ONE 2.28 ルンピニー（レポ）：壱・センチャイジム、フライデーファイツ2戦目は中国の選手に2ダウン奪われるも2R逆転KO勝ちし約160万円ボーナス獲得

ONE Friday Fights 98
2025年2月28日（金）タイ・バンコク・ルンピニースタジアム

レポート：井原芳徳　　写真：(C)ONE Championship

第3試合　122ポンド（55.34kg）契約　3分3R
×ルー・イーフー［Lu Yifu］（中国）
○壱［いっせい］・センチャイジム［与那覇壱世］（センチャイムエタイジム／KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者、元ルンピニー日本バンタム級王者）
2R 2’41” KO (左ストレート)

　壱は27歳。昨年7月にONEフライデーファイツでティムール・チュイコフ（キルギス）に判定勝ちして以来2度目となる同大会出場。以降は8月のムエタイオープンでルンピニーとラジャダムナンの元バンタム級ランカーのファーモンコンに判定勝ち。11月のNJKFと12月のKNOCK OUT横浜武道館大会に渡って行われた「KICKBOXING JAPAN CUP スーパーバンタム級トーナメント」ではNJKFの嵐、INNOVATIONの前田大尊を下して決勝に進んだが、スック・ワンキントーン王者の森岡悠樹とのダウンの応酬の末に2R TKO負けしている。
　対するルーは22歳。キック戦績23戦17勝6敗。昨年10月、ONEフライデーファイツに初参戦し、壱同様にKNOCK OUTを主戦場とする18歳の柿﨑瑠と対戦し判定負けし、今回2戦目だ。

This is MADNESS Issei Yonaha comes back from two first-round knockdowns to score an epic finish in his ONE debut! @isseiyonaha0815 #ONEFridayFights98 | LIVE NOW
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— ONE Championship (@ONEChampionship) February 28, 2025

　壱のONE 2戦目は、年末の森岡戦を彷彿とさせる激戦となるが、今回は壱が冷静な戦いぶりで逆転KO勝ちを果たす。
　1R、壱がサウスポーで構え距離を取り、左インロー、ミドル、前蹴りを当てる。ルーはオーソドックスで構えて前に出続け、ロープ際に詰めると、ワンツーでの左フックを壱のこめかみに当てる。さらにルーが左ストレートを当てると、壱は片膝をマットにつき、レフェリーはダウンを宣告する。壱は負けじとパンチの打合いに応じるが、ルーが右ストレートでまたもダウンを奪う。後の無い壱だが、引き続きパンチの攻防に応じていると、右ジャブと前蹴りを駆使し、距離を取りながら、自分の左ストレートを立て続けに当て、左肘も絡めて巻き返すように。壱は2ダウンしたと感じさせない動きの良さで、最後も右前蹴り、左ハイも当て、完全に主導権を奪い返す。

　2R、壱は前に出て、右のジャブと前蹴りでフェイントをかけ、左インロー、ミドル、肘、ストレートを当て、主導権を維持する。ルーはほとんど攻撃を返せない。すると終盤、壱はじりじりとルーをロープ際まで詰めると、右ジャブを当ててのけぞらせてから、引き続き左右のストレートを放つと、左ストレートがクリーンヒットし、ルーはダウンする。ルーはなんとか立ったが表情が虚ろで、レフェリーがすぐさまストップ。壱は師匠のセンチャイ・トングライセーン会長と抱き合って大喜びした。

　勝利者インタビューで壱は「最初はミドルからハイキックの作戦だったんですけど、1R目ダウンを取られて、会長からパンチと膝と肘で行けという作戦に変わりました。うまく行って良かったです」と試合を振り返った。リングアナウンサーから35万バーツ（約160万円）のボーナス授与が発表されると、壱はONEのチャトリ・シットヨートンCEO、センチャイ会長に感謝の言葉を述べ「これからもONEの舞台に戻ってきて、激しい試合をします。僕はベストバウト量産機です。いい試合たくさんしますのでまた呼んでください」とアピールした。