KNOCK OUT 7.5 常葉(レポ):K-1推薦 KRESTの石田協、UNLIMITED 66kgトーナメント制し賞金100万円獲得。BLACKワンマッチは福岡の武内晴信、沖縄の川端駿太、広島の宮本雅大がKO勝ちしギャラ倍増
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KNOCK OUT REBELS SERIES.4
2025年7月5日(土)福島・KNOCK OUTアリーナ常葉
レポート&写真:井原芳徳
K-1推薦 KRESTの石田協、UNLIMITED 66kgトーナメント制し賞金100万円獲得
KNOCK OUTが昨年秋オープンした福島県田村市常葉(ときわ)のトレーニング施設「KNOCK OUT TRAINING CAMP常葉」で開催している配信特化型大会「REBELS SERIES」で「優勝賞金100万円 KNOCK OUT FIGHTER UNLIMITED 66.0kg 1DAYトーナメント」が行われた。4月大会では61kg契約でUNLIMITED(アンリミテッド)ルールのトーナメントが開催され、その第2弾にあたる。
大会の模様はYoutube KNOCK OUTチャンネルにて同日正午より生中継され、今回はこのシリーズで過去最多数の1.2万人が視聴した。通常の大会のU-NEXTではなくYouTubeで配信することで、新規のファン層を取り込むのが狙いだ。
KNOCK OUTでは肘有り・オープンフィンガーグローブ(OFG)着用のREDルールをベースとしつつ、倒れた相手に対してのパウンドやサッカーボールキックも認める、オリジナルのUNLIMITEDルールの試合を23年12月から実施している。6月22日の代々木第2競技場大会では、RIZINにも出場しているMMA選手の倉本一真が、キックボクサーの栗秋祥梧に判定勝ちし、UNLIMITEDスーパーフェザー級(60kg)初代王者となる等、MMA・キックの実力者が次々とこの新ルールに挑戦している。
通常のKNOCK OUTの大会だけでなく、TOKYO MXで放送中の「THE KNOCK OUT FIGHTER」のトライアウト企画でも、アマチュアからプロデビュー間もないMMA・キックの選手たちによる、UNLIMITEDルールでの試合が行われてきた。前回4月も今回もルーキー主体のラインナップだが、今回はKNOCK OUTの前身時代のREBELSの王者だった37歳のベテラン・町田光が参戦し、20代の若手たちと100万円を争った。
試合時間は通常だと3分3Rだが、トーナメントであることと選手の経験を考慮し、1R3分・2R2分・3R1分と短めに設定されている。採点はラウンドマストとなっている。UNLIMITEDルールの試合の審判団はBLACK・REDルールの試合と異なり、RIZIN・DEEP・修斗等の審判を担当しているJMOC(日本MMA審判機構)が務めている。
第3試合 優勝賞金100万円 KNOCK OUT FIGHTER UNLIMITED 66.0kg 1DAYトーナメント準々決勝(1) 1R3分・2R2分・3R1分
×町田 光(飯伏プロレス研究所/元REBELS 60kg級王者、元WPMF世界・INNOVATION・MA日本スーパーフェザー級王者)
○三浦健人(パラエストラ広島)
判定0-3 (25-30/25-30/25-30)
町田は37歳。プロ戦績はキック中心に62戦38勝(11KO)21敗3分で、3団体のベルトを獲得し、KNOCK OUTの前身であるREBELSでは度々メインイベンターを務め、近年はプロレスラー活動が中心となっていた。
三浦は23歳。修斗とパンクラスのアマチュアMMAで14戦11勝で、プロでは1戦1勝。
1R、三浦がタックルでテイクダウンを繰り返し、パウンドを当てる。町田も中盤から右ロー、居合ポーズからの左フックを当てると、組んでの膝蹴り、左ミドルを当て、最後は倒して上になり挽回する。
2R、三浦が町田に攻撃される前に組み付いてテイクダウンを繰り返し、パウンドを当てて優位に進める。終盤、タックルを防御した町田が、三浦の後頭部と背骨にパンチを連打したため、一時中断する。町田は1Rにはロープつかみの反則で注意を受けていたため、注意の累積で町田には減点1が福田レフェリーから科される。町田はキックボクサーなため、パウンドの反則ケースをしっかり把握していなかったようだ。
