98の右ローのほうが重みが上で、喜多村のほうが左右に蹴り分けている。T-98は終盤に左ボディもクリーンヒットするが、喜多村は耐える。記者採点10-10。
2R、T-98は組んで膝と肘を当てるが、喜多村が右肘を返すと、T-98は少し眉間を切る。出血は少ないが、するとT-98は圧力を強め、ロープに詰めて左右のボディを当てつつ、顔面にもパンチと肘を当てて攻勢に。記者採点10-9でT-98。
3R、T-98は右ロー、組んでの膝、ボディと顔面へのパンチでやや優位に試合を運ぶが、喜多村もローを返し続けて完全に主導権を与えず、左右の肘を時折当て続ける。陣営からも肘を狙えという指示が出続け、終了間際の右肘でT-98は頭部を切られ大出血する。記者採点9-10で喜多村。
4R、開始すぐにも喜多村が右肘を当てると、T-98の出血がさらに激しくなり、少レフェリーはドクターチェックを要請する。再開するが、T-98の出血は止まらず、数十秒続行したところでレフェリーがストップ。喜多村が下馬評を覆し見事逆転勝ちすると、新潟からかけつけた多数の応援団がリング上を占拠した。
第10試合 62.5kg契約 3分3R
○勝次(藤本ジム/日本ライト級王者)
×オートー・オー・デットポン[Auto Or.Detphol](タイ/元ブリラム県バンタム級トーナメント準優勝)
1R 2’12” TKO (レフェリーストップ:左フック)
勝次は前回9月2日の後楽園でタイ人に2R飛び膝でKO勝ち。10月5日から15日までの10日間、タイのペッティンディージムに出稽古し準備してきた。来年3月頃に新日本キック認定の世界王座・WKBA世界ライト級タイトルマッチが内定しているといい、そこまで好調を維持したいところだ。対するオートーは4月から最近3試合はいずれもタイの地方での試合で判定勝ちしている。戦績60戦38勝(5KO)17敗5分。
1R、勝次はサウスポーのオートーに開始早々、右の奥足狙いのローを当て、右ボディストレートも当てる。オートーが左ミドルを当てるが、勝次はすぐさま左ボディフックをお返し。不意を打たれたオートーはダウンする。勝次はその勢いのまま、パンチの連打でロープに詰め、左フックでオートーをマットに沈めた。
試合後、勝次は観客と共に、「1、2、3、ハッピー」の掛け声を上げてリングを降りた。前回の試合でもやっていたが、「KOしたら続けたい」という。
第9試合 73.5kg契約 3分3R
○斗吾(伊原道場本部/日本ミドル級王者)
×ヨードプーパー・オー・デットポン[Yodphupha Or.Detphol](タイ)
1R 0’35” KO (パンチ連打)
斗吾は9月2日の大会でNKBミドル級1位で元王者の田村聖に2RパンチでTKO負けしており、短い間隔ながらすぐに次の試合が組まれた。ヨードフーパーは戦績83戦53勝(5KO)28敗2分の25歳。1R、開始すぐに斗吾が左右のフックの連打を当てると、ヨードプーパーはダウンし、そのまま立ち上がれず、わずか35秒でフィニッシュ。試合後はリングに妻子を上げて涙を流した。
第8試合 67kg契約 3分3R
×リカルド・ブラボ(アルゼンチン/伊原道場アルゼンチン支部/日本ウェルター級王者)
○UMA(K&K BOXING CLUB/元REBELS 65kg王者)
判定0-3 (仲28-30/宮沢29-30/少28-30)
ブラボはアルゼンチン出身ながら伊原道場の内弟子となり、5月に当時日本ウェルター級1位の政斗との日本ウェルター級王座決定戦で4R肘でTKO勝ちしタイトルを獲得。9月2日の後楽園ではREBELSが送り込んだCAZ JANJIRAに判定勝ちし、デビュー以来の連勝を8に伸ばした。今回はREBELSの元王者で、各団体のリングで経験豊富なUMAが送り込まれた。
1R、UMAがサウスポーに構え、ボディに前蹴り、左ミドル、左のパンチを集めつつ、顔面への左フックも時折クリーンヒット。終盤にはブラボを追い詰め好印象を残す。ブラボも右ミドルを返すがUMAの勢いを止められない。記者採点9-10でUMA。
2R、ブラボも右ミドル、右テンカオのヒットを増やし、少し挽回するが、UMAがボディと顔面に巧みに散らす攻撃のほうが好印象。バックスピン、側転蹴りも絡め、終盤には左フックで下がらせる。記者採点9-10でUMA。
3RはUMAが終始コーナーかロープに詰め、ボディに散らしつつ、左のパンチと度々顔面に当て攻勢を維持。ブラボはこれまで同様に右膝、ミドルを時折り返すが、スタミナにも余裕のあるUMAの勢いは止まらない。記者採点9-10でUMA。合計27-30でUMA。ジャッジも3者ともUMAを支持し、UMAがアウェイながらも完勝した。
第7試合 65kg契約 3分3R
○石井達也(藤本ジム/元日本ライト級王者)
×竹市一樹(二刃会/MA日本ミドル級3位)
3R 2’59” TKO (レフェリーストップ)
両者ともサウスポーに構え、2Rから石井がパンチのヒットを増やし攻勢。3Rはローも効かせて竹市をぐらつかせ、左ハイで2ダウン目を奪ったタイミングで椎名レフェリーがストップした。
第6試合 67kg契約 3分3R
×政斗(治政館/日本ウェルター級1位)
○レック・エイワスポーツ(タイ/エイワスポーツジム/WMC日本スーパーウェルター1位、元タイ北部ウェルター級王者)
判定0-3 (椎名28-30/櫻井29-30/宮沢29-30)
第5試合 ライト級 3分3R
×高橋亨汰(伊原道場本部/元日本フェザー級1位)
○TASUKU(CRAZY WOLF)
判定1-2 (椎名29-28/櫻井29-30/少29-30)
お互いスピーディに細かく動くが、カウンター狙いで慎重な戦いが続く。ミドル主体の攻防で、2Rは高橋が左ハイで2度TASUKUをぐらつかせたが、3RはTASUKUがサウスポーにスイッチすると、同じサウスポーの高橋は攻めあぐね、若干TASUKUが蹴り数で勝る展開に。ジャッジ2者は2Rの高橋の有効打を評価せず、TASUKUの判定勝ちとなった。
第4試合 ライト級 3分3R
×ジョニー・オリベイラ(ブラジル/トーエルジム/日本5位)
○渡邊涼介(伊原道場新潟支部/日本7位)
判定0-3 (28-29/29-30/29-30)
第3試合 フェザー級 3分3R
○渡辺航己(JMNジム/日本6位)
×FUJIMON♡(京都亀岡キックボクシングジム)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第2試合 70kg契約 3分2R
○大久和輝(伊原道場本部)
×萩本将次(CRAZY WOLF)
判定3-0 (20-19/20-19/20-19)
第1試合 フェザー級 3分2R
×平塚一郎(トーエルジム)
○瀬川 琉(伊原道場稲城支部)
2R 0’57” TKO (レフェリーストップ:右フック)