3R、町田が飛び膝を当てる場面もあったが、三浦がテイクダウンを繰り返し主導権を維持し終了する。終了のゴング直後、町田はパンチを軽くではあるが当てたため、レフェリーは再び減点1を科す。町田が持ち味を発揮する場面もあったが、三浦がテイクダウン技術で差を示し判定勝ちした。三浦は疲労とダメージが溜まり、試合終了直後には寝転んだまま「もうやりたくない」と口にしており、準決勝は棄権した。
第4試合 優勝賞金100万円 KNOCK OUT FIGHTER UNLIMITED 66.0kg 1DAYトーナメント準々決勝(2) 1R3分・2R2分・3R1分
○木村亮彦(KNOCK OUT クロスポイント大泉)
×守谷佑介(フリー)
1R 0’44” KO (右フック)
木村はKNOCK OUTアマチュアで2度優勝し、プロデビュー後のキック戦績は4戦3勝(2KO)1敗で、UNLIMITEDルールでは3戦3勝(2KO)と好成績を残している。守谷は静岡県伊東市出身の22歳で、いわゆる地下格闘技で戦ってきた選手だ。
1R、パンチの打ち合いの後、守谷が左ミドルを放つと、木村は蹴り足をつかんで倒すが、攻めあぐね、すぐブレイクがかかる。再びパンチの打ち合いとなると、ガードが甘くなった守谷に対し、木村が右フックをクリーンヒットし、一撃でKOした。木村は短時間決着で、体力温存する形となる。
第5試合 優勝賞金100万円 KNOCK OUT FIGHTER UNLIMITED 66.0kg 1DAYトーナメント準々決勝(3) 1R3分・2R2分・3R1分
○石田 協[かのう](K-1ジム相模大野KREST)
×羽村りょうたろう(CANDY GYM)
1R 1’07” KO (パンチ連打→サッカーボールキック)
K-1 GROUP推薦の石田は23歳で、Krushで22~23年に3戦し2勝(2KO)1敗(当時のリングネームは協)。羽村は29歳で戦績1戦1勝。
1R、両者サウスポーで構え、石田が左右のパンチを当てつつ、組み付いて倒し、押さえてすぐブレイクがかかる。石田は羽村を詰め、左右のストレートを連打しダウンを奪うと、ロープを背にして倒れた羽村に、左のサッカーボールを2連打したところで、植松レフェリーがストップした。
第6試合 優勝賞金100万円 KNOCK OUT FIGHTER UNLIMITED 66.0kg 1DAYトーナメント準々決勝(4) 1R3分・2R2分・3R1分
○高橋秀駿[しゅうと](リバーサルジム立川ALPHA)
×平石公介(和術慧舟會HEARTS)
1R 0’44” KO (スタンドパンチ連打)
高橋はK-1カレッジ2023準優勝者の21歳でアマ戦績15戦10勝5敗。平石はプロMMA戦績1戦1敗の28歳。
1R、髙橋が右ミドル、ストレートを立て続けに当てて先手を取る。パンチが交錯し、平石がタックルで倒すが、その際に右肩を痛めた模様で、スタンドに戻ると、髙橋が平石をロープに詰め、顔面とボディにパンチを連打し、平石がダウンし、髙橋が追撃しかけたところでレフェリーがストップした。
第2試合 UNLIMITED 66.0kg 1DAYトーナメント リザーブマッチ 1R3分・2R2分・3R1分
×タクミ(富士見group)
○テヘランカトウ(和術慧舟會HEARTS)
判定0-3
第1試合 UNLIMITED 66.0kg 1DAYトーナメント リザーブマッチ 1R3分・2R2分・3R1分
―藤橋チャンミン(KNOCK OUT クロスポイント吉祥寺)
―平出雄大(hangout)
中止 (平出の欠場)
第9試合 準決勝(1) 1R3分・2R2分・3R1分
×町田 光(飯伏プロレス研究所/元REBELS 60kg級王者、元WPMF世界・INNOVATION・MA日本スーパーフェザー級王者)
○木村亮彦(KNOCK OUT クロスポイント大泉)
判定1-2 (27-30/29-28/28-29)
一回戦で勝利した三浦健人だが、脳震盪と疲労の影響で棄権し、リザーブファイトで勝ったテヘランカトウも消耗が激しく棄権し、三浦に判定負けした町田が敗者復活した。
1R、一回戦を短時間で勝ち上がった木村がプレッシャーをかけ、右ストレートでダウンを奪うと、そのままパウンドを連打し追い詰める。終盤にも木村が右ストレートで町田をひるませ、優位に進める。
2R、木村はやや勢いが落ち、テイクダウンを奪う場面もあるが、その先は持ち込めず。最後、町田が左ボディを強打し、いい形で終える。かつてトップ戦線で3分5Rの戦いを何度も経験していた町田は、さすが疲れ知らずだ。
3R、首相撲の展開でお互い膝をヒット。最後、町田が居合ポーズからパンチや蹴りを放つが、木村はブロックし終了。差の乏しいまま終わる。2R以降、評価の難しいラウンドが続いたため、ジャッジの採点は割れたが、1Rのポイントを確実に取った木村を2者が支持し、木村が決勝に進んだ。
第10試合 準決勝(2) 1R3分・2R2分・3R1分
○石田 協[かのう](K-1ジム相模大野KREST)
×高橋秀駿[しゅうと](リバーサルジム立川ALPHA)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
1R、サウスポーの石田に対し、高橋がオーソドックスからの右ストレートを当て、前に出る時間も長く、やや優位だったが、最後は石田も前に出て左ストレートを返して巻き返す。マスト判定だが、評価の難しいラウンドに。
2R、組む時間が増える中で、石田の左ストレートがやや目立つが、差の乏しい状態が続く。
3R、石田が左ミドルを高橋の腕に当てるが、スリップしてしまい、高橋が上から追撃しようとするが、石田はしがみつき、すぐブレイクがかかる。その後もお互い目立つ攻撃がないまま終了する。ジャッジは3者とも30-27で石田とつけ、打撃の的確さでやや上回った石田が判定勝ちした。
第13試合 決勝 1R3分・2R2分・3R1分
×木村亮彦(KNOCK OUT クロスポイント大泉)
○石田 協[かのう](K-1ジム相模大野KREST)
判定1-2 (29-28/27-29/28-29)
※石田が優勝
1R、石田が中盤、サウスポーからの左フックでダウンを奪うと、すぐさま左のサッカーボールキックを当て、立った木村をロープに詰めパンチを連打し、フィニッシュ寸前まで追い詰める。その後も石田がパンチ主体で攻勢をキープする。石田がポイントを先取するラウンドで、ジャッジ1者は8-10で石田につける。
2R、石田が倒してからマウントを奪い、木村が下からしがみつくと、植松レフェリーはブレイクをかける。石田が「なんで?」と不満を示す。大会後の総括で山口元気プロデューサーは「MMAだと寝技の展開を動かすためのパウンドも有効ですが、UNLIMITEDルールだと倒しに行くことを重視しているので、フィニッシュにつながらないと判断したパウンドだとブレイクします」と説明していた。スタンドの展開で石田がスリップすると、木村はサッカーボールキックを放つが、石田はかわし、サッカーボールキックの防御でも巧さを印象付ける。
3R、僅差で迎えた最終ラウンド、お互い序盤からパンチを放ちあい、木村が右フックを当てるが、組んだ展開から石田が倒して上になる場面を作り、最後の打ち合いでも差が乏しいまま終わる。やはりジャッジは割れたが、1Rのポイントを確実に取った石田が判定勝ちし、優勝を果たし、賞金100万円を獲得した。
試合後のインタビューで石田は、サッカーボールキックは自然と出た?と聞かれ「サッカーやってたんで、足が先に出ちゃうんですかね」と答えた。強豪校である神奈川の東海大相模と石川の鵬(おおとり)学園でサッカーをやっていたといい、能登半島地震の被災状況を伝えるため、鵬学園や周辺の被害の写真を友人から借りて、大会前の番組に提供したという。グラウンド対策の練習はリバーサルジム東京スタンドアウト代々木上原、五反田のKIZUNA BASE GYMで行い、KRESTの先輩の山崎秀晃の紹介でJAPAN TOP TEAMでも練習したとのこと。
石田は今後について、ムエタイ、MMAへの挑戦にも興味を示し、ホームリングのKrushで始まったOFGマッチについても「めちゃくちゃやりたいです」と話した。UNLIMITEDのベルトについても「是非狙いたいですよね。ベルトって一つの格闘家の目標になると思うので、やっぱり取りたいですよね」と話していた。(上写真左はセコンドについた亀本勇翔。KRESTの選手だがムエタイのIPCC日本王座獲得実績がある)
リング上で山口プロデューサーは「K-1の宮田(充プロデューサー)さんから推薦をいただいて石田選手に参戦してもらったんですけども、こうやって色んな団体から参戦していただくのは非常に良いことだと思うし、今回石田選手が優勝して、俺もここで稼げるんじゃないかと思ってもらえるような、素晴らしい優勝だったと思います。石田選手すごくいい試合したんで、継続的に参戦していただき、KNOCK OUT UNLIMITEDルールをぜひ引っ張っていただきたいなと思います」と話した。
山口氏は大会後の総括で「8月29日の後楽園ホール大会では、常葉大会と同じ八角形のリングを設置して大会を開催します。石田選手にはそこに上がってほしいですね。REDルール、UNLIMITEDルールの試合を組んで、代々木大会に近いような、後楽園大会に見えないような演出をします。来週の会見で詳しく発表します」と話した。
UNLIMITEDルールについては「発展途上中の競技なので、3分2分1分っていうのを今後も継続していくかどうかっていうのも考えながら、いろいろ議論してブラッシュアップしていきたいです。(1分だと)ジャッジがしづらいっていうのもあるので」と語った。次回の常葉でのREBELSシリーズは9月13日に開催し「優勝賞金100万円 UNLIMITED -57㎏ 1DAYトーナメント」を開催する。
BLACKルールワンマッチは福岡の武内晴信、沖縄の川端駿太、広島の宮本雅大がKO勝ちしギャラ倍に
KNOCK OUTのBLACKルールは肘無し・ワンキャッチワンアタックのキックルール。今回はこのルールで、トーナメントの合間に4試合が行われた。
REBELSシリーズの開催される福島県田村市常葉の「KNOCK OUT TRAINING CAMP常葉」は、東北新幹線の郡山駅から車で約1時間の山中にあり、林間学校や合宿で使われていた宿泊施設が元になっている。選手やセコンドは施設に泊まり、併設のサウナで減量ができ、食堂で無料で飲食できる。REBELSシリーズは地方勢も積極的に起用しているが、配信主体の大会のため、地方の選手にとって不利になりがちな、チケットの手売りも必要ない。さらに「ダブルUPボーナス」と呼ばれる、KO勝ちすればファイトマネーが2倍になる制度も設けられている。どこから来た選手でも平等に、倒して勝つことに集中できる環境が、REBELSシリーズの特徴だ。
第12試合 BLACK 63kg契約 3分3R(延長1R)
○武内晴信(TEAM PREPARED/RUSH ON 65kg初代王者)
×浅川大立[ひろたつ](マイウェイスピリッツ/元INNOVATIONフェザー級王者)
1R 2’40” KO (3ダウン:パンチ連打)
武内は大分出身で福岡のPREPAREDに所属する23歳で戦績9戦7勝(5KO)2敗。浅川は山梨在住の43歳で32戦20勝(6KO)12敗のベテラン。
1R、武内が右ロー、左右のストレートを序盤からヒット。浅川は武内のスピードに反応できていない様子だ。すると中盤、武内が右フックでダウンを奪う。さらに武内は右ストレートでダウンを奪う。浅川はダメージが溜まっており、最後は武内が浅川をロープに詰め、パンチ連打で追い詰めたところで、センチャイ・レフェリーがストップした。
マイクを持った武内は「1か月半前に後楽園ホールで(バズーカ巧樹に)1R KOで負けて突っぱね返されたので、今回はいい勝ち方ができて良かったです。福島、自然が多くて、減量のリカバリーもしやすくていいところでした。またKOで勝ちます」と話した。
第11試合 BLACK バンタム級(53.5kg) 3分3R(延長1R)
×前田翔太(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)
○川端駿太(SHINE沖縄/TENKAICHIバンタム級王者)
1R 1’22” KO (左ストレート)
前田は9戦4勝5敗の29歳。川端は12戦4勝6敗2分の27歳。1R、ゆったりした立ち上がりだったが、中盤、川端が左ストレートをクリーンヒットしダウンを奪う。前田は真後ろに倒れると、そのまま立ち上がれず、川端のKO勝ちとなった。
マイクを持った川端は「前回REBELSシリーズで3R KO負けして、そこから考え直して練習して、KOで勝てて、うれしいより安心の気持ちが強いです」と話し、遠路ばるばる沖縄から付き添ったセコンドや関係者に感謝の言葉を述べた。
第8試合 BLACK スーパーフェザー級(60kg) 3分3R
○宇山京介(KNOCK OUT クロスポイント渋谷)
×加古大晴(team Bonds)
判定3-0 (30-25/30-25/30-25)
宇山は2戦1勝(1KO)1分の21歳。加古は15歳の高校1年生で今日がデビュー戦。
1R、宇山が右ロー、左ボディと攻撃を散らしつつ、右ストレートにもつなげ、主導権を握る。2R、宇山が変わらず攻撃を当て続け、終盤、右ストレートでダウンを奪う。
3R、宇山は開始すぐにもダウンを奪う。その後は加古も左ボディ、左右のハイを返し、底力を見せたが、流れは変えられず、宇山が判定勝ちした。
第7試合 BLACK ライト級(62.5kg) 3分3R
○宮本雅大[まさひろ](ハーデスワークアウトジム)
×暖[はる](GOD BLESS GYM)
1R 2’56” KO (右ストレート)
宮本は広島在住、14戦10勝(1KO)4敗の31歳。暖は三重在住、3戦1勝2敗の19歳。試合は経験で勝る宮本が1R終盤、左ローを効かせてから右ストレートをクリーンヒットし、見事KO勝ちした。